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ガイモンファンの方ごめんなさい。
原作通りと言うべきか。
グランドラインに行くなら、仲間をそろえ、もっとちゃんと装備された船を手に入れるべきだという事になり、小さな町がある島へ向かおうという流れになった。
その際、『音楽家が欲しい』というルフィの意見は黙殺した。
ゾロもナミも呆れ顔でルフィを見ていたのは言うまでもない。
珍獣島に上陸する事になったのは、何のことはない。ルフィのわがままだ。
船の進路は船長が決める。それが海賊船のルールである。
もっとも、ウチの場合、ルフィがバカな事を言えば、即刻黙ってもらう事になるのだけど…。
ちなみにナミは、バギー一味から頂いた船で航行している。
まだ仲間に入るのは保留状態だからね。
それにまだ、その船には役割があるのですよ。
「島についたぞ!!何もねェ島だなァ!!森だけか?」
「だから言ったのに無人島だって。仲間さがすのにこんなとこ来てどうすんのよ!イオリも何だって…」
「しょうがないでしょ?コイツが船長なんだから!」
「…」
「ルフィ!あんた、もうちょっと考えてから進路を決めないと、ナミが仲間になってくれないかもよ?」
「そうなのか?」
「別に…そんな理由で仲間になるとかならないとか、決めないけど…」
「おいゾロ!下りてこいよ!」
「ゴメン。ルフィ!ちょっとゾロの具合を見ておきたいのよ。」
ちなみにゾロは、寝に入ろうとしているところだった。まだ眠いみたいだけど…
なぜに私が上陸しないかというと、言った通りゾロの傷の確認と現在の力を確認したかったからだ。
それに、ガイモンに興味が無いというのも大きい。
珍獣は見てみたいと思うけど、たぶん見送りにくるのだろうから遠目で見れればそれでいい。
私が居れば、ガイモンを箱から出す事は可能だろうけど、扉絵シリーズでガイモンは箱入り彼女を見つけてたじゃない?
出したら出したでかわいそうな気がするので、ガイモンに会うのはやめておこうと思った次第です。
「それがいいわね。あのケガで戦ったんだもの。」
ナミが同意を示してくれた。じゃあ、私は船に残るって事で!
「そっか、そうだな。よし行こう!」
「どこによ!」
「森の奥に誰かいるかも!」
「猛獣か化け物ならいるかもね」
「ルフィ!、これ、持っていきなさい!」
「おっ!弁当じゃん!!肉、入ってるか?」
弁当を渡した途端に、予想通りの質問が飛んできた。
「たっぷりね。あんたの好みの塩味よ!」
言うと、嬉しそうに満面の笑みを浮かべるルフィ。もちろん野菜も入ってる。
「はい、ナミの分はこれ。ルフィ!ナミの弁当にはみかんがついてるけど、あんたもほしい?」
「おう!くれ!!」
私はルフィにみかんを投げて渡した。
「自分のだけを食べなさいよ?ナミの弁当に勝手に手を出したら後でお仕置きね!!」
「わーってるよ!!」
ちなみにナミの弁当は野菜多めである。
「何で弁当?」
「こいつら、航海では何の役にも立たないのよ。勝手に食べろとも言えないから、作れる時にこうやって料理をつくっておくわけ。言ったでしょ?コック代理も兼任なのよ。」
「た、大変ねェ…」
「とりあえず、アイツの事よろしくね?」
ルフィとナミが森の中へと入っていく。
さて…私は言った通り、ゾロの具合を見るとしますか。
ゾロの傷を確認したところ、信じられない事に抜糸が出来るほどの状態だった。
「なんだよ?もしかして、ヒデェ事にでもなってんのか?」
「逆ね。信じられない事だけど、きれいに傷はつながってるわ。普通なら1、2週間くらい、消毒とかを繰り返した後、抜糸になるんだけど…」
「じゃあ、問題ねェんだろ?」
「まぁ、そうだけど…」
透視で見ても、中も普通に見えるんだよなぁ…。
ゾロの言う通り、ケガの治りは問題ないけど、別の意味で異常だよ。魔人か何かの血でも混じってんじゃないの?
「?」
「よし、抜糸するか!!」
~ ~ ~ ~ ~
「すげェな…狭い船内じゃ、なんも出来ねェかと思ってたが…。なるほど便利な能力だな。」
「まぁね。でも、私が居ないと使えないけどね?」
私とゾロは自分たちをミニ化して、持ってきたミニチュアの鍛錬場に入った。そこで、少しゾロと稽古をしたわけだ。
お互い強くなってた事を確認したけど、やっぱりかぁ…。
こいつ、やっぱり基礎練メッチャ短かっ!!って感じ。くいなが言ってたことを思い出したよ。
基礎錬を飛ばしているわけではない。一応基礎練をやってるけれど、なんとな~く流してる感じ?
やらないよりはマシなんだろうけど、きちんとやればもっと力になるのにな…。
基礎練は日々行うもの。継続は力なり。その根幹となるものなんだよ。
単調で単純な動作の繰り返し。けれど一番大事(と、私は思っている)なのが基礎錬なのです。
確かにゾロは強い。けど、本来強さとは、土台がしっかりしていてこそだと私は思う。
土台が小さいままだと、いくら技を鍛えたとしても、本当に強い相手と戦った時に土台が耐え切れずに崩れてしまう。
一番危険な事は、そこで心が折れてしまうこと。そうならないためにも早めに土台を強固なものにしないとマズイと思う。
近いうちにリベンジして、きっちり基礎練習を叩き込んでやろうと思ってたんだけど、ゾロのほうから聞いてきた。
っていうか、昔負かした相手が同じくらい?強くなってたことに腹を立ててる感じだった。
「イオリ、おめェどんな特訓しやがったんだ?おれに教えろ!」
「…っていうかゾロ、あんたさぁ…、基礎練短すぎない? 実は、くいなも心配してたのよ。もっとちゃんとやったほうがいいわよ?だから私が、特訓したとか思っちゃうんだから。」
「なっ!!?なんだとっ!!」
「ゾロ!!くいなから教わったことを、あんたに全部、教えてあげる!!基礎をより強固にすれば、あんたは絶対にもっと強くなれるんだからね!」
「…お…おう………」
私は、くいなから教わったことをゾロにそのまま教えた。ゾロもくいなの名を聞き、その想いも知ってるから、黙って私に教わった。それから毎日黙々と、基礎練を結構長い時間続けるようになった。
そして、これも大事!!
「何だこりゃ?」
ゾロの手を持って、手から先、刀を含め武装硬化を施した。黒くなった拳と剣を見てゾロが素っ頓狂な声をあげる。
「これが『武装色』という名の『覇気』の力よ。」
「覇気?」
「覇気っていうのは、人間が誰しも持ってる気の力。種類としては、今見せた『武装色』と気配を察知する『見聞色』、相手を威圧する『覇王色』という3つがあるの。シェルズタウンでバカ息子の気配を私が探り当てたでしょ?あれが見聞色。」
「そんな力がある事自体、初めて聞いたな…」
でしょうね。東の海ではそうそうお目にかかれるものじゃないからね。お前の師匠は使えたと思うけど?
「武装色は体が出来上がっていないと修得が難しいの。だけどあんたなら、すぐにでも基本は使えるようになるんじゃないかと思ってね?」
「刀が黒刀みてェになるんだな…」
「わかりやすく言えばそうね。武装色はあらゆるモノを強固にするの。刀は黒刀と同じく硬くなる。覇気はその練度によってその効果も強化される。同じ覇気でもより練度の高いほうが強いという事よ。」
そもそも黒刀なんて剣は存在しない。あれらは全て”成った”もの。永い間、覇気を流し込んだ後、刀は黒刀へ変化する。
教える事でも無いと思うので黙ってますけど。どのみちワノ国で知る事になるのだし…
「つまり、覇気を強化すればより強くなれるって事か…」
「そういう事。まずは感覚を覚えなさい。」
効果が消える都度、ゾロの腕を持って武装硬化を施す。感覚を研ぎ澄ませているのだろうか?
私が腕を持つと目を閉じている。
「こうか?」
おぉ…!!一瞬だけど、ゾロの拳に覇気が発現した。
「すごいじゃない。やっぱりゾロは、スジがいいのね。」
「…褒めても何も出ねェぞ!」
あらあら、顔を赤らめちゃって。なんか、かわいいわね。
「でも、難しいな…。結構集中しなけりゃまだ無理だ。」
「1時間程度で発現するって事は、たぶんあなたはこれまでにも使えた事があるはずよ?気づいていなかっただけでね。」
「…」
その言葉で、ゾロは幾度か経験したある体験を思い出す。
それは死を意識した時の事だ。体がとても軽くなり、全身の力が程よいくらいに抜け落ちて、周りの様子が手に取るようにわかる感覚…。もしかして、あれが見聞色か?
そして、その時振るう刀は、なんでも斬れるような気がした。敵を斬り伏せるのはいつもの事だが、疲れ果てた状態なのにも関わらず、そんな感覚を持てていた。あの時…もしかしたらおれは覇気ってやつを使っていたのかも知れねェな…。
「いろいろと、やらなきゃならねェ事が増えちまったな。」
「人に見られたくないからって、あんまり夜中に励まないようにね?」
「ここを使うには、おめェが居ねぇと出来ねェからな!!」
これで、ゾロの昼寝も少なくなるかしら? ムリか…
訓練を終えて元の大きさに戻ると、ちょうどルフィとナミが帰って来た。ガイモンも見える。
ルフィは結構な量のフルーツ各種を抱えていた。ガイモンにもらったらしい。
ガイモンって…なんかすごくシュールな絵ずらだ。2頭身に見えなくもない。
「ワンピースはお前が見つけて、世界を買っちまえ!!」
「ああ、そうする!!」
原作通りの会話を交わし、ルフィは船へと乗り込んだ。
ガイモンと珍獣たちに見送られ、2隻の船は元の航路へと戻るのだった。
ちなみに…
原作と異なる事態?が発生していた。宝箱の一つに地図が入っていたらしい…
「イオリ!この地図って、どこかわかるか?」
ルフィが渡してきたのは、崖の上の宝箱に入っていた地図との事だ。ガイモンからもらったらしい。
何のメモ書きもなく、地図だけ入っていたそうな。しかも鍵なしの宝箱に…
ナミはいたずらだろうと言っていたとの事。そりゃそうだ。こんな汚い手書きの、しかも走り書きのような地図なんて…。
でもね…この形はめっちゃ見覚えがあるんですけど?
地図の左上には『スカイピア』って書いてあるのが見える。形からしてこれは…アッパーヤード?
誰?このきったない地図書いたのは?
それに、この地図すごくない? 大鐘楼の場所とかシャンドラの遺跡の位置まで書いてあるわよ!?
さらにそこに行く為に、『突き上げる海流(ノックアップストリーム)に乗るべし!』とまで?
なんじゃこりゃ?
「…ちょっと…わからないわね。…東の海ではないみたいだけど…」
「そっか、わかんねーならしょうがねェな!!」
ルフィはそのまま外に行ってしまった。
私に渡したまんまで終わり?場所がわかんないからもう興味なしってか?
とりあえずしまっておくか。後で役に立つ事もあるだろう。
実はその地図は、その昔…シャンクスがロジャーにもらったものだった。
海賊になって初めて宝を見つけ、茶目っ気でその地図を空の宝箱に入れた。
まさかそれをルフィが手にする事になるとは…
おそらく、イオリ達がこの事実を知る事は無いと思われる。
~ おまけ ~ イオリのひとり言…
ぶっちゃけ、迷子改善はあきらめています。
なぜなら、目の前を走る人さえ追う事が出来ないから。
不思議だわ。敵を追う時は大丈夫なのにね?
あれはね、方向音痴とは違う気がする…
じゃあ何さ!って?
たぶん、不治の病だと思います。
ちがうか…