当然ながら、この辺りの地理に最も明るいのはウソップだ。だから、ウソップをメインに作戦会議を始めたんだけど…
「やつらは明日の夜明けと共にこの海岸から攻めてくる。けど、ここから村に入るには一本道の坂を通らなきゃならねェ」
「それはどうかしら?」
原作通りの展開だけど、黙って流されるわけにはいかない。
「ここで密会してたからって、ここから攻めて来るとは限らないわよ?例えば私たちが上陸した海岸とかもそうだし、他にも上陸可能な海岸とかもあるんじゃないの?」
「…確かにそうだな。でも上陸可能なのは、こことその北の海岸の2ヶ所だけだ。しかも、どっちも地形は同じ。一本道の坂で、あとは絶壁」
なるほどね。シロップ村が今まで海賊に襲われなかった理由がよく解る。
攻め難く守り易い土地に、特産も特色も無い村がある。
何かしらの理由がなければ、海賊だってわざわざこんな場所を襲わないだろう。
「だとしたら、上陸するのは私たちが上陸した海岸だと思うわよ?」
「なんでだ?」
「ジャンゴがそっちから来たんでしょう?たぶんボートで上陸したんじゃないかしら。わざわざ海賊船の無いほうから上陸するとも思えないし、間違いないと思うけど?」
というか、そうでなければ密会場所にボートをつけるでしょ?
それに、ジャンゴの気配を追っているので確実なのよね。それほど遠くない場所にまとまった気配も感じるので、たぶんそれが海賊船だろう。
覇気については、説明がめんどくさいので言わない事にする。
「なら、向こうで待ちましょ!」
提案してきたのはナミだった。
「攻めて来る時間は解ってるんだから、その時が来ても海賊が攻めて来なかったらこっちに来ればいいじゃない?」
ナミの提案は堅実だ。確実性の高いほうに布陣しておく方がいいからね。
~ ~ ~ ~ ~
私たちは、北の海岸へ移動した。ちなみに宝は収納貝に入れて私が持っているので、船の中には置いていない。坂道の上に布陣しても問題ないだろう。
「ところで…お前ら、何が出来るんだ?」
ウソップが尋ねた。
「斬る」
「伸びる」
「盗む」
「小さくする」
順に、ゾロ、ルフィ、ナミ、私が答える。
「伸びるとか小さくするとかって、何だよ……ちなみに、おれは隠れる」
「「「「お前は戦え!」」」」
私たちは見事なユニゾンツッコミをかましたのだった。
海賊船が攻めてくる。クロネコ海賊団はそれなりに有名な海賊だ。賞金首になっているのは船長であるジャンゴと、ニャーバン・ブラザーズ。それ以外は一般クルー…。
要するに雑魚クルーが何十人かいるわけだ。
「その情報はどこから?」
私が敵の情報を披露したら、ナミに聞かれた。
「この辺の情報は、海軍に問い合わせればある程度手に入るわよ?海賊団の規模がわからなければ賞金稼ぎなんて商売は成り立たないでしょ?」
「なるほどな」
ゾロが言うけど、賞金稼ぎをやってたヤツがこれを知らないっていうのもどうなのかな?
「まぁ、中にはそんな情報なんて無くても、一人で殴りこむヤツも居るけどね?」
「いるよな、そんな無謀な事するヤツも。」
おめェの事だよ!!
「って事は、賞金首はともかく、一般クルーを止めなきゃいけねェって事か…。」
という事で、原作通りの作成の準備が始まった。
「よし、完璧だ!!奴らは、この敷きつめられた大量の油によって、坂道を登れねェ!!」
坂道の中間あたり。道幅いっぱい、長さ5mほどに大量の油が敷き詰められた。勾配もいい具合で、油がそこそこ留まっている状態だ。
「奴らがこの坂で滑っているスキにブチのめす作戦だ。何がなんでもこの坂道は守り抜く!!」
ウソップが作戦?を説明する。
「逆に自分たちが滑り落ちないように気を付けないとね」
ナミが言うけど、ほんとに気を付けてほしいな。
「お前、よくこんなチョコザイなこと考えるよな…」
ルフィが座りながら油の滑り具合を確かめながら?言った。
あんたも気をつけなさいよ?
「そりゃそうだ!!おれはチョコザイさとパチンコの腕には絶対の自身を持ってんだ!!」
ウソップがそう宣言したと同時に、朝日がのぼる。
「!」
「夜明けだ」
「来るぞ!!」
私の見聞色の有効範囲はけっこう広い。ジャンゴの気配を覚えてたから、昨日の夜の時点でどこに居るのか把握済。
ぶっちゃけ村を守るだけなら、夜のうちに奇襲をかけて、船を沈めてもよかったんだけどね?
なぜそれをしなかったのかといえば、何度も言っているけど、原作通りの流れにしたいと思っているのと、みんなの糧にする為だ。
クロネコ海賊団との決戦が開始されようとしていた。