魔法科高校の遊戯王   作:アルピ交通事務局

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遊戯王と魔法科高校の劣等生は相性良いかもと思って書いてみた。
テイルズ?ポケモン?知らない子ですね。


魔法科高校の遊戯王

 2095年、間もなく世紀末と言ったところだろう。

 2000年代に魔法が発見され高度に文明が発達したこの世界、とある男が……藤木遊作はベッドの上で目を覚ます。

 

「5時か……」

 

 今日は魔法科第一高校の入学式がある。

 早目に起きないといけないと思っていた遊作だったが予想以上に早くに目を覚ました事をボソリと呟く。二度寝をするのには短い時間で、かと言って朝食を頂くのも早すぎる時間帯。どうやって1,2時間潰そうかと考えていると彼の腕輪型の魔法を使用する杖代わりとも言うべきデバイス、CADからギョロリと黒い目が出現する。

 

『おいおい、こんなに早くに目を覚ますとか小学生かよ』

 

「黙れ……俺だって好きで起きたんじゃない、薬を飲んでもこうなんだ」

 

 とある事情でPTSD的なモノに悩まされている遊作。

 黒い目玉に言った様に薬を飲んだり安眠道具を使ったりと色々と手段を用いてはいるものの効果はあまりなく、嫌でも早くに目が覚めてしまう。

 

「それよりもなに人のCADに潜んでいるんだ。さっさとパソコンに戻れ」

 

『そうカッカしないでくれよ、相棒。お前の楽しい青春を、学生ライフをオレにも見届けさせてくれよ』

 

「誰が相棒だ……Ai(アイ)、お前は存在自体が厄介なものなんだ。分かってるのか?」

 

『モチ!でもさでもさ、ホントによかったのか?』

 

「なにがだ?」

 

『魔法科高校に入学してさ。魔法師って奴は選民意識の強い馬鹿が多いし、何よりも第一高校自体地雷だらけだぜ?』

 

「別に、関わり合いさえ持たなければそれでいいだけの話だ」

 

『知ってっか?そういうのをフラグって言うのを』

 

「なにを言い出すかと思えば、俺の知り合いの魔法師は第一高校には進学していない。尊なんて魔法師とは関わり合いを持ちたくないと一般に……」

 

 魔法科高校で穏便な学生生活を送る。

 もしかしたらと真の目的を果たす事が出来るかもしれないと心の何処かで思っている……だが、平穏ならばそれはそれで構わない。平穏や平和がなんだかんだで1番である。

 

「ナンバーズが世に蔓延るのも事実だ……海馬の奴はそれを理解して……」

 

 いや、これ以上は考えるのは止めよう。

 今日から楽しい魔法科高校の学生ライフがはじまるのだからめんどうな厄介事は気にしないでおく事にする。人間、時には厄介な事を頭から綺麗さっぱり消え去ると遊作はベッドの上から出て顔を洗いに行く。

 

「おぉ、遊作早いの」

 

「爺ちゃん」

 

 顔を洗いに洗面台に向かえば義理の祖父の武藤双六に会う。

 こんな時間帯に目を覚ましているのは自分だけではなかったのかと思っていると双六はニコニコする。

 

「やっぱり入学式というものはワクワクが止まらないんじゃな」

 

「違うよ、ただ単に早くに目が覚めただけだ……別にワクワクが止まらないとかそんなんじゃない」

 

 自分にその手の感情が薄いという自覚はある。

 元々感情が希薄なのでワクワクという感情は薄いのである。ともあれ互いに早くに目が覚めてしまった者同士、ここでは何だと双六はコーヒーをコーヒー豆を挽いた物を使って入れる。

 

「しかし、ホントによかったのかのぅ?魔法科高校になんぞ入学して」

 

「魔法師が怖いの?」

 

「いやいや、別にそういうわけじゃない。魔法師はその……裏で色々ととんでもない事をしておるからの、第一高校には十師族が2人も居て最上級学年じゃ……まだ大人じゃないし、間違った価値観や考え方を持っているかもしれん」

 

「爺ちゃん、どうやってそんな情報を」

 

「昔の伝手じゃよ」

 

 若い頃は中々にヴァイオレンスで無茶をしていた双六。

 義理だが愛する孫が通う高校がホントに大丈夫かどうか調べている。老婆心はここにありと言ったところだろうか。魔法科高校の入学に対して色々と双六は懸念を抱くのだが遊作は既に行くところにまで行ってしまっているので止まることはもう出来ないのである。

 

「じゃ、行ってくる」

 

「いってらっしゃい。ワシは店があるから入学式に行けんがクラスメイトとは仲良くするんじゃよ」

 

「うん」

 

 双六の入れてくれたコーヒーのお陰で意識がハッキリとし目を覚ましていく遊作。

 遊作は少し早目に学校に向かった。

 

「Ai、分かっていると思うが黙っていろよ」

 

『あちゃー気付いてたか』

 

 学校に向かう通学路の途中で遊作はなんだかんだでCADに紛れ込んでいたAiに釘を刺す。

 Aiの存在が露見されると色々とマズい。ただでさえ厄介な地雷原の魔法科高校でAiが見られるのは非常にマズいのである。

 

『大丈夫だって。お前の楽しい青春学生ライフをオレは見守るだけだからさ』

 

「……」

 

 ホントに大丈夫なのだろうか?と遊作は心配する。

 Aiは妙なところで抜けているので俺がしっかりせねばと魔法科高校に足を運んだ……

 

「……これか」

 

 学校の敷地内に足を踏み入れた遊作は違和感というか視線を感じる。

 原因は何なのかは分かっている。第一魔法科高校は一科生、二科生の制度がある。凄く簡単に言えば実技の成績のいい奴は一科生と成績の悪い奴は二科生と分けられており、一科生の制服には花の刺繍がついており二科生の制服にはなんにもついていない。

 遊作の制服には花びらの刺繍が入っていない、つまりは二科生である。二科生の事を雑草と呼んだりする差別的な思考がこの魔法科第一高校には蔓延っている。

 

「……あの時、発作が起きなければ」

 

 魔法師として腕は一級品だと言ってもいい遊作だがPTSDを患っている。

 PTSDの発作が起こった遊作は魔法科高校の実技試験でいい結果を残すことが出来なかった。なので二科生に収まっている。試験というのは実に残酷でやり直しが効かず今に至る。僅かばかり後悔はあるものの、魔法科高校に通うと決めた時点で腹は括っている。名誉挽回のチャンスは無いけれども、それなりに頑張るしかない。

 入学式開始までそこそこ時間があるので適当に時間を潰すかとタブレットタイプの電子書籍を取り出して近くのベンチで涼む。

 

「納得がいきません!本当ならばお兄様がトップの筈です!!」

 

「深雪、それは仕方が無い事なんだ」

 

 ベンチで涼んでいると男女二人組がやって来た。

 一人は雪の様な美しさを持っているが遊作はそんな容姿には大して興味は無く、なにに対して文句を言っているのかと疑問を抱いた。

 

「見てください!筆記試験はトップに近いじゃありませんか」

 

「……」

 

 女子の制服には花びらの刺繍が入っており、男子の方の制服には花びらの刺繍が無い。

 どういう関係性なのか些か気にはなるが文句の内容には共感できた。……が、しょうがない事であるのは事実。魔法科高校は実力主義の世界、実力が備わっていないのに一番だの一科生じゃないだなんだと文句を言っても意味が無い。幾ら筆記試験が満点に近くても実技がダメならば意味が無い。現に自分もそれが原因で落ちた。

 

「……っ、お兄様!」

 

「どうした深雪?」

 

「あの方は!」

 

「あいつは……」

 

 仲がいいなと感想を抱いていると件の二人組が遊作の存在に気付いた。

 厄介な者には関わり合いたくないと遊作は視線を合わせず我関せずにいたのだが、その二人組の男女は遊作に近付いてくる。

 

「お久しぶりです」

 

「……?」

 

 ペコリと頭を下げるは女子の方だ。

 なにに対して頭を下げているのか遊作には心当たりが無い。

 

「まさかこんなところで再会をするとは……お前も二科生なのか?意外だな」

 

「……すまないが、お前達は誰なんだ?」

 

 普通に接してくる二人組だが遊作は心当たりが無い。こんな知り合いは居たかと過去の記憶を探ってみるのだが、心当たりがまるでない。

 本当にこいつ達はいったい誰なんだ状態である。

 

「俺達を知らない……悪いがお前の名前を聞いていいか?」

 

「藤木遊作だ……こっちが自己紹介をしたんだ。そっちも自己紹介をするのが筋じゃないのか?」

 

「藤木遊作……すまない。俺は司波、司波達也だ」

 

「司波深雪です……覚えていないのですか?」

 

「少なくとも俺はお前達2人の事は知らない……何処かで会ったとしても記憶に無い。何処で会ったんだ?」

 

「3年ほど前に沖縄で」

 

「俺は生まれてから一度も沖縄に行ったことはない。人違いだろう」

 

「そう、ですか……」

 

 ホントに心当たりが無いので遊作は顔を困惑で染める。

 深雪が自分に対して恩義があるかの様な視線を向けては来るものの、ホントに心当たりが無いのである。なんだったら今が初対面である。

 

「お兄様、私はここで」

 

「ああ、答辞を見守ってるよ」

 

 深雪は達也にペコリと頭を下げて講堂に向かって行った。

 残された達也は遊作の座っているベンチに座った。

 

「ホントにお前じゃないんだな?」

 

「しつこいな、お前も。俺は沖縄になんて行った覚えは無い。第一、沖縄に行って何をしたと言うんだ?」

 

「それは……」

 

「答えられない事を誰かに見られる真似を俺はしない。お前が会ったのは人違いなんだろう」

 

 これ以上は関わり合いは持ちたくはないと遊作は席を立つ。

 達也は最後まで遊作に対して疑惑の視線を向けてきておりそれが鬱陶しくて仕方がなかった……文句を言ってやろうかと思ったがめんどくさいことになるのは必須、入学式前に揉めていては話にはならない。少し早いが講堂に向かうかと講堂に向かうと二科生がこんな早くからと言った視線を向けて来られる。

 

『ここまで選民意識とかエリート意識が強いとむしろ引くわ』

 

「黙っていろ……最後尾でいいか」

 

 この鬱陶しい視線に耐えつつも遊作は講堂の最後尾の席に座る。

 

「隣、いいか?」

 

「ああ、別に構わない」

 

 最後尾の席に座っていると隣の席に二科生の男子が座る。

 

「オレは西城レオンハルト、レオって呼んでくれよ」

 

「藤木遊作だ、遊作でいいぞ」

 

 早速最初の友達が出来そうである。




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