魔法科高校の遊戯王   作:アルピ交通事務局

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一発ネタなのでお気になさらず。


魔法科高校の遊戯王7

 

「以上が第二体育館で起きた魔法の違反使用及び暴動の報告となります」

 

 桐原がカッとなって高周波ブレードを使い遊作が剣術部員を全て殴り飛ばした暴動を部活動会頭である十文字に達也は報告をする。

 元々険しい顔の十文字だが報告の内容を受けて眉に皺を寄せる。去年も一昨年も魔法の違反使用者の生徒は出てきたのだが、まさか初日からこんな大きな事件が巻き起こるとは思ってもみなかった。

 

「そうか……初日からご苦労だったな。報告書を纏めれば今日はもう終わりで構わない」

 

「……はい」

 

「まさか剣道部と剣術部がトラブルを起こすとはな」

 

「周りの新入生も最初はデモンストレーションかなにかだと思ってたみたいよ」

 

 同じく報告を受けていた摩利と真由美も困った素振りを見せる。

 新入生歓迎の為に魔法を行使する無茶を色々と困った事だが今回のは危うく大怪我を負わせるところだった。

 

「藤木に殴り飛ばされた生徒はどうなっている?」

 

「全員軽い脳震盪の様な状態になってて気絶だけで済んでいます……ただ」

 

「なんだ?」

 

「桐原先輩が今回の一件で最も重症です。目の前で高周波ブレードを突き刺されたので心的外傷をと保健室から」

 

「そうか……桐原はカウンセリングを、剣術部員は二週間の部活動停止を」

 

『おいおい、危うくどころか冗談抜きで人を殺せる魔法を相手に向けたのに最初から無かった事にするつもりかよ!』

 

「……っ!?」

 

「俺のCADに搭載されているAiの声です、気になさらずに」

 

 部活動を禁止にする事で処罰をくだそうとする十文字だったがここでAiが間を割って入ってきた。

 桐原が使った高周波ブレードは明らかに人を殺す為に使われる魔法であり、少しでも人に触れた時点で大怪我を負わせるものだった。それを使用したのに、しかもキレて人に向けようとしたのに2週間の部活動停止、あまりにも軽い。

 剣術部が剣道部のデモンストレーションを邪魔して入った事件でここで魔法が使用されていなければ十文字が降した判断は間違いではない。しかし、今回は殺傷性の魔法が使われた。森崎の時とは違い発動する前に防ぎ切る事は出来ず、発動してから達也は対処した。

 

『会頭さんよ、ウチの遊作ちゃんは何時になったら帰してくれるわけ?お前がこのまま今回の一件を軽い揉め事で誤魔化すって言うならば遊作にはなんの罪も無い……なにせ遊作は1回攻撃を受けたから正当防衛を取っただけだからな』

 

「……」

 

「そう睨んでもなにも出ない」

 

 Aiの意見を聞いてこの場に連れて来られて放置されている遊作を睨む。

 今回の一件を軽い揉め事で誤魔化す、最初から無かった形にするつもりなのだろうがそれならば遊作もなにも無かった事にしなければならない。遊作は一度剣術部員の攻撃を受けてから剣術部員を殴り飛ばした。正当防衛か過剰防衛かと聞かれれば過剰防衛だが多勢に無勢、竹刀という武器を持ってる上での事だった為にやり過ぎだとは言い切れない。

 

「……森崎の件といい剣術部の件と言いCADの使用をもう少し厳しく、それも内包されている魔法も制限をした方がいいんじゃないですか?」

 

 ここで遊作は至極真っ当な事を言う。

 

「……司波、藤木が剣術部員を魔法を使わずに倒したというのは本当なのか?」

 

「はい……魔法は一切使用していないです。純粋な身体能力と技術のみで倒していました」

 

「おい、無視をするな。大体、事実確認を取りたいのならば達也が持っているレコーダーで記録を確認すればいいだけだろう」

 

「目に映るものだけが全てではない。その時の状況を鮮明に覚えている者から聞いてはじめて分かる情報もある」

 

『物は言いよう……で、桐原は退学か?未遂どころか冗談抜きで壬生に殺傷性の高い魔法を向けたんだからよ』

 

「桐原の処遇についてはこちらで決める」

 

『うわぁ、色々と適当な言葉を曖昧に並べて誤魔化すつもりだ。森崎の件といいお前等、魔法師としてエリートだからって調子に乗ってんじゃ』

 

「黙っていろ……騒ぎを最初から無かった、剣術部が剣道部のデモンストレーションに茶々を入れてきて少しだけ揉めたで終わらせるなら帰らせて貰いたい。この問題をそこで終わらせるならば俺もこれ以上は余計な事は言わない」

 

「……藤木、お前はもう帰っていい」

 

「なら帰らせてもらう……俺がここで終わりならば、これ以上は掘り下げるつもりは無い。だが、こんな事が続くんだったら例えそれが十師族であろうと関係無い。世間と世界を敵に回すように仕向ける……仏の顔も3度までだ」

 

 帰ってもいい許可が出たので遊作は部活連会室を出ていく。

 このまま遊作を帰していいのかと、事件の当事者でもっと事情聴取等をしなければならないのではないのかと摩利や真由美は思ったのだがその場では口にはしない。

 

「まさか剣術部員を一撃で殴り倒すとは……」

 

 報告書を見て言葉も出ないと言った摩利。

 実戦的に鍛え上げられている剣術部員、魔法の使用をしなくてもその辺の奴等には負けないのだが遊作はその辺の奴等ではない。とある不良グループと関わり合いがあり、遊作は手を出すつもりも目立つつもりも無いのだが喧嘩は馴れている。

 

「これでいいの、十文字くん?」

 

 遊作に対してもなんらかの処罰を与えた方がと思う真由美。

 これ以上は藪蛇を突く真似をしてはいけないのだが喧嘩両成敗と言う言葉もある。このままで大丈夫なのかと十文字尋ねると十文字は険しい顔になる。

 

「今回の一件、下手に騒ぎを大きくするなと学校側から通達があった。藤木に対してなんらかの処罰を下せば藤木は森崎の一件と桐原の魔法の一件を大きくするつもりだ」

 

「……最初から無かった事にするんですね」

 

 遊作が問題を大きくしたのならば第一高校どころか魔法師全体の目が厳しくなる。

 まだ入学式が始まってから1か月も立たない内に新入生が特化型のCADを人に向けようとし上級生が魔法を起動して攻撃しようとした。この一件が世間にバレてしまえば魔法師に対する反感等の思想が強まる。今回の一件はコレで終わり、これ以上はなにも言わない事にしておく。

 達也は最初から無かった事にしておく事が一番適切な判断だが思わずボソリと呟いた。自分的にも被害は特に無かったのだが遊作が間違っている事に気付かないと言って来た事をふと思い出す。最初から無かった事にするのが最善の手だが、常人から見ればそれは狂ってるとしか言いようがない。普通科の学校で例えるならば暴力問題を無かった事にして誤魔化そうとしている。

 

「ああ、この一件はコレで終わりだ。司波、もう上がってもいいぞ」

 

「失礼しました」

 

 ペコリと一礼をした後に部屋を出ていった。

 

 

─────────────────────────

 

「藤木遊作くんの情報を手に入れたよ」

 

 あの後剣術部はニ週間の活動停止を命じられて幕を引いた。桐原に対してなんらかの重い処罰は特には無かった。

 そして場所と時は移り変わり九重寺にて達也が武術等の手解きを受けている師匠であるハゲもとい九重八雲から調べてもらった事を、遊作に関する情報を手に入れた事を告げられる。

 

「遊作が沖縄に行った記録はありましたか?」

 

 調査の依頼を頼んでいた達也は遊作が沖縄に渡航してきたかどうかを尋ねる。

 

「ん、いや、彼は生まれてから一度も沖縄に行った事は無い…………筈だよ」

 

「無い、筈ですか?」

 

 筈だと断言する事が出来ない事に深雪は疑問に思う。

 

「彼は中学の時に殆ど学校に行っていないんだ。テストがある日だけ登校してきて、魔法師が居ない普通の中学に通ってる。普段は実家の玩具屋の手伝いをしたり、不良グループと関わっていたり、気になる事があるって長期休みの時は家から出て行って何かをしていたんだ」

 

 遊作の情報が出てくるのだがイマイチ掴みどころがない情報だ。

 魔法師でなく忍を名乗るだけあって情報収集能力はトップクラスの腕前を持っているのだが遊作に関する情報は曖昧なもの、何かをしていたと言っているが具体的に何をしていたのかは不明だ。

 

「そういう達也くんは遊作くんをどう見てる、と言うか彼の学校での生活ではどうなの?」

 

「…………何処か上の空ですね。教師から問題を出されれば何事もなくスラスラと答えることは出来ていると言う事は授業はちゃんと聞いているんでしょうが、基本的には自分から目立つ様な真似はしない様にしています。事件に巻き込まれれば警察に通報するといった派手……いや、違うか」

 

 騒ぎを大きくする様な真似をしようとしていると思ったが遊作の取った行動は極々普通の行動である。

 人に対して魔法を向けてはいけないという法律はこのご時世では常識であり、一般人の感性を持っているのならば通報するのは普通である。達也は気が付かない内に自分自身も狂ってしまっていると少しだけ反省する。

 

「気になると言うところがあると言うならば、何故二科生なのか疑問に思うぐらいの魔法力は有しているところですね」

 

 そういえばと達也は思い出す。

 魔法の実技の授業で居残りをさせられたのだがその場には遊作は居なかった。どうして二科生なのかと思えるぐらいの魔法の発動速度や処理能力、干渉力を有している。

 

「ああ、彼はPTSD持ちなんだよ」

 

「PTSD……遊作さんがですか?」

 

「ちゃんと診断書も持っている。偽造じゃない本物と裏付けされてて薬も飲んでる……けど、あんまり効果が無かったりするのか第一高校の実技試験の際にPTSDが発症して上手く魔法が使えなくて二科生になったみたいなんだ」

 

 魔法科高校の情報なのにさも当たり前の如く調べている九重八雲は流石は忍と言ったところだろうか。

 何処か冷めていたりする遊作がPTSD持ちと言われても深雪も達也もあまりピンと来ない。クールで常識があるあの遊作がパニックを起こすところは想像が出来ない

 

「……聞くのはプライバシーに関わる事ですが、遊作さんはいったいなにが原因でPTSDに?」

 

 PTSDとは心の傷、凄くざっくりといえばトラウマである。

 過去になんらかの出来事が原因で心的外傷を受けた人が発症するものであり、遊作はなにが原因でPTSD持ちになっているのか、他人のトラウマを穿るのはあまりよろしくない事だと分かっているのだが深雪は気になったので聞いてみるのだが九重八雲は困った顔をして頭をポリポリとかいた。

 

「う〜ん、それなんだけど……分からないんだ」

 

「……師匠の情報収集能力を持ってもですか?」

 

 忍として有名な九重八雲の情報収集能力は本物である。

 遊作自身が深く語ろうとはしないでいる事をサラリと集めているのだが、そんな八雲ですら分からないと言う事はなにか裏があるんじゃないかと疑いを持つ。

 

「いや、原因は分かっているんだ。ただ具体的になにが要因でPTSDなのかは分からなかったんだ」

 

「と言いますと?」

 

「……2人は今から約10年前に起きたとある事件について知っているかい?」

 

「10年前……」

 

「……何があったのですか?」

 

 10年前になにかあったかと達也と深雪は記憶を探る。

 なにか大きな事件があったといえば3年前の沖縄でのとある一件だが10年前というと小学生になりたての頃であり、思い当たる節は無い。

 

「そうか、君達でも知らないか。藤木遊作くんはロスト事件と呼ばれる事件の被害者……いや、生き残りと言った方が正しいかな」

 

「ロスト事件ですか……お兄様、聞いたことはありますか?」

 

「いや……聞いた事が無いな」

 

 なにかと顔が広い達也と深雪であるがロスト事件と呼ばれる事件について2人は何も知らない。

 魔法関係の事件だったら大々的に報道されたりするし、些細な事件……ではなさそうだと八雲に詳細を聞く。

 

「このロスト事件、政府のトップシークレットでほんの少ししか分からなかったんだ」

 

「政府のトップシークレットですか!?」

 

「ああ。鴻上聖と言う男が魔法師としての才能を宿した幼稚園児から小学生の子供を誘拐し監禁した……なんの為かは分からない。だが、何かしらの事を行ったのは確かであり遊作くんはロスト事件に巻き込まれた被害者で半年の間、鴻上聖に拉致されていた。誰かが鴻上聖の事を通報したみたいで、遊作くんは保護された…ここから先はなにも分からなかった。政府のトップシークレットだけあって僕でも知ることが出来ない、と言うよりは誰かが意図的にこの事件の全貌を消している」

 

「誰か、ということは政府の人間ですか?」

 

「いや、違う……とにかく僕でもここまでの事しか知ることが出来なかったから、他で藪蛇を突く様な真似はやめておいた方がいい。この事件について調べていると言うだけでも目を付けられるから」

 

「……そうですか」

 

 ロスト事件、その事件が何なのか達也は気になっていた。

 遊作がトラウマになるほどのなんらかの出来事が起こっていたのは確かであろうが、いったいなにが起きたのか気になる。流石に本人にロスト事件について聞くわけにもいかないし、八雲からも言外に拒否された。

 

「藤木遊作くんの一部のプロフィールは意図的に政府が偽造したものだ……もしかすると藤木遊作と言う名前自体が偽名なのかもしれない。色々と調べてみたんだけど、彼に関する情報は所々意図的に消されている……彼が小学生から中学生までの間は平凡に過ごしていたと言う事になっている」

 

「……あいつが魔法に関する事件の被害者……」

 

「身寄りが無い彼は魔法師を差別しない一般家庭の養子になった……調べて驚いたよ、まさかあの武藤双六の義理の孫になっていただなんて」

 

「武藤双六?」

 

「僕が子供だった頃、現役バリバリの伝説のギャンブラーでね。チェスにカード、その他色々と命を賭けての賭博を挑んでは全戦全勝の無敗のギャンブラー、古代の遺跡にある闇のゲームと呼ばれる危険なゲームすらも掻い潜った生きる伝説の様な漢さ」

 

「……成る程、だからゲームが強いのか」

 

 そんなスゴい男が義理の祖父ならば遊作が摩利に対してゲームの時間だと言ったのも頷ける。

 

「交友関係も中々にスゴいよ。アミューズメント産業の新鋭である海馬コーポレーションを立ち上げた海馬瀬人とも関わり合いがあったりするし……伝説の不良集団サティスファクションとも交流を持ってた」

 

「まぁ!そんなに交流が広いのですね……遊作さんは過去に拉致をされたからあんなに過敏に……」

 

 いったい何をされたのだろうかと思案する深雪。

 小学生という自我の形成に置いて大事な年齢の時期に半年間拉致されていた。とある人物と境遇が似ていると遊作を重ねるが、その人と遊作は違う人だと深雪は首を振り思案をやめた。

 

「彼については分からない事だらけだ……恐らくだが、彼は自分の身になにがあったのか…鴻上聖が何をしたかったのかを知っている……僕の口から語れる事はこれぐらいだよ」

 

「情報の提供、ありがとうございます」

 

「いや〜中々に苦労したよ……くれぐれも僕がロスト事件について調べてたって事は他言無用で頼むよ」




早いところ遊戯王に繋げたいんだけど中々に繋げれないな。
優等生で桐原が壬生の剣がおかしくなったからカッとなって魔法を行使して殆どお咎め無しは普通に異常である。

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