魔法科高校の遊戯王   作:アルピ交通事務局

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テイルズ?ポケモン?ワールドトリガー?知らんな


魔法科高校の遊戯王8

 人の噂も七十五日とは言うがつい先日に剣術部員を殴り飛ばした遊作は悪目立ちをしている。

 なるべく穏便に魔法科高校生活を送りたい彼であったが、森崎の魔法使用未遂に摩利とのサイコロ勝負果ては桐原の高周波ブレードの使用と魔法師が如何にイカれているのかを痛感した。

 

「おはよう」

 

 遊作は悪目立ちをした結果、奇異の目で見られている。

 彼奴は二科生だが一科生のバリバリ武闘派集団である剣術部を殴り飛ばして全滅させたと怖いものを見るような目を向けられている。そんな中でもレオに美月にエリカは何事も無かったかの様に遊作に接する。事件の真相を知っているからと言うのもあるが遊作はドライに見えるだけで根は良い奴なんだと心の何処かで感じているからだろう。

 

「ああ、おはよう」

 

 挨拶をしてくるレオに対して挨拶を返す遊作。

 何事もないこういった日常こそが自分が1番求めているもの、しかし非日常の世界に足を踏み入れてしまっているのでそんなに甘くは無い。

 エリカ達とも挨拶を交わす遊作には暴力沙汰を起こした奴だという嫌な視線が突き刺さってくる。

 

『やっぱ逆にボコボコにされて問題を大きくした方が良かったかもな』

 

「魔法を使用しているんだ。1歩間違えれば大怪我どころか死ぬ可能性がある作戦は取れない」

 

 剣術部員にワザとボコボコにされて暴力事件にしてしまえば加害者でなく被害者になれていた。

 しかし一歩間違えれば死ぬ可能性があるのでワザと剣術部員にボコボコにされると言うのは出来ない行為だ。Aiにその作戦には致命的な弱点があると告げている頃に達也が教室に入って来た。

 

「達也」

 

「なんだ?」

 

「確かお前は九重八雲とかいう人から色々と教わっているんだったな?」

 

「ああ。特に体術は師匠から教わったものだが……それがどうかしたか?」

 

「いや、それだけやれるならば最初から剣術部と剣道部が揉めた際に間に割って入らなかったと思ってな……事件は未然に防ぐものだ」

 

 騒動の最中に居た人間が言っていい事では無いのだが、少なくとも達也が止める瞬間は桐原が魔法を行使したタイミングではない。

 先日の騒動に関して気にしているのだが達也はやれやれと言った顔をする。

 

「そう思うんだったらお前も風紀委員になればよかったじゃないか」

 

「自ら進んで火事場に向かうほど俺は馬鹿じゃない……まだまだ騒動が大きくなりそうだから同じ事を繰り返さないでくれ」

 

「お前も勝手に前に出るんじゃない……嫌なのに目がつけられるぞ?」

 

「生徒会に部活連に風紀委員のスリーアウトだ。もう既に嫌なのには目を付けられている……だからといって生き方を変えれるほどおりこうじゃない」

 

 俺は俺の流儀で生きていると自己を見せる遊作は席に戻る。

 

『いいのか?彼奴の師匠がお前に関して情報を集めてた事を問い詰めなくて』

 

「……この世界では個人情報の流出は極々普通だ……警備がザルとも言うべきか」

 

 Aiは知っていた。ここ最近、遊作に関する情報が何者かによって集められているのを。

 その何者かというのが達也の師匠である九重八雲であるとついさっき知った。探偵ならまだしも忍を使って個人情報を収集するとはあまりよろしくない事で一言ぐらいなにか言ってやった方がいいんじゃないかとAiは思っていたが、遊作の情報はトップシークレットであり鴻上聖がどうして自分達を誘拐したのか、自分のCADに住み着いているAiがなんなのか全てを理解した上で今を生きている。

 とはいえ思うところがないわけでもない遊作は九重八雲が情報収集している事を気付いているんじゃないかという素振りだけは見せておく。達也もいきなり九重八雲が話題に出されたのでもしやと勘繰るが遊作から何かしらのアクションを起こしてから対応すべきだと考えて深くは踏み込まない。

 

「今日も大変そうだな」

 

 そんなこんなで授業は終わり、放課後になる。

 つい先日に魔法を使った暴動に近い事件が起きたというのに部活動勧誘の波は収まらない。

 校舎の窓辺から見える部活動勧誘をしている上級生達に対して逃げようともとい帰ろうとしている生徒達は悲惨である。

 

「帰るんだったらそこまでの道を作るぞ……部活動勧誘の波から生徒を守るのも風紀委員の役目だと言われた」

 

「……つまらない嘘をつくな」

 

 暴力事件を巻き起こした遊作を風紀委員、生徒会、部活連は警戒をしている。

 まだ終わらない部活動の新入部員勧誘期間の間にまた事件を巻き起こされてしまったらたまったものじゃない。次は本気で警察に通報するつもりの遊作には早いところ家に帰ってもらいたいので達也が誘導する。分かりやすい嘘だなと遊作は呆れつつ教室を出ようとする。

 

「何処に行くつもりだ?」

 

「部活動に行くつもりだ」

 

「!……部活に入ったのか?」

 

「なんだ、なにか問題でもあるのか?」

 

「いや、てっきり帰宅部だと思ってな」

 

 何処かドライな遊作の事だからなんの部活もしないと達也は思っていた。しかし部活に入ったことを聞いて意外だと思う。

 

「なんの部活に入ったんだ?」

 

BG(ボードゲーム)部だ」

 

 BG部、一言で言ってしまえばオセロや将棋、囲碁等のボードゲームを主とする部活動だ。

 非魔法系の部活でなんというか地味な部活だが、その部活ならば流石の遊作も騒動は起こさないだろうと達也は遊作がBG部に行くのを見送った。

 

「失礼します」

 

 BG部がある部屋に向かうとピタリと空気が止まる。

 先日の事件で色々と悪目立ちをし過ぎたかと思いつつもポケットに入れているデッキケースを取り出す。

 

「海馬コーポレーションが新たに作り上げたゲーム、ラッシュデュエルの試作品を持ってきました」

 

「海馬コーポレーションと言うとあの海馬コーポレーションなのか!!」

 

「はい……海馬瀬人とは個人的に色々と付き合いがありまして、試作のカードゲームですがやりますか?」

 

「ああ、勿論だとも!」

 

 最新のカードゲームを持ってきた遊作をBG部部長は歓迎する。

 早速ラッシュデュエルで遊ぶぞと遊作はラッシュデュエルの説明書のデータを取り出そうとするのだがBG部の部室がノックされる。

 

「失礼します……ここに藤木遊作くんが居ると聞いて来たんですけど」

 

 BG部にやって来た来訪者はこの前の騒動の現場にいた被害者側である壬生だった。

 遊作が目当ての様で剣道部の壬生が遊作を訪ねに来たのだとざわめく。

 

「この前の騒動に関しては俺はアレで終わりにしています。クレームは受け付けませんしお礼なんてどうだっていい」

 

 先日の剣道部と剣道部の騒動で悪目立ちをした遊作は目を付けられたんだなと内心諦める。

 厄介なのに目を付けられてしまった以上は対応するしかないと先日の一件に関して話題に出す。先日の一件はアレで終わり、真由美達に言った通り何もしない……警察に通報するといった真似は一切しないつもりだ。

 

「今から時間があるかしら?」

 

「唐突ですね、今から試作品のカードゲームで遊ぶところなんです。それが終わってからならばいいですけど」

 

 また厄介な事に巻き込まれてしまうなコレは。

 遊作は用事があると言って巻き込まれない様にしようとするのだが、壬生は遊作に詰め寄る

 

「大事な話なの!今からじゃダメかしら?」

 

「遊作くん、行ってきなよ」

 

「ラッシュデュエルのルールは大体分かったから僕達だけでも遊べるから」

 

「……どうでもいい話だったら直ぐに切り上げさせてもらいますからね」

 

 BG部の先輩達から行ってこいと言われているので遊作は渋々壬生に付き合う事に。

 BG部の部室では話しづらい事なので校内にあるカフェテラスに向かう。

 

「誘ったのは私だし、なんでも好きなのを注文してね」

 

「カフェオレを1つ……それでわざわざ俺を呼び出してなにか用ですか?先輩は剣道部の部活勧誘に忙しいでしょう、特にあんな問題が起こった後ならば」

 

 剣術部と剣道部は揉めた結果、剣術部はニ週間の活動停止になっている。しかし剣道部にはなんの罰則も無い。

 今こうしている間も他の部活動が必死になって新入部員の確保に勤しんでいる。壬生も新入部員の確保に勤しまないといけないのではないかと疑問を投げ掛けると壬生は少しだけ悲しそうな顔をする。

 

「遊作くん、貴方はこの学校についてどう思っているかしら?」

 

「狂っている、イカれている。自分達は魔法師だからと選民意識が高いバカが多い」

 

「っ……そう、やっぱりそう見えるわよね」

 

「もしかして魔法師だって人だなんだと言うつもりですか?こっちは2日目にして魔法を向けられた被害者で魔法師自体嫌いなんです……それならば話すことは」

 

「待って、違うのよ!私もそうなんだけど魔法競技系の部活動の人達とか一科生の人達は私達を見下している、二科生だからと。確かに魔法では一科生には劣る、けどだからって私の剣の腕が悪いってわけじゃない……それなのに蔑ろにしてくる人達は居るわ」

 

「……一科生と二科生の問題をどうにかしたいんですか?」

 

「簡単に言ってしまえばそうなるわね……非魔法系の部活動で連盟を組んで魔法競技系の部活動との差別を撤廃してほしいのよ。勿論、中には一科生と二科生の差別の問題をどうにかしようって考えもあるわ」

 

「…………話し合いで通じる段階ですか?」

 

 一科生と二科生の差別の問題云々は確かにある。

 生徒会の副会長ですら二科生だからと見下している傾向があった。それをどうにかしたいと言う気持ちは分かるのだが果たして話し合いが通じる段階かどうか。

 

「それは…………」

 

 口喧嘩、闘論を交わしたところで二科生を見下している一科生の生徒達は変わらないだろう。

 自分達ならば大丈夫だと心の何処かで慢心している。達也も真由美も摩利も深雪もほのかもレオも皆が慢心している。話し合いでイジメを解決する事が出来るならばこんな事にはなっていない。

 

『そもそもでよぉ、なにを言うわけ?』

 

「っ!?」

 

「俺のCADに搭載されているAiです……確かになにを言うつもりなんですか?魔法系の部活の方が予算が多いから予算を均等に分けてくれとでも言うつもりなんですか?それこそお笑い草です。魔法科高校は実力主義の学校……皆が定めた出来る出来ないがあって、そこを突破した生徒が一科生に上手く突破する事が出来なかった者が二科生になります。現時点では魔法師は兵器としてしか見られていない、だったら実力主義は間違いは無い」

 

「……だからって、だからって私の剣を侮辱されているのを黙っていろって言うの!!遊作くん、確かに貴方の言う通りかもしれないけど、けどっ!!」

 

 壬生は1年間二科生として見られていた嫌な思い出がフラッシュバックの様に過る。

 魔法師としての腕が劣っている事は認める。だがしかし剣の腕が劣っていない、馬鹿にされるのは認められない。言葉で上手く表す事は出来ないもののこの思いは紛れもなく本物である。

 

『遊作、どうにかしてやれねえのか?壬生の言いたいことは分からなくもないし、一科生と二科生の問題を解決しねえと……壬生だけじゃなくて他の奴等も不憫に思えてきた』

 

「……不憫か……」

 

 確かにこのままだと一科生は二科生を見下したままで終わってしまう。

 壬生が自分の剣を侮辱されているのを我慢出来ないという思いは紛れもなく本物である。遊作はどうすべきかと考えた末に人差し指、中指、薬指の3本を立てる。

 

「1つ、一科生と二科生の問題を無くそうとしているのは非魔法系の部活動連盟だけじゃない生徒会側もどうにかしたいと思っている。2つ、現時点では司波達也しか活躍する事が出来る場がない、3つ、真の敵は生徒会でも一科生でもなく問題をずっと放置している学校側にある」

 

 大事な3つのポイントを遊作は上げる。

 生徒会側も一科生二科生の差別をどうにかしたいと思っているのだが中々に出来ず、達也がなんだかんだで風紀委員になっている。現時点では達也しか活躍する場が無い。一科生を見返す方法が必要で、更にはこの問題は生徒同士の些細なトラブルでなく学校側にも問題があるトラブルであると考える。

 

「この3つの問題を一度に解決しないといけない……その為には戦力が必要だ」

 

「え……手伝ってくれるの?」

 

「学校側に訴えを起こしても魔法師としての権力が向こうの方が遥かに上で最初から無かった事にされる可能性が高い。現に森崎がCADを向けてきたのも桐原が先輩に魔法を使って攻撃してきた事も無かった事にしている……くだらない闘論を交わしたとしても生徒の意識が変わるとは思えない。何処かで一発逆転を狙った大博打に出なければならない」

 

 話の流れから断ってくると思っていた壬生は意外そうにする。

 遊作の方はそんな壬生を気にせずにどうやって一科生と二科生の差別の問題を解決するかと考える。少なくとも安易な手段ならば十師族や学校側が最初から無かった事に揉み消そうとするのでなるべく騒動は大きくしておかなければならない。そうなると遊作と壬生だけではどうすることも出来ない。

 

「遊作くん、私達非魔法系の部活動連盟は学校側に訴えを起こそうと思っているのだけれども」

 

「そんな事をしても討論して論破される。二科生は授業を受講しようと思えば受講出来るだ、魔法科高校なんだから魔法系の部活動に予算が多く割かれるのは当然だと言われるだけ…………話し合いが通じるならば最初からこんな事にはならない……………」

 

 どうしたものかと頭を回転させる。

 大事な要点は3つさっき纏めた。ならばその3つを一度に解決出来る方法を模索するしかない。

 

「シンプルに殴り合い…………九校戦………その手しか無いか」

 

「遊作くん?」

 

「壬生先輩、この問題を解決する方法は恐らくは1つだけだと思います……俺としては騒動を起こさないで欲しいですが、一科生と二科生の溝をどうにかしないとさらなる暴動に繋がる可能性があるのもまた事実です……貴方の思いが本物なのか確認させてもらいます」

 

 遊作はそう言うと懐に手を入れて黄金の錠を……千年錠を取り出した。

 千年錠を握った遊作は千年錠を眩く光らせたと思えば壬生の瞳から光が失われる。

 

「……精神に干渉するタイプの魔法の痕跡がある……精霊(カー)は……成る程、炎を纏いし剣士か」

 

 トランス状態の壬生から遊作は色々と情報を引き出す。

 壬生に精神に干渉するタイプの魔法が使われた痕跡が残っており一先ずは洗脳を解除するかと遊作は千年錠を懐にしまうと手を叩く

 

「……っは!?私、何をしていたのかしら?」

 

「……一科生と二科生の差別の問題をどうにかしたい、魔法の腕は劣っているが自分の剣は劣っていないと証明したいと言っていたじゃないですか」

 

「……ええ、そうだったわね……司波達也くんにも声をかけようと思っているのだけれど」

 

「誰に声をかけるかは壬生先輩の勝手です……ただ今のままだと学校側はなにもしてくれない、一科生二科生の問題は解決しない。最初から無かったかの様に揉み消される」

 

「……じゃあ、どうすればいいの?」

 

「戦うしかない……先輩が戦う覚悟が出来たのならば、俺は一発逆転の方法を教えます。ただ俺の方も確実に一発逆転出来るかどうか……とにかく駒が足りない……失礼します」

 

「私が、戦う…………」

 

 なにと戦うかは遊作は具体的には言わない。

 しかし戦わなければ一発逆転を狙えない。このまま残りの2年間も二科生だからと見下された環境に居なければならない。戦うとはなにに対して戦うのかは分からない。遊作になにに対して戦うのか尋ねようとするがその前に遊作はその場を去ってBG部の部室……ではなく、山岳部に向かった。




もう少し、もう少しで遊戯王に繋げられる。頑張れ作者

続き

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