紅翼の絆~メゼポルタの異変と謎多き現象~ 作:ソフィア・ラグナロク
プロローグ
砂浜で少年と少女がふたり仲良く遊んでいた――。
そこには竜人族のヒノエとミノトも加わっており、団子を片手ににこやかに笑っているヨモギもいる。
「今日も静かな海ですね」
「えぇ。今日もとても平穏で、おふたりも凄く楽しそう」
「団子食べながら海を楽しむのもいいよね~」
その後ろにはウツシ教官や他の人も集まっていた。
平穏な海で皆で談笑しながら、まるで今までの大変だった出来事が解決したかのような、肩の力をおろして楽しんでいる様子だった。
少年と少女もまた、これまで存分に遊べず持て余していた体力を全部使うように、複数人いる女性ハンターや男性ハンターと混ざりながら祭りのように賑わっている。
酒を飲みながら――。
一般のカップルも混ざり、親子もたくさんといる。
ヒノエとミノトが言っているように、とても平穏なひと時が過ぎている。
ざざー。
ざざー。っと。
波の音も静かに岸辺で崩れて、少年少女の足を戯れて。
作っている途中のお城の中に海水が混ざり、崩してしまった。
海で幸せをかみしめるように家族団欒で遊ぶ者もいる。
遠浅のこの岸辺はまさにたくさんのハンターや一般人も楽しめる、とても楽しい場所でもある。
遠い異国の地と言われる観測拠点「エルガド」には、そんな平穏なひと時が流れていた。
はるばる遠くから招かれた「カムラの里」の面々もまた、その中に加わっている。
そんな時、あるハンターがこんな話をきりだした。
「そろそろ。俺達、メゼポルタ広場に戻ろうかと思ってるんだけど、お前たちはどうするんだ?」
「えー、私はここがいいな~。団子が美味しいのもあるけど、なにより、王国騎士のフィオレーネさんやさんや提督ガレアスさんとも一緒にいたいし」
「俺も。メゼポルタ広場も良かったけど。ここもいいなって思ってるなぁ」
話をきりだしたハンターはなんだか寂しそうな顔をした。
「俺的には、そろそろメゼポルタ広場の人達と会いたいよ。それに狩人祭とかまたしたいな~」
「って言ってもさ、いちど所属拠点を変えたらまたいちからやり直しだろ?」
「そうそう。私はそれが嫌だね~。装備をギルドに返還しないといけないとか、別に……いいじゃんって思うよ」
そんな話をしていると、静かにしていた眠たそうにしていた女性が話に入ってきた。
「……私は、メゼポルタにまた行きたいな。ここはギルドがないし」
「サークルみたいなのはあるけどさぁ。こっちもこっちでいいじゃん。ね?」
うんうんと頷く男2人。
「それもそうだね」
とりあえずはメゼポルタの話は終わりか。
そう感じた男は、砂浜に横たわって晴天の空を目に焼き付けながら大きく空気を吸い込んで、さざ波に癒されながら、隣にいる静かな女性と眠ろうとした。
ほかの男女のハンターは遊ぼうと、少年と少女のいるところへ走っていく。
「俺達も混ぜろ~!」
「あんたはちょっとは静かにしなさいよ!」
「いいよ~。お兄ちゃんもお姉ちゃんもあーそぼー!」
……とても、平穏そのものだ。
けれどそんな最中、どこから来たのかわからないリオレウスが現れた。
「お、おい! 嘘だろ!?」
「ちょっと、武器なんて持ってきてないよ!?」
少年と少女に加わろうとした男女ハンターが慌てて海から離れた。
少年と少女もまた、恐怖に怯えて血相を変えた。
けれど提督ガレアスはすぐに異変を感じる。
「……モンスター、ではない、リオレウスだろう」
「あの足には……?」と研究員バハリがゴーグルを使って確認をする。
「足?」
フィオレーネも確認しようとする。
よろよろのリオレウスは飛ぶのも限界で、そのまま海へと落下していった。
普通ではない事を感じたヒノエとミノト、ウツシ教官もまた、その他のメンバーも察した。
教官アルローは無言のままリオレウスのもとへ翔蟲を使ってすかさず急いだ。
そばにいた王国騎士ジェイとルーチカも。
3人がリオレウスの近くに集まると、傷だらけの女性ハンターがリオレウスに乗っかっている事に気が付いた。
「あ、あんた、大丈夫か!?」
女性ハンターは見かけない3人を見て不思議に思ったが、なにかを言おうとしたが言葉が出ず、手を伸ばした。
「俺が助けてやる。だから――」
「……っ、に、げ……て……」
「逃げる? なにから?」
「っ!!!」
ジェイが女性ハンターを抱えようとすると、ルーチカが背中にある大きな爪痕に目を疑った。
アルロー教官も同じく。
「どうした?」
「その爪痕。新種だろう」
「は!?」
「とりあえず、その者を治療しよう。ルーチカ、頼むぞ」
「はい。教官」
「けど、このリオレウスは?」
「息絶えておる。な」
フィオレーネとロンディーネもきて、その他のハンターも、大勢で沈んでいくリオレウスを引き上げた。
ジェイは女性ハンターを抱えて砂浜に運び、ルーチカと共に応急手当をし始めた。
「なにがあったんだ? 詳しく教えてくれ」
「今は治療を優先すべきですよ。聞くのはあとで」
「そうだな」
平穏に過ごしていたところの一大事だった。
ジェイとルーチカのもとにきたヒノエとミノトも、女性ハンターの治療を手助けした。
「毒が回っているのでしょうか?」
「わからないですね」とルーチカ。
「とても心配ですわ。それと、リオレウスが人を運んできたのもまた、とても妙な事です」
「冥淵龍ガイアデルムはあのハンター様が討伐してくださいましたが、怪異化モンスターはまだ……」
「いったい何が起きているのでしょうか」
「それもこれも、知っているのはこのハンター様のみですね」
「ミノト。この方の救助が最優先しましょう」
「ですがヒノエ姉様。ほかのハンター様に状況確認を依頼したほうがいいのではないでしょうか?」
どっちを優先するべきか迷っている所、訝しげな顔をしながらカムラの里長フゲンが話に参加してきた。
「ひとまずは救助だ。その後に、この者にどうするか聞こう」
初めましての方、初めまして。
SNS・GREEでもしも「紅翼の絆」を拝読して頂いた方がいましたら、お久しぶりですね。
この小説と当時との関連性はありますが、リメイクという形になっております。
ただ前作は消えてしまったので再読することはできませんが、もし覚えている方がいましたら大変嬉しく思います。
モンスターハンターのサンブレイクとフロンティアの要素を混ぜた内容となりますが、フロンティアをプレイしていなかった方もわかるように、システム解説を進めながら、シンプルに読みやすいよう努めていきます。
遅くても月1回投稿できるかどうかの頻度になるかもしれませんが、15話程度で完結できるよう目指して連載していきます。