よくあるテンプレの話 作:るるぶ
もしくは番外編とかで書くかも。まあ、そこまで書ききれればの話ですが。
あと、今回の話原作未読勢注意の内容になってます。読みたくない方は飛ばしてください。
学校の授業が終わり、友達と話しながら帰りの準備をしているとスマホが振動したのに気づいた。画面にはスマホの通知が一件。
アイからだ。
友達と別れてからスマホを開くと、今から会いたいそうだ。なんでも、紹介したい人がいるとか。
お、とうとう彼女に相手ができたのかと期待するのと同時に、自分の心に何か嫉妬のような感情がある事に気づいた。
何を考えているだ俺は、その感情は捨てたはずだ。
だが、心とは厄介なもので、消そうと思っても、そう簡単に消えてくれるものではない。そんな葛藤を抱えながら、送られて来た場所に向かう。
「おーい!こっち、こっち!!」
アイが手を振っている。アイの対面に誰か座っているのがわかるが、頭しか見えないのでよくわからない。彼女の声のする方に向かい、席の前に着く。
「お待たせ、俺はどこに座れば良い?」
「私の隣に決まってるでしょ!座って座って!!」
やけにテンションが高いなこいつ。何か良いことでもあったのか?すると、俺の対面に座る男が口を開いた。
「あなたが柊グレンさんですね。彼女から名前は聞いています。僕はカミキヒカルといいます。星野さんとは劇団ララライで出会いました。柊さんより一つ年下だから、敬語じゃなくて大丈夫ですよ。よろしくお願いします」
「ああ、よろしく」
彼の挨拶に返事をしながら、彼を見る。顔はやけに整っていて、髪は俺と同じ金髪。そして、何より気を引くのは彼の瞳だ。アイと同じ様な瞳をしている。ただ、アイとこの男には決定的な差がある様に感じる。一体なんなのか、前世でもこんな目をした人間がいたなと回想しながら、彼を分析する。
もし、この二人が付き合うのなら、アイの相手として足る人物なのか否か。
「それで、俺になんの様だ?見ての通り、俺はアイと違って普通の高校生なんで、特に興味を引く様なことはないと思うんだが。」
「実は、星野さんはよく柊さんのお話をするのです。口を開けばあなたの名前ばかりでして、一体どんな人なのかと気になったんです。」
ふむ、嘘は言ってないな、嘘は。
にしても、アイは職場で俺の話ばかりしてるのか。それはアイドルして大丈夫なのか...。彼女に目線を向けるとどこか嬉しそうに話し出した。
「いや〜、やっぱりグレンがどれだけ凄いのかみんなに伝えたくなっちゃって!」
「そんな話されても、みんな迷惑なだけだろうが」
「そんな事ないです〜」
「どうだか」
「酷いなぁー、そんなに信用ない?」
「今まで、俺の信頼を勝ち得るような事があったか?」
彼女はジト目で抗議してくるが軽く流す。
すると、目の前の男が口を開いた。
「本当にお二人は仲がいいですね。お似合いです。」
「あ?」
何言ってんだこいつ。あ、もしかしてからかってるな。
「そんな事ないよ〜。えへへ...」
そして、こいつはなんで照れているんだ。この場にまともなのは俺だけか。にしてもこの感じ、二人は付き合ってるわけではないのか。
心のどこかで安心する自分がいた。
すると、テーブルの上に置いてある彼女のスマホが鳴った。
「あ、ごめん社長からだ!少し席外すね!!」
「はいよ」
「わかりました」
返事を返すと、彼女は急いでお店の外に出た。
瞬間、対面に座る男が取り繕うのを辞めたのを感じる。まるで別人の様になった彼の圧力に負けない様に、こちらから話を切り出しす。
「で、なんで俺を呼び出したんだ?駆け引きは嫌いなんだ。正直に話してくれ」
すると、彼はニコニコとしながら少し間を空けてから話出した。
「僕は初めて会った時から彼女に非常に惹かれていました。これほど輝きを持った存在はこの先も見る事はないでしょう。そんな彼女と言う宝石を輝かせている理由に興味がありまして」
「お前みたいな奴に興味を持たれるなんて、ゾッとしないね。ハッキリいうが、お前の様な自己の利益しか考えない連中は嫌いなんだ」
「あなたも取り繕うのをやめましたね」
「お互い様だろう」
こいつはこの先の人生でも決して、社会に溶け込む事は不可能だろう。溶け込むフリはできたとしても、溶け込むことはできない。人間として必要な感性の致命的な欠如を感じる。一つこの言葉のやり取りでわかった事がある。どうやらこの男は自己の命に対して価値を感じていないらしい。
「で、彼女をこんなにも輝かせる原因となった存在がどんな人物なのか。何がそこまで彼女に影響を与えたのか。気になって今日は来てもらったんです。正直、想像以上でした」
続けてこの男は言う。
「あなたのおかげで、彼女はこのままいけばこの国で最も価値ある命に登り詰めるでしょう。その重みを僕は感じたい」
嬉しそうにしながら彼は話す。
「そして、彼女と比べると対したものではないですが、あなたにも価値を感じます」
どうやら俺もこの男の標的になったらしい。
「人格破綻め、一体何人殺して来た」
睨む様にこの男を見てめる。
「いやだなぁ、僕はまだ人は殺した事ないんですよ。だからその目はよしてください」
この男は他者の尊厳を奪う事でしか生を実感できない。奪った命の重みを感じて喜びを得る。社会にとって完全な害虫。
「なら、その初めてをアイに捧げるわけか」
「ええ、できることならそうしたいですね」
これは宣戦布告なのだろう。だが、一つこの男は勘違いをしている。こいつは俺の事を大した脅威でないと思っている。
間抜けな奴だ、俺が前世でどれだけお前のような狂った奴らを何人相手にしてきた事か。
「ただ、別に直ぐに何かするつもりは無いですよ。時が来るまで待ちます。やはり、何事も準備が重要ですからね。」
「そうか」
自分でも驚くほど冷たい声が出た。
「やれるものならやってみろ」
「あれ?カミキくんは?」
「ああ、あいつなら予定があるらしく帰ったよ」
「彼から会いたいっていたのに!全くもー」
彼女は頬を膨らませながら怒る。全く、呑気な奴だ。
「ところでなんの電話だったんだ?」
「今度のライブについて話しておきたいことがあったんだってー」
「なるほどね」
そりゃ、少し時間がかかるわけだ。さて、彼は帰ってしまった事だしどうしたものかと頭を悩ませていると、
「彼もいなくなっちゃったし、少し散歩してから買い物しない?」
「しょうがねぇなぁ」
話しながら会計を済ませ、店を出る。
「あ、そうだ。ここら辺に美味しいアイスのお店できたんだて〜、そこ寄らない?」
「ほう、それは気になるな。行くか」
「そうと決まればレッツゴー!!」
彼女は俺の腕に抱きつきながら歩き出す。本当にファンにバレたらどうするんだか。内心でため息をつく。
ただ、ここで強く拒否できない俺もダメなんだよな、嬉しそうにする彼女を眺めながら自分のチョロさに呆れ返る。
あの男のことは後で考えよう。
今は、彼女との時間を楽しむとしよう。
Q 現在の主人公はアイの事どう思ってるの?
A 友達としてすごく大切にしてます。また、彼女の過去を知っているので、幸せになって欲しいと心から思っている。恋愛感情についてはノーコメントで。