『むかしむかし、あるところに【しらゆきひめ】とよばれるおひめさまがいました。
おひめさまはとしをかさねるごとにうつくしくなってゆきました。
そのうつくしさはまるでしろいゆきのようだとうわさになり、【しらゆきひめ】ほどうつくしいおひめさまはいないとうわさされるほどになります。
そんなしらゆきひめをしらゆきひめのおかあさんである【じょおうさま】はゆるせませんでした』
じょおうさま「【かがみ】よ、【かがみ】。せかいでいちばんうつくしいのはだ~れ?」
かがみ『おこたえします。それは【しらゆきひめ】です』
じょおうさま「まあ、なんですって!?」
『【かがみのせいれい】のことばに【じょおうさま】はひどくおこりました』
じょおうさま「あのこがいるからいけないのだわ!
そうよ!【しらゆきひめ】さえいなければ、わたしがいちばんだもの!」
『おこった【じょおうさま】はそうさけぶと【りょうしゅ】に【しらゆきひめ】をそとにつれだして【しらゆきひめ】をころしてから、じぶんのもとへ【しらゆきひめ】のしんぞうをもってくるようにめいれいします。
けれども、こころのやさしい【りょうしゅ】は【しらゆきひめ】のすがたをみて、ころすことなどできません』
りょうしゅ「おおっ。【しらゆきひめ】よ。
わたしは【じょおうさま】からあなたをころすようにめいれいされましたが、わたしにはあなたをころすなどできません。
どこか、とおくへおにげください」
『【りょうしゅ】のことばに【しらゆきひめ】はおどろきました。それからは【りょうしゅ】のことばどおりにとおくへとにげます。
そして、くたくたになった【しらゆきひめ】は"だれもつかっていない"ちいさないえでやすみます。
そのころ、【りょうしゅ】は【しらゆきひめ】のしんぞうかわりに【ぶた】のしんぞうを【じょおうさま】のもとへととどけました。
【じょおうさま】はたいへんよろこんで【かがみのせいれい】にささやきます』
じょおうさま「かがみよ、かがみ。せかいでいちばんうつくしいのはだ~れ?」
かがみ『・・・ギギッ・・・』
じょおうさま「?どうしたの?」
かがみ『・・・オマエタチハオレタチヲナイガシロニシタナ!』
じょおうさま「ひっ!?」
???『"ダレモツカッテナイ"ダト?・・・ソンナツゴウノイイイエガアルモノカ!!』
じょおうさま「ちょっと!?なんなのこれ!?どうしちゃったの!?」
???『オマエタチハオレタチヲナイガシロニシタ!ナイモノニシタ!』
『ああ。やはり、こうなってしまいました。
本来ならば、白雪姫は七人の小人の住む小さな家で休みます。
ですが、時が過ぎるに連れて小人の存在は忘れ去られ、科学世紀では非科学的だと言う理由で存在そのものが抹消されてしまいました。
これは物語から蔑ろにされた彼等の怨みです。
ですから、忘れてはいけません。
彼等はいつだって復讐の機会を窺っているのですから』
『──おはなしにもどります。【しらゆきひめ】がめをさますとちいさな【こびと】たちが【しらゆきひめ】をみていました』
───
──
─
「──と、まあ、こんな感じで小さかった頃に私をいじめていた子に仕返ししたわ」
私はメリーに語りながら手にした絵本を置く。
「蓮子ったら本当に意地が悪いわね?」
「ただね、メリー。私は【かがみ】の配役の子と打ち合わせとかして仕返しした訳でも、見越していたから仕返し出来た訳でもないの。
あれは本当にこの時代まで蔑ろにされていた【七人の小人】の怨みだったのかも知れないわ」
「それにしても蓮子の学校の【白雪姫】はここまで一言も喋らなかったわね?」
「それはそうよ。その【白雪姫】の配役の子は確かに綺麗な子だったけれども、喋ったりするのが出来ない子だったからね。
だから、喋ったりしなくて良いようにナレーションは最も相応しい適任者が選ばれたって訳よ。まあ、ここまで来たら誰が選ばれたかなんて言わなくても解るでしょう?」
そう言ってメリーに笑うと私は絵本をバッグに仕舞って運ばれてきたショートケーキをパクリと一口頬張った。
【原作から蔑ろにされたモノ・完】
岸辺露伴は動かないのオマージュ作品ですが、元になったタイトル作品を知りたい方いますか?
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気になる!教えて!
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自分で調べるから大丈夫
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知らなくても面白いけれど、興味はある。