ようこそ不良品だらけの教室へ   作:きよぽん

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第5話:お友達

「帆波ちゃん!一緒に更衣室へ行こう!」

 

 

「うん、そうだね」

 

 

私の手を取り誘ってくれるのは、クラスメートの白波千尋ちゃん。ちょっと距離感がおかしいような気もするけど、大切なお友達だ。彼女をはじめ、Bクラスはみんないいひとばかり。これで彼も一緒だったら、最高だったんだけどな・・・

 

 

今日は入学3日目。次の時間は初めての体育だ。運動は得意だから、特に心配はしていない。それよりも・・・更衣室に移動して、みんなと他愛ない会話を交わしながら、私は全く別のことを考えていた。

 

 

綾小路清隆君。ひょんなことから一夜を共にした、Dクラスの男子だ・・・って、違うから!誤解を招くような書き方しないで!ちょっとだけおトイレの音を聞かれちゃったけど、あとはお風呂と着替えを借りて一緒のお部屋で寝たのと、翌朝学校へ行く時に抱っこされて、最後は連絡先を交換するため追いかけ回しただけだから!(ほぼアウト)とにかく、言えないことなんて何もヤってないからね・・・わあぁぁぁ!!だから違うのお母さん!(誤字)

 

 

「帆波ちゃん?」

 

 

はっ?!

 

 

気付けば、心配そうな千尋ちゃんの顔が直ぐそばにあった。ち、近い・・・

 

 

「な、何でもないよ。早く着替えちゃおう」

 

 

誤魔化すように、私は両手をぱたぱたと振り回した。同時に身体(の一部)も揺れる・・・って、いま余計なこと補足したの誰?!

 

 

気持ちを切り替え、手早く制服を脱いでゆく。一昨日の夜は、綾小路君のお部屋で脱いだんだよね、私・・・わあぁぁぁ!!だから違うんだってば!

 

 

ひとりで狼狽えていた私は、ふと熱い視線を感じて顔を上げた。

 

 

「千尋、ちゃん?」

 

 

「ほ、帆波ちゃん・・・おっきいね」トローン

 

 

うっとりとした表情で、私を見つめる千尋ちゃん。まだ下着のままで、完全に様子が変だ。

 

 

「えっと・・・どうしたの?」

 

 

戸惑う私へ、彼女は言い放った。

 

 

「お、お願い!おっぱい触らせて!!」ガバッ

 

 

「「「「えっ?!(*゜д゜*)」」」」

 

 

次の瞬間、女子更衣室の中を阿鼻叫喚の嵐が吹き荒れたのは、言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・び、びっくりしたなぁ、もう」

 

 

まさか、千尋ちゃんが()()()()()だったなんて・・・みんなで彼女をどうにか落ち着かせ、着替えを再開する。急がないと授業が始まっちゃうよ。

 

 

体操着とショートパンツの上に、学校ジャージの上下を着る。よし!出来上がり・・・あれ?

 

 

「一之瀬さん、ちょっとそれ、大き過ぎるよ?」

 

 

「注文サイズ、間違えたんじゃない?」

 

 

自分のジャージに違和感を覚えた私と、次々それを指摘するクラスメートたち。確かに袖も裾も長すぎるし、全体的に()()()()だ。おかしいなぁ・・・その時、やっと現実復帰した千尋ちゃんが、ボソリと呟いた。

 

 

「・・・それって、だれ?」

 

 

言われて何気なく視線を下げると、ジャージの胸元に明朝体で縫い付けられた名前が見えた。

 

 

 

 

 

綾小路

 

 

 

 

 

ヲワタ・・・間違えて、彼のジャージ持って来ちゃった・・・

 

 

「きゃー!( ☆∀☆)!一之瀬さん、超大胆!♪彼氏と学校ジャージを取り替えちゃうなんてっ!」

 

 

 

「うそでしょ?!入学3日目で、もう彼氏が?!」

 

 

「やっぱり、昨日のお昼休みのアレって・・・」

 

 

「ちょっと待って!じゃあ綾小路君が、一之瀬さんの()()()()ジャージを着ることになるの?!」

 

 

「きゃー!( 〃▽〃)エッチ!」

 

 

「う、うわぁぁぁん!帆波ちゃんのバカぁー!!」

 

 

その後、女子更衣室の中に更なる阿鼻叫喚の嵐が吹き荒れたのは、言うまでもない・・・

 

 

て言うか、本当は私のことなんかよりも、下着のままで飛び出して行った千尋ちゃんの方が一大事だったんだけど・・・興奮したみんなは、誰ひとりその事実に気付いていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

「りゅ、龍園さん。さすがに入学3日目でエスケープはマズイっすよ」

 

 

「Yes. We are bad kids.」

 

 

「なんであたしまで・・・」

 

 

ここは特別棟3階。いまは授業中であるにも関わらず、Cクラスの王様ご一行がうろついていた。もちろん、ただ遊んでいるわけではない。

 

 

「ちっ!ごちゃごちゃうるせえな。黙って付いてこい」

 

 

頼りない手下たちにうんざりしながら、龍園はあたりに目を光らせる。ほぅ・・・ここは監視カメラがねえな。これは使えるぜ・・・ん?

 

 

ふと、階段の上に小柄な人影を認め、彼は立ち止まった。ククク・・・先客かよ。おもしれぇ。目障りな邪魔者は潰しておくか。

 

 

「石崎」

 

 

王様の勅命を受けて、そっと接近する手下1号。不意打ちは喧嘩の常套手段だ。ぎりぎりまで近付くと、一気に階段を蹴って飛び掛かる。

 

 

「きゃ?!」

 

 

「おらぁ!!・・・あ??マ、マジ?うそだろ・・・」( ゚д゚)ポカーン

 

 

かわいらしい悲鳴に続いて、謎の相手へ殴りかかろうとした石崎が、ぎょっとしたように動きを止めた。

 

 

「ちぃ!この役立たずがっ!」

 

 

悪態をつきながら飛び出した龍園だったが、同じくぎょっとしたように動きを止めた。あとに続くアルベルトも、顔を赤らめて立ち尽くすばかり。( ゚д゚)ポカーン ×2

 

 

「なっ・・・?!」

 

 

「Oh...Angel...」

 

 

「ひぃ!!な、何ですか?あなたたち・・・」

 

 

そう、そこに居たのは下着姿の白波千尋だったのである。一之瀬に彼氏がいると知って(不確定情報)ショックのあまり、女子更衣室からここまで泣きながら走って来たのだ。なお本人はまだ、自分の格好に気付いていない模様。そして、そんな彼女を取り囲む、むさ苦しい男子高校生が3人。もはや完全に通報案件である・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「がはっ?!」

 

 

「ぐはぁ?!」

 

 

「Ouch?!」

 

 

永遠にも感じられた一瞬の沈黙のあと、後ろからの不意打ちを浴びて崩れ落ちる王様以下3名。薄れゆく意識の中、龍園は呟いた。

 

 

「間違いねえ・・・やつは・・・百合だ」ガクッ

 

 

一方、見事なハイキック3連発を決めた伊吹澪は、ゴミを見るような目でそんなドラゴンボーイを見下ろしていた。

 

 

「キモ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、有り難うございました・・・」

 

 

「別に・・・あんたのためじゃないから。こいつらにムカついてただけ」

 

 

無愛想に答えながら自分のブレザーを脱ぎ、千尋の肩へ掛けてあげる伊吹。

 

 

「えっと・・・?」

 

 

「あんた、自分の格好分かってんの?」

 

 

その言葉でようやく状況を把握し、耳まで真っ赤になる千尋。諸々、手遅れである。

 

 

「はぁ・・・だいたい、どうやって下着だけでここまで来たのよ」

 

 

困惑と羞恥にまみれた千尋は、改めて眼前に立つ少女を見た。青っぽいショートヘアーと俊敏そうな体形。帆波ちゃんと比べたら、色んなところが()()()だけど、いまは感謝しかない。もし彼女がいなければ、自分は酷い目に遇わされていたかも知れないのだ。

 

 

「まあ、いいわ。取り敢えずここを離れましょ」

 

 

ぶっきらぼうな態度から透けて見える、芯の強さと不器用な優しさ。そして、学校指定のブラウスから透けて見える、水色のキャミソール・・・|д゚)ジー(ガン見)もしスカートも貸して、なんて言ったら怒るかな?(あたりまえ)それに()()()()()って、悪くないかも・・・

 

 

にわかに熱を帯びる千尋の瞳。もはや見境なしである。

 

 

「えっと、ひとついいですか?」

 

 

「へ?な、なに?」

 

 

何かを感じて思わず後退りする伊吹。その手を取ると、千尋は言い放った。

 

 

「お、お願い!おっぱい触らせて!!」ガバッ

 

 

「なっ?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どどどどうしよう・・・学園バイオレンスものと濃厚GLもの(未遂)が同時に録れちゃったよ・・・Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)」

 

 

少し離れた階段の物陰で、デジカメを手に目を白黒させる美少女がひとり。トップアイドル顔負けの容姿を持つ彼女は、いったい誰なのだろうか・・・(猿芝居)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・あれ?確かいまは授業中のはずでは・・・?ボソッ




次回第6話:そして衝撃の第二幕。

男女合同のプール授業・・・まあ、そうなるな。
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