そちらもどうぞご確認ください。
~ミッドチルダ・首都クラナガン~
ここは多次元世界の一つ『ミッドチルダ』という世界。
そこの首都クラナガンにある時空管理局・地上本部。
高層ビル群の一つ、武装隊の施設にその部隊はあった。
『特務隊』
主に特殊任務を専門とする部署。
武装隊の中でも隊長に認められた魔導師や騎士が多く所属している。
その中の1人…『流星 朝陽』に指令が下った。
「護衛?」
朝陽は目の前のデスクに座る男に聞き返した。
「そうだ。例の新型試作機の一機を地球のこの地点に輸送することになり、お前にその護衛を任せたい」
そう言って男はマップを表示すると赤く光る地点を指した。
そこは偶然にも駒王町と海鳴市の山にある神社であった。
「なんだってあたしが…それに新型をそんなところに運んで何になるのよ?」
朝陽の疑問も尤もだが…
「詳細は知らなくてもいい。それに地球にはノイズとかいう訳の分からん存在がいるというしな。ノイズに遭遇したら撤退せよ。"炭化"したくなければな。話は以上だ。下がれ」
男はそれだけ言うと退室するように言った。
「命令なら仕方ないけど…納得はしてないから」
それだけ言い残すと、朝陽は隊長室から出て行った。
「…………」
しばらくしてから回線を開いた。
「アザゼル」
『よぉ、ゼーラ』
「予定通り新型試作機を地球に向かわせる。ちゃんと受け取れよ」
『いいのかい? そんなことしちまっても』
「構わん。俺は"輸送と護衛を派遣したに過ぎない。そこで何が起ころうと…特に新型が奪取された"としても俺が責任を持てばいいだけの話だ」
『アンタも大胆というか何というか…』
「それが部下を派遣してまで新型をお前に渡そうとする俺の責だ」
『そいじゃま、ありがたく頂戴しますかね。そのデバイスとやらを…』
そんな不穏な会話の後、通信は途切れた。
果たして、男達…ゼーラとアザゼルの意図とは…?
………
……
…
~地球~
イッセーと忍が悪魔や神器の話を聞いてから早一週間が経っていた。
「はぁ…」
「イッセー君、大丈夫?」
「大丈夫なわけあるかよ…」
あれからイッセーは悪魔の契約という作業をしていたそうなのだが…。
結果は漫画を語り明かしたり、DVD鑑賞をしたりと…契約せずに終わっていた。
その結果を知ってリアスは頭を悩ませ、同じ部にいた男子部員のイケメン『木場 祐斗』も苦笑していたそうだ。
「なんで俺は変態っぽい人ばかりに呼ばれるんだ…」
「(あんまり深く聞かない方がいいかも…)」
あの一件以来、すっかり忍とも行動を共にするようになっていた。
「そういえば、またノイズが出たんだって」
「あ~、そういや、そんなニュースもあったな」
「ここ最近は頻発してるみたいだし、気をつけないとね」
「けど、悪魔にノイズとかって効くもんなのか?」
「そ、それは…どうなのかな?」
そんな会話をしながら2人は隣町である海鳴市へと向かっていた。
理由は最近海鳴市に出来たというお好み焼き屋『ふらわー』に行くためだった。
部活帰りのため、松田や元浜はいないが…。
「ま、何事も無いに越したことはないよな…」
「そうだね…」
そういう話をしている時に限って何かが起きる。
ヴヴヴヴヴヴヴ…!!
2人の携帯が同時に警報用のアラートが鳴り響く。
「わぅ!?」
「げっ!?」
携帯の表示を見ると、ちょうど今さっき話題に出たノイズ警報だった。
「噂をすればなんとやら…」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ!」
2人は急いで逃げようとしたが…
『-------』
逃げようとした先にノイズの大群がいた。
「マジかよ!?」
「とにかく逃げよう!」
ノイズの対処法としては今のところ逃げるしかないのである。
「逃げるったってどこに…」
「確か…ここなら神社が近いはず。そこまで逃げて後は…」
「考えるよりも先に行動だろ!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!?」
そう言ってイッセーは走りだし、それに少し遅れて忍も駆け出していた。
………
……
…
~同刻・神社付近~
「随分と騒がしいわね」
護衛と言うことで既にデバイス『ヴェルセイバー』を起動し、バリアジャケットを纏っていた朝陽が山の近くの町が騒がしいことに気づく。
「流星二尉。この場で間違いないのでしょうか?」
そこへトランクを持った局員が声を掛ける。
「えぇ、この辺で間違いないはずだけど…」
そうして歩いていると…
ガサガサ…
「なんだ?」
局員が物音に気付くと同時に…
『------』
「え…?」
局員が槍状となったノイズの突撃を受け、炭化する。
「なっ?!」
その光景を見て朝陽は絶句する。
「(まさか、これが隊長の言ってたノイズ!?)」
一瞬で状況を理解すると…
「セイバー! バイパー!」
ガシュッ!
『オッケー♪ バイパーフォーム』
ジャラン!
キッ!
即座に片手剣の刀身を蛇腹状にして局員の持っていたトランクを回収する。
『------』
複数のノイズが槍状となって朝陽に突撃してくる。
「ちっ!」
左手を突き出してベルカの魔法陣を展開してノイズの攻撃を防ぐ。
「触ったらアウトみたいだけど、魔法は効くみたいね」
そう言うと朝陽はバイパーフォームのセイバーでノイズを薙ぎ払うが、ノイズは倒せないでいた。
「ちっ…なんなのよ、一体!」
その場から飛び退くと同時にセイバーを元の片手剣に戻すと、そのまま神社の境内に入ってしまう。
「わぅ!?」
「おわっ!? なんだ!?」
と、ちょうどそこへ忍とイッセーもやってきていた。
「なっ!? 一般人がなんでこんなとこに!?」
2人を見て朝陽も驚いてしまう。
「げっ!? こっちにもノイズかよ!?」
「イッセー君! もう戦うしか…」
「けど触ったら、終わりだぜ?」
イッセーと忍が言い合っていると…
『------』
そこへ槍状となったノイズ達が突撃してくる。
「っ!?」
咄嗟に回避行動をするが、トランクを手放してしまう。
「しまった!?」
弾かれたトランクは忍の足元に転がってきた。
「これは…?」
忍がそれを拾い上げると…
「避けろ!」
朝陽が忍に向けて叫ぶ。
「おわっ!?」
「わぅ!?」
朝陽は空に飛び上がり、イッセーと忍は同時に飛び退いた。
ガチャ!
飛び退いた拍子にトランクが開き、中に入っていた2種類のブレスレットとベルトのバックル、それに3本のUSBメモリ型の端末が飛び出す。
「な、なにこれ!?」
慌てて飛び出した物を忍は集め始めようとする。
「(頭数が少ない以上…仕方ないか…)ちょっと、そこのアンタ!」
空中で回避行動を取りながら朝陽は忍に声を掛ける。
「は、はい!?」
そう答える忍もノイズの突撃を紙一重に回避し続けている。
「今から言うことを実行して! そいつを起動させて!」
一応、新型の資料には目を通していたのでだいたいの起動手順はわかっていた。
「そっちのアンタも協力しなさい!」
魔法陣を展開しながら今度はイッセーにも声を掛けた。
「俺まで?!」
何が何だかわからないイッセーも困惑していた。
「まずブレスレットを両腕に、バックルを腰に着けなさい!」
が、そんなことはお構いなく朝陽は指示を指す。
「え、えっと…これとこれを…」
ノイズから逃げながら忍は言われた通りにブレスレットを両腕に着け、バックルを腰に着けるとベルトが自動的に腰に巻かれた。
「なんかどっかで見たことあるようなギミックだな! 羨ましいぞ、忍!」
そんなことを言いながらも逃げ回るイッセー。
「そ、そんなこと言われてもぉ~」
「次! USBメモリみたいなのがあったでしょ! それを各装備に装填しなさい!」
忍の泣き言など知ったことかと言うように怒鳴る。
「これか?! 忍!」
逃げ回っていたイッセーが滑りながらも1本拾って忍に投げ渡した。
「わわ…!?」
それを何とかキャッチすると既に拾っていた1本と合わせてバックルと右腕のブレスレットに装填した。
「あと1本は…!?」
「あそこだ!」
残る1本は…ノイズ達のど真ん中にあった…。
「ちっ! アンタ達が逃げてるからあんなとこに蹴ったんじゃないの!?」
最悪の事態に朝陽は悪態を吐く。
「(あの姉ちゃん、良いおっぱいしてんのにめっちゃ怖い!)」
「(わぅ…そんなこと言われてもぉ~)」
こんな時でも下心満載のイッセーと内心半泣き状態の忍でした。
そんな時…
「~♪」
何処からともなく歌が聞こえてきた。
「な、なんだ?」
「歌…?」
「誰よ、こんな非常時に…!」
三者三様の反応とは別に歌が終わると…
ブォンッ!
周辺に特定の波動が広がる。
『------』
それと同時にノイズの色が少し変化した。
「え~い!」
そこへノイズに向かって白を基調にしつつオレンジや黒で彩られたアーマーを纏った少女…立花 響がノイズに体当たりを仕掛けていた。
「あの子は…!?」
初めて銀狼となってカーネリアと戦っていた時に見た少女だと忍は気づいた。
そして、あのアーマーを着ていた彼女はノイズを倒していたことも…。
「ちょっ、危ないって!?」
その事実を知らないイッセーは慌てて止めようとするがもう遅い。
『------』
体当たりされたノイズは粉々に砕ける。
「うそっ!?」
「(あの時と同じ!)」
イッセーは驚き、忍は確信を得た。
「あ~もう! 邪魔よ!」
カシュッ!
「ブレイズブレード!」
セイバーのカートリッジを消費させると同時に刀身に焔が宿り…
「はぁ!」
突撃してくるノイズに一閃すると…
『-----』
今度は完全に倒すことが出来た。
「っ!?(どういうこと?)」
その結果に朝陽自身も驚いてしまう。
「(あの子が来てから?)」
そして、さっきまでいなかった響の存在に何かあると踏むが、それが何なのかまでわからないでいた。
「(でも、今なら…!)セイバー!」
カシュ!カシュ!
『バイパーフォーム』
再び刀身が蛇腹状になると、今度は電気がその刀身に宿る。
「エレキトリック・サーペント!」
名前が示す通り、電気を纏った蛇のようにノイズを倒していくと、最後の1本の元へ続く道を作る。
「行け!」
「っ!?」
朝陽の言葉に一瞬驚いた忍だが…
「銀狼解禁!」
銀狼の姿となると、一直線にUSBメモリの元へと走り、それを取る。
「あ! あの時のワンコ君!」
忍の姿を見て響も声を出す。
「知り合いなのか? てか、やっぱりそう思うよな…」
建物や狛犬の像などに隠れながらノイズをやり過ごしていたイッセーは響の声に反応してから忍の見た目の評価に頷いていた。
「ぼ、僕は犬じゃなくて狼です!」
悲しいかな、全然説得力が無い…。
「取ったならさっさと挿入しなさい!」
そして、朝陽に怒鳴られる。
「わぅ…」
この口癖も原因だと思うが…とにかく忍は左腕のリストウォッチ型PDAに最後のメモリを挿入した。
「そしたら右腕のブレスレットのカバーをスライドさせて開けて」
ノイズが倒せるとわかった途端、朝陽はさっきの憂さを晴らすかのようにノイズ達を攻撃しながら指示を出す。
「えっと…テンキーとENTER?」
言われた通りにスライド式のカバーを開けると、そこにはテンキーとENTERのボタンがあった。
「そしたら0を三回押してからENTERを押しなさい!」
「は、はい!?」
ピピピ…
『Standing by』
忍が0を三回押すと、そんな電子音が響く。
「なんかホントにどっかの特撮っぽくなってきたな!」
逃げるイッセーが少しはしゃぐ。
「いいからENTERを押す!」
ピッ!
朝陽が怖さからか、即座にENTERを押すと…
『Matching Start』
その電子音と共に忍の周りに魔力障壁が張られ、さらに忍の頭上に一枚の魔力板が出現すると忍の体をスキャンするように何度も上下に行ったり来たりする。
その間、ノイズは魔力障壁に阻まれている。
「邪魔よ!」
「わわっ?!」
何故か、やって来た響もイッセーと同じように逃げ回り、朝陽は苛立ちを隠せないでいた。
そして…
『Complete』
スキャンが終わったらしい電子音が響き渡ると同時に忍の体を魔力障壁が覆い、バリアジャケットへと再構築していく。
ちなみに忍の纏ったバリアジャケットは上に赤いシャツを着て、下に黒の長ズボンを穿き、その上から背中に銀狼の横顔のエンブレムが刺繍された黒いジャケットを羽織り、両足にコンバットブーツを履いた姿となっている。
「これは…?」
自分の姿に驚く忍だが、障壁が無くなったのを見ていたのでノイズの攻撃を避けいていた。
「アンタも魔法が使えるならちょっとは手伝いなさい!」
忍がデバイスを起動させたのを確認すると朝陽はまた怒鳴る。
「ま、魔法なんて使ったことありませんよ!?」
カーネリアやドーナシークとの戦いで使った光の槍は魔力で練っただけなので、厳密には魔法とは呼べない。
だから忍は魔法を使ったことは無いと言える。
「はぁ!? じゃあ、なんでデバイスが起動したのよ!?」
「そ、そんなこと言われてもぉ…」
朝陽にわからないことを忍が知るはずもない。
その時、事態は再び動く。
≪千ノ落涙≫
ヒュドドドドド!!
無数の剣がノイズ目掛けて降り注いできた。
「今度は何よ!」
ノイズに攻撃しようとした矢先に剣が降ってきたので朝陽は咄嗟に後方へと飛び退いていた。
「………」
そこに歩いてきたのは響と同じような、でも異なる青いアーマーを纏い、その手には刀を持った少女だった。
「翼さん!」
響が少女…『
「翼って…どこかで見た覚えが……あ! もしかしてあのツヴァイウイングの風鳴 翼か!?」
翼という名前と容姿を見てイッセーは驚いたように叫んだ。。
「嘘!?」
その事実に忍も驚いていた。
「はぁ!」
≪蒼ノ一閃≫
そんな外野を無視して翼は刀を大型化させると蒼い斬撃を放ってノイズを一掃した。
「(何なのよ、この地球って星は…聞いてないわよ)」
朝陽はそのようを見ながら任務を言い渡してきた隊長の事を密かに恨んでいた。
「お、終わったのか?」
狛犬の像の後ろからひょっこりと顔を出したイッセーは近くまで来ていた忍に尋ねていた。
「そ、そうみたい…だけど…」
突き刺さる視線が二つ…忍とイッセーを捉えていた。
「ま、またなんだか厄介事な気が…」
「奇遇だな、忍。俺もそう思ってたとこだ」
2人のその予感は的中し、しばらく経ってからやって来た黒服の集団に分厚くで重厚な手錠を嵌められた忍とイッセーはそのまま連行されてしまっていた。
朝陽はその場から去ろうとしたところを翼に切っ先を向けられながら同行を求められて仕方なく同行することにした。
朝陽の場合、局員が死んだのだからノイズの話を聞きたかったのかもしれない。
………
……
…
~私立リディアン音楽院高等科~
黒服達に連れられてやってきたのは翼の通っている女子高として有名な私立リディアン音楽院であった。
大半の黒服達は入り口で待機していたが、翼と響、それと翼のマネージャーである『緒川 慎次』に連れられて手錠をされた忍とイッセー、セイバーだけを待機状態にバリアジャケットを維持したままの朝陽が構内を歩いていた。
「おお! 忍! 俺達、女子高の廊下を歩いてるぜ!」
「イッセー君…この状況ではしゃいでる場合じゃないと思うけど…」
「元気がいいですね。片方は完全に危ない人の発言のような気もしますが…」
そんな2人の会話に緒川が苦笑する。
「す、すみません…」
「なんでアンタが謝んのよ」
忍が謝ったことに朝陽が突っ込む。
「それで…一体どこまで行くのかしら?」
その後、朝陽が目的地を聞くが…
「黙ってついてきてもらおうか。あなた達は重要参考人ですから」
「人を犯罪者扱い? そいつはわかるけど、あたしは騎士よ(って言ってもこの世界じゃ通用しないか)」
翼の言葉に朝陽がそう答える。
イッセーを犯罪者と断じてだが…。
「ちょ、俺は普通の高校生ですから!(悪魔だけど…)」
朝陽の言葉にイッセーが反論するも内心では普通じゃなくなっていた事を自覚していた。
「僕は…………普通じゃないですよね…はい…」
解くタイミングを見失って未だ忍は銀狼のままだったりする。
「騎士? 騎士ってなんですか?」
朝陽の騎士発言に響が食いついた。
「別に…知らないなら知らなくてもいいわよ(どうせ、この世界で通用するのはごく一部だろうし…)」
そうこうしてる間に6人はエレベーターに乗り込む。
「学校にエレベーターまであるなんて…流石リディアン!」
「でも…なんだかおかしくないかな?」
普通の学校にエレベーターはありません。
緒川が端末をエレベーターの角の認証機に翳すと、取っ手が出現する。
「では、この取っ手をしっかりと持っていてください」
言われた通りにイッセーと忍は取っ手を掴むが、朝陽が壁にもたれ掛っただけだった。
「危ないですよ?」
「別に、あたしなら平気だし…」
「そうは言いましても…」
朝陽と緒川が言い合っているとエレベーターが起動し、物凄い勢いで下降していった。
「「ええっ!?」」
「…………」
しかもかなり深い…。
そして、地下へと到着してから6人を指令室で待っていたのは日焼けして筋肉隆々の男と白衣を着た女性だった。
「民間人…というわけではなさそうだが…」
男の第一声は忍と朝陽、イッセーの順に見た第一印象だった。
「いや、俺は普通ですが!?」
悪魔という事実を隠したとしてもイッセーは普通の人間と変わりない容貌をしている。
それは朝陽に関してもそうなのだが、彼女から感じる騎士としての雰囲気と魔力を男は感じ取っていた。
忍は……言わずもがな、銀狼状態故に…。
「君の場合、生気をあまり感じない。何故生きてるのかが不思議なくらいだが?」
「え…?(まさか、バレてる!?)」
男の言葉にイッセーは焦り出す。
「自己紹介がまだだったな。俺は風鳴 弦十郎。ここ、特異災害対策機動部二課の司令官をしている」
「そして、私ができる女、櫻井 了子よ。よろしくね」
2人の自己紹介に…
「あ、ご丁寧にどうも。僕は紅神 忍です。こっちは友達の兵藤 一誠君で、こちらは…」
何故か、反射的に忍が挨拶を返すとイッセーを紹介し、朝陽の事も紹介しようとしたが名前すら知らないことに気づいた。
これもまた智鶴の教育の賜物であろうか?
「あたしは流星 朝陽。階級は二等空尉。時空管理局所属の騎士よ」
朝陽は自分の所属を言っていた。
『ちょ、朝陽ちゃん! そこまで言っちゃっていいの!?』
セイバーが困ったように声を上げた。
「な、なんだ!?」
「ど、何処からか声が!?」
セイバーの声にイッセーと響が慌てたように辺りを見回すが、誰もいない。
「(時空管理局…じゃあ、フェイトさんと同じところの…)」
忍は朝陽の発言にフェイトの事を思い出していた。
「時空管理局か。確か、ゼーラという男もそこの所属だったな」
「隊長を知ってるの?」
「昔、ちょっとした戦場でな…」
弦十郎は朝陽の問いにそう答えた。
アンタ、何者だ?
「なら聞かせて、ノイズってなんなの? そいつらのせいでこっちにも死者が出たわ。任務も失敗。新型デバイスもそこの奴が持つことになったし…」
「え? ぼ、僕が、ですか?」
弦十郎に文句を言うついでに忍にもその矛先が向けられた。
忍からしたらびっくりするのも当然だが…
「そうよ。それは一度起動した人の魔力に対して最適化を施すの。リセットするには一から分解しないとならないって資料にあったし、実際問題そんな余裕もないのよ」
「忍が魔力…じゃあ、お前も悪魔…?」
朝陽の言葉にイッセーも驚いてつい口走ってしまった。
「イッセー君!?」
「やっべ!?」
慌てて口を押さえるがもう遅い…。
「え? え? 悪魔? デバイス? 時空管理局? 皆さん、何の話をしてるんですか?」
「司令。どういうことですか?」
響は混乱し、翼も弦十郎に問いかけていた。
「(これはこれは…なんだか混沌としてきたわね~)」
そんな中、櫻井女史は内心で笑っていた。
………
……
…
「…………」
『ノイズが出たんだ。それに近くには悪魔君もいたし、そう簡単には出ていけなかったのさ』
「ノイズによってうちの局員は?」
『あの女騎士は生存してたぜ? 他は炭化したがな。試作機は…なんだか狼っぽい少年が手にしてたな』
「少年だと?」
『あぁ…ありゃ人間じゃない。俺らみたいな存在と同じだ』
「その少年がネクサスを起動させたとなると…リンカーコア持ちの可能性が高いな」
『おそらくはな。で、どうするよ?』
「お前に任せる。元々、ネクサスはお前に渡す予定の物だったしな」
『へいへい。じゃあ、適当にあの神器持ちの悪魔君から接触してみるかね』
「悪魔とは敵対してるんじゃなかったのか?」
『身分はちゃんと隠すさ。それにあの様子じゃ悪魔になりたてだろうし、そう簡単にはバレやしねぇよ』