魔導騎士物語~覇王と称された狼~   作:伊達 翼

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19.狂春予選のディストピア
第百二十六話『始まる宴』


卒業シーズンの中、私立リディアン音楽院でもまた卒業式が行われており、翼が卒業することになっていた。

 

式が無事終わった直後、特異災害対策機動部二課から召集を受け、響、翼、クリスはとある作戦に参加することとなる。

 

それは、宇宙空間に漂っていたフロンティアの一部…かつてフロンティア事変にてウェル博士によってナスターシャ教授ごとフロンティアの一部を切り離されつつも、ナスターシャ教授は月の遺跡を再起動させた。

その残骸を回収すべくシャトルが打ち上げられ、ナスターシャ教授の遺体とその一部に残ったフロンティアの異端技術を回収した後、帰還する最中にエンジントラブルに見舞われた。

そのシャトルを助けるべく、日本政府から国連に打診し、シンフォギア装者3名による救出活動が実行されたのだ。

シャトルは装者3名の尽力によって無事不時着を果たした。

 

この事件を機に特異災害対策機動部二課は国連直轄の超常災害対策機動タスクフォース『S.O.N.G.』として再編されることとなり、表向きは世界各地の災害救助が主な任務としているが、その裏では各国の思惑がありながらもこの1年の間に起きた出来事に付随する多次元世界や他種族に対する抑止力的な意味合いも持たれていた。

それが果たしてどこまで通用するのかはともかくとして、人間界でもそうした動きがあるも事実であった。

人間界で起きたルナアタック、フロンティア事変を解決した二課に白羽の矢が立つのも仕方ないことかもしれないが…。

 

そして…

 

………

……

 

4月の半ばを過ぎた頃。

 

遂にレーティングゲーム国際大会『アザゼル杯』が始まろうとしていた。

開会式は冥界の魔王領に新設された真新しい大会用の巨大スタジアム(東京ドーム換算で10個分らしい)で行われる。

その開会式には最低でもチームの『王』か『女王』が出席しなくてはならない。

それでも参加チームが軽く1000を超えていれば、スタジアムも手狭に感じてしまう訳だが…。

中にはチームメンバーを引き連れているチームもいるので、余計にそう感じてしまうようだ。

 

~~~

 

肝心の大会ルールはこうだ。

 

まず、参加資格の条件は特に設けられていない。

悪魔、天使、堕天使、妖怪、神、人間と、かなりの幅広さで参加資格がある。

また、悪魔は自らの眷属以外でメンバーを揃えて参加することも可能になっている。

但し、どのようなチームでも『王』だけは確実に登録しなくてはならない。

それ以外のメンバーについては試合前に登録し直せば、入れ替えも可能としているが、同時に入れ替える人数には制限が設けられている。

当然だが、『王』の入れ替えは不可能になっている。

さらに選手の二重登録は失格の対象となっており、その選手を起用したチームにもペナルティが課せられる。

 

次にチーム構成。

これは悪魔の駒…つまるところチェスに準じる形になっている。

王と女王が各1人、戦車・騎士・僧侶が各2人、兵士が8人の最大16人構成となる。

選手は対応したクラスに登録することになる。

ここで面白いのが、仮に転生悪魔で与えられた駒が騎士でも、この大会では他のクラスとして登録ができることだろう。

そうしてチーム編成を行う都合上、悪魔の駒での眷属にするにあたり、素養や才能によって使用する駒の価値や数があるのだが、今回の大会ルールではほぼ(・・)撤廃されている。

 

しかし、神クラスの選手は別である。

神一柱に対し、戦車・騎士・僧侶を二枠使い切ることが多い。

ただでさえ強大な力を保有する神クラスの選手は、一柱いるだけでも戦況を一変しかねないからだ。

 

さらに兵士の枠にも厳しい制限が設けられている。

兵士の特徴としては『昇格』がある。

これを利用し、かなりの実力者が女王に昇格するとなると、ゲームバランスが著しく悪くなることが予想される。

そのため、兵士に配置する人員に制限が設けられるのも頷ける。

 

そして、今大会の優勝賞品だが…。

『あらゆる願いを可能な限りに叶える』。

各勢力の様々な神秘や技術を用いて、優勝チームの願いを叶える。

そういうものだった。

但し、『世界に混乱をもたらす願い』は否としている。

 

本選である決勝トーナメントに進めるのは、16チーム。

予選に参加するチームの総数からしたら、かなりの狭き門となる。

 

予選では、悪魔が行っていた従来のレーティングゲームに倣ったレート…つまるところ、ポイントで競い合う形式を採用している。

最初は各チーム、1500ポイントを保持し、ゲームを進めていく中でポイントを増減させていく。

自チームよりも高いポイントを持つチームに勝てば、それだけ多くのポイントを得られる反面、ポイントの低いチームに負ければ数値も下落を強めることになる。

ちなみに予選での試合参加は各々の判断によって決められるようになっていて、戦いたい、ポイントを稼ぎたいなどの理由から運営に事前登録を行い、同時期に試合をしたいチームとのマッチング方式となる。

そのため、勝ち星よりもチームの管理が重要になってくる仕様となっている。

 

予選期間は4月の半ばから夏頃までを予定している。

また、試合には通常のルールに加え、特殊ルールも当然ながらある。

 

~~~

 

そして、スタジアムではイッセーがド派手な登場の仕方をしていた。

彼の使い魔『龍帝丸』でスタジアム上空に飛来し、そこから会場入りしたのだ。

イッセーの登場に、仲間やライバル達が続々と集まっていた。

 

 

 

そして、始まる開会式。

 

宴の幕が上がる。

決勝トーナメントに進出するのは…いったいどのチームか?

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