~駒王学園~
リアス・グレモリー眷属VSライザー・フェニックス眷属の非公式レーティング・ゲーム当日。
場所は駒王学園…を模した専用のバトルフィールド空間。
ゲーム開始時刻は深夜零時。
ゲーム終了は人間界の夜明けまでである。
陣営はリアス達が旧校舎のオカ研部室が本陣、ライザー達は新校舎の生徒会室が本陣となっている。
また、このゲームは両家の関係者達も観戦しており、その中には『
サーゼクスはリアスの実の兄なのだが、それを知らなかったイッセーは大いに驚いたらしい。
そして、決戦の火蓋は切って落とされた。
………
……
…
リアス陣営は森にトラップを設置し、その上から幻術と霧をかけていた。
そして、次はイッセーと小猫が組んで重要拠点の一つである体育館を押さえるために動いていた。
そこで2人はライザーの戦車と兵士3人と交戦していた。
「修行の成果、見せてやる!」
赤龍帝の篭手を出現させると、カウントが始まる。
『Boost!』
「はぁ…ふっ…!」
イッセーは弦十郎から習ったアクション映画仕込みの中国武術的な構えを取る。
「そんな見かけ倒しで!」
兵士の1人が棍の突きをイッセーに見舞うが…
「はぁ!」
棍の突きを的確に右腕で逸らすと、篭手を纏った左拳で兵士の腹部に打撃を与える。
「かはっ!?」
思いがけないイッセーの攻撃に兵士の娘は吹き飛ぶ。
「ミラ!?」
「こんのぉ!」
そこへ別の兵士がやってくる。
この兵士は双子で、どっちもチェーンソーを装備している。
「(さ、流石にこれは避けるしかねぇか!?)」
いくら修行したとは言え、イッセーに弦十郎ほどの実力はないので回避に専念する。
『Boost!』
こうしてイッセーは戦いながらも倍加の時間稼ぎをして一定時間経ったら倍加した力を解放するとう戦法を取り、兵士3人を相手に優位に立ち回った。
小猫の方も相手戦車に対して優位に立ち回っていた。
その後、イッセーは新たな必殺技『
その内容とは、単純であるイッセーの脳内で女性の衣服を消し飛ばす妄想を延々と繰り返し、そこに魔力の才能を全力で注ぎ込んだ、何とも卑猥で非常識極まりない技である。
そこへリアスからの通信が入り、体育館を放棄。
直後、朱乃による雷撃で体育館ごと敵戦車と兵士3名を撃破した。
しかし、作戦が成功したと喜んでいたところを敵女王によって小猫が撃破されるという事態に陥った。
そこへ朱乃が現れて敵女王と交戦。
イッセーは1人、木場と合流すべく走った。
………
……
…
イッセー達がレーティング・ゲームを行っていた頃…。
明幸組の屋敷の縁側で、ちょっとした出来事が起きていた。
「なんですか、あなたは?」
狂気に満ちた眼で、智鶴は目の前に現れた人物を睨んでいた。
「あ~、怖い怖い」
その人物とは、腰まで伸ばした黒髪に黒い瞳を持ち、西洋人形のように綺麗で整った顔立ちをした少女だった。
「殴り込みでしたら…何処の組か言っていただきましょうか?」
智鶴は寝巻の胸元からドスを取り出すと警告を発した。
「殴り込み? 組? そんなの知らないわ。私はあなたに用事があるだけよ」
しかし、少女はそんなことはお構いなしに言う。
「一体、私に何の御用というんですか?」
冷たい表情で智鶴は聞き返す。
「あなた…力が欲しいとは思わない?」
「力…?」
少女の言葉に首を傾げる。
「そう…あなたの想いを邪魔するやつを排除できるような…そんな力が…」
「私の、想い……」
それを聞き、真っ先に浮かんだのは…忍の姿であった。
「しぃ君…」
その眼に宿る狂気が揺らいだのを少女は見逃さなかった。
「力が欲しいなら…一緒に来なさい」
そう言って少女は智鶴に手を伸ばす。
「私は…」
智鶴が少女の手を取ろうとした時…
「あらあら…何をしてるのかしら?」
屋根の方から声が聞こえてくる。
「ちっ…邪魔か」
少女が舌打ちして屋根を見ると、そこには黒い翼を広げながら屋根の縁に座っているカーネリアの姿があった。
「堕天使」
「あなたも色々と混ざりモノが多いように見えるわよ?」
「ふんっ…」
次の瞬間、少女の右腕が黒く変色すると肥大化していき、巨大な獣の手のような姿になると跳び上がってカーネリアを攻撃する。
「有無を言わさず攻撃ね。なかなか良い度胸じゃない」
カーネリアは飛翔してそれを避けると、黒い光の槍を持つ。
「ブラック・チェーン」
屋根に着地した少女は右腕をカーネリアに向けると、獣の腕が数本の鎖へと変異してカーネリアを拘束しようとする。
「これは…」
その様子を見て眼を細めると、カーネリアは光の槍で鎖を断ち切る。
「っ…ブラック・ソーサリー」
断ち切られた鎖が円盤状となって縦横無尽にカーネリアに襲い掛かる。
「厄介ね…」
カーネリアは面倒そうに言うと、それを空中を飛び回って避け続ける。
「あんな奴がいるんだもの。さぞ鬱陶しいでしょうね」
屋根から少女が智鶴にそう言うと…
「しぃ君…守る…邪魔…」
ブツブツと
「しぃ君は…誰にも渡さない…!」
強い憎悪にも似た感情が智鶴の中で渦巻く。
すると、そこへ…
「ちぃ姉!?」
ただならぬ雰囲気と戦いの匂いで目が覚めたらしい忍がやってきていた。
「しぃ君…しぃ君は戦わなくてもいいのよ。怪我したら大変だものね」
もはや正気とは思えない虚ろな眼で忍を見つけると、優しいと言うよりも怖い印象を与える笑みを忍に向けていた。
「私に、力を…しぃ君が戦わなくてもいいような…そんな力があるなら…私は…!!」
そう屋根の上にいる少女に向かって言っていた。
「わかったわ」
それを少女は承諾し、智鶴の元へと飛び降りる。
「あら、大変」
カーネリアは他人事のようにそれを見ていた。
「ちぃ姉、なにを!?」
寝起きで急いでいたためネクサスを持っていない忍は状況が分からず、混乱していた。
「しぃ君。待っててね…ちゃんと守ってあげるから…」
そして、次の瞬間には少女は黒い転移陣を敷くと智鶴と共に姿を消すのであった…。
「な、なにが…どうなって…」
忍は呆然と見ているしかなかった…。
しかし、智鶴が消えた一因には忍も深く関わっているのであった。
………
……
…
智鶴が力を求めて消えた頃、レーティング・ゲームはというと…
あの後、
木場が兵士を3人倒し、イッセーと合流。
そこで木場は騎士と一対一の勝負を仕掛け、イッセーもまた相手戦車と互角の戦いを演じていた。
その中、相手僧侶の1人がライザーの実の妹『レイヴェル・フェニックス』であるという事実がわかり、ライザーの変態性を垣間見たイッセーであった。
しかし、状況は他の敵眷属が集まり包囲されるという事態に陥るも、新たな力に目覚めたイッセーの能力によって木場の神器『
だが、相手女王と戦っていた朱乃が一度は相手を追い詰めたものの回復アイテム『フェニックスの涙』によって回復した相手女王によって撃破され、木場もまた女王に倒されてしまった。
残ったイッセーはアーシアと共にライザーを倒しに向かったリアスを援護するために新校舎へと向かった。
そして、ゲームは
「リアス。
「ふざけんな! やってみなきゃわからないだろうが!!」
ライザーの言葉に激怒したイッセーはライザーに向かって突っ込んだ。
結果から言えば、イッセーは負けた。
体術を磨き、体力を増やしたが…不死身のフェニックスを相手にしてそれは付け焼刃でしかなかった。
何度か攻撃は通り、ダメージを与えることは出来た。
しかし、それは逆にライザーの闘争心に火を点け、イッセーを完膚なきまでに叩きのめした。
だが、イッセーは意識を飛ばしながらも懸命に立ち向かった。
その精神力は驚嘆に値するものだった。
そして、そんなイッセーの姿を見続けることの出来なかったリアスは…遂に投了してしまった。
………
……
…
~某所~
「その女が適合者か?」
「えぇ、ほぼ間違いないと思うわ」
そう言って少女は智鶴を蠍の像の前に連れてきた。
「これが…力?」
「えぇ…あとはあなた次第よ」
少女の言葉に虚ろな眼をした智鶴は蠍の像に手を触れた。
「お願い…私に力を貸して…しぃ君を守るための力を…」
そう言った瞬間…
ヒュッ!!
蠍の尻尾が動き、その先にあった大剣が智鶴を襲う。
しかし…
キンッ!!
持っていたドスによって大剣を弾いて見せた。
「へぇ…あれを弾くんだ。凄い執念…」
少女ですら反応が遅れた攻撃を智鶴が弾いたことに少女は感嘆の声を上げていた。
『我が名はスコルピア。あなたの名前は?』
「私は…明幸 智鶴」
『智鶴様。これより私はあなたの力となりましょう。蠍座の名に懸けて…』
カッ!!
蠍の像が神々しく輝いた次の瞬間…
ジャキンッ!
蠍の像は白銀の鎧となりて智鶴の体へと装着されていた。
「これで…私はしぃ君を…守れる…」
そう言う智鶴の姿は…正に狂気に狂う白銀の戦乙女のようだった。