共闘を持ち掛けてから数日後のこと。
響の元へとネフシュタンの少女が襲来してきた。
しかし、その戦いで響は親友『小日向 未来』を巻き込んでしまった。
その一方で、響を襲撃したネフシュタンの少女こと『雪音 クリス』はネフシュタンの鎧をパージして第二号聖遺物『イチイバル』を発動させ、その圧倒的な火力で響を追い詰める。
しかし、十全でない状態の翼が駆けつけ、今までとは違う圧倒的な剣舞でクリスを戦慄させる。
だが、そこに終末の名を持つ者『フィーネ』と呼ばれる女が現れてソロモンの杖を使ってノイズを操り、翼と響…さらにクリスをもターゲットに攻撃を仕掛け、ネフシュタンの鎧を回収してその姿をくらましていた。
それを追い、クリスもまた姿を消す。
そして、戦闘後…響は今まで隠していたシンフォギアのことを知られてしまい、未来と気まずい関係となってしまう。
これはその夜の事…。
場所は海鳴臨海公園。
「…………」
クリスが臨海公園を横切ろうとしていると…
「夜道を女の子が一人歩きなんて危ないですよ」
駒王学園の制服を着た忍(少年モード)が声を掛けていた。
「はっ、ガキがいっちょ前に言う台詞かよ」
「これでも僕、もう高校二年なんですよ?」
「はぁ!? お前みたいなのが高二って…ホントかよ!」
忍の言葉にクリスは驚いてみせる。
「本当ですよ。僕はちょっとした用事でこっちにいるだけなんですけど…」
「ちょっとした用事?」
クリスが忍に聞き返すと…
「ちっさなお兄ちゃ~ん」
「おい、勝手にいなくなんなよな! 何で俺達がアンタを探さないとならないのさ!」
兄妹らしき小さな男の子と女の子が忍を見つけてこっちへやってくる。
「あ~、ごめんごめん。ちょっと知り合いがいたからさ。一緒に君達のお父さんを捜のを手伝ってもらおうと思って」
ちょっと膝に手を置くだけで子供達の視線まで降ろすと、クリスを指差してそう言ってみせた。
「はぁ!? ちょっと待て!? それはもしかしてあたしのことじゃ…」
クリスっが文句を言う前に…
「わ~い♪」
「ありがとな、お姉さん」
女の子がクリスの手を取り、男の子もお礼を言っていた。
「それにほら…見た感じだと僕まで迷子とか思われますし、あなたくらいの人が一緒だと色々と言い訳も楽なんですよ」
そんな2人の様子を見ながら忍はそうクリスに言っていた。
「ぐぬぬ…」
何ともアホな展開に巻き込まれたクリスだったが、その後は無事に兄妹の父親を見つけてお礼を言われていた。
そして、再び臨海公園まで戻ると…
「さっきはありがとうございました。これ、お礼にどうぞ」
そう言って忍は自販機で購入したジュースをクリスに渡していた。
「これでチャラになる訳じゃねぇからな!」
そう言いつつもしっかりと受け取り、一気に飲み干してしまう。
「そんなに急いで飲まなくてもいいのに」
その様子に苦笑していると…
「つか、なんでまだいんだよ」
苛立たしい様子で忍を睨む。
「少し聞きたいことがあって」
「なんだよ?」
忍の質問にぶっきらぼうに答える。
「何故、あなたは戦うんですか?」
「なっ!?」
なんでそれをテメェが知ってると言いたげな表情で忍から距離を取った。
「この姿だと初めてですものね」
そう言うと周りに誰もいないことを確認すると…
「なら、これでどうですか?」
ピピピ…
『Standing by』
「ネクサス、起動」
ピッ!
『Complete』
バリアジャケットが展開されると共に忍の身体も成長する。
「先日はどうも」
そこには先日、デュランダル強奪を邪魔した人物がいた。
「お前…!!?」
すぐさま臨戦態勢になるクリスだが…
「ちょっと待って。俺は別に戦いに来たわけじゃないんだ。君の話が聞きたくて…」
そう言って両手を上げると戦意が無いことをアピールする。
「あいつと同じようなことを!!」
「あいつ?」
「お前には関係ない!」
そう言い切るとクリスは踵を返して何処かへ行こうとする。
「(寂しそうな背中だな…。しかし、ノイズや彼女の匂いとは別に…なんだか香水っぽい匂いがしたな。それに…何処かで嗅いだことのあるような…)」
忍はそんなクリスの後姿を見送りながらそんなことを考えていた。
………
……
…
その翌日。
クリスはフィーネに使い捨てにされた事実を問い質そうとしたが、ソロモンの杖に呼び出されたノイズ達に一度は囲まれてしまう者のイチイバルを用いて逃走した。
その後、クリスを追うようにしてノイズが断続的に出現するが、それをクリス自身が倒しているので被害は最小限に留まっていた。
さらにその翌日の土砂降りの雨の日にクリスは海鳴市の街中で力尽きたように倒れてしまい、そこで未来に助けられた。
お好み焼き屋『ふらわー』で手当てを受けた。
しかし、晴れた午後になるとノイズ出現の警報と同時に避難勧告が発令された。
それを聞いたクリスは自らの責任感と、未来の制止を振り切って1人、ノイズを迎撃しに向かった。
「~♪」
その身にイチイバルを纏おうとするも…
「ゴホッ! ゲホッ!」
土砂降りの雨の中を逃げていたためか、聖詠の途中で咳き込んでしまう。
「しまっ…!?」
と、そこへ駆けつけたのが…
「ふんっ!!」
風鳴 弦十郎が地面を力強く踏みつけるとコンクリの道が畳返しのようになって壁となって突撃してくるノイズを阻む。
「風鳴さんって…本当に人間なんですか?」
そう言って弦十郎が壁にしたコンクリの道をシールドで強化しつつノイズの攻撃を避けながら忍(青年モード)もやってくる。
「君に言われたくはないが、俺は正真正銘の人間だ。映画好きの、な!」
その壁を破壊してノイズに飛ばして牽制すると、クリスを抱えて一足に建物の屋上に跳んでしまう。
「………」
その様子を見て忍は疑いの目を向けながら電柱を蹴って屋上へと上がる。
「なんだ、その眼は?」
「……いえ、気にしないでください」
「ふむ…それよりも大丈夫か?」
忍の視線に気づきつつもクリスを心配する様子の弦十郎だった。
「(彼女に対して何かあるのかな?)」
その様子に忍も首を傾げるが…
『-----』
飛行型のノイズが上がってきたので、おちおち考える暇もなかった。
「~♪」
そして、今度こそイチイバルを装着したクリスがノイズを迎撃する。
「これなら…」
それを見て忍も魔法陣を足元に展開すると両手から中距離砲撃『ハウリングバスター』をノイズに見舞っていた。
「ちっ、余計なことを…」
「本調子じゃない女の子を1人で戦わせるわけにはいかないでしょ?」
「よくもまぁ、んなことを…」
忍の言葉に呆れるクリスであった。
「が、言ってることは正しいか。あたしの邪魔だけはすんなよ!」
そう言ってクリスはノイズを引き付けるべく行動を開始した。
「はいはい」
忍もクリスを追おうとしたが…
「紅神君! 彼女は…」
「詳しい事情は後で話しましょう。風鳴さんは逃げ遅れた人達の救助をお願いします。居候先の組員も逃げてるだろうし…」
最後の方はぼそりと小声でつぶやく程度であったが、それだけ言い残して忍もまたクリスを追った。
「……紅神君。君は…堅気か?」
気になったのはそこですか。
忍はクリスを援護しつつノイズを迎撃していった。
その一方で、響も逃げ遅れた未来とふらわーの店長と遭遇していた。
2人を襲っていたノイズはタコみたいな容貌で音に反応するタイプであった。
未来はふらわ-の店長を助けるために自ら囮となって時間を稼いだ。
最終的に未来の危機を響が助ける形となって微妙だった関係が元に戻る。
そうしてノイズ掃討後、クリスは一時的に明幸組に身を隠すこととなったのだが…。
「事情は分かりました。そういうことなら致し方ありません。でも、しぃ君。そういうことはもっと早く知らせてほしいな?」
「ご、ごめんなさい…」
智鶴の機嫌を直すため、忍はひたすら頭を下げていた。
「鬼嫁?」
「ふふっ…むしろ尻に敷かれてるだけじゃないの?」
「なんなんだよ、こいつら…」
その様子を傍から見ていた居候3号(暗七)、居候2号(カーネリア)、クリスの順に呆れたり面白がったり不思議がってたりしていた。
後日、明幸組に弦十郎が訪問しに来て忍にクリスの話をしたのだが、それを智鶴、カーネリア、暗七の3人はしっかりと盗み聞きしていた。
特に智鶴はその内容を聞いて悲しくなったのか、クリスを引き取ろうとまで言い出していた。