タルコフ市のどこかで 作:N2020
タルコフには二つの出撃モードがある。
失うものも何もなく、成功すれば美味しい物資や残飯を得られる可能性のあるSCAVモード。
自身のハイドアウトから物資を引っ張り出し、ロストする危険性はあるがSCAVモードより大きい利益を生み出すメインキャラクターを使うPMCモード。
何度も何度も死にながらLv6になり、スタッシュの容量がそろそろなくなってきたころ。初心者Kは危機感を覚えていた。
K「そろそろタスクってやつをしなきゃ不味いんじゃあねえのか....??」
そう、Kはまるでタスクをしていなかった。唯一していたとすれば、
だがそれ以外をまるでしていなかったのだ。例を挙げれば
K「しかしどこにあるのだろうか...??」
が、Kはここでも躓いた。数多くあるタルコフのマップ、しかもそのマップの中からまた漁り場所を選択しなければならない。多少Y〇utubeで培った知識はあれど、あまりにも多すぎるバリエーションにKの脳は思考の末、導き出した結論は...
K「そうだ、Woods行こう。」
なぜKがWoodsに京都行こう的なノリで言ったのかを説明しよう。
主にWoodsには3つの漁り場所がある。USECキャンプ、伐採場、そして医療キャンプだ。そう、もう一度言おう、医療キャンプだ。この医療キャンプはその名前の通り、医薬物資が大量にスポーンする。その中には存在が貴重なゴールデンスターやイブプロフェンといった鎮痛系物資や、お探しのサレワだってスポーンする。仮に独り占めできれば
K「よし、それじゃぽちっとな。」
The W〇rld!!!!時は動き出す!!
マッチングした時、まずすることと言ったら何だろうか。セレクティブの切り替え?やるべきことの確認?マガジンチェック?
Kはまず脱出地点の確認を第一に、その次にマグチェックをしていた。Oキーをダブルタップし、緑の枠組みからぽっとスライドしながら脱出地点の表示を見ると、こう表示してあった。
脱 出 地 点 を 表 示
脱出地点01 FACTORY Gate(Co-op)
脱出地点02 Bridge V-Ex
脱出地点03 ZB-014 ?? ?? ??
脱出地点04 Outskirts
K「Outskirts....??ああ、なんかの実況で、Outskirtsが脱出地点にあるとうんたらかんたらとか言ってたな。」
こんなことを言っているが、内容は覚えていないのである。そもそも自分がどこで湧いたかも理解できていないので、近くの茂みに伏せて安心安全と信頼のwiki様を見物する。そうして自分が目的の医療キャンプの最速湧きであることを理解したが....?少しKの様子はおかしかった。
ここで今現在のKの装備を簡単に言おう。God Mosin(Infantry、LPS装填)、Gssh-01ヘッドセット、MBSSバックパック。
以上。え、アーマー?ねぇよそんなん。要は俗にいう裸モシン(バック付き)である。軽装マンのいい例だろう。
抵抗するための装備はともかく、正直このありさまではSCAVが2体来たら普通に死にかねない。ましてやPMCなんて論外である。そしてこのリス位置確認のシンキングタイムで最速とは自信をもって言えなくなってしまい、UN Roadblockや墜落現場湧きのPMCと下手したらかち合う可能性だってある。そうした考えがKの足取りを阻んでいた。
K「う~ん...」
しかしここで悩んでいても何もできない。とりあえず医療キャンプに突撃することにしたKは、キャンプまであと少しというところである銃声を耳にする。
パアンパアンパアン!!
K「はっ!?」
伐採場から聞こえる三発のいかつい銃声。タルコフにある程度に慣れてきた人なら分かるであろう、おなじみSCAVBOSSのShturmanさんである。
知らない人向けに説明すると、超視力と超火力を兼ね備えた最強のスナイパー・取り巻きを添えて___である。
ある程度の腕前を持ったものなら割と簡単に倒せるほうのSCAVBOSSではあるのだが、なんだ、その、お察しの通りKの装備と腕前では無理である。いや、上手い人だったらできるのかもしれないが....
まあ一度それは置いておこう。Kは伐採場の銃声におびえながらもなんとか医療キャンプに到着出来た。出来たのはいいのだが...
トトットットッガチャ
K「こ、こいつはぁ!?」
安物のヘッドセットから聞こえてくる音、視聴者の皆様はもう察しているだろう。敵の出した足音だ。当然Kは焦る。まともな装備をしている敵に勝ち目はない。ましてや近距離戦ならなおさら、ワンチャンヘッショラッキーパンチにかけるくらいしかない。
K「先にあいつを倒さないと満足に...あれ?」
現在Kがいる場所は医療キャンプ中のテントの下。机が大量に並んでいて、医療バッグが置いてあるところといえば分かるだろうか。そこにはよく美容店かなんかにおいてある3段構造の小さい机みたいのがあるのだが、Kはそれに目を付けていた。
なんか黒いのあるぞ、と。
Kの脳裏の思考は70%が敵、30%はこの机の上にあるものに目を向けられていた。黒い見た目、少し厚みがあるということで、AFAKかと思ったが、その思考は直後にかき消された。
K「ば、馬鹿な....LLLL、LEDXだとぉぉ!?!?!?」
説明しよう!LEDXとは、別名クワガタムシと呼ばれる超高級品!!フリーマーケット(Lv15で開放)では100万ほどで取引されるのは日常茶飯事、タスクで6個ほど要求されるがあまりの出現確率の低さに一生終わんねえよ(´;ω;`)となり詰む者もいる!!一個持ち帰ってもビットコイン以上の価値を誇るのが、LEDXなのである!!
だがしかし、タスクで納品するにしても、フリマで売るにしても、どちらにせよFind in Raid....要はこのレイドから生きて帰る必要がある!それつまり、PMCを倒さなければならない!裸モシンで!!近距離で!!
K「いやだ!いやだ!なんでここなんだ!よりにもよって!!!畜生!やってやろうじゃねえかこの野郎!!」
覚悟を決めたKは、さっき拾った
ドタバタと足音を立てながら接近し、様子を伺うK。だがその足取りはLEDXを背負っていることからマジで生まれたての小鹿のような足取りであり、一歩進んでは一歩下がるような行動を繰り返していた。
だが敵も待ってはくれない。Kの出す音に気づき、お互い膠着状態になる。
(落ち着け落ち着け餅つけ、シンキングだシンキング、相手の武器を考えるんだ...)
Kは最高のパターンと最悪のパターンを想定して動くことにした。最高のパターンは相手がボルトアクションもしくはハンドガン。最悪なのは連射系武器とショットガン。特にショットガンだとこちらはアーマーを着ていないため、一撃で即死しかねない。何なら装備をガチガチに固めてきても顎を抜かれて死ぬ可能性だってある。
K「とりあえずピーク!」
ピークと同時に発砲、そして相手の武器を確認し、恐慌状態のK脳にさらなるピンチが訪れる。
(SGじゃねえか...しかも連射できるSGってなんだ?サイガかMP-153?)
相手の武器はSGなことが確定し、どうすることかと悩むのもつかの間。牽制射撃されていた弾幕が止む。だがしかし、その様子はなんだかおかしかった。
(リロード....??いや違うな.....ええいままよ、チラリズム!)
(は....??)
Kの目に映った光景は、長物を背中に抱えて走りこんでくるナイフマンの姿だった。やけっぱちになったのか、回避行動も何もせず、ただ突っ込んでくるだけのナイファー。だがそれはモシンという銃身長の長い武器を持つKにとっては効果覿面だった。
K「ばかっ!やめろ近づいてくるな!クッソあたんねえ!!」
(いて、いって!あかん左腕が逝く!)
K「必殺☆彡聖剣エクスカリバール!!」
咄嗟に繰り出したV+Vでバールを相手の
K「フゥーッ、フゥーッ、体ズタボロにされたけど生き残ったわ。さていったいなんでこいつ突っ込んでき...あ~.....」
敵の死体を漁るとそこには、赤く表示されたMP-153が。タルコフにおいて、赤表示というのは何らかの原因により使用不可能となったものを指す。案の定拾って確かめてみると、赤いペレットが排莢口に詰まっていた。
(あ~ジャムったのか。だからナイフ持って詰めてきたんだな。ま、ありがたく拝借させていただきます。後医療キャンプもらっていきます。)
この後SCAVに絡まれて瀕死になりながらも帰還できたとさ。