タルコフ市のどこかで 作:N2020
K「はいはい。」
Kは新たにタスクを受けていた。それはすき家と呼ばれるトレーダーからのタスク、The Extortionistである。
このタスクは簡単に言えばカスタムスとかいう圧倒的激戦マップの
Kの参入時期はワイプ中後半ぐらいである。最難関タスクのタスクをクリアして苦労して手に入れる
K「どうしようか...こういうのは装備を整えていくのがいいのかな?」
ネッ友「お前スタッシュやばいんだっけ?余ってるアーマー着てけばいいんじゃない?取っておいても邪魔なだけでしょ。」
K「せやな。」
(でもやっぱケチりたいしなあ...wiki見て価値のなさそうなアーマーと装備にしよ。)
上等な装備があってももったいなくて使えない、EFTあるあるだろう。だがそんなこと言ってられるのは
(えっと...じゃあこれとこれでいいか。)
Kが選択したのはTHOR CVと呼ばれる4アーマーとローグから奪って高く売れるパーツをばらしたM4A1。一見価値があると思われるかもしれないが、少し説明を見てほしい。
このアーマーはクラス4の防護とタルコフ一デバフが少ないアーマーといえば聞こえはいいが、最大耐久値がなんと35ととてつもなく低く、それでいて胸しか守らず、また材質も複合材とあまり修理時の耐久値の戻りもよくないため、4アーマーの中ではSCAVでも入手性のよい6B13と並んで価値が低いアーマーなのだ。
M4A1に関してはまずそもそもサプレッサーやレーザーサイトと言った高価なパーツを剝いでおり、武器本体の価値もそこまでで、なおかつLv6程度の初心者では
K「よし、じゃあ行くか!」
だが、Kはこの時知らなかった。カスタムスがどれだけ今、魔境と化しているかと。4アーマーと雑魚弾程度で、どうにかなるほど甘いマップではなかったことを。
K「おっ、湧いた。ここは.....RUAF Roadblock湧きか。事前予習してきたから分かるぞ。」
RUAF Roadblock湧き。目的の死体にかなり、というか最速でたどり着け、なおかつレアアイテムが湧く可能性のある
(とりあえずUnkキーを確保...あったあった、これだ!)
茂みの中の
(どうすっかなあ...インテリ行こうかな?)
さっきっからインテリインテリ言ってるがこれの意味は『インテリジェンスフォルダー』というものを指している。決して頭がいい方のインテリではないので注意するように。このアイテムはSCAVケースと呼ばれるいわばガチャのようなものに使用するもので、場合によっては高額品がそのガチャで出る可能性もあり、またインテリジェンスセンターと呼ばれるハイドアウトの拡張にも使われる。これを拡張すればSCAVのクールタイムが短くなるほか、タスククリアの際の報酬金も増大するため、インテリジェンスフォルダーは高額で取引されている。大体300000ルーブルほどでフリーマーケットで取引されている。
そんなインテリを確保するためそもそも湧いてるかわからない激戦区に飛び込むか、それともタスク優先で無視するか。悩んだ末に、Kが導き出した結論とは...
(いいや、リスク高いしやめとこ。)
ここはあくまでタスクを進めるのが第一だと判断し物欲をセーブしたK。もとよりあまり戦闘が得意でなく、一応一張羅を着こんでいるといえど現環境においては正直強いとは言い切れない装備なため、万が一死んだら面倒なことになるためやめることにした。というわけでインテリハウスを迂回し旧建設方面からキャビンに進んでいくことにした。
とりあえずコンビニ方面に抜けようとくぼみに入ると、何やら足音がしてくるのを確認すると、少し足が止まる。軽装PMC程度ならこの装備で引き転がしてやるぜと意気込んでいたが、目の前に見えたのはごつい装備した2人パーティー。しかもちょうど自分の進行方向と被った方向に進んでいた。
(うっわ...なんだあれ?メットTC...いやACHHCか?緑っぽいが....アーマーなんだあれ、Gen4 HMKかキラアーマーとかだろうか?ゴッツ...)
正直カスタムされた武器よりも装備類が大好きなKは、ある程度の装備の見た目を覚えていた。後は純粋にローグがよく着ていたというのもあるだろう。だからこそ目の前を通るパーティーの脅威度に気づけたのだろう。
(落ち着け、ここはスルーだ。手出ししたら死ぬ。)
しばし観察していると、PMCはそのまま寮方面に抜けていった。様子を見て正解だったようだ。
(おしおし、そのままどっかいけ。さてさて、タスクをっ)
バシュン
(は...??)
デューデューデューン ゴオーン
特徴的な効果音と共に隠れ家へ強制送還されたKは、しばらく呆然としていた。レイド始まってまだ序盤、それこそ二分と経っていないのに死んだのだ。あまりにもあっけなさすぎる終わりに、Kの心はもう早速焼いたホウレンソウのように萎えていた。死因は、死因は何だと確認すると、そこには早速戦闘狂の印が残されていた。
(338 Lapua magnum AP、胴体貫通....アホくさ。)
この時受けた弾薬は338ラプアマグナムのAP弾。この弾薬はこのゲーム最強の6アーマーを着ていようがあまりの貫通力の高さ(71)とダメージの高さで問答無用でワンパンされるという比喩抜きでゲーム内最強の弾薬だ。これを超えるとなると固定機銃くらいを持ってこないといけないくらい凶悪な弾薬だ。
(はぁ~まじ萎えた...次は何持っていこうかな...)
しかし萎えたKのメンタルをPMCは待ってはくれなかった。
再チャレンジ一回目、またしてもそこそこの装備を整えていくも....
「バカバカやめろそんなとこで待ってるんじゃねえやめろぉぉぉ!!!!」
死因:タスクアイテムを拾ってRUAFで帰ろうとしたところ出待ちと邂逅し死亡。
二回目、少し装備の質を落として出撃。
「インテリから撃たれたやばいかもってあばばばばば」
死因:功を焦り早く帰ろうとした結果インテリからMP7で撃たれ死亡。
三回目、保険で帰ってきたZhuk-3とPP-19を使い出撃(なおヘッドセット忘れた)、その結果...
「るるる~んんん!?!?」
死因:ザル警戒すぎて新建設にいた敵に気づかず死亡。
四回目、SCAVで拾ってきたSKS(T-45M1装填)で出撃。
「......帰らせろやクソが。」
死因:砂SCAVにヘッショされて死亡。なお、脱出地点目前であった(ZB-1011付近のスナスカ)
そして迎える5回目。度重なる損失とメンタル面の消耗が激しくなってきたKはもういろいろと面倒くさくなり裸モシンで出撃することにした。モシンは数々の奇跡を自分に与えてくれていた銃の一つであると、Kは今でも信じていた。例を挙げれば、WoodsでMosin to Heroをした際に、最終的な装備がすべてインレイドのComtac2、TC-2002、Osprey Mk4A(A)、RD-704ともはやガチムチとそう変わらない装備になったり、LEDX抱えて生還できたりと、なにかといいジンクスが起こっていた。
しかしこの時のKのメンタルは割と真面目に擦り切れていた。具体的に言えば、ポーチに回復を入れるのすら忘れ、無言でEFTをやるくらいに。
マッチングし、PMCがスポーンする。今回の湧きは一回目の湧きと反対のボート湧き。。だからどうしたというように、Kの行動にもう躊躇はない。いや、もはや思考を放棄しただタスクをやるだけになっているのだ。だから躊躇をする余裕もないといった方が正しいか。
(あ~^^もういやや....)
モシン抱えてタスク場所に一直線。射線が通ろうが、足音をゴリゴリ立てようが、ヘッドセットをつけ忘れていようが、 とにかくイノシシのように壁際を走る抜けるのである。
パアンパアンパアン
(痛ってえ!?赤い曳光弾?セミだからT-45M1か?ということはSKS?背後から撃たれたぞ...!?)
まさか自分自身が来たところが撃たれると思わず、慌てふためくK。重度出血に加え撃たれた箇所が胸なので、早急に治療をしないとやばいと判断し回復しようとするも....
(あやっべ、
胸の体力が残り二割、腕にも被弾し重出血一か所、アーマーはない。回復も無い。レイド早々満身創痍の状況。だがこの時のKは冷静な判断を下した。撃ってきたやつがボート側にいると考え、旧建設方面から回り込んで覗いてみることにした。
(見えた!頭だけしか見えないけど...モ神様、信じております!!)
The Tarokov shooter Part1 は完了報告が可能
(いやったーー!!!!...お前エスマルヒ持っててくれよ!?)
タルコフシューターPart1とは、アイアンサイトのボルトアクションスナイパーで40m離れた位置からSCAVを狙撃するというもの。もう既に何回かキルしてきたので、ここで終わったようだ。だがしかし本命のタスクではない。やるべきタスクはすき家のエキストロニストなのだ。決してタルコフシューターではない。
しかしそれを達成するためにも傷ついた肉体の回復は必要だ。重度出血を止めるエスマルヒ、CAT、ヘモスタを持っていてくれと祈りながら漁るK。リグ、ポケットと入っておらず、一抹の望みをかけ背負っていたVKBOアーミーバックに手をかける。
(頼む頼む頼む頼む頼む....)
Esmarch「呼んだ?」
K「呼んだ!」
どうやら神はまだKを見捨ててはいなかったようだ。しかしまだ安心するのは早い。そもそものHPを回復する
(ここからダッシュでタスク品の場所まで...間に合わない。しかし回復が近くに湧く場所なんて....はっ!?)
Kの頭に閃光走る。
突然だが、カスタムスで回復が湧くスポットと聞いて思いつくのはどこだろうか。筆者が考えるに、まず第一に思いつくのはインテリハウスの医療部屋。そして第二に、そもそもの物資量が多い新建築だろう。
Kは新建築に行くことにした。SCAVと激戦を演じたのはいいが、まだレイド開始して時間も余りたっていない。というか赤倉庫湧きのPMCがいつ来るかもわからない以上、こんなアホみたいに広がっている場所におちおちとどまってはいられないのだ。
(さあ、チーズでもCarでもなんでもいい、HP回復&止血をくれ!!)
(やべえことになった)
Kがなぜ慌てているのかを簡単に説明しよう。新建築に向かう途中、また一匹のSCAVに絡まれたのだ。いや、それまでは別にいいのだが、問題はそいつが腕に弾を当ててきて壊死+軽出血を送ってきたことだ。これにより新建築1Fに回復がなかった場合射線がとても通ることを覚悟してでも2Fに上がらなくてはならない。だからこそ1Fの小部屋にあることを信じるしかないのだ。
(よし、何とか新建築来たぞ...インテリから銃声してるから、早く離れねえと。)
角を曲がってすぐの医療ケースをオープン。ここで出なければもう一つの小部屋に行くことになるが、果たして結果は...
(サレワきちゃあああ!!!!それにアルミスプリントに緑包帯...あっ)
回復はあった。十分すぎるほどの回復だ。だがしかし....時すでに遅かった。
部位選択の上で回復しようとすると、そこに映っていたのは胸黒頭黒左腕黒の姿。何を意味するか?
SCAV「一発だけで充分だ。」
銃弾破片有刺鉄線落下こんにゃく豆腐何が当たろうが問答無用で死ぬ身体になったのだ。
EFTの体力システムを簡単に説明しよう。このゲームの部位は主に7つに分かれている。両腕(2か所)、両足(2か所)、腹、胸、頭。まあいろいろなデバフがあるが、胸と頭、この二つのどちらかが壊死(破壊)されると、ノックアウト、さよならさよならというわけなのだ。
じゃあなんでKは生きているの?それは出血という特殊な状態異常が関係している。出血で胸の体力が0になろうと、実質的なHPは0.00001のような感じで残っているのだ。だから胸の色が青通り越して血で真っ赤になっても、決して死にはしない....が、このゲームには0.0000001以下のダメージなど存在しないので、哀れPMCの身体はガラスの心臓(ガチ)になったわけなのだ。
Kは悩んだ。タスクに必要なUnkキーは使いきりだ。予備を確保しているといえど、ここは一度帰宅してまた態勢を整えてから実行すべきではないか。せっかく近くにいるんだから、やってしまえばいいのではないか。悩んだ末、Kの出した結論は....
(
そして移動し、オルガスが使えることを確認。つまりタスクを実行する気になったのである。
目的のキャビン付近にはSCAVが湧くこともあるほか、スナイパーSCAVからも狙われかねない場所である。そんな中一発も被弾せず帰らなければならないのは中々にしんどい作業である。それを理解しながらも、Kは苦難の道を選択することにしたのだ。
K「SCAVは...いな」パシュン!
(いるやん)
パット見焦ってなさそうなKだが、内心汗たらたらである。そりゃそうだ、だって一撃食らったら死ぬんだもん。
(サイドステップ、チラリズム、サイドステップ、チラリズム....どこだ?)
画面がさっきからちかちかと黒くなっている。弾丸が近くに飛んできている証拠だが、その出どころはつかめない。一応昼とはいえ、屋根下は陰で視認性が悪く砂SCAVに至っては捕捉できていないのだ。そのためどこにいるかもわからず一方的に撃たれる有様だ。
K「あっ、一体見えた!あれか!」
背水の陣というかなんというか、極限状態にまで追い詰められていたKは何故だか以上に冴えていた。普段だったら外してもおかしくない右腕壊死状態でも一撃でヘッドショットを決め、またしてもDOWNをとったのだ。そしてその間に、砂スかからの射撃を丁度病んでいた。
(この好機は逃さん!!)
腕捻じ曲がる勢いで鍵を開け、タスク品を回収。ここまでは順調だ。だがまたしても砂SCAVが捕捉、こちらを射撃してくる。
K「死ね糞が!俺は帰るんだ!逃ィィィィィげるんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!ヒザーキー!!!!」
SCAV「キャプカ!」
K「黙れ!」
オルガス脱出目の前のSCAVをすぐ排除し、そのまま出口へ一直線。カウントダウンが5、4、3、2と経過し、最後には....
テュールルルルテ デデドン!
K「YEAHHHHHH!!!!!!!!!」
すき家「ほな次の仕事な。ほい、USB探してこい。」
K「はいどうぞ。」タスクカンリョウ
すき家「それじゃあUSEC殺してきてね(笑)」
K「アアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」