タルコフ市のどこかで   作:N2020

8 / 9
間違いは誰にもありますよ、ええ。

 バックパック。それはPMCやSCAVとしてレイドに出るうえで、より多くの物資を獲得し美味しい思いをするためには必要であるもの。

 例えば2x3マスの燃料や2x5マスの武器などはリグに入らないし、それらを持っていかなくとも武器パーツといった高価な小物も、バックが無ければ沢山は拾えない。

 

 金策程度ならBerkutやMBSSといった中程度の容量で充分であろうし、倉庫圧縮や気合を決めたレイドなら6sh118(タケノコ)やBeta2といった大容量バッグが欲しい。

 だがそれらのものはスタッシュを圧迫するというもの。SCAVを回す際に、容量がないからデカバッグ一つ中身入りを背負ってSCAVに出撃、帰ってきたら整理してまた再びバッグを降ろすということ、あるのではないだろうか。

 

 もし、もしである。その際にバッグを降ろすのを忘れ、PMCとして出撃してしまったら?今まで貯めこんできた美味しい物資を背負って、激重の重量のまま、ロストする危険性倍増のレイドに出てしまったら?

 

 今回はそんなお話を二点紹介しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

K「あ~っ.....SCAV帰れなかったわ。しゃーない、またFACTORYの成り上がり狙うかな...」

 

 Kは少々機嫌がよろしくなかった。3、2戦前のPMCでは帰れず、SCAVモードも運悪くローグボスに轢き殺されて3連敗していたのだ。その憂さ晴らしをするため、MP-133に20発の6.5mmエキスプレスバックショットを持って行ってワンチャンを狙うことにした。当然、こんな装備に金かけてはいられないので、ノーヘルノーアーマーノーヘッドセットである。まあ、俗にいうワンチャンショットガンマンだ。

 

K「よし、ポチポチっとな。」

 

 

 

 

 

 セッション開始を待っています...

 

 

K「うん、いつも通りだな。緑色の服に、緑色のタケノコ...タケノコ!?アッちょっと待って!?」

 

 Kが自分の致命的なミスに気づいたのは、もう既に引き下がれない時までだった。なんとかして戻ろうとするも、無慈悲に出る準備せよの表示。もうKの表情はさながら某有名キーボードクラッシャー並みに焦っている。

 

(Cellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だCellarは嫌だ........)

 

 

 Kの装備的に、バックパックに入っているアーマーなどを着こんだとしても武装があれなので序盤最激戦区のセラーズorロングに湧いた時点で生還は絶望的。特に出撃時点での重さはなんと92Kg近く、まともに移動もできないさまだ。おまけにドッグタグや弾薬ケースといった捨てられないものも入っているため、バッグを降ろして移動することも叶わない、絶望的過ぎる状況である。

 

K「ヨッシ!!地下湧きならまだ希望はある!」

 

 だが幸いなことにおそらくFACTORYの中でもっとも序盤の接敵率が低い(個人の体感です)地下湧き。一番近い湧きがGate0かオフィス前湧きだが、如何せん地下は入り組んでいるうえ湧き位置がKの湧いたここしかないので、リス直後に地下に来るような奴はよほどの用事がないやつ以外来ないだろう。

 

(....歩くだけでスタミナ持ってかれるんだが!?)

 

 いいか、もう一度言っておこう。ただいまKの背負っているタケノコバッグ(6sh118)を含めて総重量は92kg、何度でも言うぞ、92kgだ。常人はおろか全スキルエリートのゴリラマッチョでさえ腰が砕けてM.U.L.E(ドーピング1号機)SJ6(ドーピング2号機)オブドルボス(あやしいおくすり)を決めないとまともに動けないレベルだ。いいからドーピングだ!!

 

 まあ、そんな現状、スキルも余り育っていないKが動けるわけなく。しかもKは最近コンテナを国連ハゲ(Peacekeeper)の売っているベータコンテナに拡張したとはいえ、2x3マスで最初から余裕のある闇落ち勢のガンマコンテナ(3x3マス)とは違い余裕がない。そのため便利な注射を入れておくインジェクターケースは入れておらず、ましてや上に書いた薬も持っているわけがない。当たり前だ、あれ一本で大体6~9万するんだぞ、使えるか馬鹿野郎。

 

ワナスカ!! バアンバアンバアン!!

 

(おわっぱ!?SCAVが上でやられた....)

 

 とか思っていても、まだスポーン地点から20mも離れられていない。ただただ汚いおっさんのハアハア言ってる喘ぎ声と、亀のように遅い足が映るだけだ。

 

ダビイェウアースターカ!!

 

(Fuck!死ね必殺エキスプレスバックショットヘッドショット!!!)

 

 2分ほどかけ、オフィス前階段にやっとこさ這い上がってきたK。しかしそこには黒いヘルメットをかぶったSCAVの姿が...あった。(過去形)残念ながら運よく(悪く?)発射した散弾が顔面にシュゥーーーー!!!されたようだ。しかし銃声を発してしまったことで、SCAVが寄ってくる危険性が高まった。

 

K「時間が止まってる気分だ...今17分、すごいなんかまだ生きてるぞ、これワンチャン帰れんじゃね!?」

 

 しかしそこに立ち塞がる有刺鉄線。有刺鉄線は触れればガシャガシャと音が鳴り、また微量ではあるがダメージを受ける。要はお邪魔オブジェクトだ。

 

K「痛い痛い痛い痛い!!ガサガサうるさいしやめて!!」

 

 あっという間に足が赤くなるが、それでもハアハア言いつつ進むことをやめない。16分、15分、14分40秒と、とうとうGate3の前まで付く。Factory Emergency Exit keyを持っていないので、必然的に脱出口はここしかない。

 

K「Yes get lots! Woohooh Yes gets lots!!」

 

 一枚目の扉はもう既に空いている。二枚目もだ。出待ちに気を付け、とうとう....

 

K「よっしゃー!!!!Pスカタイムにも間に合ったし....助かった!!これで高額物資はロストせずに...あっ...」

 

 

 最後脱出する時、Kは思い出した。

 

 このタケノコバッグ、インレイドLEDX入れたままじゃん、と。

 

 

 

 

 

 

K「Fuck!!

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。