if-どうやらSCPと言うのになったらしい 作:YY:10-0-1-2
今回のお話はリクエストにあった『共異廻歴』です!書くの大変だったよ……遅れてごめんよ…
さて、黒藤さん!リクエストありがとうございます!
ー今回の設定ー
『同盟』という集団に入った優磨。
同盟から『人が消える村』を調査して欲しいと言われシガーロスと伝書使を連れて、サイドカーを走らせる。
そこで見るものとは…………?
村-?? 吸血記”その男と魔法少女と電子的犬"
ブロロロ…。
何も無い荒野をサイドカーが土煙を上げながら駆け抜ける。
乗っているのは、ヘルメットを付けて、ボロボロの長いマントを口元を隠すかのように着ていて、その目は赤く染っていた。
側車には金髪の少女が座っていて、その髪を羽ばたせながら満面の笑みで座っていた。
「ねぇ、優磨!次はどこ行くの?」
優磨と呼ばれた青年はうーんと考えてから声を出した。
「…なんでも、普通の村だったはずなのに、人が段々と減ってる村…らしい。それで調査に行くってことだね」
「へ〜。危険なのかな?」
「……まぁ、いなくなった人たちには生きてて欲しいけどね…」
その少女は深刻そうな顔をして、寒いのだろうか?自身が羽織っている服を掴んで身体を震わせる。
この青年、花村優磨は『同盟』と呼ばれる集団に所属している『探訪者』と呼ばれる調査員である。
探訪者は各地を調査して回り、記録を収集。そして、その集団に所属している研究者たちにその記録を渡す。これが仕事。
そして、この世界…この一度滅んだ世界に存在しているのが村である。地球上の様々な地点に存在する集落のことで、異常存在……異類と呼ばれる存在と共存していることが殆どである。
殆ど……なだけであって、もちろん人々を脅かしていることもある。
そして、青年もまた、その異類である。
『何をしても殺せない最強の吸血鬼』
それが彼の存在であった。
そして、隣の側車に座っているのも異類の1人、シガーロスである。
かつては歳が若く、魔法が使える少女と呼ばれていて、その魔法は危険と収容されていた。
だが、優磨と出会い、紆余曲折あり、優磨と共に行動するのであった。
ちなみに、シガーロスは勝手に優磨について行っているだけであり、同盟から許可されている訳では無いが、好きにさせてあげてという事もあり、ここにいる。
「…お、例の村だ……」
『そうだね!たしかにここだよ!』
優磨がそう呟やくと、バイクに装着されている携帯ホルダーに付けてあるスマホから音声が鳴る。
そのスマホには犬が映り込んでいた。名前は伝書使である。
彼も…いや、この犬も異類である。
村に着いた優磨はバイクを止めて、優磨とシガーロスはバイクから降りる。もちろん、携帯ホルダーからスマホを取り出して。
そして、村の中へと歩を進める。
入って直ぐに第一村人を見つけ、声をかける。とは言え、言語が違い、通訳できないとなったらマズイので白いマスクを取り出し付ける。
この白いマスクは、翻訳機能が搭載されていて、どれほど違う言語でも違和感なく会話出来る優れものだ。これは同盟の技術者であるエニシと言う人物から貰ったものだ。
村人…女性は質素な無地の服を纏い、後ろで結ばれた綺麗な髪は腰ほどまで垂れていた。
「旅人さん…それに可愛らしい女の子まで。いらっしゃい」
「可愛いだって優磨!」
「あぁ。そうだな」
この女性になにか言われるかとも優磨は思ったが、杞憂だったようだ。日本語なので白いマスクも外し、チラッと村を見る。特に異変はなし。
…異変では無いが、可愛いと言われたシガーロスは笑顔になった。
「村長さんって、居ますか?」
「えぇ、そこの家……案内しますよ」
女性は優磨にニコッと笑って村長の村まで案内した。
優磨とシガーロスはしばらく歩いて違和感を感じる。
妙だな…。
優磨が感じたのはそれだった。
「着きましたよ」
女性がどうぞこちらへと言って中へ入る。優磨とシガーロスもそれに続いて中へと入る。
「ようこそ、旅人さん」
「こちらが、村長のマァルです」
村長…マァルはまだ少し貫禄が出始めたほどの年齢で、長という立場にしては少し若く感じられた。
「…人が消えると噂がありまして、それでここに」
「あ〜その噂ですか…」
マァルは少し顔を暗くして、だが、すぐさま顔を明るくする。心配させないようになのか、それは分からない。
「……困ったものですよ…人が段々と消えてゆくのですから…」
「…詳しくお聞きしても?」
村長の話はこうだ。
なんでも、ついこの間1人の男が夜の内に消えた。顔も広かったためすぐに気づいたようで、捜索しても見つからなかったらしい。
さらに異変は続いて、今度は2人。3人と増えて言ったと言う。
そして、最近では謎の声が聞こえると言う。その声の主は、確かに顔の広かったその男だが、皆怖がって近づかないんだと言う。それが幸になって今は減らずにそのままの状態でいる。
最近では、紙飛行機で会話することもあるんだと言う。
それを聞いた優磨は顔を少し顰め、話を整理して、そして決めた。
「暫く、この村に滞在しても良いでしょうか?」
「…いいですが、今の話を聞いて怖いとはならないのですか?」
優磨は首を横に振り「俺、結構強いんで」と言ってニヤッと笑った。
「なんで、皆は出てこないんだろ?」
「…怖いんだろ」
シガーロスが俺の膝でねっ転びながら俺に尋ねる。
現在、優磨とシガーロスは村の広場らしきところにある木でできたベンチに座っていた。
だが、ここまで怖がるのは少し不審すぎる。そんなに怖がっているのか?そんな怖い異類なのか?
…もしも危険ならシガーロスが寝ている最中に探索するのも覚悟した方がいいかもしれない。
そう考え、シガーロスの方を見る。
シガーロスは笑みを浮かべ優磨を見た。それを見た優磨もまた、笑みを浮かべてシガーロスの頭にポンと手を乗せた。
しばらくして夜となった。女性の家…女性の名はエリーと言って、そのエリーの家に優磨とシガーロスは泊めてもらうこととなった。
シガーロスも寝て、伝書使も寝てしまった真夜中。優磨はその声を聞くために起きていた。
だが、一向に声は聞こえない。活動する時としない時があるのだろうか?
「まだ寝ていなかったんですね」
「…まぁ、噂の声を聞きたいので」
「…あんまりよろしくはないと思いますけどね…」
彼女はそう言って台所へと行き、優磨にお茶を出した。優磨もありがたく頂く。
「…先程の村長の話、ホントなんですよ」
「…聞いたんですか?声を」
彼女は俯くも、小さく頷いた。優磨は何かあったのかと話を聞くことにした。
「村長の話に出た1人の男性…私の彼氏です」
「…それは……悪いことを」
「いえいえ、もう過ぎたことですし…」
彼女は笑って首を横に振る。そして、話を続けた。
「いつの間にかいなくなっていて、捜索もしたんですけど、いなくって…森の中も探したのですが……見つかることはありませんでした」
森、そう言えば近くにあったな…。と優磨は考える。
「重い話ですみません」
「謝ることは無いですよ」
優磨の考えは纏まった。
きっと、その森の中に異類がいる。ならば調べるのみだ。いや、調べないと行けない。調査員なので。
明日、森に入ってみますか…。そう思って優磨は次の日を迎えた。
『…いないね』
「あぁ」
スマホ片手に森を歩く優磨。所々に血・を塗りつけて目印を残し、森の中を彷徨う。
入ってからもう30分だろうか?特にこれと言った異変や異類は見つからず、それは正にただのウォーキングになっていた。
優磨は特に何も無いことにイラついて顔を顰める。
「あークソ」
そうため息をついて倒れている大木に座る。いるはずなのだ。じゃ無ければあんなに怯えるはずがない。
手に持っている竹の水筒は既に空になっていた。竹の水筒は手作りで、村長から頂いた竹を使っている。
まだ人…村長とエリー以外の村人に会ってはいないが、襲ってくる様子もなし、稲や竹など物資もちゃんとしている。良村だ。尤も、人が居なくなること以外は。
…考えていても仕方がない。とにかく帰ることにする。
すると、泣き声が聞こえてきた。声からして少女だろう。声はすぐ近くから聞こえる。
『…ゆうま』
「なるべく気をつけるよ」
声のする方へ近づく。異類ならば逃げ帰る、もしくは応戦するが…
見つけたのは…
「ひっぐ…うっ…」
足を怪我している少女であった。少女の後ろには崖が。多分、崖から落ちてしまったのだろう。
優磨は駆け寄って声をかける。
「大丈夫?」
「…うん。足…」
優磨は足を注視する。良かった、擦り傷であった。包帯さえ巻けば止まるだろう。
「動ける?」
少女は首を横に振る。優磨は少女に背中を向け、少女を背負うように持つ。
そして、村へと歩みを進めた。
少女が何故ここにいたのか?優磨は尋ねた。
少女の答えは、単なる好奇心。森の中に何があるか、何がいるのか?それを知るために入ってしまったのだと言う。
好奇心は猫をも殺す。
優磨は少女にしばらく森へは近寄んない方が良いと教え、村にいた親へ引き渡した。
少女の親はおにぎりを優磨に上げた。小腹が空いていた優磨はもちろんそれを貰った。
「だ〜!結局何も見つからねぇか!」
『残念だったね、ゆうま!ファイト!』
「まだ時間はあるよ!焦らない方がいいよ優磨!」
シガーロスと伝書使がそれぞれ優磨に声をかける。優磨は机にうつ伏せになっていたが姿勢を正す。
「…」
少女が引っかかる。単なる好奇心で森に入るか?幼いが、親が目を離した隙に?
優磨の中で何かが引っかかっていたが、考えることをやめ、仮眠することにした。
村に滞在して3日目。
優磨は異類を探しに森へ何度も行くが、今日も何も見つからず、村へと帰還していた。
もういねぇんじゃないか。と優磨の中でその考えが浮かんではすぐに消し、また浮かび上がる。
「だー!めんどくせぇ、森ぶった切ってやらァ!」
「そんなことしたら皆に怒られちゃうよ!」
『ゆうま!ステイだよステイ!』
こめかみに青筋を立てて、立ち上がる優磨。それを抑えるシガーロスと説得しようとする伝書使。
「ったく…」
「あ!旅人さん!」
そこには、前日の少女が立っていて、ニッコリと笑顔を作っていた。
「この前の…」
「知り合いなの?」
シガーロスに森で出会ったことを説明する。もちろん、シガーロスにロリコンだのなんだのの言葉は知らないため、へーと答えてその少女に自己紹介をした。
どちらも少女ということもあり、すごく楽しそうに話していた。
「親御さんは?」
「お母さんいなくって、だから遊びに来たの!」
「え、それ帰ってきたら不味くない?」
「大丈夫!旅人さんの所に行ってくるって言っておいたから!」
なら安心か?と優磨は考える。
少女はシガーロスと共に自身が持ってきたビー玉で遊んでいて、シガーロスも教わりながらビー玉を弾く。
…まさかビー玉を生で見るとはと苦笑いしながら二人を見ていた。
しかし、焦らなければとも優磨は考える。
滞在期間が長ければ長いほど記録が遅れる。つまり情報の伝達が遅くなってしまうのである。
少しは急がなければ。優磨が前を向くと、エリーがお茶を出しているのに気づいた。
「どうですか?この村は」
エリーが優磨に聞く。
「とってもいい村ですよ。物資も優れている」
「ふふ、なら良かった」
エリーは笑って優磨を見る。優磨はと言うと頷いてお茶をズズズッと飲む。
すると、シガーロスの弾いたビー玉が顔面にぶち当たり、優磨が転げる。
それを見て少女と伝書使は笑って、シガーロスは優磨に謝って、エリーが心配する。
この時が一番の楽しみであったと知るのは数日後ではあったが、優磨はその事を知らず、ただただ幸せを噛み締めていただけであった。
滞在は4日目になり、ようやくその時が訪れた。
「誰かァァァァァっ!!!助けてくれぇぇっ!!」
「ッ!来た!伝書使!」
『うん!』
スマホを手に取り、勢いよく森へと入る。声がする方へと近づいていき、異類を発見する。
それを見た瞬間、なぜ村人たちがこんなにも怯えているのか、理由が分かった。
その姿は、半透明の赤い外皮に覆われており、巨大な口には無数の鋭い牙を。脚には3本の鋭い鉤爪を。背中には背ビレのように立ち並ぶ棘を持っている四足歩行型のバケモノ。そいつがそこに居た。
「伝書使、あれがなにか分かったりする?」
『…これ』
…管理番号:939。
なるほど。確かにあれは不味い。
「…あいつから声が出てるのか…不味いな」
つまり、悲鳴を上げて人を呼び寄せ、食うんだろうな。と優磨は脳内で考える。
異類が人間を淘汰する。人間が異類に淘汰される。
これは昔っからよく知っている。調査員…探訪者はここに関わらない方がいい。
これさえ分かれば調査としては十分。あんまり深く関わらない方がいい。
そう思って帰る。エリーの家に着くと違和感を感じる。電気が付いているのだ。
家へはいるとシガーロスが1人で座っていて、ビー玉を弾いていた。そして、エリーがいないことに気づく。
「あれ、エリーさんは?」
「え?買い物に行ってくるって」
…。
机の上に伝書使をおいて一旦考えようとして動きを止める。
おかしい。何かが引っかかる。もう外は夜だ。なのに買い物?そもそもシガーロスが起きている?
嫌な予感が優磨の脳内を電流のように駆け巡って、ひとつの答えに辿り着いた。
「…まさか…?シガーロス!ここにいろ!伝書使も!」
「へ?優磨!?」
『ゆうま!?』
優磨はシガーロスと伝書使の静止を聞かず、外へ飛び出した。
もちろん外には、それどころか村にも居ない。優磨の嫌な予感は当たったのだ。
森へと駆け込もうとして、止まる。少女の親が居たのだ。
「何してるんですか!?」
「私の!娘が…いないんです!どこにも!」
目を見開き、少女の親に家に籠るように言って森へさらに勢いをつけて入る。
声はもうしない。だからこそ急ぐ。そして、見た。
「エリーさん!」
「っ!優磨くん!」
そこには、先程の赤色の化け物と一緒にいるエリーの姿が。勢いよく血を出してエリーを捕らえて、俺の方に引き寄せる。
「やめて優磨くん!もう私は!」
「
英語が出てくるも、俺が怒っていることを察したエリーは俯く。
手で血の刀を作って赤い化け物に向ける。
「てりゃ!」
刀を振り、牽制を取る。
「あんたが死んだら!死んだ彼氏さんが報われねぇだろ!」
939に向かってまたも刀を振るう。
正当防衛と言えば問題はなかろうな!?
「ほら!ちゃっちゃと逃げて!!」
「っ……ううっ……!!」
ダメだな。泣いて動こうとしねぇ…か。しょうがないな、だって意を決してやっと死ねると思ったわけだし。
「オラァァッ!!」
939は飛びのけ、俺の首に向かって噛み付く。それを見たエリーさんは口を抑えて目を見開く。
倒れかけるも、踏みとどまる。
「ゆ、優磨くん……!」
「言い忘れました……」
939を掴み、思いっきり木に向けて投げる。
首からは血がボトボトと零れ落ちるも、それが段々と止まっていき、そして血が戻って行く。
エリーさんはそれを見て止まり、信じられないと言った目で見ている。
それを、俺は紅く赤く赫く光る眼で見る。
「……俺は、吸血鬼です。死なない、不死身の吸血鬼です」
さて、終わらせよう。
939がこちらに向かって威嚇行為をする。俺は、血で銃を作り出して939に向ける。
「…ここは人間の領域だ。テメェらがのそのそと歩いてくる場所じゃねぇ」
トリガーを引く。
血で出来た弾丸は939を捉え、足を撃ち抜く。939は大声で悲鳴を上げる。
「帰れッッ!!!」
威圧感に負けた939はそのまま睨みつけてから森の奥へと去っていった。
俺は「ふぅ…」とため息をついてからエリーさんの所へ歩く。
「エリーさん」
「……」
「あんたの彼氏さん、見つけたよ」
「!」
森の奥を見る。エリーさんも俺の視線を追って森の奥を見る。
そして、しばらく経った後に森の奥の方へとエリーさんが歩く。俺も一緒に付いていく。
エリーさんが地面を見て、嗚咽混じりに鳴き声をあげる。
その手に
「…どうですか?」
「…彼の来ていた服が……近くに落ちていたわ…」
そして何より、その頭蓋骨があった場所には、エリーさんと同じ指輪が落ちていた。
「私の夫は……同じ指輪を付けたんです。もちろん、木で出来てますが、それでも嬉しかったんです」
「……」
「夫が居なくなってからは、どこに行ったのか探してました。そして、アイツらから声が聞こえた時は生きる希望を無くしてしまって……」
俺は黙ったままエリーさんの話を聞く。
「……私は、私はこれから……どうすれば良いのでしょうか?」
「……分かりません」
俺の言葉にエリーさんが勢いよくバッと振り向く。
「でも、あなたには…その旦那さんの分まで生きるという、使命があるんじゃないんですか?」
「っ……!」
「少なくとも、貴方はまだ若いし、旦那さんも若いはず…だからさ」
俺はエリーさんの肩をポンっと叩いて、立ち上がらせる。
指輪を拾ってエリーさんの手の中に落とし、そして握らせる。
「生きよう。こんな世界でも、生きてればいいことはあるはずだからさ」
「っ……ううっ……あぁぁぁ……ああぁぁぁぁ…!」
エリーさんは再び泣き声を上げて俯いてしまった。
森に木霊するぐらいに、大きな…悲しい、哀しい泣き声…。
■
「すみません。滞在させてもらっちゃって」
次の日、俺はここで起きたことを同盟に言わなきゃ行けないため、出ることとなった。
マァムさんとエリーさんが俺のところに来たのでそう伝える。
マァムさんはいえいえ、と首を横に振って俺の手を掴む。
「こちらこそ、ありがとうございます…あの化け物を追い払ってもらって」
「追い払った……すぐ戻ってくるかもしれませんから、森は閉鎖するようにした方がいいかもしれませんね」
あんまり村に干渉するのはご法度のはずだが、アドバイスはしておく。
マァムさんは頷いて手を離してくれた。
「それでは、また会う日まで」
「えぇ、それでは…エリー?」
エリーさんは黙りこくって俺を見ていた。
「あなたのおかげで、助かった。ありがとうね。優磨くん…!」
俺は笑顔でこう伝えた。
「……
そう言って村を出ようとして、気づいた。
森の方で女の子がこちらを向いて立っていた。2日目にあったあの女の子だ。
その女の子は、頭を地面に落として、体を変化させた。
あの赤い化け物…SCP-939になったのだ。その元女の子は口を何回か動かしたあとに森の奥へと姿を消した。
「どうしたの?」
「……なんでもねぇ」
俺はシガーロスをサイドカーに乗り込ませ、スマホを携帯ホルダーに付ける。
そして、バイクに乗る。
あの化け物は、最後になんと言ったのだろう。それを知るのはあの元女の子……いや、939と、神のみぞ知るってやつだ。
ブロロロ…。
何も無い荒野をサイドカーが土煙を上げながら駆け抜ける。
目が赤く染った青年、金色の髪を羽ばたかせる少女、そして携帯の中で吠える犬。
この荒野を駆け抜ける自分達は…何処へと行くのか。異類達はまだ知らない。
集落 - ??
友好度 - 高
異類概要 - 目がない赤いワニのような生物。村に住んでいる人々を食べていた化け物。しかし、対峙した際には一体しかおらず、子供も一体しかいなかった。
もしかしたら他にもいるがもしれないが、発見できなかった。
コメント - 特にない。……強いて言えば、村で食った食べ物は美味しかった。