ここを一言で表現するなら、終わった世界ということになるだろう。無限月読の発動に伴って、全ての生命体が今や神樹の養分へとなりつつある。そんな世界で動いているのは穢土転生で蘇った歴代の火影達だけだ。彼らは神樹の中の人間をなんとか救出しようと試行錯誤を続けているが、今だに成功には至っていない。その並外れた力によって忍達をくるんでいる外皮を破壊することはできるが、幻術は解けていないのだ。だから外に出てもすぐにまた捕えられてしまう。これではキリがない。
扉間はミナトと共に神樹の生命力を弱らせる方法を模索していた。夢の世界にいてもすぐに死ぬことはないが、養分にされたり吸収されすぎたりすれば死んでしまう。ひとまず神樹に捕まっている現状を改善しようとしたのだ。
「考えられることは一通り試してみたが、やはり術を解かないことには忍達を助け出すことは不可能のようだな」
本当に様々なことを試した。扉間の持ち前の合理的な、いや卑劣な術の数々で神樹の力は確かに弱まった。しかし、さすがに完全に停止させることはできなかった。そこまで分かった2人は一旦神樹から離れて作戦会議をするために移動することにした。その最中のことだ。
「そのようで」
ミナトの言葉は最後まで発せられることはなかった。
「どうした四代目・・・何?」
それに違和感を感じた扉間がミナトの方を振り向くと怪訝そうな顔をした。ミナトがいたと思わしき場所には大量の紙くずが転がっていた。そして、チャクラを感知仕用に切り換えてもミナトのチャクラを見つけることはできなかった。このことから考えられることは一つ。
事の異常性に気づいた扉間の行動は速かった。
「互乗起爆札!」
起爆札が起爆札を口寄せする1点集中の爆破。誰もいないところにそれをやったことは一見気が狂ったとも思われるかもしれないが、敵の姿も位置もわからないこの状況で生き残るには最適な策だった。下手人はまだ近くにいる可能性が高く、この超高密度の爆発に巻き込めるかもしれない。それに爆発によって自分の体が破壊されたところですぐ回復できる。しかし、敵に攻撃されればミナトのように穢土転生体でも死ぬ可能性が高いのだ。少なくとも爆発している最中は攻撃することができない。
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「何事ぞ!?」
別行動していた柱間が爆発に気づいた。
「兄者!」
そこに突然扉間が現れた。正確にはそれは彼の影分身で、飛雷神の術を使って移動してきたのだ。本体はまだ爆発の渦中にいた。
「緊急事態だ」
「扉間、一体何があった!?」
「四代目がやられた。陰陽遁の力で穢土転生のまま殺されたようだ」
実際にその事例を見るのは初めてだが、状況からして間違いない。
「まさかマダラが・・・!」
「いや、マダラのチャクラは感知できなかった」
「では一体誰が」
「それがワシにもわからんから問題なのだ。正体不明の敵がどこかにいる。これだけは確かだ。おそらく本体の近くで爆発に巻き込まれているとは思うが、陰陽遁を使うような輩がその程度死ぬとは思えん」
「さすがにオレもどこにいるかも分からぬ奴を倒すのは無理ぞ」
「いや、兄者だからこそできることがある。花樹界降臨だ」
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(これは厄介なことになったなぁ......)
オレを殺したと思わしきゾンビを殺したはいいけど、まさかもう一人のゾンビが自爆してくるとは思わなかった。なんて卑劣なやつだ。爆発を食らったのは一瞬だけだが、おかげで藁人形の体がボロボロだ。寿命が一気に減ってしまった。
(......!)
浮遊さえもできなくなったか。思ったよりもダメージが深刻だったようだ。
(いかん。早く器を......なんだこれ......花粉か?)