一般(?)大筒木   作:テレ

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第4話

 

 

 

 

今の俺の藁人形の体はそもそも人体を簡易的に再現したものだ。藁と紐によって構成されているように見えて、実は内部にはチャクラを循環させる経絡系もあったりする。ただ、本物の人体と違って呼吸は必要としない。

 

さて、これを前提に考えてみよう。ここに吸い込んだら身動きが取れなくなる花粉があるとする。これが今の俺に通用するか否か。

 

答え、めちゃくちゃ通用する。これがなぜ身動きを封じられるかといえば、チャクラの流れを阻害して正常な循環ができなくするからだ。吸い込まずとも、花粉ほど小さいものであれば藁の間から内部に入ってくる。その結果として、俺もまともに動けないのだ。

 

というか何だこれは。まるで神樹......!やはりあのゾンビは異質だ。

 

(まずい......!)

 

受けたダメージの多さに加えて花粉の影響で、チャクラ反応を消すことができなくなった。こうなってしまうと、次の展開が予想できてくる。

 

「見つけたぞ」

 

ゾンビの1人がやってきた。また瞬間移動の術だ。流行っているのか?などと考えている余裕はない。こんな状態でまともに相対できるはずがないんだ。

 

「まさか人形とはな。思ったのと随分と違う姿をしている」

 

藁人形の体がゾンビの右につかまれた。

 

「人形で悪かったな。少し時間をくれれば、多少は迫力のある姿になってやれるが?」

 

軽口を叩きながら比捨門天の準備をする。いつもだったらノータイムで発動できるが、今の状態では約5秒のチャージタイムを要する。時間を稼がなくてはならない。

 

「その言葉が見逃せという意味ならば、それこそまさかだ。お前は必ずここで捕えて情報を吐かせる」

 

(......4)

 

「惜しむらくは、お前が死人だということか......。肉体を持っていれば我が器として適合したであろうに」

 

(......3...)

 

「器?何のことかわからんが、それを含めて色々としゃべってもらうぞ」

 

「そう簡単に口を割ると思うか?俺は藁人形、痛覚なんてものは存在しない。拷問したところで何の意味もない」

 

(...2......1...)

 

「また会おう」

 

(...0!)

 

「!」

 

────────────────────────

 

比捨門天により約5kmほど移動できた。本当はもっと離れたかったが、そこにもう一つの障害物があったのだ。

 

(これは......死体か)

 

男の忍の死体。死因は背中から貫ぬかれたことによる内臓の損傷と出血多量だろう。その目は閉じておらず、瞳孔が開ききっているのがよく見える。その瞳は大筒木のものと酷似している。だが、額にある呪印で光を失っているようだ。

 

(これだ...!)

 

俺はこの死体を器にすることにした。何おかしなことをと思うかもしれないが、死体にだって楔を刻むことはできる。ただし、定着することはない。わずか数秒で消失する。だが、その間に細胞組織を楔のデータを変換することで復元すれば、器として使用できる。問題はこの場合だとデータの一部が失われてしまうため、完全な転生をすることができないということだ。しかし、背に腹は変えられない。俺の命は風前の灯火なのだ。

 

しかも、

 

「逃すわけがなかろう」

 

ゾンビがすぐに追いついてきた。そして間髪入れずに手に持ったクナイに何かしらの術を施して、こちらを刺そうとしてくる。どうやらさっき捕まれた時にマーキングされていたようだ。全く抜かりのない奴め。

 

(間に合え......!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

「扉間、終わったのか?」

 

「.........」

 

柱間の問いに扉間はすぐには答えなかった。じっと手に持った藁人形を見つめ、顔をしかめている。そこからはもうチャクラを感知することはできない。

 

「......いや、どうやら逃がしたようだ」

 

数刻してようやく口を開いた。その声色には様々な感情が含まれているようだが、中でも特に困惑の色が強く出ている。

 

「む、お前が敵を逃すとは珍しいこともあるものぞ」

 

柱間の言う通り、扉間が標的を仕留めそこなったことはほとんどない。忍の中で最速と言われた彼の追跡から逃れられる者はいなかったのだ。

 

「兄者、おそらくこのマダラの一連の計画にはマダラ自身にも分からない裏がある」

 

「どういうことぞ」

 

「思えばずっと引っかかっていた。マダラはうちはの石碑に従って動いていた。そしてそれを書き記したのは六道仙人だ。だが、マダラにできることがなぜ六道仙人にできない?世のすべての人間を幻術にかけることが真の平和をもたらすと考えたならば、なぜ本人が実行しない?」

 

「しかしそれはマダラの勝手な解釈だったのではないか?オレには読めんが『相反する二つは作用し合い森羅万象を得る』という文言が記してあったそうだ。これを六道仙人は、人々が手を取り合えば平和が実現するという意味で記したようにオレは思うぞ」

 

「その話を兄者が聞いた時、マダラは読めない部分があるという旨のことを言っていなかったか?」

 

「あぁ、確かにそのようなことを言っていた」

 

「特殊な瞳力を持つ者にのみ解読することができる石碑、それをマダラは永遠の万華鏡写輪眼をもってしても全ては解読することができなかった。それ自体がその先の瞳力が存在することを示唆していると思えてならんのだ」

 

「なぜ今更そのようなことを言う?」

 

「この藁人形に憑依していた存在が穢土転生体である四代目を殺すことができた。それはつまり奴が陰陽遁をべースとした術を使っているということだ。まるで十尾の人柱力のようにな。尾獣の力に頼らずとも神のことに力を使うことができる存在、それがマダラすらも操っていた可能性がある」

 

「まさか......そのような輩がなぜ今更になって......」

 

「これはあくまで仮説に過ぎん。詳しいことを知るためにはやはりマダラに話を聞くしかあるまい」

 

「待て、扉間。何をするつもりだ」

 

「あそこのマダラの下半身からDNAを採取し、穢土転生を行う。それでマダラの生死を確認できる。そして死んでいれば簡単に知りたい情報を聞き出すことができるはずだ」

 

「それでは他に生贄が必要だろう。もっと別な方法で...」

 

「だから兄者は甘いというのだ!」

 

『やはりお前は優しい男だ。アシュラの転生者よ......』

 

「あ、あなたは......!」

 

 

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