デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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新作です。
すごく久しぶりの投稿なので、暖かい目で観てください。
それでは、どうぞ。


ACE1:新たなる伝説、始まる。

 

 

 

 ある日の朝。

 校門前に一人の男子高校生が立っていた。

 

「…………」

 

 校門前に立つと、男子高校生は校門前にある看板、「ACE学園」を見る。

 

「ここが『ACE学園』……」

 

 まるで、確信したかのように呟き、男子高校生はゆっくりと、門の中に入る。

 

「ここから新しく始まるんだ……僕の学園生活が……」

 

 入り際に、男子高校生はそう小さく呟いた。

 

 

 

 一方、ACE学園の中では大変なことが起きていた。

 

「オラァッ!《オニカマス》でダイレクトアタックっ!」

「う、うわぁぁぁぁぁっ!」

 

 不良っぽい男子高校生、『早峰(はやみね)(そう)』は眼鏡を掛けた男子高校生、『眼鏡(めがね)(かける)』とデュエマをしていた。

 結果は想の《異端流しオニカマス》で、ダイレクトアタックを決めた、想である。

 

「はっ!弱え、弱すぎる!そんな実力で、大会に出ようなんだ、10年早えぜ、一年!」

「っ……!」

 

 そう言って、想は翔を見下し、その光景を見かけた生徒たちは唖然とする。

 

「アイツ、またやってるよ……」

「あの一年生、可哀想……」

「仕方がないよ、大会に出ようと息巻いて、たまたま想に聞かれたんだ……運が悪い……」

 

 そうコソコソと、生徒たちの一部は小さく呟いた。

 そもそも、二人がデュエマをする理由だが、先程の生徒達が言ったように、翔が大会に出ようと、息巻いた矢先に、たまたま通りかかった想に聞かれて、俺がお前の実力を試してやる、と、強引にデュエマを始めたのだ。

 

「アンタ、また弱い者いじめをしているの!」

「ッ……!」

 

 しかし、一人の金髪の女子高生、『斎条(さいじょう)咲恋(されん)』が駆けつけ、翔の側に立ち、想にそう言った。

 それを見た想はバツが悪そうに、咲恋を睨んだ。

 

「何だ?生徒会長か?オメエ、数ヶ月前に、オレがボコしたの、もう忘れたのか?あぁん?」

「っ……!」

 

 想は咲恋の顔に近づき、嫌味たらしく、そう言い、咲恋は歯を食い縛った。

 実際の話、咲恋は数ヶ月前に、想に負けている。

 しかし、そんなことは関係なく、咲恋は生徒会長の使命として、想に講義する。

 

「……忘れてないわ。けど、だからこそ、私は生徒会長として、アンタを止めるっ!これ以上、アンタの好きにはさせないっ!」

「はっ!良いぜ!もっと暴れたかったし、何より、そこにいる一年に、現実ってやつを教えてやるぜ!」

「だ、ダメですよ、生徒会長!」

 

 今から始まる戦いに、翔は震えながらも、咲恋に声をかける。

 

「大丈夫よ、一年生……これでも私、アイツに負けてから、それなりに鍛えてきたから……」

「いや、良いんです、生徒会長……俺が調子に乗っていただけなんで、だから……」

「…………」

 

 翔の必至な説得に咲恋は黙り込む。

 しかし、一年である翔に間を刺されたのか、想はイライラしながら、咲恋に声をかける。

 

「おいおい、やるなら、さっさと、おっ始めようぜ、生徒会長様よぉ!」

「っ!良いわよ、相手になって────」

 

 

 

「────そのデュエマ、少し待って貰えるかな?」

 

 

 

「「「!?」」」

 

 突然、人混みの中から一人の少年の声が響き、翔、咲恋、想、3人を始め、全校生徒がその声に視線を向ける。

 

 見た目はどこにでもいる、ごくごく普通の男子高校生であり、ACE学園の制服を着ている辺り、この学園の生徒であることは間違いない。

 少し特徴があるとすれば、後ろの髪がやや長いこと、それぐらいだ。

 

(誰?あの子?この学園の生徒みたいだけど、あんな子、見たことない……)

 

 しかし、生徒会長である咲恋は知らない。生徒会の仕事で、ある程度、この学園の生徒を把握しているが、咲恋にとっては全く見られない生徒だ。

 そんなことを考えてる中、気がつけば、男子生徒は咲恋達の下まで歩いていた。

 

「……あなた、名前は?」

「……はぁ、久しぶりに会って、それはないよ、咲恋ちゃん」

「っ!?アンタ、もしかして、(しょう)!?」

 

 突然現れた男子生徒に咲恋が名前を聞くと、男子生徒はため息まじりに、彼女にそう言った。

 その声を聞いて、咲恋はこの男子生徒が誰なのか、思い出し、大きな声で、その名を口にした。

 それを聞いて、男子生徒、もとい、勝は満遍の笑みを浮かべる。

 

「正解。卒業以来だね、咲恋ちゃん」

「え?なんで?どう言うこと?私、聞いてない!」

「その反応から察するに、秋乃(あきの)さんから何も聞いてないみたいだね。全く、あの人は……」

「っ!?テメェ、秋乃の知り合いか!?」

 

 秋乃、と言う名前を聞いて、先程まで黙っていた想が驚き、それを聞いた周りの生徒達が騒めき始めた。

 

「秋乃って、あの『(ほむら)秋乃』か?」

「焔財閥の一人娘にして、この学園の理議長を勤めてる?あの秋乃?」

「それ以外に誰がいるんだよ?」

「だとしたら、意外だな……」

「だな、あんなヤツが秋乃の知り合いなんて……羨ましいぜ!」

 

(やっぱり、秋乃さん、この学園の有名人なんだ……最後の方、不純な声が聞こえたけど、聞かなかったことにしよう……)

 

 生徒達が騒めき出してる中、勝は脳裏に、焔秋乃が有名人であることを実感し、そのまま、咲恋に声をかける。

 

「それで咲恋ちゃん、さっきの話だけど……」

「はぁ、わかってるわよ。どうせ、止めても無駄なんだし……アンタに譲るわ」

「ありがとう、咲恋ちゃん」

「その代わり、絶対に勝ちなさいよ!」

「ああ、任せて!」

 

 そう軽く会話をし、勝は咲恋に代わって、想と向き合う。

 

「あの、大丈夫なんですか?あの人に任せて?」

「ん?あぁ、大丈夫よ。アイツがやる以上、負けることは、まずないわ。それより君はアイツのデュエマを見た方が良いわ」

「え?それはどう言う意味ですか?」

「アイツのデュエマは……普通じゃない。普通じゃないけど、多分、この学園に良い刺激を与えるわ……」

「…………」

 

 突然、現れた勝に想を倒せるのか、不安を感じた翔は咲恋に問い掛けるも、何故か、咲恋は自信満々に勝が負けることはないと言い切り、それよりも、勝のデュエマを見た方が良いと、オススメするかのように言う。

 また、彼のデュエマは普通じゃないと、翔にそう告げる。

 その言葉の意味がわからない。わからないが、翔は一先ず、勝と想の二人のデュエマを見届けることに決めた。

 

 

 

「普通じゃない……か……」

「あ?何か言ったか?」

「いえ、何も……それで先行は……」

「テメエからだ。先輩だからな、後輩に優しくするのは当たり前だろ?」

 

 お互いにデッキをシャッフルし、シールドと手札を5枚ずつ準備した後、想から勝に先行を渡された。

 

「まぁ……勝つのはオレだがな!」

「……」

 

 一言。さっさ一つの一言で、突然の圧に、勝は黙り込む。

 それと同時に、周囲にいる生徒達も黙り込み、緊張の嵐が切って下された。

 

「それじゃ……いくぜ!」

「「デュエマ・スタートッ!」」

 

「マナをチャージ。ターンエンドです」

「あ?《ボルシャック・NEX》?しかも、ご丁寧に、ツインパクトの方をマナに置くのか?」

「…………」

 

 マナに置かれたカードに想は悪態をつく。

 勝がマナに置いたのはツインパクトカードの《ボルシャック・NEX/スーパー・スパーク》だ。

 ツインパクトカードはクリーチャーと呪文が一つのカードタイプだ。

 その中でも、勝が置いたカードはメインデッキの鍵となる、《ボルシャック・NEX》であり、その下の呪文面、《スーパー・スパーク》は守りに特化したカードだ。

 つまり、想が言いたいのは、勝のデッキが《ボルシャック・NEX》を軸にしたデッキであり、その防御札であるカードをマナに置いた。

 デュエマは同じカードを4枚まで入れられる。つまり、その内の一枚を、勝はマナに置いたのだ。

 

「……まぁ、良い、勝つのはオレだ。ドロー、《クロック》をマナに置いて、その1マナで、城カード、《海底鬼面城》を要塞化!」

「《鬼面城》……殿堂カードを初手に引くとは、流石ですね、先輩……」

 

 想がシールドの上に置いたカードに、勝は身構える。

 無理もない。デッキに1枚しか入れられない殿堂カードであり、置かれたシールドから離れない城カード、《海底鬼面城》を、想は1ターン目にシールドに置いたのだ。

 そして、その効果は想のターンのはじめに、勝と想はお互いに山札から1枚ドローでき、特定の種族が想の場に入れば、想はさらに、追加で1枚ドローできるのだ。

 つまり、次のターンから、想の手札が2枚以上、増えるのだ。

 

「はっ!言っているのも、今のうちだ!オレはこれでターンエンドだ!」

「僕のターン、ドロー。マナをチャージして、2マナで、《アニー・ルピア》を召喚!ターンエンド!」

 

 想が手札に増えるに対して、勝はドラゴンをサポートする種族、ファイアー・バードの《アニー・ルピア》を場に出す。

 

「オレのターン。まず、ターンのはじめに《鬼面城》の効果で1枚ドロー。テメエはどうする?」

「当然、引きます……」

 

 想のターンに渡ると同時に、想の《海底鬼面城》の効果で、想と勝、両者、1枚ずつ、カードを引き、想はそのまま通常のドローを行い、無言でマナにカードを置く。

 

「2マナで、《伝説演者 カメヲロォル》を召喚!コイツも《鬼面城》と同じ効果で、オレたちの手札を増やす!つまり、オレは次のターン、手札が3枚増える!ターンエンド!」

「ま、不味い!このままじゃ、あの人も俺と同じパターンで負けてしまう!」

 

《カメヲロォル》を見た瞬間、翔は勝が自分と同じパターンで負けることに危機感を覚える。

 

「それがどうかしましたか?」

「何?」

 

 しかし、勝は動揺する様子がない。

 それどころか、ほんの少し、笑っていた。

 

「デュエマの基本は5枚のシールドをすべてブレイクし、相手にダイレクトアタックを決めて、勝利すること。ただ手札を増やすだけじゃ、勝てないよ……」

「……何が言いたい?」

 

 勝の言葉の意味に想は問いかける。

 問いかけられた勝は笑ったまま、当たり前のことを言う。

 

「これぐらい、ピンチでもなんでもない!僕のターン、ドロー!」

 

 勢いよく、カードを引き、引いたカードを一瞬見て、手札に加える。そのまま別のカードをマナに置き、3枚のマナをタップする。

 

「これが僕のACE(切り札)、《ボルシャック・フォース・ドラゴン》を召喚ッ!」

 

 

 




次回、決着です。

感想など、お待ちしています。
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