すごく久しぶりの投稿なので、暖かい目で観てください。
それでは、どうぞ。
ある日の朝。
校門前に一人の男子高校生が立っていた。
「…………」
校門前に立つと、男子高校生は校門前にある看板、「ACE学園」を見る。
「ここが『ACE学園』……」
まるで、確信したかのように呟き、男子高校生はゆっくりと、門の中に入る。
「ここから新しく始まるんだ……僕の学園生活が……」
入り際に、男子高校生はそう小さく呟いた。
一方、ACE学園の中では大変なことが起きていた。
「オラァッ!《オニカマス》でダイレクトアタックっ!」
「う、うわぁぁぁぁぁっ!」
不良っぽい男子高校生、『
結果は想の《異端流しオニカマス》で、ダイレクトアタックを決めた、想である。
「はっ!弱え、弱すぎる!そんな実力で、大会に出ようなんだ、10年早えぜ、一年!」
「っ……!」
そう言って、想は翔を見下し、その光景を見かけた生徒たちは唖然とする。
「アイツ、またやってるよ……」
「あの一年生、可哀想……」
「仕方がないよ、大会に出ようと息巻いて、たまたま想に聞かれたんだ……運が悪い……」
そうコソコソと、生徒たちの一部は小さく呟いた。
そもそも、二人がデュエマをする理由だが、先程の生徒達が言ったように、翔が大会に出ようと、息巻いた矢先に、たまたま通りかかった想に聞かれて、俺がお前の実力を試してやる、と、強引にデュエマを始めたのだ。
「アンタ、また弱い者いじめをしているの!」
「ッ……!」
しかし、一人の金髪の女子高生、『
それを見た想はバツが悪そうに、咲恋を睨んだ。
「何だ?生徒会長か?オメエ、数ヶ月前に、オレがボコしたの、もう忘れたのか?あぁん?」
「っ……!」
想は咲恋の顔に近づき、嫌味たらしく、そう言い、咲恋は歯を食い縛った。
実際の話、咲恋は数ヶ月前に、想に負けている。
しかし、そんなことは関係なく、咲恋は生徒会長の使命として、想に講義する。
「……忘れてないわ。けど、だからこそ、私は生徒会長として、アンタを止めるっ!これ以上、アンタの好きにはさせないっ!」
「はっ!良いぜ!もっと暴れたかったし、何より、そこにいる一年に、現実ってやつを教えてやるぜ!」
「だ、ダメですよ、生徒会長!」
今から始まる戦いに、翔は震えながらも、咲恋に声をかける。
「大丈夫よ、一年生……これでも私、アイツに負けてから、それなりに鍛えてきたから……」
「いや、良いんです、生徒会長……俺が調子に乗っていただけなんで、だから……」
「…………」
翔の必至な説得に咲恋は黙り込む。
しかし、一年である翔に間を刺されたのか、想はイライラしながら、咲恋に声をかける。
「おいおい、やるなら、さっさと、おっ始めようぜ、生徒会長様よぉ!」
「っ!良いわよ、相手になって────」
「────そのデュエマ、少し待って貰えるかな?」
「「「!?」」」
突然、人混みの中から一人の少年の声が響き、翔、咲恋、想、3人を始め、全校生徒がその声に視線を向ける。
見た目はどこにでもいる、ごくごく普通の男子高校生であり、ACE学園の制服を着ている辺り、この学園の生徒であることは間違いない。
少し特徴があるとすれば、後ろの髪がやや長いこと、それぐらいだ。
(誰?あの子?この学園の生徒みたいだけど、あんな子、見たことない……)
しかし、生徒会長である咲恋は知らない。生徒会の仕事で、ある程度、この学園の生徒を把握しているが、咲恋にとっては全く見られない生徒だ。
そんなことを考えてる中、気がつけば、男子生徒は咲恋達の下まで歩いていた。
「……あなた、名前は?」
「……はぁ、久しぶりに会って、それはないよ、咲恋ちゃん」
「っ!?アンタ、もしかして、
突然現れた男子生徒に咲恋が名前を聞くと、男子生徒はため息まじりに、彼女にそう言った。
その声を聞いて、咲恋はこの男子生徒が誰なのか、思い出し、大きな声で、その名を口にした。
それを聞いて、男子生徒、もとい、勝は満遍の笑みを浮かべる。
「正解。卒業以来だね、咲恋ちゃん」
「え?なんで?どう言うこと?私、聞いてない!」
「その反応から察するに、
「っ!?テメェ、秋乃の知り合いか!?」
秋乃、と言う名前を聞いて、先程まで黙っていた想が驚き、それを聞いた周りの生徒達が騒めき始めた。
「秋乃って、あの『
「焔財閥の一人娘にして、この学園の理議長を勤めてる?あの秋乃?」
「それ以外に誰がいるんだよ?」
「だとしたら、意外だな……」
「だな、あんなヤツが秋乃の知り合いなんて……羨ましいぜ!」
(やっぱり、秋乃さん、この学園の有名人なんだ……最後の方、不純な声が聞こえたけど、聞かなかったことにしよう……)
生徒達が騒めき出してる中、勝は脳裏に、焔秋乃が有名人であることを実感し、そのまま、咲恋に声をかける。
「それで咲恋ちゃん、さっきの話だけど……」
「はぁ、わかってるわよ。どうせ、止めても無駄なんだし……アンタに譲るわ」
「ありがとう、咲恋ちゃん」
「その代わり、絶対に勝ちなさいよ!」
「ああ、任せて!」
そう軽く会話をし、勝は咲恋に代わって、想と向き合う。
「あの、大丈夫なんですか?あの人に任せて?」
「ん?あぁ、大丈夫よ。アイツがやる以上、負けることは、まずないわ。それより君はアイツのデュエマを見た方が良いわ」
「え?それはどう言う意味ですか?」
「アイツのデュエマは……普通じゃない。普通じゃないけど、多分、この学園に良い刺激を与えるわ……」
「…………」
突然、現れた勝に想を倒せるのか、不安を感じた翔は咲恋に問い掛けるも、何故か、咲恋は自信満々に勝が負けることはないと言い切り、それよりも、勝のデュエマを見た方が良いと、オススメするかのように言う。
また、彼のデュエマは普通じゃないと、翔にそう告げる。
その言葉の意味がわからない。わからないが、翔は一先ず、勝と想の二人のデュエマを見届けることに決めた。
「普通じゃない……か……」
「あ?何か言ったか?」
「いえ、何も……それで先行は……」
「テメエからだ。先輩だからな、後輩に優しくするのは当たり前だろ?」
お互いにデッキをシャッフルし、シールドと手札を5枚ずつ準備した後、想から勝に先行を渡された。
「まぁ……勝つのはオレだがな!」
「……」
一言。さっさ一つの一言で、突然の圧に、勝は黙り込む。
それと同時に、周囲にいる生徒達も黙り込み、緊張の嵐が切って下された。
「それじゃ……いくぜ!」
「「デュエマ・スタートッ!」」
「マナをチャージ。ターンエンドです」
「あ?《ボルシャック・NEX》?しかも、ご丁寧に、ツインパクトの方をマナに置くのか?」
「…………」
マナに置かれたカードに想は悪態をつく。
勝がマナに置いたのはツインパクトカードの《ボルシャック・NEX/スーパー・スパーク》だ。
ツインパクトカードはクリーチャーと呪文が一つのカードタイプだ。
その中でも、勝が置いたカードはメインデッキの鍵となる、《ボルシャック・NEX》であり、その下の呪文面、《スーパー・スパーク》は守りに特化したカードだ。
つまり、想が言いたいのは、勝のデッキが《ボルシャック・NEX》を軸にしたデッキであり、その防御札であるカードをマナに置いた。
デュエマは同じカードを4枚まで入れられる。つまり、その内の一枚を、勝はマナに置いたのだ。
「……まぁ、良い、勝つのはオレだ。ドロー、《クロック》をマナに置いて、その1マナで、城カード、《海底鬼面城》を要塞化!」
「《鬼面城》……殿堂カードを初手に引くとは、流石ですね、先輩……」
想がシールドの上に置いたカードに、勝は身構える。
無理もない。デッキに1枚しか入れられない殿堂カードであり、置かれたシールドから離れない城カード、《海底鬼面城》を、想は1ターン目にシールドに置いたのだ。
そして、その効果は想のターンのはじめに、勝と想はお互いに山札から1枚ドローでき、特定の種族が想の場に入れば、想はさらに、追加で1枚ドローできるのだ。
つまり、次のターンから、想の手札が2枚以上、増えるのだ。
「はっ!言っているのも、今のうちだ!オレはこれでターンエンドだ!」
「僕のターン、ドロー。マナをチャージして、2マナで、《アニー・ルピア》を召喚!ターンエンド!」
想が手札に増えるに対して、勝はドラゴンをサポートする種族、ファイアー・バードの《アニー・ルピア》を場に出す。
「オレのターン。まず、ターンのはじめに《鬼面城》の効果で1枚ドロー。テメエはどうする?」
「当然、引きます……」
想のターンに渡ると同時に、想の《海底鬼面城》の効果で、想と勝、両者、1枚ずつ、カードを引き、想はそのまま通常のドローを行い、無言でマナにカードを置く。
「2マナで、《伝説演者 カメヲロォル》を召喚!コイツも《鬼面城》と同じ効果で、オレたちの手札を増やす!つまり、オレは次のターン、手札が3枚増える!ターンエンド!」
「ま、不味い!このままじゃ、あの人も俺と同じパターンで負けてしまう!」
《カメヲロォル》を見た瞬間、翔は勝が自分と同じパターンで負けることに危機感を覚える。
「それがどうかしましたか?」
「何?」
しかし、勝は動揺する様子がない。
それどころか、ほんの少し、笑っていた。
「デュエマの基本は5枚のシールドをすべてブレイクし、相手にダイレクトアタックを決めて、勝利すること。ただ手札を増やすだけじゃ、勝てないよ……」
「……何が言いたい?」
勝の言葉の意味に想は問いかける。
問いかけられた勝は笑ったまま、当たり前のことを言う。
「これぐらい、ピンチでもなんでもない!僕のターン、ドロー!」
勢いよく、カードを引き、引いたカードを一瞬見て、手札に加える。そのまま別のカードをマナに置き、3枚のマナをタップする。
「これが僕の
次回、決着です。
感想など、お待ちしています。