デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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『ACE・デュエマ部』って言いにくいですよね。
なので、名前を変更します。


ACE10:チーム結成、その名は……。

 

 

 

「負けちゃったか……まぁ、こればかりは仕方がないか」

「その割には全然悔しそうに見えないんだけど……」

 

 部の存続を賭けたデュエマは咲恋が勝利し、敗北した勝は第一にそう言った。

 あまり悔しそうに見えない勝の表情に、咲恋は不思議に疑問に思った。

 

「そうでもないよ。これでも結構、悔しいって、思ってるよ」

「……そう?それなら、喜んで良いのかな?」

「あまり喜ばれると、少し(へこ)むよ」

「アンタでも、冗談言うんだ?」

「む、本気だよ」

 

 勝が意外な発言に、咲恋は冗談まじりに言うと、勝は少し怒った表情で、そう言い返した。

 

「フフ、悪かったわよ。それで、約束、覚えてる?」

「勿論、『ACE・デュエマ部』に入るよ。ついでに、最後の1人を紹介しようか?」

「本当に?」

「わざわざ嘘は言わないよ」

「……そう、期待してる」

 

 そう言うと、二人のデュエマを観戦していた秋乃達が近づいてきた。

 

「二人とも、すごいデュエマでした!」

「まさか、勝先輩が負けるなんて……」

「しかも、最後が《クロック》とか、ダッセェ負け方だな……って、痛えぇ!」

 

 勝が咲恋に負けたことに、笑顔で言う想に、マリは想の足に容赦なく、蹴りを入れた。

 

「痛えよ!何しやがる!チビ女!」

「誰がチビですか!大体、勝様は全力を出して負けたんですよ!そこに少しは評価を(あたい)しなさい!ですよね?勝様?」

「いや、そうでもないよ。悔しいけど、早峰先輩の言う通りだよ……」

「え……?」

 

 意外な発言にマリは驚き、それを聞いた想はつまらなそうな表情をしていた。

 

「何だ、理由、わかってるのかよ。ツマラねぇな」

「問題児の先輩は黙っててもらいますか?」

「へいへーい」

「それで勝様、さっきの話ですが……」

「あぁ、実は……」

「《クロック》が一枚も見えてなかったから、もしかしたら、シールドに埋まっているかもしれない、そう言うことでしょう?」

「……」

 

 勝が言い出す前に、秋乃が割って入って、そう説明し、言い出そうとした勝は図星だったのか、黙り込んだ。

 

「もしくは、貴方の防御札が《ボルシャック・ドギラゴン》しかなくて、咲恋様の攻撃を防ぐ手段があまりなかった。違いますか?」

「……どっちも正解だよ」

 

 観念したのか、エリカの仮説に、勝は否定もせず、返答した。

 

「全く、いざ言われるとキツいものだよ……」

「それじゃあ、アンタ、自分が負けるの、最初からわかってたの!?」

 

 意外な真実に、咲恋は驚く。

 

「いいや、最初の《〈鬼羅.Star〉》が攻撃する時まではわからなかったよ。ただ、その時のW・ブレイクで、《スーパー・スパーク》と《ボルシャック・ドギラゴン》が埋まってたんだ。その時だよ、負けが見えていたのは……」

「なっ……!?」

 

 そうはっきり言う勝に、咲恋はまた驚き、それと同時に、自分は彼に実力で勝った訳ではないと、気づく。

 

「まぁ、流石に《テイル・ドラゴン》が2枚あったのは予想外だけどね」

「何よ!嫌味なの、それ!」

「ちょっ、なんで急に怒るのさ!?」

「そりゃあ、怒りますわよ」

「えぇ、全く……」

 

 突然怒り出す咲恋に、勝はどうにかして宥められないか、考え、ふっと、ひよりが目に入った。

 

「あ、そうだ!ひよりちゃん、一緒に部活入らない?後1人、部員が足りなくて困ってるんだー」

「え?私は全然構いませんが、あの、生徒会長は大丈夫なんですか?」

 

 突然、話を振られたひよりは咲恋に問いかける。

 

「なんか良いように流されてるけど……えぇ、問題ないわ。事実、後1人足りないし、寧ろ、歓迎するわ」

 

 その言葉に、ひよりは満面の笑顔で、子供みたいに、はしゃぎ始めた。

 

「本当ですか?やったー!これで毎日、勝先輩とデュエマができるー!」

「たまには、私の相手もしてよね?」

「オレのことも忘れるな!」

「貴方はまず、その口を治すのが先でしょ!」

「だから蹴るんじゃねぇよ!チビ女!」

 

 と、こんな感じで、ついに『ACE・デュエマ部』に部員が5人揃った。

 

「そう言えば、チーム名はどうします?」

「チーム名?」

「はい、ずっと、『ACE・デュエマ部』って呼ぶの、なんだか違和感があるなぁ、と」

「そうね、確かに言われてみれば……」

 

 ふっと、翔がそんな提案をし、それを聞いた咲恋は今まで考えてなかったのか、秋乃に視点を向ける。

 

「秋乃さん、何か、提案はある?」

「……実は、皆さんに、ピッタリの名前があります」

「それ、本当?秋乃さん?」

「どんな名前なんですか?」

 

 どうやら事前に考えていたのか、秋乃はそう言い、それを聞いた勝はどんな名前か、期待し、ひよりも無邪気な子供みたいな瞳で目を光らせていた。

 

「チーム名は『ACE(エース) STRIKER(ストライカー)』。意味はサッカー用語で、ゴールを決める人。その中でも(すぐ)れた選手を意味しますわ。わたくし達、ACE学園にはピッタリの名前だと思います。どうでしようか?」

「『ACE STRIKER』……うん、良いと思う」

「何だか、とってもカッコいい名前です!」

「オレは安直だと思うがな」

 

 などと言いつつ、意外と気に入っているのか、頬が緩んでいる想であった。

 

「ん?わたくし達って……」

 

 ふっと、秋乃が言った言葉に違和感を感じ、勝は秋乃に視線を向けると、秋乃は少し微笑んでいた。

 

「あら、わたくし達もチーム、『ACE STRIKER』の仲間ですよ、勝様」

「マジ?」

「マジです」

「マジなのです!」

 

 なんと、ここに来て、秋乃、エリカ、マリの3人も、チーム、『ACE STRIKER』に加わるのだった。

 

「……まぁ、いいか!」

 

 咲恋とのデュエマは意外な結果に終わったが、これからの毎日が楽しみな勝である。

 

 

 




はい、というわけで、部員が無事、5人(以上)揃いました。
予定より、1話分長くなりましたが、まぁ、許容範囲です。
次回からはGWでの休日を少し書こうかと……。
後、ほぼ毎日投稿をしているので、少しの間、休憩をとろうと思います。
その間、感想などありましたら、言ってください。
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