デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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今回の話は少し現実的なお話をします。
高校生なら、というか、学生なら皆、通った道だと思います。
まぁ、大人になっても何度か通るんですけどね(汗)
という訳で、ACE11、どうぞ。


ACE11:デュエマをするのに大事なもの。

 

 

 

 チーム、『ACE(エース) STRIKER(ストライカー)』が結成してから1週間。

 ゴールデンウィークに入った勝達は各自、休日を過ごしていた。

 

 そんな中、ひよりの誘いで、勝はマリを連れて、3人でカードショップに来ていた。

 

「《ボルシャック・アークゼオス》、1枚900円。《クック・(スクランブル)・ブルッチ》、1枚400円……」

「《インフェル星樹(スタージュ)》、1枚500円。銀トレ、1枚650円……」

 

「「高いッ……!!」」

 

 ショップに来て早々、ショーケースにあるカードが高いことに、げんなりする勝とひより。

 高校生にとって、1枚500円以上のカードを買うには中々勇気がいる。ましてや、複数枚、4枚揃えて買うのも一苦労である。

 マリと共同生活している勝は金銭面の管理をマリに任せているため、私生活込みで、手持ち金が限られている。

 対して、ひよりは家があまり裕福ではないため、1枚500円の《インフェル星樹》に手をこまねいている。

 

「すみませーん、特価の《最終(さいしゅう)モルト》を4枚、お願いしまーす!」

 

 一方のマリは特価品コーナーにある、1枚200の《最終(ファイナル)龍覇(りゅうは) グレンモルト》を4枚、買っていた。

 

 ──数分後。

 

「それで、お目当てのカードが高くて、買う気になれず、ここでフリーをしてると?」

 

 結局、勝とひよりはお目当てのカードを買わず、フリースペースでデュエマをして、時間を潰していた。

 それを見て、レジから帰ってきたマリは呆れて物も言えない、と言わんばかりに、2人にそう言った。

 

「だってよぉ、《(スクランブル)・ブルッチ》が1枚400円だぞ!《アークゼオス》はまだしも、レアの《轟・ブルッチ》が400円って……高すぎるよッ!」

「私も、《星樹(スタージュ)》がまだ、あんなに高いなんて、思いませんでしたッ!」

「はぁ……」

 

 深いため息を吐くマリ。2人の言うことはごもっともだが、高校生なら高校生らしい、買い方がある。

 例えば、期間を空けて、カードが安くなるの待つか、先程のマリのように、特価品コーナーで買えば、幾つか出費がマシになる。

 

 しかし、今回の2人の場合、話は別である。

 

 勝は『双龍戦記(そうりゅうせんき)』で出た新ギミック、メクレイドを軸にしたボルシャックデッキを組むため、先程、ショーケースにある《ボルシャック・アークゼオス》と《クック・轟・ブルッチ》を買おうと思ったのだ。

 因みに、《ボルシャック・カイザー》の進化系である、《覇炎竜(はえんりゅう) ボルシャック・ライダー》は4枚セット、500円で売っていたらしく、そちらは安く買えたので心配はない。

 尚、スタートデッキのボルシャックは、ひよりとはじめてデュエマした日の前の日に買ったらしい。

 

 ひよりは《ヴァリヴァリウス》がお気に入りで、《ヴァリヴァリウス》を軸にした白赤緑(リース)軸のドラゴンデッキを使っていたが、1週間前の勝と咲恋のデュエマを見て、「自分もあんなデュエマがしたい!」と言い出して、どう言う訳だが、白赤緑軸のモルネクを組もうと言い出し、手持ちに1枚もない、《インフェル星樹》を4枚買おうと思ったのだ。

 肝心のモルネクは去年、発売された『龍覇爆炎(りゅうはばくえん)』を親にねだって、買っているので、そちらは問題ないらしいが。

 

「はぁ、全く……」

 

 2人揃って、子供だ、と。マリは心底、そう思った。

 そもそも、勝はひよりの師匠で、ひよりは勝の弟子なら、もう少し遠慮というものを知ってほしい、と、マリは口には出さないが、そう思った。

 

「──テメエら、何やってる?」

「え?」

 

 ふっと、聞きられた声が響き、3人はそちらに視点を向けると、そこにはACE学園の3年生にして問題児、そして、今は勝達と同じチームメイトの早峰想がいた。

 

「珍しいですね、貴方がここにいるなんて……」

「オイ、休日に先輩と会って、第一に言う言葉がそれかよ、あぁ?」

 

 あからさまに嫌そうに言うマリの言葉に、(かん)に障ったのか、想は早速、喧嘩腰になり、マリに突っかかって、そう言った。

 

「知りませんよ。こっちは今、大事な話をしているんです。邪魔しないでください」

「ハッ、そうかよ!こっちは折角、美味しい話があるってのによ!」

「美味しい話?何ですか?それ?」

 

 食いついたマリに想は今までやられた分を仕返しに、意地悪しようと考え、マリに振り返り、不敵な笑みで、こう言った。

 

「オイオイ、大事な話があるんだろう?だったら、オレはここでオサラバだ、じゃーな」

 

 そう言って、想は子供じみたことを言い、勝達に背中を向けて、この場を去ろうとする。

 

(勝った!あぁ、この感じ、この高揚感、過去一番に最高だ……!)

 

 マリにやり返せたことに、満足し、高揚感に浸る想。

 それを察したのか、マリは深い深呼吸をする。

 

 ──そして、駆け出し、ジャンプし、両足を前に出しながら、想の背中にドロップキックを仕掛ける。

 

「ソリャアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァッ!」

「どわぁっ!?」

 

 マリは叫びながら、想の背中に見事、ドロップキックをぶちかました。

 そのまま想の体は地面に倒れ、横になり、想の背中をマリは自身の足を強く乗せた。

 

「テ、テメェ……よくも、やったなぁ……」

 

 ガクっと、まるでアニメやドラマに出てきそうな音が鳴り、想はそのまま気絶した。

 その光景に、店内にいる人達は皆、唖然とした。

 なんて、マリの身体はかなり小柄で、その体格に反した運動神経を持ち合わせていたからだ。

 それはひよりも例外ではない。

 

「あの、師匠。マリちゃんって、もしかして……」

「うん、そう言うこと。後、ひよりちゃん、それ以上は言わないであげて。二次災害が起こるから……」

「……はい」

 

 あまりの出来事に、その場にいる全員が想の安否を心配した。

 

 




今回から、少し早いめのゴールデンウィークのお話です。

想が言う美味しい話とはいったい?

まぁ、大体ロクでもない話ですがね(本当に?)

感想など、ありましたら、気軽に言ってください。
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