デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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主人公、怒ります。
少しだけ、ですが……。


ACE12:勝、激怒する。

 

 

 

「大丈夫ですか?早峰先輩?」

「そう心配するならよぉ、あのオンナをどうにかならねぇのか?」

「貴方が悪いんです!貴方が私に挑発するのが悪いんです!」

「まぁまぁ、マリちゃん、その辺にしてあげてー」

 

 フンッ、と、かなり不機嫌なマリ。

 対して、マリにドロップキックを喰らった想はかなり背中を痛がり、勝に自身の背中をさすってもらっていた。

 因みに、マリにドロップキックを喰らった想が目が覚めたのは、1時間後である。

 

 ふっと、彼が去り際に言っていたことを、勝は思い出し、想に問いかけた。

 

「そう言えば、早峰先輩。先程言っていた美味しい話って、何ですか?」

「あ?あぁ、それか……」

「どうせ、ロクでもない話でしょ」

「何でテメェは一々、オレに突っかかってくるんだよ?ケンカ売ってんのか?だとしたら、こっちはいつでも買ってやるぞ?あぁ?」

「もう、2人とも、仲良くしてください!」

「「コイツ(この人)と仲良くできるか(できません)っ!!」」

 

 そう、息を合わせて叫ぶ2人。

 あまりの息のあった叫び声に、ひよりは「ヒィっ!?ごめんなさい!」と、謝ってしまう始末。

 

 ──ブチッ。

 

 そんな、小さな音が鳴った。

 それが聞こえたマリは「あ……」っと、恐る恐る、音が鳴った方に振り向く。

 

「どうした?」

 

 それを見た想はマリに問いかける。問いかけられたマリは震えながらも、ゆっくり指を上げて、勝の方にさす。

 

 ──否、勝をさしている。

 

 何も知らない想はそのまま勝の方に体を向けると、そこには──

 

「──2人とも、少しお話ししようか?」

 

 ──静かに激情している勝の姿だった。

 この後、2人は勝に30分ほど、説教されるのは言うまでもない。

 

 

 

「──それで美味しい話って何なんですか?」

「あぁ、実はここから少し離れた場所にカードショップがあってよ、そこのデュエマの大会……非公認の大会だが、そこに優勝すれば、その店に売ってるカードを半額にしてくれるんだと。特価品も含めてな……」

「そんな店があるんですか!?」

 

 説教を終えて、ようやく本題に入り、想が言っていた美味しい話を聞いて、ひよりは驚いていた。

 勝も顔には出さないが、内心、驚いていた。

 因みに、マリは勝に説教されて、精神的ショックを受け、机の下で、体育座りになり、何か呪文のようなものをブツブツと唱えていたが、勝達はあえて気にしないようにしていた。

 

「……そのカードショップの名前、わかりますか?」

「あー、確か名前は『ブラックキャット』?だったかな?」

「そこは曖昧なんですね」

 

 いつの間にか、いつもの調子に戻っていたマリ。

 そんなマリにひよりは「お帰り〜、マリちゃん」と、活気のある言葉をかけ、マリは「ただいまー、ひよりちゃん」と、返事を返す。

 

「それで、勝様、どういたしますか?」

「当然、行くに決まってるよ」

「新しいボルシャックを組みたいですものね!」

 

 マリの問いかけに、さも当たり前のように、勝は返事をする。

 それを聞いたひよりは高らかにそう言った。

 

「それもあるけど、どちらかというと、名前が気になるかな?」

「?名前、ですか?」

「オイ、まさかテメェまで、オレを疑うのか?」

「別に疑ってませんよ。ただ……中学の時にいたチームの名前が入ってるから、少し気になっただけです……」

「勝様……」

 

 勝はカードショップの名前を聞くと、どこか上の空を眺め、それを見たマリは勝を心配した。

 

「それでしたら、今からこのメンバーで行きましょう!」

「今から!?」

 

 それを見たひよりは3人に提案すると、想が真っ先に驚いていた。

 

「ひよりちゃん、今からはやめといたほうが良いですよ……」

「?何でですか?」

「ひよりちゃん、時計を見て……」

「?時計、ですか?」

 

 勝が言うと、ひよりはお店にある時計を見た。

 見ると、もう夕方の4時半である。

 

「あ……」

「もうすぐ門限の時間だからね」

「うちの学校、校則が厳しいから、今日はもう解散にしましょう、ひよりちゃん」

「はい、そうですね。断念ですが……」

「んじゃ、明日の昼の1時に、その店の前に集合だな」

「何で貴方が締めてるんですか?」

「うっせぇー」

 

 想が最後に返事をすると、勝達は皆、店に出て、解散し、それぞれの家に帰っていった。

 

 

 

 

 

「──もしもし。お久しぶりです、勝です。そちらは……元気ですね。実は少しお願いがあって、連絡しました。ブラックキャットというお店を調べてほしいんです。カードショップなんですが……はい、僕も明日、友達と一緒に行くので、暇があれば、調べようと思います。はい、ありがとうございます」

 

 ピッ、と、電話を切ると、勝は椅子に背をもたれ、机の上に並べてるデュエマのカードを眺める。

 

「明日のデッキを組んでいるんですか?」

「マリちゃん……ありがとう」

 

 浮かない顔をしている勝を気にしてか、マリは勝に水が入ったコップを渡し、勝はそれを半分ぐらい飲んで、空いてるスペースに、机の上に置いた。

 

「それもあるけど、どっちかって言うと、明日行くお店の名前が気になってね。それについて、中学の時の知り合いに頼んでいたんだ……」

「そうですか……あの、勝様」

「ん?」

「あまり夜更かしはしないでくださいね。体に障りますよ」

「人をお年寄りみたいに言ってくれるね。まぁ、その気遣いはありがたいけどね」

 

 そう言って、勝はデュエマのカードを片付け、残った水を飲み干し、コップをマリに渡して、自身ののベッドに入り、横になった。

 

「おやすみ、マリちゃん」

「おやすみなさい、勝様」

 

 

 




何やら、不吉な予感……。
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