デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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投稿から、1週間が経過したことに昨日の夜気づいて、びっくりしてます。


ACE13:ブラックキャット

 

 

 

「ここがブラックキャット……」

「名前の通り、看板は黒と黒猫が貼ってありますね……」

「でも、中はかなり明るいみたいですよ!」

 

 ほら、と、ひよりがお店の中を指さす。

 確かに、お店の外装は黒を意匠とし、右端に黒猫の形があり、中は電気が明るく、夜になっても、中が見えるのではないか、と、疑うぐらいに、店内は明るかった。

 

「……」

 

 だけど、勝は何故か、黒猫の看板に目が入っていた。

 まるで懐かしむかのように、勝の瞳は曇っていた。

 

「?勝先輩?どうかしましたか?」

「……え?」

「え、じゃなくて、黒猫の看板を見て、どうかしたんですか?」

 

 不意にひよりは気になり、勝は「あ、ああ、黒猫ね」と、(うつむ)きながら、返事をし、少し間を置いて、口を開いた。

 

「……前の学校を少し思い出していたんだ?」

「確か前は『山猫(やまねこ)学園』でしたね。それがどうかしたんですか?」

「仲の良かった友達が少し気になってね……」

「黒猫の友達がいたんですか?」

「アハハ、うん。いたよ。猫耳が着いた黒いフードの子が……」

 

 冗談まじりに言ったつもりが、意外な返答に、ひよりは少し驚いてしまった。

 

「……元気にしてるかな」

「転校、したんですか?」

「ううん、逆だよ。僕が居なくなって、いじめられていないかなって……」

 

 それを聞いて、ひよりは地雷を踏んでしまったことに気づき、急いで、勝に謝ろうと声をかけようとした、その時だ。

 

「──オーイ!テメエら、いつまでそこにいるつもりだー!」

 

 ブラックキャットの玄関前で、想の大きな声が響いた。

 なんと間が悪い、とはこのこと。

 

「行こうか、2人とも」

「はい、勝様」

 

 想と合流するため、勝が前に出ると、マリは勝の後をついていった。

 

「……」

 

 完全に謝るタイミングを逃したひよりは少ししてから、2人の後を追った。

 

 

 

「遅えぞ、テメエら!いつまで待たせる気──ゴフッ!」

 

 合流して早々に、想はマリに腹パンされ、お腹を抑える。

 

「オイ、チビ女、会って早々に腹パンとは良い度胸だな……」

「早峰先輩、カッコつけて言いたいなら、まずはその腹の痛みを治してからにしてくれませんか?」

「そう思うなら、お前、コイツの主人だろ!なんとかしろ!」

 

 腹の痛みを抑えながら、想は勝に抗議する。

 

「──アンタ達、なんでここにいるの?」

 

 突然、聞きなれた声が響き、勝達は声の方に振り向くと、そこには咲恋と翔の2人が居た。

 

「生徒会長!?それにメガネ君!?」

「2人とも、どうしてここに?」

「それはこっちの台詞よ……」

 

 突然の来訪者に、ひよりは驚き、勝は2人がここに来た理由を問いかけるも、逆に咲恋は勝達に問いかけた。

 

「早峰先輩がここの大会に優勝すれば、このお店のカードを半額にしてくれると聞いて来たんです。そしたら……」

「私たちが来た、と……」

「俺達も、昨日、このお店の大会に出ようって、話をしてたんです。まさか、火野先輩達が居るなんて、驚きました」

「驚いたのはこっちです!」

「うん。なんと言うか、かなり珍しい組み合わせだね」

 

 勝が言うと、いつも間にか、元気になっていた想が翔に近づき、翔の首を腕で巻いてきた。

 

「なんだぁ、眼鏡?いつも間に、生徒会長を堕としたんだよぉ?ええ?」

「お、堕としたなんて、俺はただ、生徒会の仕事で疲れてる生徒会長に気分転換に誘っただけです!特別深い意味は……」

「そう遠慮するなよ。オレにはわかる。男なら、誰しも惚れた女に手を出したくなるきも──イッテェェッ!」

 

 突然、マリに背中を蹴られる想。

 突然蹴られた想はまたか、と、思い、マリに視線を向けると、マリはとても不快な目で、想を見下していた。

 

「先輩、セクハラ発言、やめてもらえませんか?」

「そー言うテメエは、パワハラをヤメロォッー!」

 

 叫ぶ想に対してマリはプイッと、首を振る。即ち、否定、拒否である。

 

「なにこれ?」

「気にしないで、2人とも、昨日からずっと、この調子なんだ……」

 

 その光景に咲恋は疑問に感じ、勝は渇いた声で、咲恋の疑問に答えた。

 

 

 

 ──プップー。

 

 

 

『?』

 

 突然、車のクラクションが鳴り響き、勝達はそちらに視線を向けると、そこには、赤い高級車が止まっていた。

 その高級車の後部座席が開き、そこから、肩まで長い赤い髪に、足元まで長い赤いロングスカートを着た女性──ACE学園の理事長にして、焔財閥の1人娘、焔秋乃が現れ、その後ろにはメイド姿の暁月エリカが現れた。

 

『……』

 

 まさかの来訪者に、勝達はその場で固まってしまった。

 

「あら?皆様、こちらで何をしてますの?」

 

 突然、現れた秋乃はブラックキャットの前にいる勝達に問いかけた。

 

「……秋乃さんこそ、どうしてここに?」

「わたくしはこのお店の視察と、このお店で行う非公認大会の司会をしに来ましたの」

『え?』

 

 秋乃の問いに勝が問い返しすと、秋乃はさも当たり前のことを言ってのける。

 それを聞いた勝達は全員、驚いてしまった。

 

「このお店、秋乃さんが経営してるお店なの!?」

「正確には、わたくしのお父様が経営してるお店ですのよ、ですのよ!」

 

 二度言う秋乃。彼女が二度言うことは、事実だろうと、この場にいる全員がそう思った。

 

「だとしたら、何でブラックキャット?財閥的に、レッドキャットか、ファイアーキャットじゃないの?」

 

 焔財閥は赤、または、炎のイメージが強く、『ブラックキャット』は日本語に変換しても、『黒猫』になるので、焔財閥のイメージにあわない。そう思って、勝は秋乃に問いかける。

 

現実(リアル)に赤い猫や、炎の猫が居ますの?」

「……居ないね」

「そういうことです。現実にいる猫は黒、茶色、白など、多種多様に色々います。その中でも、黒猫は人々の中で、イメージとして残りやすいので、あえて、ブラックキャット、という名前にしてます」

「なるほど……」

 

 秋乃の説明に勝は納得する。

 確かに、イメージとして残すなら、わかりやすい名前の方が覚えやすい。流石、焔財閥、といったところか、と、勝は口には出さないが、内心、感心するのだった。

 

「さて、説明はこれぐらいにして、わたくし達は先に中に入りますわよ、エリカ」

「はい、お嬢様」

 

 エリカが返事を返すと、秋乃とエリカはブラックキャットの中に入った。

 

「……大変だね、秋乃さん」

「アンタも似たようなもんでしょ?」

「僕の家系はあそこまで大変じゃないよ。それよりも……」

「ええ、わかってるわよ。皆、私達も中に入るわよ」

 

 咲恋の合図で、勝達はブラックキャットの中に入っていた。

 

(結局、謝る暇がありませんでした……)

 

 入る途中、ひよりは未だに、勝に謝罪できなかったことに悔やんでいた。

 

 

 




デュエマシーンはもう少し待ってね。
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