手札が《轟轟轟ブランド》だけの時、マスターG・G・Gの効果で、マナを払わずに召喚できる殿堂カード。それが《轟轟轟ブランド》だ。
「やっぱり、来ましたか……(正直、来てほしくなかったですが……)」
マリにとっては、あまり来てほしくなかったカードである。
「《轟轟轟ブランド》が出た時、オレのマナゾーンに火のカードが1枚以上あるなら、山札からカードを1枚ドローできる!」
そう言って、想はカードを1枚引く。
さらに、想のクリーチャーはすべて、《“罰怒”ブランド》の効果で、スピードアタッカーを得ているのだ。
「くらいやがれッ!オレの攻撃を!まずは《“罰怒”ブランド》で攻撃!W・ブレイクだッ!」
「……トリガーはありません」
「そうか!なら、《轟轟轟ブランド》も攻撃だッ!W・ブレイクッ!」
「断念ですが、それ以上は通しません。シールド・トリガー、《クロック》です。召喚して、貴方のターンの残りを飛ばします」
「……クソ、仕留め損ねたか!」
なんとか、トリガーの《クロック》を引いて、難を逃れるマリ。
ただし、マリの表情はとても険しかった。
(なんとか耐えましたけど、このターンで仕留める方法がないですわね……一先ず、ドローしてから考えますか……)
そう脳裏に思ったマリはカードを引くと、「あ……」と、小さく呟いた。
「ア?どうした?」
それを見た想は問いかけるも、マリは返答せず、引いたカードと手札を見て、考えると、ニヤリと、不適な笑みを溢した。
「先輩、このデュエマ、私の勝ちです」
「ア?何を言って……」
想が言い切るより前に、マリはマナチャージせず、1枚のマナをタップした。
「呪文、《フェアリー・ギフト》。次に召喚するクリーチャーのコストを3軽減します」
「……は?」
マリが唱えた自然単色の呪文のカード、《フェアリー・ギフト》に想は間の抜けた声を漏らした。
何故なら、そのカードは想が出した《轟轟轟ブランド》と同じ殿堂カードだからだ。
「い、いや、たった6マナのクリーチャーで、この状況をひっくり返すカードなんて、あるわけ──あ」
そこまで言いかけた時、想はマリの超次元ゾーンを見て、思い出す。この状況をひっくり返すカードの存在を。
「出番です。私の切り札にして、私のヒーロー、《
「マジかよ……!」
「《グレンモルト》が場に出た時の効果で、超次元ゾーンからコスト4以下の火のドラグハート・ウェポンを1枚、場に出して、《グレンモルト》に装備します!」
そう言って、マリは超次元ゾーンにある、《銀河大剣 ガイハート》に手を置いた。
「私は《銀河大剣 ガイハート》を装備します!《ガイハート》を装備したクリーチャーはスピードアタッカーを得ます!《グレンモルト》で攻撃!シールドをブレイクです!」
「ッ、トリガーはねぇ!
「それなら、《クロック》で攻撃!攻撃する時に、手札の《バルチュリス》を見せます!」
「ッ、そいつは……!?」
それは想が勝と初めてデュエマした時に使ったカード、《龍装者 バルチュリス》だった。
想は知っている。このタイミングで、そのカードの強力さを。そして、今度は自分に牙を向けられる恐怖を。
「クソ、このデッキにトリガーなんて、そんなに入ってねぇんだよッ!」
そう悪態をつけながらも、僅かにトリガーがあることを期待しながら、ブレイクされたシールドの中を確認するも、トリガーはなかった。
「トリガーはありませんね?それなら、《バルチュリス》を場に出し、《ガイハート》の龍解条件を解決します……」
そう言って、マリは再び、《銀河大剣 ガイハート》に手を置く。
自分のクリーチャーが2回攻撃した後、《銀河大剣 ガイハート》は、真の姿を表す。
「……あの人や彼女達、そして、貴方よりも、私は熱くありませんが、私にも、情熱の心があります──」
咄嗟にマリは勝や秋乃、咲恋達、そして、目の前で一番嫌いな想の顔を思い浮かばせた。
「──これが私の龍解にして、私の心の情熱の化身、《
それは今のマリを映し出したかのようなカード、《熱血星龍 ガイギンガ》の姿がマリの横に薄らと、浮かび出した。
「な、何だァッ!?」
突然、マリの横に薄ら、浮かび出した《ガイギンガ》に、想は驚くも、マリは気にせず、デュエマを続けた。
「《バルチュリス》で、最後のシールドをブレイク!」
「ッ、トリガーは……ねぇか……」
あったとしても、今のマリの場には攻撃可能なクリーチャーが《Disノメノン》と、先程、龍解した《ガイギンガ》の2体がいるので、火単色デッキで、2体を止める術は限られている。
「これでトドメです。《熱血星龍 ガイギンガ》で、ダイレクトアタックっ!」
「グッ、ハァ……!?」
映し出した《ガイギンガ》は想の顔を思いっきり殴った。
勝者、マリ。これにて、マリは準決勝に通過したのだ。
正解は殿堂カードの《フェアリー・ギフト》です!