デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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ACE22:再戦、似たもの同士。

 

 

 

 ついに始まった勝とひよりの準決勝。

 この試合に勝った者が決勝に駒を進めれるのだ。

 

「──呪文、《メンデルス・ゾーン》!2枚とも、ドラゴンだから、2ブーストだ!」

「こっちも、《メンデルス・ゾーン》です!2枚とも、ドラゴンなので、2ブーストです!」

 

 互いに、ドラゴンデッキの十八番、《メンデルス・ゾーン》を唱え、マナを一気に増やす。

 そして、先行、勝の3ターン目。勝はこのターンで、一気に攻めようとしていた。

 

「僕のターン!《モモキングRX》を召喚!効果で、手札を1枚捨てて、2枚ドロー!その後、《モモキングRX》を《モモキングNEX》にスター進化だっ!」

「っ、《モモキングNEX》、ですか……!」

 

 勝の場に現れた《ボルシャック・モモキングNEX》に、ひよりは眉をひそめた。

 以前、勝とはじめてデュエマをした時、ひよりが使っていたが、今回はボルシャック使いである、勝が使っているので、何ら不思議ではないが、やはり、相手に使われると、ほんの僅か、不愉快を感じざるを得ないひよりだった。

 

「あの時は、君が使っていたが、今回は僕が使わせてもらうよ……《モモキングNEX》の効果で、山札の上を見て、それが火のクリーチャーか、レクスターズなら、場に出せる!」

 

 そう呑気に思い出話に浸りながらも、勝は《ボルシャック・モモキングNEX》の効果を使い、山札を捲る。

 捲られたのは《ボルシャック・ヒート・ドラゴン》。火のクリーチャーなので、バトルゾーンに出せる。

 そして、《ボルシャック・ヒート・ドラゴン》はスピードアタッカーとW・ブレイカーを持っている。

 さらに、先程、《王来英雄 モモキングRX》で墓地に置いた《ボルシャック・バラフィオル》と《メンデルス・ゾーン》の2枚で、《ボルシャック・モモキングNEX》は攻撃中、パワー1300のT・ブレイカーだ。

 つまり、勝はこのターン、ひよりのシールドをすべてブレイクできるのだ。

 

「ここは……《ボルシャック・ヒート・ドラゴン》で、攻撃!W・ブレイクっ!」

「……っ!?」

 

(《モモキングNEX》から攻撃、ではなく、《ヒート・ドラゴン》から攻撃……!?)

 

 何故?と、そこまで考えた後、ひよりはあることに気づいた。

 勝は恐らく、ひよりのデッキに入っているであろう、《熱血龍(ねっけつりゅう) バトクロス・バトル》、または《熱血龍 バトクロス・ハンマー》に警戒して、先に《ボルシャック・ヒート・ドラゴン》から攻撃したのだ。

 どちらも場に出た時に、相手のクリーチャーとバトルする効果があり、パワー6000の《ボルシャック・ヒート・ドラゴン》よりパワーが上なので、先に《ボルシャック・ヒート・ドラゴン》から攻撃したのだ。

 

(流石ですね、先輩!けど、残念ながら、私のデッキ、どっちも入っていないんですけど……)

 

 勝のプレイングに感心しながらも、ひよりは自分のデッキに入っていないカードを警戒されて、少し複雑な気持ちに駆られた。

 そんな気持ちに駆られながらも、ひよりはブレイクされたシールドの中を確認し、その中には、 トリガーがあった。

 

「っ、トリガーは……ありません!」

 

 だが、ひよりは、そのトリガー、《炎龍覇(えんりゅうは) グレンアイラ》を使わなかった。

 理由はひよりの手札にある、《超戦龍覇(ちょうせんりゅうは) モルトNEXT(ネクスト)》にある。

 これが、今回のひよりの切り札である。

 そして、《超戦龍覇 モルトNEXT》のコストは7。現在、ひよりのマナは4枚。マナチャージしても、5マナで、7マナ必要な《超戦龍覇 モルトNEXT》を出すことはできない。

 だが、《炎龍覇 グレンアイラ》の下面の呪文側、《「助けて!モルト!!」》は、ドラグナーを持つクリーチャーをただで出せる。

 つまり、7マナ必要な《超戦龍覇 モルトNEXT》を2ターン早く、場に出せるのだ。

 つまり、ひよりは次のターンに繋げるため、あえて、トリガーである、《炎龍覇 グレンアイラ》を使わず、手札に温存したのだ。

 

(問題は、次の《モモキングNEX》の攻撃で、捲られた火のクリーチャーがスピードアタッカーを持っていたら、私は確実に……負ける!)

 

 多少の運が絡むとはいえ、ひよりは次の《ボルシャック・モモキングNEX》の攻撃で、出てくる火のクリーチャーがスピードアタッカーを持っていないことを祈るのだった。

 

「次、いくよ!《モモキングNEX》で、攻撃!効果で山札を捲って……火のクリーチャー、《ボルシャック・フォース・ドラゴン》を場に出すよ!効果は不発だけど、関係ない!《モモキングNEX》で、シールドをT・ブレイクっ!」

「っ、トリガーはありません!」

「僕はこれで、ターンエンドだ!」

「ふぅー……」

 

 なんとか、このターンを耐えることができた、と、ひよりはそう安心するも、依然として、危機的状況には変わりない。

 

(スピードアタッカーが出なかっただけ、まだマシだけど、除去しにくい、《フォース・ドラゴン》が出たのは、正直……しんどい!)

 

 けれど、諦める理由にはならなかった。否、ひよりは諦めるわけにはいかなかった。

 思えば、ここに来て、彼女は失敗続きだった。その失敗を払拭するため、彼女は諦めるわけにはいかなかった。

 恐れず、前に進め、と、ひよりは自身に言い聞かせる。

 何事も挑戦あるのみ。何故なら、自分は──否、人は生まれ持って、挑戦者だからだ。

 故に、彼女はまだ、恐れるわけにも、諦めるわけにもいかなかった。

 

「私の……ターンっ!」

「……っ!?」

 

(今の感じ、まさか……!?)

 

 ひよりがカードを引くと、勝は何かを感じた。

 

「ひよりちゃん、君は……」

 

「──先輩!」

 

「っ!?」

 

 勝が何かを言い切るよりも前に、ひよりは口を開き、手札を1枚、マナに置いた。

 

「……見ていてください、先輩!これが私の全力です!」

 

 勢いよく、5枚のマナを倒し、ひよりは1枚のカードに想いを乗せた。

 

「呪文、《「助けて!モルト!!」》!効果で、手札からドラグナーを1体、場に出せます!」

 

 突如、彼女が手にした、もう1枚のカードが赤く光った。

 

(ひよりちゃん、君は、やっぱり……)

 

「人は常に挑戦者!それはつまり、挑戦者(チャレンジャー)!ならば、その挑戦を、頂点に変えるまでです!駆け巡れ、《超戦龍覇 モルトNEXT》!」

 

 それは何事にも恐れず、仲間と共に前に進み、成長した火のドラグナー、《グレンモルト》が進化した姿、《超戦龍覇 モルトNEXT》だった。

 

 

 

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