デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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どっちだろう?


ACE29:優勝するのはどっち?

 

 

 

 それは、この大会で勝を支えたカード、《ボルシャック・モモキングNEX》の姿が、ブラックキャットの中に、影ではなく、実体として、現れた。

 それと同時に、イズミのクリーチャー、《ザーディクリカ》と《ミラダンテSF》の2体も、実体化した。

 

「へぇー、引き当てたんだ。《モモキングNEX》を……」

「ああ。コイツはこの大会で、世話になったカードだ。だから、この試合も、コイツで……勝つ!」

「ふん、やってみなさい!あなたの実力がどれだけ上げたか、わたしが試させてあげる!」

「いくよ、イズミ……いや、結衣ちゃん!」

 

 勝の決意に、《モモキングNEX》はお叫びを上げた。

 

「《モモキングNEX》の効果で、山札を捲って、火のクリーチャーか、レクスターズなら、場に出る!来い、《ボルシャック・バラフィオル》ッ!」

 

 新たなドラゴン、《ボルシャック・バラフィオル》が現れ、実体化し、火のクリーチャーが4体以上なったことで、《ボルシャック・フォース・ドラゴン》も実体化した。

 

「うそ……!?」

「本当に、クリーチャーが実体化してる……!?」

「マジでか……」

「勝先輩、カッコいいです!」

 

 突然、目の前で、クリーチャーが実体化していることに、咲恋、翔、想は驚き、動揺を隠せず、ひよりは勝と結衣がクリーチャーを実体化していることに感動していた。

 

「まずは、《モモキングNEX》で、《ザーディクリカ》に攻撃!《ボルシャック・バラフィオル》の効果と合わせて、山札の上を2枚捲る!」

 

 捲られたのは《ボルシャック・ヒート・ドラゴン》と《ボルシャック・フォース・ドラゴン》だった。

 2枚とも、火のクリーチャーで、ボルシャックの名を持つドラゴンだ。

 

「2体のドラゴンを場に出して、《ザーディクリカ》とバトル!破壊だ!」

「《ザーディクリカ》のEXライフ・シールドを墓地に置いて、《ザーディクリカ》は場に残る!」

「まだだ!バトルに勝った《モモキングNEX》をアンタップ!もう一度、《モモキングNEX》で、《ザーディクリカ》に攻撃!もう一度、《ボルシャック・バラフィオル》の効果と一緒に、山札の上を2枚捲る!」

 

 今度は《ボルシャック・西南(キリノ)・ドラゴン》と──

 

「──来たか!《轟炎(ごうえん)竜皇(りゅうおう) ボルシャック・カイザー》を場に出す!そして、《ザーディクリカ》とバトル!今度こそ、破壊だ!」

「っ!?」

 

 破壊された《ザーディクリカ》は墓地に置かれ、結衣の場には、《ミラダンテSF》の1体のみ。

 

「そいつも、破壊する!《モモキングNEX》で、《ミラダンテSF》に攻撃!《ボルシャック・バラフィオル》の効果と合わせて、山札の上を2枚捲る!」

 

 3度も、2体のボルシャックの効果により、《ボルシャック・栄光・ルピア》と《ボルシャック・フォース・ドラゴン》の2体が場に出る。

 

「バトル!破壊!アンタップ!そして、《モモキングNEX》でシールドを攻撃!《ボルシャック・バラフィオル》の効果と合わせて、山札の上を2枚捲るッ!」

 

 4度、山札の上を捲り、現れたのは《ボルシャック・バラフィオル》と《ボルシャック・ドラゴン》の2体だった。

 

「に、2体目の《ボルシャック・バラフィオル》!?」

「これで勝先輩は、またボルシャックを2体出せます!」

「……いいえ、ダメですわ」

「ええ、これは不味いですね、お嬢様……」

「「え?」」

 

 勝がまたドラゴンを2体並べられることに、ひよりと翔は嬉しさを感じる中、秋乃は先程の勝のプレイングにミスを感じ、エリカも何かの危険を察したのか、秋乃の言葉に賛同した。

 2人の反応に、ひよりと翔はてんでわからず、想は小さく、こう呟いた。

 

「……バカやろうが。焦って攻撃して、山札を削ってるんじゃねぇよ」

「「!?」」

 

 その言葉に、勝の山札を確認した。

 なんと、10枚近くまで、山札のカードが減っていた。

 これ以上、《ボルシャック・バラフィオル》の効果を使えば、勝の山札は消える。つまり、山札切れ(ライブラリアウト)だ。

 オマケに、《ボルシャック・バラフィオル》の効果は強制である。

 どうあがいても、山札切れは避けられず、後数回で攻撃して決めなければ、勝の負けは確定する。

 

「そ、そんな……!?」

「感情的に任せた、アイツの負けだ。それに……あの女、笑ってやがる」

 

 想の言う通り、結衣の顔は笑っていた。微笑んでいた。

 

 ──そして。

 

「……本当に、あなたは何も変わってないわね。あの時と、何も変わらず、ただ真っ直ぐに突き進む、その姿は……だから──絶望の闇に堕としてあげる!」

「──ッ!?」

 

 不気味な笑みを浮かべた。それは悪魔のような笑顔だった。

 それには流石に、勝は恐怖を覚え、寒気を感じた。

 

「も、《モモキングNEX》で、Q(クワトロ)・ブレイクッ!」

 

 結衣のシールドを一気に4枚ブレイクした。

 

「シールド・トリガー!」

「……ッ!?」

 

 直後、結衣のシールドからシールド・トリガーが現れ、勝のクリーチャーは謎の光の鎖で縛られ、身動きができず、結衣の場には、《ザーディクリカ》が蘇っていた。

 

「な、んで……!?」

 

 訳がわからない。いや、わからないわけではないが、何故、それがあったのか、わからなかった。

 

「《ザーディクリカ》の効果!呪文、《ロスト・Re():ソウル》!」

「ッ!」

 

 刹那。勝の手札がすべて、墓地に置かれた。

 クリーチャーは攻撃できず、シールドは0、手札も0。故に、勝はこのターン、何もできない。

 

「……ターンエンド」

 

 悔しい。悔しい気持ちがいっぱいで、勝はターンエンドを宣言し、結衣にターンを渡した。

 

「わたしのターン。《ザーディクリカ》で……ダイレクトアタック!」

 

 結衣の《ザーディクリカ》の攻撃に、勝はその場に倒れた。

 

 これにて、デュエマ非公認大会、優勝者はイズミこと、赤羽結衣の優勝で幕を閉じた。

 

 

 




はい。これにて、デュエマ非公認大会、終了です。
優勝者はイズミこと、結衣ちゃんです。
主人公、また大事な場面で負けちゃいましたね……(誰のせいだ)
次回は後日談を1、2話書いて、次の章に進めたいと思います。
また、リアル事情により、投稿スピードが減速します。
なるべく、週一のスペースで投稿しますが、不定期になる恐れがあるので、何卒、ご理解の程よろしくお願いします。

誤字脱字、感想など、ありましたら、いつでも言ってください。
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