デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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今回は短いので、気楽に読んでください。


ACE3:勝利の後は色々と大変です。

 

 

 

「クソッ……!このオレが負けるとはッ……!」

 

「なんとか、勝てた……!」

 

 激しいデュエマの中、見事、想に勝利した勝。

 しかし、その反動で、両者、息が絶え絶えである。

 

「勝!」

「先輩!」

「っ……!」

 

 勝のもとに駆けつける咲恋と翔。

 二人は想に一度負けているため、勝が想に勝ったことに、とても嬉しそうである。

 

「やるじゃん、勝!」

「すごいです、先輩!まさか、早峰先輩に勝つなんて……!」

「たまたま運が良かっただけだよ」

 

 喜ぶ二人。その表情に、勝も不意に微笑んでしまった。

 

「オイ、転校生……」

「!?」

 

 三人で喜びに浸っている中、ふっと、想は勝に声をかけながら、勝に歩み寄っていた。

 

「なんですか?先輩?」

「……名前をまだ、聞いてなかったな」

「え?」

 

 意外な発言に、勝は驚き、それに釣られて咲恋と翔も、驚く。

 

「良いから、さっさと名前を教えやがれ!」

「ちょっとー、なんで喧嘩腰なんですか!?」

 

 今度は怒鳴り出す想。それに困惑し、勝は慌てて、想に名前を教える。

 

「……えっと、火野(ひの)勝です」

「……そうか。火野か。オレは早峰想。次はオレが勝つ!それだけは忘れるんじゃねぇぞ!」

 

 そう言って、想はフラフラな体を引きずって、その場を去った。

 

「また、デュエマがしたいな、早峰先輩と……」

「何言ってるのよ。この学園にいる限り、いつでもデュエマができるでしょ?」

「俺はもう関わりたくないですね……」

「まぁ、あの先輩が卒業するまでの話だけど……」

 

 そう言って、咲恋は勝に励ましの言葉をかける。

 

「それよりも、勝。ここからが大変かもよ?」

「え?それはどういう────」

 

「おーい、転校生!」

 

 先程、勝と想のデュエマを見ていた生徒達が一斉に勝の元に駆け出し、気づけば、皆、デッキを手に持っていた。

 

「今度は俺とデュエマやろうぜ!」

「いや、先にデュエマするのはおれだッ!」

「それよりも、君と秋乃さんの関係を知りたいな!」

「ちょっとー、男子ぃー!遠慮ってものはないわけー?まぁ、それはそれとして、次は私とデュエマしましょ!」

「わ、私も!」

「僕も!

 

 そう、沢山の生徒が勝に詰め寄り、それを見た勝は先程、咲恋が言った言葉の意味を理解し、静かに咲恋の方に視線を向ける。

 

「私、助けるつもりはないからね」

「ですよねー。まぁ、仕方がない。ここは……戦略的、撤退だっ!逃げろー!」

 

 そう言って、勝は全速力で校内を走り出した。

 

「あ、逃げた!」

「待てー、転校生!」

「是非、秋乃との関係を!」

「それはもういいわ!」

 

 生徒達もまた、想に勝った勝にデュエマをするため、全速力で勝に追いかけるのだった。

 

「全く、これからが忙しくなるわね……」

「あの、助けなくて、大丈夫なんですか?」

「大丈夫よ。アイツ、見た目に反して、結構、体力はあるし、足もそこそこ早いんだから、心配しなくても大丈夫わよ」

 

 そう言って、咲恋は生徒会室に戻る為、この場を後にした。

 

 因みに、余談だが、授業が始まるチャイムが鳴るまで、生徒達と勝の鬼ごっこは続き、勝を追いかけた生徒達は教師達に説教されたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 場所は変わり、理事長室。

 想に勝った勝を追いかける生徒達を陰ながら、微笑む二人の女子生徒がいた。

 一人はこの学園の理事長にして、焔財閥の一人娘、『焔秋乃』。

 もう一人は彼女のメイドであり、この学園の生徒である、『暁月(あかつき)エリカ』。

 

「どうやら、こちらが動くまでもありませんみたいね。これで、想も少しは大人しくなるでしょう……」

「どうでしょうか?あの手の(はい)は懲りずに、またやりますよ。大人しいうちに、退去した方がよろしいかと?」

「そう心配することはありませんよ、エリカ」

「しかし、お嬢様!」

「しかしもありませんわ!これは理事長として、決定事項ですわ!」

「っ、わかりました。お嬢様様がそう判断されるなら、私からは何も言いません……」

 

 珍しく、声を荒げるエリカに秋乃はつい怒鳴ってしまい、渋々な表情でエリカは返事を返す。

 それを見た秋乃はため息を漏らし、椅子に座った。

 

「……まぁ、念のため、予防線を貼りましょう。ちょうど、手の空いている人材が一人いますし、彼女に監視の命を与えましょう」

「あのお花畑の子をですか?確かに、彼女も、この学園に通っていますが、学年が二つも下ですよ?彼女に務まりますか?」

「務まるための対価はいくらでもあります。それを考えるのも、財閥の娘としての見せ所ですのよ?」

「成る程。それでしたら、私からも二言はありません。そうなると、次なる問題は……」

「……これですわね」

 

 そう言って、机の上に置かれている『経費削減の為、ACE・デュエマ部を廃部にする』と、書かれた一枚の紙を眺めながら、秋乃は理事長として、次なる問題の解決策を考えるのであった。

 

 

 




プロローグ的なお話はこれにて、終了。
次回からは部活動です。部活動と言っても、入部前に、問題解決が先ですが…。
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