予定通り、今日から週一投稿に切り替えさせていただきます。よろしくお願いします。
それではACE31、どうぞ。
ブラックキャットの大会を終えて、1週間と数日が経過した。
病院から退院した勝は、いつも通りに日常を過ごしていた。
──ただ一つ、ACE学園の生徒相手に勝はデュエマで負けていたことを除いて。
「《サンブレード・NEX》で、ダイレクトアタック!」
「ッ、えっと、革命0トリガーは……ないね」
「やったー!また火野に勝ったー!」
「オイオイ、火野?最近どうした?ずっと、負けっぱなしだぞ?」
「アハハ、ほんと、どうしてだろう?デッキの調子が悪いのかな?それとも、運が悪いのかな……」
「なんだよそれ?」
勝が冗談まじりに言うと、男子生徒の1人がそう呟き、勝は男子生徒達と一緒に笑った。
いや、無理に笑っていた。
恐らく、ブラックキャットの非公認大会で、結衣に負けたのが、相当、精神的に応えたのだろう。
クラスメイトや他クラスの生徒相手には気づかれていないが、チームメイトである咲恋達は勝の異変に気づいていた。
場所は変わり、生徒会室。
「火野先輩、大丈夫でしょうか?」
「完全に無理してるわね、アレは……」
窓ガラス越しで、勝の様子を見ていた翔は心配し、咲恋は勝が完全に無理していることを悟った。
と言っても、それは咲恋も同じである。
「そういう会長も、仕事の手、止まってますよ。それに、明星さんから聞きました。病院の中、火野先輩に抱きついて泣いたらしいじゃないですか」
「な、泣いてないわよ!断じて、私は泣いてないわよ!」
(何勝手に言いふらしてるのよ、ひよりちゃん!)
などと、この場にいないひよりに、咲恋は脳裏でそう突っ込みつつ、ふっと、ブラックキャットで勝と結衣のデュエマを思い出した。
クリーチャーの実体化。アレはどういう原理で、どういった理屈で、実体化しているのか、正直なところ、かなり気になる。
そして、実体化したクリーチャーを使って、平然とデュエマをする2人の姿。あのデュエマはまるで、真のデュエルみたいだった。
ただ、自分が知っている真のデュエルは命懸けの戦いだ。だけど、真のデュエルに負けたマリと勝の傷は軽傷だった。
訂正。軽傷ではあるが、2人とも、5日以上、意識を失っていたため、軽々しく、そう思ってはいけない。
──アレは真のデュエルではない?
──それなら、何故、2人はクリーチャーを実体化できる?
──そして、結衣は何故、あんなに変わったのだろうか?
「……」
「会長?」
謎が謎を呼ぶ中、咲恋はほんの僅か、これからが心配になり、不安を感じるのだった。
また場所は変わり、屋上。
早峰想はそこで、大の字になって、横になって、苛々していた。
彼を苛かけているのは勝を負かした結衣である。
彼女の実力は本物だ。ただそれとは別に、彼女はまだ奥の手を隠している。根拠はないが、想はそう感じた。
それと同時に、何故2人はクリーチャーを実体化ができるのか、疑問を抱いていた。
「……ったく、イライラするぜ」
バタンッ、と、屋上の扉が開き、そこには制服を着たマリの姿があった。
「あ?なんだ、月野か……」
「ッ、なんだとは何ですか?それと、気安く、苗字で呼ばないでください、先輩」
「わかった、ロリo──」
「えい!」
「──ガハッ!」
想が言い切るより前に、マリは想の腹を殴った。
「……殴りますよ?」
「もう殴ってるよ……」
そう言って、想はお腹を抑えながら立ち上がった。それと同時に、あることを思い出した。
(そういえば、コイツもガイギンガを実体化させてたな……)
想と対戦した時、マリは想にダイレクトアタックをする際、ガイギンガを実体化させていた。
ただ一つ、2人と違うのは、マリの
何が違うのか、ふっと気になり、デュエマをすれば、また実体化するのか、自分も、彼らのように、クリーチャーを実体化できるのか、色々な想いが入り混じり、想はデッキを取り出した。
「……なぁ、月野」
「……だから、気安く、苗字を──」
「オレとデュエマしねぇか?今から?」
「──!?」
意外な提案にマリは驚き、少し間を置いてから「……いいですよ」と、返事を返した。
意外な返答に、提案した想は驚き、眉を顰めた。
「随分と素直だな、オマエ……」
「貴方のためではありません。私のためです。それに……」
「火野のためか?」
「……はぁ、最悪です」
図星だったのか、マリは不快感を感じ、デッキを取り出した。
「良いですよ、先輩。相手になってあげます!」
「んじゃ、いくぜ……」
「「デュエマ・スタートッ!!」」
──またまた場所は変わり、ACE学園校門前。
「勝せんぱーい!」
「……?」
学園の門から出る直前、ひよりの大きな声が響き、呼び止められた勝は足を止めた。
「ひよりちゃん、どうしたの?」
「勝先輩と一緒に帰りたくて、声をかけました!」
「そ、そうなんだ。それなら、事前に連絡してくれれば良いのに……」
「勝先輩の後ろ姿を見て、思いついたので、連絡する暇がありませんでした!」
「それなら、仕方がないね。んじゃ、一緒に帰ろうか?」
「はい!」
ひよりの元気な返事を聞いて、勝はひよりと一緒に門を潜ると、見覚えのある赤い高級車が2人の前に止まった。
止まった直後、ドアの窓ガラスが下に下がり、秋乃が顔を出し、2人に声をかけた。
「お二人とも、今からお帰りですの?」
「そういう秋乃さんも、今から帰り?」
「ええ……良かったら、家まで送りましょうか?」
「……え!?良いんですか!?」
「構いませんよ。勝様はどうします?」
「僕は……遠慮しておくよ」
「あら?人の好意を無下にするのですか?」
「そーですよー!こういうのは得したもん勝ちです!」
「その言葉は少し違う気がするけど……」
「火野様。ここは秋乃様の気遣いに感謝して、車に乗ることをオススメします」
と、秋乃の後ろで座ってるエリカが顔を出して、勝に提案する。
「暁月先輩も言ってますし、送ってもらいましょう!ね?先輩!」
「……はぁー、わかったよ」
深い溜め息を吐いた後、観念した勝はひよりと一緒に赤い高級車に乗った。