「私のターン。マナチャージ。2マナで、《ブルーム=プルーフ》を召喚します。効果で山札の上から1枚、墓地に置きます。ターンエンド」
「僕のターン。マナチャージして、2マナで、《
突然、始まった勝とエリカのデュエマ。
エリカのデッキは
対して、勝はいつものボルシャックデッキ、ではなく、クリーチャー同士を無理矢理合成したディスペクターと、それに従う、心が欠けたディスタスを中心にした火と水と自然の三色デッキ。
「珍しいですね、貴方がボルシャック以外のデッキを使うなんて……」
「……眼鏡君にも言ったけど、僕だって、ボルシャック以外のデッキやカードを使うよ」
「……そうですか」
あからさまに、つまらそうに返事を返すエリカに勝は少しむっと、頬を膨らませた。
「大体さ、なんで急にデュエマしようと思ったの?理由は……さっき説明してたね……」
「……ええ」
対戦前に「貴方の根性を叩き直す」、「私に勝てなければ、結衣には勝てない」などと、エリカは勝に、そう強く言っていた。
確かに、結衣に負けて以来、勝は学園内にいる生徒相手に負け続けていた。
いつもの勝なら、油断なく、負けることはそうそうないが、結衣に負けて以来、生徒相手に負けることが増えていた。
「まさか、本当に、僕の根性を叩き直す気じゃないよね?」
「……さぁ、どうでしょう?」
しらを切るかのように、意地悪深く、エリカはそう言い、カードを引く。
「マナチャージ……ここはやはり、これですね」
そう言って、エリカは3枚の闇のカードをタップし、それと同時に、エリカの手札から1枚、紫色のオーラが纏っていた。
「深淵に眠るは闇の
現れたのはアビスロイヤル
「《ジャブラッド》の登場時効果で、山札の上から2枚を墓地へ!さらに、《ブルーム=プルーフ》で攻撃!この時、《ジャブラッド》の効果で、さらに2枚を墓地へ!」
これにより、エリカの墓地の枚数は5枚。しかも、2枚目の《ジャブラッド》とアビスロイヤルの切り札が置かれた。
「《ブルーム=プルーフ》で、シールドをブレイクっ!」
「……トリガーはないよ」
「私はこれでターンエンドです」
「僕のターン……」
カードを引き、勝はエリカの墓地を確認した。
(次のターン、手札にアレがあれば、アビスロイヤルの切り札が墓地から復活する。それなら……!)
手札から一枚のカードをマナに置き、3枚のマナをタップした。
「呪文、《お清めシャラップ》!山札から1枚、マナに置いて、暁月さんの墓地のカードをすべて、山札に戻して、シャッフル!」
「っ、そんな!?」
エリカの墓地にある2枚目の《ジャブラッド》と切り札は墓地から消え、山札に返った。
オマケに、今さっき、《お清めシャラップ》で置かれたカードが自然単色のカードだったため、勝は迷わず、そのカードをタップした。
「《エルフィ-1》の効果で、ディスタスのコストを1軽減!2体目の《エルフィ-1》を召喚!ターンエンド!」
これで、勝は次のターン、ディスタスのコストを2軽減できる。
しかし、手札を一気に2枚使ったため、勝の手札は今3枚。多くもなく、少なくもないが、次のターンに出せるディスタスが1枚しかなく、残りの2枚は呪文カードとディスタスではない《クロック》だった。
(正直、手札はかなり
「……これで私の動きを止めた。そう思っているなら、大きな間違いですよ、火野様」
「……ッ、それはどういう意味だ?」
勝が脳裏で安心する中、突然、エリカは口を開き、小さく、そう言い、勝は彼女に問いかけた。
「……私のターン」
問いかけられたエリカは返事を返さず、カードを引き、手札から1枚、マナに置いた。
そして、エリカの右の目の瞳が紫色に変わった。
「それは……こういうことです……」
4枚のマナをタップし、エリカは一枚のカードに手を
「現れなさい。深淵の闇を
瞬間、部屋一面が闇に包まれ、その闇は3人を呑み込み、見知らぬ場所に移動していた。
そこはまるで、人々がイメージする地獄のような場所だった。
しかし、そこには相応しくない生物──クリーチャーが実体化していた。
そして、この異様な空間に平然としていられる3人もまた、異常だった。
「……まさか、またここに来られるなんて思わなかったな。それに──君が《ジャシン帝》を持っていたのは驚いたよ、エリカ」
「……なんのことでしょうか?」
「惚けるのか?まぁ、良い。それならこっちも、全力でいかせてもらうよ……!」
あからさまに、しらを切るかのように言うエリカの言葉に、勝は瞳の色を、赤い、紅色の炎に変えた。
瞬間、勝とエリカの周りに、炎が現れ、まるで、結界のように2人を囲んだ。
「瞳の色を変えたところで、私に勝てると思わないことだっ!」
「思ってないよ!けど、本気を出さないわけにはいかないよッ!」
(勝様。負けないでください。これはあなた様がさらに強くなるための試練ですわ。それに……ここで
激しいデュエマが始まる中、秋乃は勝が勝つことを信じつつも、先のこと、そして、赤羽結衣に勝てないと、脳裏に悟るのだった。
まさかの主人公、ボルシャック以外のデッキを使用。
まぁ、元々予定していたので、ようやくって感じです。