デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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ACE34:禁断竜王。

 

 

 

 突然、地獄のような世界に引き摺り込まれながらも、勝とエリカのデュエマは激しさを増していた。

 

「それでは、《ブルーム=プルーフ》で攻撃!《ジャブラッド》の効果で、山札の上から2枚を墓地へ!シールドをブレイクっ!」

「ッ、シールド・トリガー!《猛菌(もうきん) キューティ-2(ツー)》を召喚!意味ないけど、一応、《アビスベル=ジャシン帝》を選んで、次の僕のターンのはじめまで、攻撃とブロックはできない!」

「……ターンエンド」

 

 実体化したクリーチャー同士のデュエマ。まるで真のデュエルに見えるが、勝とエリカが対戦している場所から離れた場所(ところ)で、クリーチャー達はそこで戦っていた。

 エリカは切り札の《ジャシン帝》と《ジャブラッド》を揃え、勝のターン中、踏み倒しを許さない《ブルーム=プルーフ》の3体を並べていた。

 対して勝は3ターン目に《お清めシャラップ》で、一度、エリカの墓地をリセットし、ディスタスのコストを1軽減する《エルフィ-1》を2体と、先程、シールド・トリガーで出た《キューティ-2》の3体を並べていた。

 ここまでは両者、互角に見えるが、切り札を2体並べたエリカの方がやや優勢のようだ。

 

(……どうしますか?勝様?)

 

「僕のターン……マナチャージして、2体の《エルフィ-1》のコスト軽減で、2マナで、《妖精(ようせい) アジサイ-2》を召喚。効果で、山札の上から2枚見て……ッ!?」

 

 突如、《アジサイ-2》の効果で、山札の上から2枚を見た勝は言葉を詰まらせた。

 一枚は《電磁(でんじ) アクアン-2》。もう一枚は──今回、勝がこの三色デッキで組んだ切り札、《禁断竜王(きんだんりゅうおう) Vol(ボル)-Val(バル)-8(エイト)》だった。

 

「勝様?」

「?どうかしましたか?火野様?」

「……いや、何でもないよ。《アクアン-2》をマナに置いて、もう一枚を手札に加える」

 

 手札に《Vol-Val-8》を加えた後、勝は《Vol-Val-8》のカードを見る。

 

(昔の僕なら、君を使うことができなかった。けど、今の僕は強くなった……はず。けど、どんなに強くなっても、結衣ちゃんには勝てなかった。だから、これはその一歩。僕がさらに強くなるために《Vol-Val-8》、力を貸してくれるか?)

 

 そう脳裏で、《Vol-Val-8》に問いかけると、《Vol-Val-8》のカードが光った。

 それと同時に、カードから声が聞こえ、勝の耳に響いた。

 

『──汝ノ望ミ、シカト聞イタ。故ニ、我ハ、汝ヲ、主ト認メル。サァ、主ヨ。我ト、我ラ、ディスタスヲ使エ!』

「ッ、わかった。そして、ありがとう……」

 

 勝が返事を返すと、《Vol-Val-8》の光が収まった。

 それと同時に、何かが吹っ切れたかのように、勝は大きな声を上げる。

 

「その身を捧げよ、ササゲール、発動ッ!」

「「っ!?」」

 

 突如、勝の場にいる《エルフィ-1》2体、《キューティ-2》、《アジサイ-2》の計4体のディスタスが墓地に置かれた。

 その光景にエリカと秋乃の2人は驚き、それと同時に、実体化している4体のディスタスが、その場に爆発し、魂のような霊体が4つ、勝の手札に集まり、吸収された。

 そして、残った3枚のマナをタップし、一枚のカード、《Vol-Val-8》に手を置き、引き抜く。

 

「今こそ、封印されし、禁断の竜王を解放する時!3マナで、《禁断竜王 Vol-Val-8》を召喚ッ!」

 

 突如、次元の裂け目が開き、そこから《Vol-Val-8》が現れた。それと同時に、《Vol-Val-8》の体から魂のような霊体が現れ、勝のシールドの前に出現し、勝の山札から1枚、シールドに加わった。

 

『全テヲ、破壊、スル……!我ハ、主、ショウニ使エル、禁断、竜王、ナリ……!』

「しゃ、喋った!?」

「馬鹿な!?こんなことがあり得るのか!?」

 

 現れた《Vol-Val-8》が喋れることに、2人は驚く。

 本来、クリーチャーは意志を持たず、特別な繋がりがなければ、会話することもままならない。

 逆に言うと、勝と《Vol-Val-8》──否、禁断竜王はそれだけ、強い繋がりで結ばれている。

 

『ウル、サイ!オマエ、タチ、目障リ!一瞬、デ、破壊、スル……!』

 

 女性のような機械的な声で、禁断竜王はエリカと秋乃の2人にそう言って、圧をかける。

 

「《Vol-Val-8》はスピードアタッカーとジャストダイバーを持ってる!よって、そのまま攻撃!する時に、《Vol-Val-8》の攻撃時とアタック・チャンス呪文、《禁断竜秘伝エターナル・プレミアムズ》の2つを発動ッ!」

『ウ、オオオオオオオオオオォォォォォォォォォォッ!』

 

 突如、禁断竜王はお叫びを上げながら、巨大な剣で、《ブルーム=プルーフ》を切り裂いた。

 そのまま《ブルーム=プルーフ》は爆破し、エリカの場にあった《ブルーム=プルーフ》が墓地に置かれた。

 

「っ、《ブルーム=プルーフ》が!?」

「《Vol-Val-8》の効果!山札の上から、カードを5枚見て、その中からカードを2枚まで選んで、手札に加え、残りを山札の一番下に置き、その後、お互いのパワー6000以下のクリーチャーを全て破壊する!」

「なるほど。それでこちらの《ブルーム=プルーフ》が破壊されたのですか……」

 

 これでエリカの場には《ジャシン帝》とタマシード状態の《ジャブラッド》のみ。

 また、《ブルーム=プルーフ》が居なくなったことで、勝がアタック・チャンスで唱えた《エターナル・プレミアムズ》の効果を最大限に発揮できる。

 その効果は。

 

「次に《エターナル・プレミアムズ》の効果!プレイヤーを一人選び、そのプレイヤーのマナからコスト5以下のクリーチャーを場に出す!その後、山札の上から1枚、タップして、マナに置く!今回は僕のマナゾーンから《カダブランプー》を場に出して、山札の上から1枚、タップしてマナに置くよ!」

「な!?このタイミングで、《カダブランプー》ですか!?」

 

 今度はランプの魔人の如く、《カダブランプー》が場に出る。

 すると、タップ状態の《Vol-Val-8》がアンタップ状態になった。

 これが《カダブランプー》の効果。場に出た時、自分の他のクリーチャーをアンタップし、そのクリーチャーのパワーを+2000するのだ。

 以外なカードに、エリカは驚くも、勝が唱えた《エターナル・プレミアムズ》には、まだ効果が2つ残っている。

 

「さらに、《エターナル・プレミアムズ》の効果で、《Vol-Val-8》と《ジャシン帝》をバトル!」

「手札に捨てるカードも、《ジャブラッド》の効果で、防ぐこともできませんね。大人しく、破壊されます」

『オラァ!ジャシンガナンボノモンジャァ!』

「「「えっ?」」」

 

 さっきまでの機械的な言葉遣いとは違い、ヤンキー女子みたいな言葉遣いに変わり、その突然の変貌に、3人は驚く。

 そんな3人を他所に、禁断竜王はまた巨大な剣で、《ジャシン帝》を切り裂いた。

 

「「「……」」」

『サァ、主ヨ、最後ノ力ヲ使ウノデス!》

 

 あまりにも異様な光景に唖然とする3人。

 対して、禁断竜王は今度は元気な声で、勝に《エターナル・プレミアムズ》の最後の力を発揮するよう、指示した。

 それを聞いて、勝ははっとなり、《エターナル・プレミアムズ》の最後の効果を提示する。

 

「最後に《エターナル・プレミアムズ》の効果で、このターン、僕のクリーチャーはブロックされない!そして、《Vol-Val-8》で、T・ブレイクッ!」

『オラァァァァァァァァァァァッ!』

「っ、シールド・トリガー!《悪灯(あくとう) トーチ=トートロット》を召喚!その効果で、相手のパワーの一番小さいクリーチャーを破壊!《カダブランプー》を破壊です!」

 

 勝の指示に、禁断竜王はエリカのシールドを3枚ブレイクした。

 しかし、ブレイクされたシールドの中に《トーチ=トートロット》が現れ、両手から火の玉を出し、勝の《カダブランプー》に向けて放し、破壊した。

 

「なんの!《Vol-Val-8》で、もう一度、攻撃!攻撃時に山札の上から5枚見て、2枚を手札に加えて……全体破壊は任意(にんい)だから、今回は使わない。W・ブレイク!」

「……トリガーはありません」

「オケ。僕はこれでターンエンド。この時、《Vol-Val-8》の効果、発動!僕のターン中に、クリーチャーが4体以上破壊されていれば、追加(エクストラ)ターンを得る!」

 

 これが勝が扱う、《禁断竜王 Vol-Val-8》の恐るべき能力。

 

「僕のターン……マナチャージせず、4マナで《シャッフ》を召喚。効果で、7を宣言。これで《トーチ=トートロット》はブロックできない。この意味、わかるよね?」

「……ええ、完敗です」

 

 最後の詰めと言わんばかりに、勝は《シャッフ》を召喚し、《トーチ=トートロット》のブロッカー能力を封じた。

 

「──《Vol-Val-8》でダイレクトアタックッ!」

『我ト、主ノ、勝利ダ!』

 

 

 




勝君、今度はしっかり勝ちましたね(笑)
対戦後のお話は次回、描きます。
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