ここは赤羽結衣が通う学園、『
ここにいる生徒は皆、男女問わず、不良であり、また、デュエマの実力がかなり高いが、ごく稀に、天才、もとい、天災級の実力者がいる。
そして、赤羽結衣は今、三年の男子生徒とデュエマをしていた。
その男子生徒は今年のデュエマ甲子園の優勝候補筆頭であり、その実力はかなりの腕前である。
「──《XXDDZ》で、ダイレクトアタック!」
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
しかし、結衣にとっては、その実力は関係なかった。
彼女はお得意の5色コントロールで、男子生徒の手札を破壊し、《
「……ふぅー」
敗北した男子生徒はその場に倒れ、それを見た結衣は肩の力が抜けたのか、溜め息を吐いた。
流石の彼女でも、優勝候補筆頭の相手には、骨が折れたのだろう。
「いやー、流石は結衣。優勝候補筆頭の相手に、圧倒するとか、やるじゃん」
「……」
両手をパチパチと、叩きながら、金髪ツインテールの女子生徒、『
「はい、勝利の一服の飴ちゃん」
「ありがとう……」
お礼を言って、黒江から渡された飴を貰い、迷うことなく、結衣は口に入れる。
「んで、ぶっちゃっけると、どうだったの?」
「練習相手としては悪くはないね。けど、私の実力向上には、少し物足りないかな」
「へー、言うじゃん。本音は?」
「……危なかったけど、実力とプレイングはわかったから、次は瞬殺ね」
「おー、言い切ったよ、この子。こわ」
「……」
黒江がそう言うと、結衣はバツが悪そうに、黒江を睨む。
「何?うち、睨まれることした?」
「……別に」
「オイ!今度はオレ達と勝負だ!赤羽結衣!」
そう言って、僅か10人ほどの生徒が寄ってきて、結衣と黒江を中心に囲んだ。
「ん?何だ?アンタ、この間、結衣にボコられた三年じゃん。ウケる。性懲りも無く、結衣に挑むとか、頭悪いん?しかも、女の子一人相手に、数で迫るとか、外道かよ」
「うるせぇ!こっちはもう後に引けねぇところまできてるんだ!さっさと、デッキを構えろ!それから、オレは『
「はいはい。んで、結衣、どうする?」
「……当然、相手になるよ」
「決まりね!んじゃ、早速──」
「ちょい待ち」
女子生徒と結衣がデッキを取り出そうとすると、黒江が待ったをかける。
「結衣、アンタ、さっき、優勝候補筆頭を相手に疲れてるやろ?ここは、ウチが軽ーく、ブッ飛ばすから、アンタは休んどき。な?わかったな?」
「……」
(本当は自分がやりたいだけでしょ?)
脳裏にそう思う結衣だが、あえて口には出さず、黒江に「わかった。お願いするわ、黒江」と言って、結衣は取り出しかけたデッキを腰に収めた。
「うし。そういうわけで、アンタらの相手はウチがすることになった」
「何勝手に決めてやがる!」
「そうよ!私たちを舐めてるなら、容赦しないわよ!」
女子生徒がそう言うと、彼女は迷うことなく、黒江に挑んだ。
「──その
──30分後。
先程、結衣と黒江を囲んだ10人の生徒がその場に倒れた。
何故なら、花宮黒江ことが、今年の天災級の実力であるからだ。
そして、その、黒江の実力を買って、結衣は彼女と共に、デュエマ甲子園に向けて、
「ウケる。何か策でもあるのかと思ったら、大したことないじゃん」
意地の悪い笑みで、黒江はそう言うと、先程、結衣に突っかかってきたトオルが横になりながらも、口を開く。
「ふ、ふざけんじゃねぇ……そこの女に負けるならまだしも、無銘のヤツに負けるなんて……ありえねえ……」
「……」
トオルがそう言うと、結衣は倒れているトオルに近づき、右足を彼の背中に強く、踏んだ。
「ガハ……!」
「……実力は常に積み重ね。つまり、努力の結晶であり、黒江の実力は努力によって得たもの……本物よ!それを認めない者に、強くなる価値はないわ!」
そう強く言うと、トオルの体を回して、腹を思いっきり、数回蹴った。
気を失ったところを見て、結衣は黒江に近づく。
「……ごめんなさい。私、冷静さを失ってたわ」
「気にすることはないよ、結衣。とりま、どうする?後一人、戦力が欲しいところだけど……」
「それなら一人、心当たりがあるわ。少し時間がかかるけど、任せてくれる?」
「りょーかい。んじゃ、ウチはその間に、やることやっていきますか……」
「?やること?」
「なーに、ほんの少し、ご挨拶と──宣戦布告をしに行くだけだよ」
はたして、黒江が行く所は一体?