──ピンポーン!
「ん?」
突然、玄関のチャイムが鳴った。
(こんな夜遅くに誰だろう?お父さんとお母さんは仕事だし……ネットで何か頼んだのかな?)
そんな軽い気持ちで、私、明星ひよりは玄関に向かい、扉を開けた。
「え?」
開けると、そこには警察の人が立っていた。
しかも、相手は女性で、髪の毛がかなり長くて、見た目が20代ぐらいの美人さんだ。
私はその容姿に目を奪われ、一瞬、我を忘れていた。
「……失礼。私はこういうものだ」
そう言って、警察の人、『
「?デュエマ犯罪特別対策部隊?えっと、確か、デュエマで罪を犯した人を捕まえる警察の人……ですよね?」
「ああ、そうだ。そして、私はその司令官だ。我々のことを知っていて、大変嬉しく思う」
「えっと、ありがとうございます?それで、その司令官さんが私に何のよう……まさか!?」
(まさか私、知らないうちに犯罪に手を染めていた!?それとも、知らず知らずのうちに、犯罪者に協力してたとか!?もし、そうだとしたら、私の人生……終わりじゃん!)
そう脳裏で思う中、次に剣子さんから発せられる言葉に、私は面食らった。
「何、君が思うものじゃない。ただ、ほんの少し、目を見せてもらえればいいだけの話だ」
「あ……」
終わった。
──翌日の放課後。
現在、ACE学園のこの時間帯は運動部、文化部問わず、全部活動が活発に活動している時間帯だ。
そして、それは『ACE・デュエマ部』こと、チーム『ACE STRIKER』も例外ではない。
「《コスモ・セブΛ》で、ダイレクトアタック!」
「クソ!また負けた!もう一度だ、月野!」
「何度やっても、結果は同じですよ?」
「ナンだとぉ!?」
「初動も大事だけど、やっぱり、強力な7コスト帯を多く積みたいわね」
「やっぱり、そうなりますか。そうなると、《ホーリーエンド》が4枚、必要になりますね」
「だね……」
「……」
マリと想はデュエマをし続け、咲恋は翔に7軸ガチロボについて相談をしている中、ひよりは一人、ぼーっと、4人を見ていた。
「ん?どうしたの、ひよりちゃん?」
「ふぇ!?な、何でもないですよ!ただ、皆さんを見ていただけですよ!」
何でもない、と言うが、何でもなくない。口ではそう言うが、顔はそうではない。
「ひよりちゃん、何か悩み事があったら言ってね。相談に乗るよ」
「ほ、本当に何でもないですよ。ただ……」
咲恋はひよりに何か悩みがあるのだと、そう思い、ひよりにそう言うが、ひよりは慌てて、そう否定する。
(まさか、私にクリーチャーを使役する力がある、なんて言っても、誰も信じてくれないだろうなぁ……)
昨晩、剣子がひよりの家に訪れ、強引にひよりの目を確認したところ、どうやら、ひよりにはクリーチャーを使役する力があることが判明した。
ただ、剣子曰く、「まだ
否、気にはする。もし、それが本当なら、アニメや漫画みたいに、ヤバい人達に襲われたり、拉致されたり、記憶を書き換えられたりしたら、たまったもんじゃない。
「そう言えば……勝先輩、まだ部室に来ませんね。何かあったのでしょうか?」
「ああ、勝ね……実は──」
「──邪魔するよ」
ガタンッ!と、勢いよく部室の扉が開き、金髪ツインテール、花宮黒江が突然、入ってきた。
突然の来客に、咲恋達は黒江に視線を向け、想は真っ先に、黒江に近づき、問いかける。
「何だぁ?テメエは?」
「ウチ?ウチは……
「……挨拶?」
「うん。そう、挨拶。主に結衣の
『!?』
そう、あっさり言い切る黒江の言葉に咲恋達は驚く。
「結衣って、もしかして、結衣は貴方と同じ、
「ん?そうだけど、それがどうかしたの?」
「……」
(成る程ね。結衣の性格が変わったのは
中学時代、咲恋は生徒会の仕事で、結衣の様子を見てきた。
「とりま、勝ってヤツ、誰?ウチ、ソイツに用があるんだけど……」
「……勝なら今日は来ないわよ」
「は?なんで?」
咲恋の言葉に、頭にきたのか、黒江は不機嫌になり、また、圧をかけるかのように、咲恋に問いかける。
「アイツは今、風邪を引いた秋乃さんのところに向かってるわ!だから、今日は来ないわよ!」
「ふーん……んじゃ、ソイツの住所、教えて」
「!?教えるわけないでしょ!」
「だと思った……面倒だけど、これで決めよっか……」
一歩も引かない咲恋の様子を見て、黒江はめんどくさそうに、デッキを取り出した。
「ウチが勝ったら、秋乃とかいうヤツの住所、教えてもらう。良いよね?」
「……ええ、望むところよ!」
「ワリいが、その喧嘩、オレ達も混ぜてもらうぜ」
「?早峰?それに、マリちゃん?」
「さっきから聞いてると、妙に腹が立つな、テメエ?ほんの少し、わからせてやるか?」
「先輩と同じ意見なのは癪ですが、私も貴女を勝様の所に行かせるわけにはいきません」
「お、俺も会長と同じ気持ちです!」
「私もです!」
「皆……」
最初は咲恋一人で戦うはずだったが、いつも間にか、想とマリ、翔、ひよりが協力し、チーム
それを見た黒江は深い溜め息を吐いた。
「……はぁー、めんどくさ。良いよ、順番に相手してあげる」
「その言葉、後悔するんじゃねぇぞ!」
「うっさいし。さっさと、始めるよ」
「「デュエマ・スタートッ!!」」
黒江さん、場を乱しすぎでは?(苦笑)