デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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今回も短めです。


ACE4:果たし状と廃部の危機。

 

 

 

「?果たし状?」

 

 火野勝がACE学園に転校し、早峰想とのデュエマに勝利してから1週間が経過したある日の朝。勝の下駄箱の中に、『果たし状』と書かれた紙が置かれていた。

 

「……こう言うのって、現実(リアル)であるんだ。まぁ、内容は(おおむ)ね、察しはするけど」

 

 そう言って、勝は『果たし状』と書かれた紙を広げた。紙の幅はそこまで広くはなかったので、周りの生徒達の邪魔にはならず、内容を確認できた。

 果たし状の内容は『今日の放課後、デュエマしましょう!屋上で待っています!』、と、書かれていた。

 内容を確認した勝は「やっぱり」、と、小さく呟き、紙を(たた)んで、制服のズボンのポケットの中に入れて教室に向かった。

 

 

 

 

 

「何でうちの部が廃部になるのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっー!」

 

 場所は変わり、理事長室。

 そこでは、生徒会長である斎条咲恋が朝から怒涛の叫び声を上げていた。

 

「しかも、理由が経費削減のためって、ふざけるんじゃないわよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっー!」

 

 本日二度目の叫び声を上げる咲恋。そして今は、この学園の理事長である、焔秋乃に抗議しているのだ。

 

「仕方がありませんわ。お父様が決めたことですので……」

「こればかりは、諦めるのが妥当かと思いますよ、咲恋様」

 

 秋乃と秋乃のメイドであり、この学園の生徒の一人、暁月エリカの二人は感情任せに抗議する咲恋を(なだ)める。

 しかし、それが返って、咲恋の怒りをヒートアップさせる。

 

「納得できるわけないでしょう!どうするのよ、これぇっ!」

「お、落ち着いてください、咲恋様!」

「落ち着いていられないわよっ!」

 

 悲痛な叫びを上げる咲恋。

 流石に叫びすぎて、三度目は控えめだが、それでも、自分の部が廃部になる、という悲しい想いは変わらない。

 咲恋が落ち着くまで、数分かかったが、ようやく落ち着いたところ、秋乃は問題解決の糸口を彼女に提示する。

 

「お父様の話によりますと、ゴールデンウィークの前に部員を5人集めれば、廃部を取り消すと言っていますの……」

「5人集めろって、もう1週間しかないじゃない!?しかも、今年の新入生の殆どは部活動を決めてるし、空いてる人材、結構限られてくるわよ!?」

「それに関しては問題ありませんわ。エリカ」

「はい、お嬢様」

 

 パンパン、と、両手を軽く叩くエリカ。すると、理事長室の入り口が開き、咲恋は振り向いた。

 そこには口をガムテープで貼られ、体を縄に縛られた、三年の問題児、早峰想と想を無理矢理連れてきた、体格が小柄で、青紫髪のツインテールの女子生徒の姿があった。

 

「……秋乃さん、これは?」

「今日から『ACE・デュエマ部』に入部する、三年の早峰想さんです。想さん、咲恋さんと仲良くしてくださいね」

「うぅーん、うぅー!(誰が入部すると言ったー!)」

 

 秋乃の言葉に想は訴えるも、秋乃は聞く耳を持たず、満面(まんめん)の笑顔で、咲恋に向ける。

 

「これからどうなるの、うちの部活……」

「なるようになるしかないですね……」

「ですね!」

 

 秋乃の笑顔に絶望した咲恋は心底落ち込み、そんな咲恋に、エリカは投げやりに言い放し、ツインテールの女子生徒は元気な返事を返した。

 

 

 

 

 

「というわけで、勝、『ACE・デュエマ部』に入ってほしいの!お願いっ!」

「お断りします」

「何でぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

 

 時間は経過し、昼休みに入ってすぐ、咲恋は勝に『ACE・デュエマ部』に誘うも、即答で断れた。

 まさか、断れるとは思わず、咲恋は再び、叫び声を上げた。

 因みに、勝と咲恋とエリカは二年生であり、同じクラスである。

 

「どうしてなの!?理由を教えて、勝!」

「……理由か」

 

 咲恋の問いに、勝は廊下側の席で読書をしているエリカに視線を向ける。

 勝の視線を感じたエリカは深い溜め息を吐き、本を閉じて、椅子から立ち上がり、二人のもとに歩み寄った。

 

「どうかしましたか、火野?」

「いや、アレを言うべきかどうか、悩んでいるんだけど……」

「アレ、ですか……」

「アレ?」

 

 二人が言う、アレとは何か、咲恋が疑問に思う中、先にエリカが口を開いた。

 

「正直に申しますと、無理に言う必要はありません。ですが、それを理由に断る理由はないと思います。まぁ、私個人の考えですが……」

「……わかった。相談に乗ってくれて、ありがとう、暁月さん」

「いえ、これぐらいは相談に乗ったには入りません。では……」

 

 そう言って、エリカは自分の席に戻り、読書を再開した。

 それを見た勝は咲恋に向き直り、ある提案をする。

 

「咲恋ちゃん、明日、僕とデュエマをしよう。咲恋ちゃんが勝ったら、僕は『ACE・デュエマ部』に入る。僕が勝ったら、咲恋ちゃんは諦める。それで良いかな?」

「?別に良いけど、今はダメなの?」

「ダメです」

 

 そう強く拒否し、咲恋は渋々な表情で勝に時間と場所を知らせる。

 

「……わかったわ。明日の放課後、学園の体育館でデュエマをしましょう」

 

 そう言うと、勝は頷き、それを見た咲恋は勝から離れ、教室を出て、その場を後にした。

 

 

 

 

 

 それから時間が経過し、放課後。

 勝は『果たし状』に指定された場所、ACE学園の屋上の扉の前に来ていた。

 

「ふぅー、はー……ヨシっ!」

 

 深呼吸をし、気合を入れて、扉のハンドルを軽く捻り、扉を勢いよく開けた。

 

「頼もう!」

「!?」

 

 扉を開けると同時に、大声を出す勝。

 屋上で待っていたのは、オレンジ色の髪に、花型のアクセサリーを着けた、一人の女子生徒『明星(あけぼし)ひより』がいた。

 

「急に大声を出すから、ビックリしました……」

「そりゃあ、悪かったね。なんて、こんなものが置かれていたから、気合を入れなちゃって思って、つい、大声を出しちゃった」

 

 そう言いながら、勝は『果たし状』をひよりに見てる。

 それを見たひよりは一瞬、眉を(ひそ)める。

 

「なるほど。そう言うことですか……私の挑戦、受けて貰いますか?火野先輩」

「どうして僕の名前を?」

「あのデュエマを見れば、誰だって、知っていますよ」

「あのデュエマ……1週間前の早峰先輩とのデュエマか?」

「はい」

 

 勝の問いに、ひよりは、はっきりと、返事を返した。

 それを聞いて、勝は「なるほど」と、小さく呟いた後、前に出る。

 

「改めて、僕の名前は火野勝。1週間前に転校した、二年生だ」

「一年の明星ひよりです!火野先輩、私はアナタのカッコいいデュエマに惚れました!アナタが早峰先輩とデュエマをした、あのカッコいいデュエマを……今度は私に見せてくださいッ!」

「カッコいいかはわからないけど、君の想いに答えられるよう、努力するよ。それから……僕のことは勝で良いよ、明星さん」

「っ、わかりました!それなら、私もひよりで構いません!さん付けもいりません、勝先輩!」

「オッケー、それなら始めようか、ひよりちゃん!」

 

 お互いにデッキを取り出し、そのデッキに、想いを乗せた後、二人は魔法の言葉を叫ぶ。

 

「「デュエマ・スタートっ!!」」

 

 今、少年と少女の激しく、アツかりし、デュエマが始まろうとしている。

 

 

 




対戦パートは次回に続きます。
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