デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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後日談です。


ACE40:新しい交友関係(トモダチ)と新たなチームの結成。

 

 

 

「いやー、負けた負けた。完膚なきまでに敗北したって感じだわ」

「……」

 

 ハッハッハー、と、高笑いながら、黒江はそう言った。

 それを見た勝はさっきまでの態度と違うことに、困惑していた。

 

「……えっと、それで花宮さんの目的って何?」

「黒江で良いよ!何、ほんの少し挨拶と謝罪をしに来たんだよ……」

 

 そう言って、黒江は勝に近づき、自身の腕を勝の肩と首に巻くように置いた。

 

「ちょっ、黒江さん、近い!後、顔が胸に当たりそうなんですが!?」

「わざと当ててんだよ!そう照れることはないし、減るものじゃないだろ?」

「あるよ!色々と!」

 

 急に距離を縮めてくる黒江の態度に、勝は悪戦苦闘し、どうにかして、離れないか、考えていた。

 

「──何をやっているんですか?お二人とも?」

「「!?」」

 

 その時、二人の後ろから、殺気に近い気配を感じ、二人は恐る恐る振り返ると、そこには竹刀(しない)を持ったエリカの姿があった。

 

「秋乃お嬢様がいるのに、浮気とは良い度胸ですね、火野様?」

「違う!そうじゃない!黒江さんが急に詰めてきて──」

「言い訳は無用!この竹刀で、貴方達の頭を叩きます!」

「まさかのウチも巻き添え!?」

「当たり前です!」

 

 それを聞いて、勝と黒江はエリカから離れ、逃げた。

 それを見たエリカは二人を追いかけ、10分もしないうちに、二人を捕まえ、星座して、30分ほど、説教をした。

 

「それで、貴女の目的は何ですか?」

 

 説教を終えた後、エリカは再度、黒江に目的を問いかけた。

 

「だから、ウチは挨拶と謝罪をしに来たって言ってるだろ?まぁ、挨拶は完全に、ウチの個人的な用件で、謝罪は……この間の結衣の件な……」

「!?」

 

 結衣の名前を聞いた途端、勝は驚き、表情を歪めた。

 

「……店の名前は聞いてないけど、この間、結衣が非公認大会で、そっちに迷惑をかけたみたいだからさ。代理でウチが謝りに来たわけ」

「その割にはかなり暴れたみたいですね」

「それについては、素直に教えてくれなかった、そっちが悪い……」

「……」

「?どうした?勝?」

「ッ!?黒江さん!?」

 

 結衣の名前を聞いてから、勝は固まってしまっており、それを見た黒江は勝の顔に近づき、問いかけた。

 突然、顔を近づかれた勝は驚いてしまった。

 

(何、顔を赤くしているんですが!それにそんなに顔を近づけるとは、後でもう一度、お説教ですね!)

 

 それを見たエリカは不快に感じ、脳裏で、そう思った。

 

「さっきからぼーっとして、どしたん?」

「……別にどうもしません。ただ、黒江さん。貴女の用件は済みましたよね?」

「ん?ああ、そうだな……」

「それなら速やかに帰るよう、お願いします」

「は?」

 

 突然、帰れと申し出る勝の言葉に、黒江は驚き、それを見たエリカは意外な発言をする勝に驚き、一瞬、固まってしまったが、すぐに彼の精神状態を察し、立ち上がった。

 

「そうですね。貴女の用件が済みましたし、こちらからも、速やかにお引き取り願います」

「アンタも何を言って……ッ!?」

 

 言い返そうとした途端、先程よりも、エリカから強い殺気──右目が紫色に変化したことに気づき、黒江は黙り込んだ。

 

「……なるほどな。それなら勝、最後に一つ、聞いておきたいことがある?」

「大事なこと?」

「ああ、アンタにとっても、ウチにとっても、大事なことだ」

「……わかった」

 

 一瞬、間を置きながら、勝は黒江に返答した。

 

「──アンタはまだ、結衣のことが好きか?」

「……」

 

 その質問に勝は黙り込み、目を瞑り、考え始めた。

 

(僕がまだ結衣ちゃんのことが好きか、か……正直なところ、わからない。ただ……)

 

 ふっと、ブラックキャットで出会った結衣の様子を思い出し、そこで一つ、気になったことがあり、目を開けて、黒江に問いかける。

 

「正直に言うと、わからない。結衣が何を考えて、どういう理由で、あんなことをしたのか、わからない。けど……」

「けど、何だ?」

「……言いたい事があるなら、正直に話してほしい。それが今、僕が一番気になることで、黒江さんの質問に答えられる精一杯の解答です」

「……火野様」

「……そうかよ」

 

 勝の想いを聞いて、黒江は満足した笑みで立ち上がった。

 

「良い返事を聞けたわ。これでウチは帰る。あまり帰りが遅いと、結衣に怒られるしな」

「待って!」

 

 そう言って、黒江はその場から立ち去ろうと、足を運ぶが勝が待ったをかける。

 

「連絡先、交換しない?」

「お断りだ」

「何で!?」

 

 勝の問いかけに即答で返した黒江の言葉に、勝は驚く。

 

「何でって、当たり前だ。フツー、初対面のヤツに連絡先を聞くとか、頭沸いてんのか?」

「そっちだって、勝手にこっちの住所、特定したよね?」

「──ッ!?テメエ、ひ弱な見た目に反して、頭が相当切れるみたいだな?」

「頭が良くなきゃ、デュエマで勝てる試合も、勝てないよ」

「……ま、それもそうか。アンタの頭の良さに、ウチは負けたのかな」

 

 そう言って、観念したのか、黒江はスマホを取り出し、それを見た勝はスマホを取り出した。

 

「言っとくけど、結衣に関しての連絡は禁止だからね?」

「わかってるよ。あくまで、トモダチとして、連絡するよ」

「……」

 

(ほんと、頭の切れがよろしいこと……)

 

 そう脳裏で思いながらも、黒江は勝と連絡先を交換した。

 

「んじゃ、ウチはこれで失礼するよ」

「うん、またデュエマしようね」

「……ん」

 

 小さい声で返事を返した後、今度こそ、黒江はこの場から立ち去った。

 

「そう言えば、暁月さん、さっき、右目、紫色になっていたよね?」

「申し訳ありません。緊急事態でしたので……」

「いや、別に良いんだけど、あまり使わないようにね」

「はい……」

 

 

 

 ──場所は変わり、天災(ディザスター)学園の体育館の中。

 

 焔財閥の屋敷から出た後、黒江は結衣に用事を済ませたことを報告しに、学園に帰っていた。

 

「ただいまー、結衣ー」

「お帰り、黒江。用事は片付いた?」

「ああ、無事にな」

 

 そう返事を返すと、見慣れない少女──キャルを見かけ、結衣が言っていた心当たりの人物か、結衣に問いかける。

 

「その子が例の子?」

「うん、そうよ!今日から私達と一緒のチームになる、キャル!」

「……よろしく」

「なんかよそよそしいな……」

「仕方ないでしょ。慣れないんだから……」

 

 どこか、よそよそしさを感じた黒江は思ったことを口に出してしまい、それを聞いたキャルは長い黒髪を右手の人差し指で、くるくる回しながら、そう言った。

 どこか機嫌が悪い様子だが、黒江は気にせず、結衣に話しかける。

 

「ま、いっか。とりま、これでデュエマ甲子園に参加できるな。後は……チーム名か。どうする?」

「それなら、もう決めてあるわ!」

 

 そう高らかに言う結衣の言葉にキャルは深い溜め息を吐いた。

 

「チーム名は、『Bloody(ブラディー) Shadow(シャドー)』よ!」

「!?」

 

 その名前を聞いて、黒江は驚き、名前の意味を口に出す。

 

「血塗れの影って、物騒だな」

「私も最初聞いた時は血の気が引いたわ。それに……背筋が震えたわ」

 

 そう言って、実際に背中を震えさせ、キャルはチーム名に嫌悪感を感じていた。

 

「なんで?良い名前じゃない?」

「……ま、良いんじゃない。チームのリーダーは結衣なわけだし。知らないけど」

「私も別に悪いとは思わないわ。それに……」

 

 突如、キャルの左目が紫色に変化した。

 

「今の私たちにピッタリだし……」

 

 そう言うと、結衣と黒江も、それぞれ、水色と緑色の瞳に変化した。

 

「ま、それもそうか……」

「フフ、二人が気に入ってくれて、私、嬉しいわ」

 

 満面の笑顔で結衣が言うと、二人も静かに笑みを溢した。

 

「あー、今からが楽しみだなぁ。デュエマ甲子園……それに──

 

 

 

 ──待っててお兄ちゃん。結衣ももうすぐ、そっちに行くから」

 

 そう言って、体育館ステージに置かれていた結衣と、結衣の兄らしき少年の写真が映っていた。

 

 

 

 ──その日の夜、焔財閥の屋敷で寝ていたエリカはベッドから起き上がった。

 

「……ッ!?」

 

 突然、右目に痛みを感じたエリカは、右手で目を当てた。

 その時、嫌悪感を感じる、生暖かい液体のような感触に気づき、恐る恐る、手から離した。

 その手から真っ赤な紅色の液体、血が手に付いていた。

 

「これは、一体……?」

 

 不思議に思ったが、隣の部屋で寝ている秋乃に不安させない一心で、急ぎ、洗面所に向かった

 

 しかし、この時、エリカのデッキケースから《アビスベル=ジャシン帝》のカードが光っていたことを、エリカは気づくべきだった。

 後にこれが大変な事態になる前兆だと。

 

 

 




急に、ホラーになりましたね(苦笑)
まぁ、次回から予定通り、デュエマ甲子園を描きます。
ただ、大会正式をどうするかは次の話を考えながら描きます。
非公認大会の二の舞にはなりたくないので……。
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