──その日、暁月エリカは体調を崩していた。
1週間程前に、主人である秋乃の風邪がうつったのか?
と、思っていたが、実際はそうではない。
その証拠に、エリカの右目が紫色に変化しておる、そこから大量の血が出血していた。
本人曰く、朝起きたら、右目が紫色に変化しており、身体を起こしたら、血が出、横になった途端、さらに大量の血が流れ出たのだ。
財閥の財力で、凄腕の医師に調べた所、「原因不明でわからない。ただこのまま血が出れば、出血死する恐れがある」とのこと。
幸い、今日は休日で、学園が休みで良かったが、このまま放置すれば、エリカはいずれ、出血死で死ぬ。
「エリカ……」
「……お嬢、様……そんな、顔を……しないで、ください……ぐっ、ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「エリカ!」
秋乃を安心させるため、エリカはそう言うが、すぐさま、右目の痛みに苦しみ、両手で右目を抑える。
それを見た秋乃はどうしようもなく、ただエリカが無事てあることを祈るしかできなかった。
「秋乃さん!」
「!?」
そんな折に、勝とマリ、そして、エリカの叔父のキリオが秋乃に駆けつけた。
「勝様!?それにマリちゃんとエリカのお爺さん!?皆さん、どうして……」
「君のお父さんから、連絡が来たんだ」
「僕とマリちゃんにも、連絡が来てね。そしたら、暁月さんのお爺さんと向こうで会って……今に至るわけ」
「お父様が連絡を?」
「うん。よっぽど、秋乃さんのことを心配してたよ」
勝がそう言うと、秋乃は勝に抱きついた。
突然、抱きつかれた勝は秋乃の体重に押されて、そのまま倒れた。
「イ、テテ、急にどうしたの?秋乃さ──」
「勝様!エリカを助けて!このままじゃ、エリカが……エリカの命が危ない!」
「──ッ!?」
その言葉に、勝は強い重みを感じ、勝に抱きついたまま、秋乃は激しく泣き始めた。
──数分後。
秋乃は泣き止み、落ち着いた後に、事態を聞くと、どうやら右目に原因があることを、秋乃から知らされた。
それを聞いた勝はあることに気づき、急ぎ、秋乃に問いかける。
「秋乃さん、暁月さん……エリカのデッキって、まだ屋敷にある?」
「え?ええ、ありますけど、それがどうかしたのですの?」
「部屋を教えてくれる?確かめたいことがあるんだ」
「何を言っているんだ、君は!今はカードよりも、エリカの命が大事だろ!秋乃さん、君もそう思うだろ?」
突然、エリカの部屋を聞き出すなり、カードを確認するなり、めちゃくちゃなことを言い出す勝の言葉に、エリカの叔父として、キリオは勝に怒鳴り、秋乃に問いかけた。
「……いえ、今は勝様の言葉に信じますわ」
「──は?」
しかし、秋乃の返答は勝の言葉を信じる方に賭けた。
「私も賛成。というか、それしかないんでしょ?」
「うん。マリちゃんは叔父さんと一緒に居て。何かあったら、守ってあげて」
「任せてください!」
胸に手を当てながら、マリは自信をもって言った。
それを聞いた勝は秋乃と一緒に、エリカの部屋に向かった。
「──な、何だこれ!?」
「勝様、ベッドの上に一つ目のタコがいます!」
「ッ、アイツは……!?」
エリカの部屋に入ると、エリカの部屋はとてもカオスになっていた。
まず、部屋全体に紫、青、緑の三色が塗られており、ベッドの上には一つ目のタコの姿をした怪物がいた。
「《スパトー:ド:スパトゥー》!?ってことはアビスロイヤル、いや、ジャシン帝が復活し始めているのか!?」
『──ソノヨウデスネ』
突然、勝のデッキから《Vol-Val-8》のカードが勝手に出てきて、そのまま女性の姿、禁断竜王として実体化した。
ただ、以前と異なるのが、両手両腕が機械的なロボットになっており、右手には剣、左手には盾が握られていた。
「禁断竜王!?実体化できたのか!?」
「ええ。少しの間ですが……」
「カタゴトじゃ、なくなってる!?」
「いや、それより、その腕どうした!?まるでロボットみたいだぞ!?」
「元が禁断機関からきているので、その影響でしょう」
「即答か!?まぁ、この際だからなんでもいいけど……」
いきなり禁断竜王が実体化したことに驚くも、勝と秋乃はスパトー:ド:スパトゥーに目を向ける。
「とりあえず、アイツをなんとかできる?」
「任せてください。あんな奴、昼飯……いえ、夕食前です!」
「そこは朝飯前って、言い直そうよ!」
「キ、シャアアアアアッー!」
「お二人とも、来ますわ!」
「ッ、しまっ──」
「そうはさせません!」
秋乃の言葉に、勝は避けるのに一歩遅れ、スパトー:ド:スパトゥーはそのまま勝に襲い掛かるも、咄嗟に禁断竜王が盾で防ぎ、すぐさま、剣で薙ぎ払うも、スパトー:ド:スパトゥーは素早く
「ごめん!禁断竜王!」
「構いません。主を守るのが、我の使命、です」
禁断竜王の言葉に、勝は心の底から頼もしいと想い、小さく、笑みを溢した。
「それよりも、勝様、アレをどうやって倒すのですの?」
「物理的に倒せれば、一番、楽だけど、それをすると、この部屋が血塗れになるな……」
「!?」
それはつまり、スパトー:ド:スパトゥーの命を奪うという意味だ。
「そ、そんなこと、ダメに決まってますわ!」
「僕もそれは嫌だよ。けど……」
「主よ。我と主の目を使えば、無力化できます」
「ッ、それって、つまり……」
「考える時間はありません。事は急を
「……わかった。僕も覚悟を決めるよ!」
「あの、それはどういう……」
「秋乃さん、今から僕達がやること、信じてくれる?うまくいけば、エリカを助けられるかもしれない!」
「!?」
何が何だかわからない。が、どうやら、スパトー:ド:スパトゥーの命を奪わず、エリカの命を助けられるみたいなので、一先ず、二人を信じることにした。
「わかりましたわ!お二人を信じます!」
「ありがとう、秋乃さん。いくよ、禁断竜王!」
「はい!」
そう言うと、禁断竜王はカードに戻り、勝の手に収まり、勝は禁断竜王のカードをスパトー:ド:スパトゥーに掲げた。
「キィ、シャアアアアアァァァァァッー!」
それを見たスパトー:ド:スパトゥーは飛び跳ね、勝に襲い掛かるも、勝は咄嗟に、目を赤い、紅色の炎に変化させ、叫んだ。
「デュエル・ゾーンッ、強制展開ッ!」
Twitterでも言いましたが、タグに残酷な描写を追加しましたので、今後、こういう描写が増えるかもしれないので、斜めご了承ください。