デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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ACE47:今、一つになる。開眼される紫の瞳。

 

 

 

「……ここね」

 

 バウワウジャの背中に乗って、キャルはエリカが眠っている部屋の扉の前に立ち止まり、バウワウジャの背中から降りた。

 

「……開けるわよ」

「ウゥ──ゥ──ン──ッ!」

「何よ、急に怖い顔をして……私なら大丈夫よ、安心して。それにいざって時に、アンタが守ってくれるんでしょ?その時は頼りにしてるわ」

「ウ──ゥ──ン。ク──ゥ──ン。……」

 

 キャルが扉を開けようとすると、バウワウジャは皺を寄せて、機嫌を悪くし、それを見たキャルはバウワウジャに説得し、安心させようと顎と頭の上を撫でて、落ち着かせた。

 

「それじゃ、今度こそ、開けるわよ」

「……バウッ!」

 

 ガチャッ、と、ハンドルを軽く回し、扉を開けた。

 

「ッ!?」

 

 扉を開けると、エリカが寝ているベッドが血の色で染まっていた。

 どうやら、バウワウジャが機嫌を悪くしていたのは血の臭いが原因のようだ。

 そう思った矢先、キャルの左目が痛みを感じた。

 さっきまでの強い痛みはなく、どちらかと言うと、共鳴しているかのように痛みを感じ、キャルは迷わず、ベッドに向かい、中を覗いた。

 

「ッ!?」

 

 キャルは言葉を詰まらせた。

 驚きのあまり、言葉を詰まらせてしまったのだ。

 見ると、エリカの右目が血の色で紅く染まっており、右目だけでなく、左目、鼻、口から血が出欠していた。

 その光景に、キャルは一歩下がり、吐き気を感じ、近くにあったゴミ箱に手を出し、口から異物を吐いた。

 

「はぁ……ぁ……何なのよ、全く……ッ!?」

 

 ある程度、異物を吐いた後、また左目から痛みを感じた。

 それは、まるで、何かに訴えるのかような痛みで、その内容は、ベッドに寝ているエリカの目を奪え、と言わんばかりに、具体的な内容で訴えてきた。

 

「わかっ、てる……わよ……」

 

 痛みに耐えながらも、キャルは自身に訴えてくる何かに返事を返し、ベッドで横になっているエリカの体の上に乗った。

 

(……ほんと、こうしてみると、グロテスクね)

 

 脳裏でそう思いながらも、顔が血塗れのエリカの右目を無理矢理開かせた。

 すると、エリカの右目の紫色の瞳とキャルの左目の紫色の瞳が光り、共鳴した。

 

「く……!?」

「っ……!?」

 

 共鳴と同時に、二人はまた痛みを感じた。

 

「「う……うぅ、うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」

 

 そして、二人は苦しみ、大きな叫び声を上げた。

 

 

 

「はぁ……はぁ……な、何だったの……今の……」

 

 やがて、苦しみから解放されたキャルは真っ先に悪態をつき、息を切らした呼吸を整え、エリカを覗いた。

 

「……」

 

 死んでいるのか、と、脳裏に若干(じゃっかん)の不安を感じ、手に鼻を当てると、息があった。

 どうやら死んでおらず、それを知ったキャルは安堵した。

 そう思った時、右目に違和感を覚え、近くにあった手鏡を取り、自分の顔を覗いた。

 

「っ!?」

 

 すると、キャルの右目が紫色に変わっていた。

 

「……そうか。私、成し遂げたのね」

 

「──エリカぁぁぁぁぁっ!」

 

 突然、扉の向こうからエリカの名を呼ぶ叫び声が響き、勢いよく、扉が開かれ、二人の来訪者──秋乃と禁断竜王が現れた。

 

「っ、貴女、この部屋で一体何をしていたの?」

「……別に。ただちょっと、そこで寝ている子に用があっただけよ。もう用は済んだけど……」

 

 現れた秋乃は真っ先に、キャルに問いかけると、キャルは吐き捨てるかのように、そう言った。

 それを聞いて、秋乃は怒りを露わにした。

 

「……許しません!貴女は絶対に、わたくしが許しません!」

「……許せないなら、どうするの?人を傷つけたこともないお姫様が、どうやって、私を許しを()うって言うの?」

「止めます!貴女をこれ以上、好き勝手させないために、貴女の身を拘束して止めます!」

「は、やれるものなら、やってみなさいっ!バウワウジャ!」

「バウ!」

「させません!」

 

 近くで待機していたバウワウジャが秋乃に襲い掛かるも、禁断竜王がそれを阻止する。

 

「主の想い人を傷つける者は、この禁断竜王が爪一つ、触れさせません!」

「あっそ。その間に、私は逃げさせてもらうわよ!」

「逃しませんわ!」

 

 そう言って、秋乃は駆け出すも、キャルはジャンプして躱した。

 

「悪いけど、アンタじゃ、私を(とら)えられないわ。さっさと、諦めなさい」

「だとしても、諦めるわけにはいきませんわ!」

「強情なヤツ……いいわ。それなら……」

 

 突然、キャルはデュエマのデッキを取り出し、それと同時に、バウワウジャはカードの姿に戻り、キャルのデッキの中に入っていった。

 

「何のつもりですの?」

「私とデュエマをしましょう?」

「え?」

 

 意外な提案に秋乃は驚く。

 そんな秋乃を放置して、キャルはデュエマをする理由を提示した。

 

「貴女が勝ったら、私は大人しく捕まってあげる。けど、私が勝ったら、大人しく、その道を通してもらうわ」

「……わかりました」

「危険です、焔秋乃!」

 

 秋乃はあっさりキャルの提案を受けるも、禁断竜王はそれを阻止する。

 

「危険なのは重々承知していますわ!それに……わたくしが負けると本気で思っているの?」

「実力の話ではありません!今の彼女は、ジャシン帝にもっとも近い力を持っています!故に、安易にデュエマを受けてはなりません!」

「だとしても、ですわ!」

「!?」

 

 秋乃の叫びに、禁断竜王は後ずさる。

 

「だとしても……わたくしはこのデュエマを受けないわけにはいきませんわ!」

「……」

 

 必死な想いで叫ぶ秋乃に、禁断竜王は黙り込み、少し間を置いてから、溜め息を吐いた。

 

「……わかりました。けど、危険と感じましたら、強制的にデュエマを中断させていただきます」

「ありがとうございます、禁断竜王」

 

 禁断竜王から了承を受けた秋乃はキャルに向き直った。

 

「……話、終わった?」

「ええ、終わりました。それから、逃げずに待っていただき、ありがとうございます」

「……全く、口の減らない女ね」

「そうですわね」

 

 そう返事を返すと、秋乃はデッキを取り出した。

 

「それじゃ、いくわよ!」

「ええ、いつでも……!」

 

「「──デュエマ・スタートッ!!」

 

 

 

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