デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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秋乃とキャルの初デュエマ、初対決。
どちらも、初めての対戦で、不安がありましたが、良い感じに仕上がりましたので、じっくり読んでいただけると、嬉しいです。
前書きはこれぐらいにして、ACE48、どうぞ。


ACE48:キャルvs秋乃!

 

 

 

「「デュエマ・スタートッ!!」」

 

「転移!場所は人気(ひとけ)がない場所!」

 

 二人がデュエマ開始の宣言をした後、禁断竜王はそう言って、エリカを除いた三人を屋敷の天井に転移させた。

 

「っ、ここは……わたくしの家の屋敷の天井?」

「はい。勝手で申し訳ありませんが、安全性を考慮して、天井に転移させました」

「なるほど。ありがとうございます、禁断竜王」

「いえいえ、お気になさらず」

 

 お礼を言った後、秋乃は再び、キャルに視線を向ける。

 

「……全く、余計なことを。まぁ、その分、気を遣わずに済むってものか」

 

 そう毒舌を吐きながらも、キャルはすぐに臨戦態勢に入った。

 

「私のターン!まずは手始めに、《ド:ノラテップ》を召喚するわ!ターンエンド!」

 

 先行、キャルの2ターン目。

 キャルのデッキはエリカと同じ黒単アビスロイヤルだが、ノワールアビスを数枚採用していた。

 対して、秋乃のデッキは──

 

「わたくしのターン!わたくしはタマシード、《NEXの手甲(しゅこう)》を場に出しますわ!」

「《NEXの手甲》!?」

 

 ──赤白(あかしろ)タマシード。または、赤白ライオネル。

 しかも、《NEXの手甲》入り。それは、キャルのアビスロイヤルにとっては天敵のカードだ。

 

「《NEXの手甲》の効果!各ターン、はじめて自分のタマシードが出た時、コスト2以下のクリーチャー1体か、タマシードを1枚、破壊しますわ!《ド:ノラテップ》を破壊しますわ!」

「鬱陶しいわね、そのカード……!」

 

 これが《NEXの手甲》の能力。

 正確な効果は、各ターン、はじめて自分のタマシードが出た時、3つの効果から1つ選ぶ、だ。

 その内の1つ、コスト2以下のクリーチャー1体か、タマシードを1つ、破壊する、を、秋乃は選び、キャルの《ド:ノラテップ》を破壊した。

 

「わたくしはこれで、ターンエンド、ですわ!」

「……私のターン」

 

 引いたカードを見て、キャルは考える。

 キャルのデッキはコスト2以下のアビス・クリーチャーが多く採用されているため、秋乃の《NEXの手甲》はガン刺さりなのだ。

 故に、キャルは下手に、コスト2以下のアビス・クリーチャーを場に出せないのだ。

 最も、コスト2以下のアビス・クリーチャーが手札にあればの話だが。

 

「……マナチャージ。3マナで《レター=ジェンゲガー》を召喚。ターン終了時に、山札の上から1枚を墓地に置いて、それがアビスならカードを1枚引くわ」

 

 山札の上から墓地に置かれたのは、《深淵の三咆哮 バウワウジャ》だった。

 

「アビスロイヤルの《バウワウジャ》だったから、私はカードを引いて、ターンエンドよ」

「わたくしのターン……」

 

 カードを引いた秋乃は手札から1枚、マナに置いて、思考を巡らせた。

 

(《ルピア炎鬼(えんき)(ふう)》を場に出したいですが、次のターン、手札から出して、強い進化クリーチャーがあまりいませんわ。それでしたら……!)

 

「タマシード、《カーネンの心絵(メモリー)》を場に出しますわ!効果で、山札の上から3枚見て、その中の進化クリーチャーとタマシードを手札に加えますわ!」

 

 意を決して、秋乃は《カーネンの心絵》を場に出し、山札を捲る。

 捲られたのは《スロットンの心絵》、《センメツ邪鬼(じゃき)<ソルフェニ.(オーガ)>》、《NEXの手甲》の3枚。

 

「《スロットンの心絵》と《センメツ邪鬼<ソルフェニ.鬼>》の2枚を手札に加えますわ!残りの《NEXの手甲》は山札の1番下に置きますわ!次に、はじめて、タマシードが出たから、場の《NEXの手甲》の効果で、手札の《ルピア炎鬼の封》を捨てて、1枚ドロー!これで、ターンエンドですわ!」

 

 次のターン以降に必要なカードを手札に加えつつ、《NEXの手甲》の第二の効果で、さらに山札を掘って、手札を整える。

 

「私のターン!いくわよ、《アビスベル=ジャシン帝》を召喚ッ!《レター=ジェンゲガー》の効果で、墓地と手札を増やして、ターンエンドよ!」

 

 対してキャルはアビスロイヤルの切り札、《アビスベル=ジャシン帝》を場に出し、《レター=ジェンゲガー》で、墓地と手札を増やしていく。

 

 両者、動きは順調。

 しかし、4ターン目にもなれば、秋乃のデッキは動き出す。

 

「わたくしのターン!ドロー!マナチャージ!《カーネンの心絵》を、《センメツ邪鬼<ソルフェニ.鬼>にスター進化!タマシードから進化した時、コストが一番小さい、相手のクリーチャーとタマシードをすべて、破壊しますわ!」

 

 今、キャルの場はコスト3の《レター=ジェンゲガー》と、コスト4の《アビスベル=ジャシン帝》の2体。

 その中で、コストが一番小さいのは、コスト3の《レター=ジェンゲガー》、1体のみ。

 よって、《レター=ジェンゲガー》は破壊され、墓地に置かれ、キャルのバトルゾーンは《アビスベル=ジャシン帝》だけになった。

 

「《<ソルフェニ.鬼>》で攻撃!コスト4以上の、火のレクターズが攻撃する時、手札の《キャンベロ<レッゾ.Star>》の侵略を宣言!先に、《<ソルフェニ.鬼>》のアタック・トリガーを解決しますわ!手札を1枚捨てて、2枚ドロー!その後、《<レッゾ.Star>》の侵略を解決!《<ソルフェニ.鬼>》を、《<レッゾ.Star>》に侵略・スター進化!《<レッゾ.Star>》の効果!次の相手のターン、相手はクリーチャー1体しか場に出せませんわ!」

「……処理が長い!」

 

 思わず、キャルは突っ込んでしまった。

 まさか、1回の攻撃で、ここまで長いとは、流石のキャルでも、考えてもみなかった。

 

「ッ!?ごめんなさい!けど、これで処理は終わりですわ!」

 

 意外にも、キャルから突っ込まれたことに、秋乃は驚き、これ以上の処理はないと告げる。

 

「それで、この攻撃はどうします?」

「……ブロックはしないわ」

「それでしたら、真ん中の左右を1枚ずつ、ブレイクしますわ!」

「面倒なところを選ぶわね……」

 

 悪態を吐きながらも、キャルは指定された2枚のシールドを取り出し、トリガーがないか、中を確認した。

 

「……トリガーはないわ。けど、かわりにこれを使うわ!S(ストライク)・バック!呪文、《秩序(ちつじょ)意志(いし)》で、アンタの《<レッゾ.S tar>》を封印するわ!」

「ッ!?そんな、《<レッゾ.Star>》が……!?」

 

 まさかの闇のS・パック呪文、《秩序の意志》によって、秋乃の《<レッゾ.S tar>》は封印された。

 

「……ターンエンドですわ」

「私のターン……マナチャージせず、《深淵(しんえん)壊炉(かいろ) マーダン=ロウ》を召喚するわ。出た時に、アンタの手札を見て、クリーチャーを1体、墓地に置くわ」

「ッ、わたくしの手札はこれです……」

 

 キャルは《マーダン=ロウ》の効果で、秋乃の手札をすべて見る。

 秋乃の手札の中は、《アルカディアス・モモキング》、《正義星帝<ライオネル.S tar>》、《スロットンの心絵》が2枚、計4枚のカードがあり、キャルは《<ライオネル.S tar>》を指差した。

 

「そのカードを墓地に置いてもらうわ」

「ッ、わかりましたわ……」

 

 渋々、秋乃は切り札である、《<ライオネル.S tar>》を墓地に置いた。

 

「……私はこれでターンエンドよ」

「わたくしのターン……」

 

 切り札を墓地に置かれた秋乃は戦意を失いかけていた。

 

(切り札を墓地に置かれた今、わたくしに勝ち目はありません。けど……!)

 

 ふっと、秋乃はエリカのことを思い出した。

 この屋敷で、エリカと一緒に育ち、暮らしたこと。

 平日、エリカと一瞬に車で、学園に行ったこと。

 放課後、エリカと一緒に部活の仲間とのデュエマ。

 そして、暇がある時に、自分からデュエマを誘う時、エリカは笑顔で、相手をしてくれた。

 美味しい紅茶を注いでくれた。

 そんなエリカの笑顔を奪った彼女が許せなかった。

 

 そう思った時、秋乃は失いかけた戦意を取り戻し、キャルに向き直った。

 

「わたくしは、絶対に負けられません!エリカのためにも、このデュエマ、負けていられませんわ!」

 

 そう決意した後、秋乃は《スロットンの心絵》に手を出す。

 

「タマシード、《スロットンの心絵》を場に出しますわ!《スロットンの心絵》の効果で、このカードを、《アルカディアス・モモキング》にスター進化させますわ!」

 

 光文明、最強の種族、エンジェル・コマンドにして、《聖霊王アルカディアス》の鎧を纏ったモモキング、《アルカディアス・モモキング》がバトルゾーンに現れ、秋乃の瞳が黄色い、星型のマークに変わり、秋乃の後ろに、アルカディアス・モモキングが実体化した。

 

「これは……!?焔秋乃、貴女も、主と同じ、瞳の力を……!?」

「へぇ、アンタも、そうなんだ……それなら!」

 

 キャルも両面を紫色に変化させた。すると、キャルの後ろから、ジャシン帝が実体化した。

 

「《アルカディアス・モモキング》が出たことで、《<レッゾ.S tar>》の封印を剥がしますわ!さらに、《NEXの手甲》の効果で、手札を1枚捨てて、1枚ドローしますわ!」

 

 手札入れ替えをした後、秋乃は《アルカディアス・モモキング》に手を置く。

 

「《アルカディアス・モモキング》で、シールドを攻撃!」

「させないわよ!《ジャシン帝》でブロック!この時、手札を2枚捨てて、《ジャシン帝》は場に残る!」

 

 アルカディアス・モモキングが切り掛かろうとすると、ジャシン帝が体を張って、それを阻止し、アルカディアス・モモキングの剣に斬られ、爆発した。

 しかし、爆発の中からジャシン帝は無傷で、その場に立ち、キャルの元に戻った。

 

「……ターンエンドですわ」

「私のターン。悪いけど、このターンで決めるわ!アビスラッシュ、発動ッ!」

 

 すると、キャルの墓地から《レター=ジェンゲガー》、《フォーク=フォック》、《ジャブラッド》、そして、《バウワウジャ》の4体のアビスが場に現れ、キャルの後ろに、ジャブラッドとバウワウジャが実体化した。

 

「さぁ、絶望しなさいッ!そして、闇に飲まれなさいっ!」

 

 すると、ジャシン帝の剣が秋乃の横に飛び、秋乃の右側のシールドが2枚吹き飛び、ゆっくり、秋乃の元に落下し、秋乃はシールドの中を覗いた。

 

「ッ、トリガーはありません……」

「そう?それなら、今度はこれ!」

 

 今度はジャブラッドの咆哮で、秋乃の左側のシールドが2枚吹き飛び、先程と同じように落下し、シールドの中を覗くと、トリガーがなかった。

 

「最後は、《フォーク=フォック》で、シールドをブレイクっ!」

 

 最後のシールドがブレイクされ、秋乃は恐る恐る、シールドの中を確認した。

 

「ッ、そんな!?シールド・トリガーが1枚もないなんて!?」

 

「──これで、終わりよッ!《バウワウジャ》で、ダイレクトアタックッ!」

 

 

 




ヒロイン、秋乃の初デュエマがまさかの敗北。
はたして、次回、どうなる?
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