デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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ACE51:勝の親友、神原拓真、現る。

 

 

 

 突然、病室に訪れた勝の親友、神原拓真に、勝は驚いていた。

 

「拓真、どうしてここに?」

「オレも剣子さんと同じだよ。それと、オレだけじゃないぜ」

「?」

 

 拓真の言葉に、勝は疑問を抱くも、すぐに、その疑問は解決された。

 拓真の後に、右目に包帯を巻かれ、車椅子に乗ったエリカと、そのエリカを押す秋乃と、勝の見舞いに来たマリの3人が現れた。

 

「マリちゃん、秋乃さん、暁月さん、3人とも、どうして……?」

「どうしてもなにも、みんな、お前が心配で、見舞いに来たんだよ」

「……そうなの?」

「はい。わたくし達、そのつもりで来たのですが……」

「何やら、浮かない顔ですね、勝様……」

「!?そ、そんなことないよ!元気!元気!超元気だよ!」

 

 マリの指摘に、勝は慌てて、そう言うが、全く元気ではないと、4人はすぐに気づいた。

 

「……何か悩みがあるなら、親友として、聞いてやるぜ!」

「本当に、何もないよ……」

「何かあるだろ?話せよ、親友?」

「だから、何もないって……」

「はぁー、めんどくせぇなぁ……」

 

 痺れを切らして、拓真は深い溜め息を吐きながら、そう言い、勝の胸ぐらを掴み、顔を近づかさせる。

 

「何か困ってるんだろ!そんなに(つれ)え顔をするぐらいなら、吐き出してまえ!他のヤツに言えないなら、オレには話せ!吐き出せ!そして、楽になれ!一人で、全部抱え込むんじゃねぇ!わかったか?親友!」

「……拓真」

 

 それを聞いて、勝は涙を流し、泣き始め、泣きながら、数日前に起こったことをすべて話した。

 

「ジャシン帝の復活を阻止できず、そこの3人を守れず、結衣の気持ちも気づけなかった自分に腹が立って、嫌気がさした、か……」

「……うん」

「勝様……」

「「……」」

 

 事情を聞いて、拓真は簡単にまとめて、言葉にし、それを聞いた秋乃達は深刻な顔をした。

 

「はぁー、お前なぁ、ほんと、昔から変わらねえな……」

「?」

「そういう、何でも一人で解決しようとするところ、出会った頃から変わらねえし、ほんと、バカだなぁ……」

「……頭が悪い拓真には言われたくないよ」

「んだと?お前にだけは言われたくねえよ、このデュエマバカが……」

 

 売り言葉に買い言葉、とは、(まさ)に、こう言うことだ。

 親友故に、こう言う会話ができるのだろうと、秋乃達はそう思った。

 

「……オレはもう引退した身……デュエマから降りた身だけどよ。お前の悩みぐらい、相談に乗るし、愚痴を聞くぐらいはできる。だからよ、一人で抱え込もうとするな」

「拓真……ありがとう……」

「礼なら、良いってことよ。寧ろ、もっと頼ってくれていいぜ」

「ありがとう、拓真。けど、これは……」

「僕一人の問題だ、なんて、言わないよな?」

「……」

 

 図星なのか、勝は黙り込む。それを見た拓真はまた深い溜め息を吐き、勝にこう言った。

 

「勝、さっきも言ったが、お前はもう一人じゃない。お前には頼もしい仲間がいる。頼れる仲間がいる。だからよ、そいつらに頼れ。オレだけじゃなくて、他のヤツらに。お前らも、そう思うだろ?」

「勿論、ですわ……」

「はい、私も同じ気持ちです……」

「……」

 

 突然、拓真に話を振られた秋乃とマリはそう答え、エリカは無言で頷いた。

 

「みんな……ありがとう……」

 

 それを聞いた勝は3人にお礼を言い、また、涙を流した。

 

「全く、涙(もろ)いのも、相変わらずだな……」

「うっ、さい……」

 

 その返事を聞いて、拓真は病室を出ようと、足を運び、扉の前に止まり、勝に向いた。

 

「……勝、まだ踏ん切りができないなら、一度、“あそこ”に向かうと良い。あそこなら、多分、お前の悩みを解決してくれる」

「……わかった。考えておくよ」

「ああ、そうしろ。後、それから、次にジャシン帝……結衣と戦うことになるとしたら、デュエマ甲子園かもしれない。ついでに、そこで、鍛えてもらえ。仲間と一緒にな……」

 

 そう言って、拓真は勝の返事を聞かず、病院を出た。

 

 

 

「──あの、待ってください!」

「?」

 

 勝の病室を出た後、拓真は少女の声に止められ、振り向くと、そこにはマリの姿があった。

 

「ん?どうした?」

「あの……ありがとうございます。勝様を励ましていただいて……」

「ああ、そのことか。別に大したことはしていない。親友として、当たり前のことをしただけだ……」

「それも、そうですが……」

「?」

 

 何やら、歯切れが悪いマリの様子に、拓真は疑問を抱いたが、すぐに、彼女は口を開いた。

 

「あの時……勝様が浮かない顔をした時、吐き出せるように、言ってくれたこと、私はとても感謝してます。私なら、あそこまで踏み込めませんでした……」

「……あんなの誰だって、できるよ」

「え?そうなのですか?」

 

 あっさり言い切ってしまう拓真の言葉に、マリは意外な返答に驚く。

 

「大事なのは、相手の悩みや気持ちを聞き出す、コミュニケーション能力と、それを受け入れる度量と、相手を傷ついてでも、自分が嫌われても良いという度胸の3つ……いや、それらを踏まえての覚悟を含めると4つか。君はコミュニケーション能力はあるが、それを受け入れる度量と度胸と覚悟がなかっただけだよ……」

「……」

 

 それを聞いて、マリは黙り込む。同時に、拓真がどれだけ、心が広く、勝のすべてを受け入れる覚悟があることを知った。

 

「……ま、そう気に()むな。オレも最初からできたわけじゃねえし、こういうのは時間と経験がモノを言うものだ」

「……ありがとうございます。貴重なご意見、心より感謝します」

 

 そう言って、頭を下げて、お礼を言い、マリは勝の病室に戻った。

 

(……律儀な子だったな。それにしても、結衣のヤツ、ジャシン帝を復活させて、何を考えてるんだ?)

 

 マリが過ぎ去った後は拓真はそう脳裏で疑問し、思考を巡らせ、考え込み、あることを思いついた。

 

(……オレもデュエマ甲子園に参加するか。勝が心配なのもあるが、何より、結衣が何を考えているのか、知りたいしな)

 

 そう思った後、拓真は急ぎ、デュエマ甲子園に向けて、準備に取り掛かった。

 

 

 

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