それから2日が経過し、勝と秋乃は無事に退院した。
エリカはまだリハビリがあるため、まだ病院に入院しているが、身体の回復は順調のようだ。
──その翌日の放課後。
勝は部室で、部活仲間の咲恋達に、秋乃の屋敷で起こったことを説明した。
「テメエら、とんでもねえことに巻き込まれてるな!」
「それでよく生きてたわね!」
「お、驚きです!驚きすぎて、一周回って、羨ましいです!」
「明星さん、事は大事ですよ」
想と咲恋は驚き、ひよりは勝がクリーチャーとデュエマしたことに羨ましいと感じ、翔はそんなひよりを注意した。
皆の意外な反応を見て、勝は少し驚いていた。
「あの……みんなは怖くないんですか?」
「あ?怖い?何がだ?」
勝の問いかけに、想は何が怖いのかわからず、逆に問いかけた。
「いや……クリーチャーの実体化や僕がクリーチャーと戦えること……結衣ちゃんがジャシン帝を復活させたこと……皆は怖くないんですか?」
「……それだけ?」
「え?」
それだけなの、と、再度、咲恋は勝に問いかけ、勝は咲恋の
それを見た咲恋は深い溜め息を吐いた後、勝にこう言った。
「本当は自分が拒絶されるのが、怖かったんじゃないの?」
「!?」
その言葉に、勝は驚き、顔を伏せた。
どうやら、咲恋の予想が当たり、図星を突かれた勝は顔を伏せ、黙り込むも、すぐに顔を上げて、口を開いた。
「……そう、だね。正直に言うと、怖かったんだ。みんなが知ったら、僕から離れていく気がしたんだ。だから、黙っておこうと思ったんだ。けど……」
「そうもいけなくなった、あるいは、自分一人じゃ抱えきれなくなって、誰かに頼ろうと思った……大方、そんなところかしら?」
「……うん。もっと言うと、親友に説得されて、その圧に負けたんだよね」
入院中に親友の拓真が訪れ、彼の説得により、勝の心はぴっちり折れ、その重圧に耐えきれず、勝は退院した翌日に、咲恋達に話そうと、密かに決めていた。
「……そう。正直に言うと、もっと早くに言ってほしかったわ」
「全くだ。こんなツラになるまで、一人で抱えてんじゃねえぞ?」
「珍しく、早峰先輩がまともなことを言ってる!?」
「しばくぞ、明星?」
「しばいたら、私が殴ります」
「酷くねえか?」
いつも間にか、いつもの雰囲気で包まれた部活仲間の光景に、勝は涙が出た。
「火野先輩……?」
「……ごめん。なんか、嬉しすぎて、涙が出て……!」
「もう男なら、泣くんじゃないわよ!」
「全くだ!」
そう言って、勝を励ます咲恋と想。後から翔とひよりも勝を励まし、その光景に秋乃は嬉しい反面、どこか
それを見たマリは秋乃に声をかけた。
「……」
「秋乃様、どうかしましたか?」
「……いえ。わたくしの考えは間違えではなかった。間違えではないのに、何故でしょう?この……ぽっかりと空いた気持ちのような……疎外感を感じるような感覚は……」
「……秋乃様?」
突然、秋乃は謎の寂しさに悩まされ、その寂しさがなんなのか、部活の活動が終わるまで考えたが、結局、それが何なのか、わからなかった。
──さらに翌日の放課後。
「合宿?」
「うん。デュエマ甲子園に向けて、合宿しようと思うんだけど、どうかな?」
もうすぐ5月が終わり、6月に入る中、勝は咲恋と一緒に先に部室に来て、真っ先に、合宿をしないか、提案した。
「そんなに長い期間はかけられないけど、2日か、3日ぐらい、どこかに泊まって、合宿しない?」
「……良い考えね、って言いたいけど、うちの経費じゃ、宿泊先や宿泊費はあまりないし、第一に、学園側が許可するとは思えないわ」
運動部と違い、勝達の部活は文化部のため、活動に必要な経費がそんなに多くなく、また、秋乃が理事長と言っても、文化部に、そこまで肩入れできないため、咲恋は真っ先に、勝の提案を否定した。
「それなら安心して。期末考査が終わった後、ちょうど3連休になるから、その日にしようと考えてるよ」
「なるほどね。けど、宿泊先はどうするの?当てがあるの?」
「うん、あるよ」
「即答ね……」
「……わかったわ。そこまで言うなら、合宿をしましょう。ただし、宿泊費はアンタの自腹よ!それが合宿をする条件。わかった?」
「うん!わかった!それじゃ、早速、みんなに連絡しないとだね!」
こうして、期末考査を終えた後、勝達、チーム、『ACE STRIKER』は3日間の合宿が決まったのだ。