──翌日の放課後。
今日もデュエマ甲子園に向けて、特訓する結衣達。
しかし、キャルのアビスデッキの
「だーかーら!アンタ、出てすぐ落ちるのやめなさいよ!」
『貴様こと、墓地が溜まっていない時に、我を出すな!』
挙げ句の果てには、口喧嘩を始める二人。
もう見慣れた光景に、結衣と黒江は揃って、深い溜め息を吐いた。
『第一、貴様、瞳の力に頼りすぎだ!そんなのでよく、紫色の瞳に選ばれたものだなぁ!』
「っ、何よ!私が居なかったら、アンタ、蘇れなかったくせに!」
『何だと!?』
「何よ、このペラペラジャシン!」
『貴様、また我が気にしていることをー!』
「本当のことでしょうが!」
「──良い加減にしなさいっ!」
ついに我慢の限界を迎えた結衣は大きな声で叫び、キャルの頭を拳骨し、ジャシン帝のカードを瞳の力で凍らせた。
「い、痛い……頭が割れるぐらいに、痛い……!」
『さ、寒い……!なんざ、この寒さは?こ、凍え死ぬ!ジャシンの我が、凍え死んでしまう、だと……!?』
「……流石にこれはやりすぎだと思うぞ、結衣?」
「何言ってるの?これぐらい、まだ優しい方よ」
「優しい方なんだ……」
「……本気を出したら、凍るよ」
「こわ……」
結衣の発言に、黒江は肝が冷えたが、そんな黒江を見て、結衣はまた深い溜め息を吐いた。
「……こうなったら、専門家に頼るしかないわね」
「専門家……?」
「少しクセはあるけど、私の中で、一番、闇文明を扱うのが、上手い人よ……」
──場所は変わり、商店街の中央付近。
「ここよ……」
「ここよ、って、喫茶店じゃねぇか!」
結衣の発案で、闇文明を扱うのが、一番上手い人に会う為、結衣達は学園を出て、商店街の中央にある『喫茶・クロ咲店』という、喫茶店に来ていた。
『……感じるぞ。強い闇の力を持った者が、この中にいる』
「ほんとかな……」
「ただ結衣が紅茶を飲みたいだけじゃねぇか?」
「…………入るわよ」
「おい、今の間は何だ?」
黒江のツッコミを無視して、結衣は喫茶店の扉を開けた。
──カランカラン。
と言う古風な音が鳴り、結衣達が店内に入ると、一人の女性が出迎えてくれた。
「いらっしゃいませー!3名様でご来店ですか?」
「すみません。オーナーの黒さ……レオンさんはいますか?」
「おや?オーナーのお知り合いさんですか?少々お待ちを……」
そう言って、女性は店の奥に行ってしまった。
待ってる間、黒江とキャルは周囲を見渡した。
店の中はどこか古く、懐かしく、それでいて、アニメや漫画に出てくる喫茶店であった。
しかし、結衣達以外の客はおらず、店員も先程の女性しか居なかったため、あまり人気ではないことが伺える。
そんなことを思っていると、先程の女性と一人の青年が現れた。
その青年を見た時、黒江は違和感に気づいた。
(アレ?勝?いや、アイツはウチらと同じ高校生だし……親戚か、兄弟か……?)
その青年はどことなく、勝に似ているが、よく見ると、髪の色が少し茶色に染めているため、勝の親戚か、兄弟かと、黒江はそう思った。
「オーナー、こちらの方達ですが……」
「……なるほど、理解した。彼女達はわたしが相手をしよう。君は仕事に戻って構わない」
青年がそう言うと、女性はレジの方に戻っていた。
それを見た後、青年は結衣達の方に、視線を向ける。
視線を向けられた途端、結衣以外の面々が面食らった。
(なんと、
(なんか、すげえ、オーラ?……殺気?みたいなのを感じるな……)
(何なのよ、コイツ!?私より、闇の力を持ってるじゃない!?)
2人と1体のクリーチャは脳裏で、そう思い、青年は口を開いた。
「まず、場所を変えよう。ここじゃ、他の客に迷惑だ」
「……そのわりには、私達以外、客がいないじゃない」
「うちは夜が本番なんだ。昼間はあまり人が来ない。これが普通だ」
「ふーん……まぁ、どうでもいいけど……」
などと、青年から感じる殺気のようなオーラを前に、動じず、軽口を叩ける結衣の姿に、黒江とキャルは驚いていた。
「……ついてこい」
何かを察したのか、青年は後ろを振り向き、奥の方に進み、結衣達も後を追いかけるように、お店の奥の方に、入っていた。
奥に入ると、そこにはデュエマの台が一つ、置かれていた。
「うちは喫茶店以外にも、デュエマも少し経営している。故に、暇な時や遊びたいヤツはここを自由に使っている」
「なるほど……」
青年が説明すると、黒江はそう返事を返した。
「……さてと、誰から相手になる?」
「「!?」」
そう言うと、先程までとは比べ物にならない殺気が青年から放された。
その殺気に、黒江とキャルは膝をついた。
(マジか……さっきまでのとは、比べ物にならねえ、オーラを放しやがった!?)
(ウソでしょ!?この人、どんだけ闇が深いのよ!?けど、私にだって、引き下がれない理由があるのよっ!)
そう思ったキャルはすぐに立ち上がり、叫んだ。
「上等よ!やってやろうじゃない!」
「ほう?威勢がいいな?良かろう。貴様から、調教してやろう!この俺、無限の闇使いと言われた、
「やれるものなら、やってみなさいよっ!」
「ゆくぞ!」
「「──デュエマ・スタートッ!」」