デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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ACE54:無限の闇使い、黒崎レオン。

 

 

 

 ──翌日の放課後。

 

 今日もデュエマ甲子園に向けて、特訓する結衣達。

 しかし、キャルのアビスデッキの進捗(しんちょく)が良くなく、あまりにも上達しないキャルの腕に、結衣と黒江は頭を悩ませていた。

 

「だーかーら!アンタ、出てすぐ落ちるのやめなさいよ!」

『貴様こと、墓地が溜まっていない時に、我を出すな!』

 

 挙げ句の果てには、口喧嘩を始める二人。

 もう見慣れた光景に、結衣と黒江は揃って、深い溜め息を吐いた。

 

『第一、貴様、瞳の力に頼りすぎだ!そんなのでよく、紫色の瞳に選ばれたものだなぁ!』

「っ、何よ!私が居なかったら、アンタ、蘇れなかったくせに!」

『何だと!?』

「何よ、このペラペラジャシン!」

『貴様、また我が気にしていることをー!』

「本当のことでしょうが!」

 

「──良い加減にしなさいっ!」

 

 ついに我慢の限界を迎えた結衣は大きな声で叫び、キャルの頭を拳骨し、ジャシン帝のカードを瞳の力で凍らせた。

 

「い、痛い……頭が割れるぐらいに、痛い……!」

『さ、寒い……!なんざ、この寒さは?こ、凍え死ぬ!ジャシンの我が、凍え死んでしまう、だと……!?』

「……流石にこれはやりすぎだと思うぞ、結衣?」

「何言ってるの?これぐらい、まだ優しい方よ」

「優しい方なんだ……」

「……本気を出したら、凍るよ」

「こわ……」

 

 結衣の発言に、黒江は肝が冷えたが、そんな黒江を見て、結衣はまた深い溜め息を吐いた。

 

「……こうなったら、専門家に頼るしかないわね」

「専門家……?」

「少しクセはあるけど、私の中で、一番、闇文明を扱うのが、上手い人よ……」

 

 

 

 ──場所は変わり、商店街の中央付近。

 

「ここよ……」

「ここよ、って、喫茶店じゃねぇか!」

 

 結衣の発案で、闇文明を扱うのが、一番上手い人に会う為、結衣達は学園を出て、商店街の中央にある『喫茶・クロ咲店』という、喫茶店に来ていた。

 

『……感じるぞ。強い闇の力を持った者が、この中にいる』

「ほんとかな……」

「ただ結衣が紅茶を飲みたいだけじゃねぇか?」

「…………入るわよ」

「おい、今の間は何だ?」

 

 黒江のツッコミを無視して、結衣は喫茶店の扉を開けた。

 

 

 

 ──カランカラン。

 

 

 

 と言う古風な音が鳴り、結衣達が店内に入ると、一人の女性が出迎えてくれた。

 

「いらっしゃいませー!3名様でご来店ですか?」

「すみません。オーナーの黒さ……レオンさんはいますか?」

「おや?オーナーのお知り合いさんですか?少々お待ちを……」

 

 そう言って、女性は店の奥に行ってしまった。

 待ってる間、黒江とキャルは周囲を見渡した。

 店の中はどこか古く、懐かしく、それでいて、アニメや漫画に出てくる喫茶店であった。

 しかし、結衣達以外の客はおらず、店員も先程の女性しか居なかったため、あまり人気ではないことが伺える。

 

 そんなことを思っていると、先程の女性と一人の青年が現れた。

 その青年を見た時、黒江は違和感に気づいた。

 

(アレ?勝?いや、アイツはウチらと同じ高校生だし……親戚か、兄弟か……?)

 

 その青年はどことなく、勝に似ているが、よく見ると、髪の色が少し茶色に染めているため、勝の親戚か、兄弟かと、黒江はそう思った。

 

「オーナー、こちらの方達ですが……」

「……なるほど、理解した。彼女達はわたしが相手をしよう。君は仕事に戻って構わない」

 

 青年がそう言うと、女性はレジの方に戻っていた。

 それを見た後、青年は結衣達の方に、視線を向ける。

 視線を向けられた途端、結衣以外の面々が面食らった。

 

(なんと、禍々(まがまが)しい闇のオーラだ!?だが、コヤツだな。先程の闇の力は……!)

 

(なんか、すげえ、オーラ?……殺気?みたいなのを感じるな……)

 

(何なのよ、コイツ!?私より、闇の力を持ってるじゃない!?)

 

 2人と1体のクリーチャは脳裏で、そう思い、青年は口を開いた。

 

「まず、場所を変えよう。ここじゃ、他の客に迷惑だ」

「……そのわりには、私達以外、客がいないじゃない」

「うちは夜が本番なんだ。昼間はあまり人が来ない。これが普通だ」

「ふーん……まぁ、どうでもいいけど……」

 

 などと、青年から感じる殺気のようなオーラを前に、動じず、軽口を叩ける結衣の姿に、黒江とキャルは驚いていた。

 

「……ついてこい」

 

 何かを察したのか、青年は後ろを振り向き、奥の方に進み、結衣達も後を追いかけるように、お店の奥の方に、入っていた。

 

 

 

 奥に入ると、そこにはデュエマの台が一つ、置かれていた。

 

「うちは喫茶店以外にも、デュエマも少し経営している。故に、暇な時や遊びたいヤツはここを自由に使っている」

「なるほど……」

 

 青年が説明すると、黒江はそう返事を返した。

 

「……さてと、誰から相手になる?」

「「!?」」

 

 そう言うと、先程までとは比べ物にならない殺気が青年から放された。

 その殺気に、黒江とキャルは膝をついた。

 

(マジか……さっきまでのとは、比べ物にならねえ、オーラを放しやがった!?)

 

(ウソでしょ!?この人、どんだけ闇が深いのよ!?けど、私にだって、引き下がれない理由があるのよっ!)

 

 そう思ったキャルはすぐに立ち上がり、叫んだ。

 

「上等よ!やってやろうじゃない!」

「ほう?威勢がいいな?良かろう。貴様から、調教してやろう!この俺、無限の闇使いと言われた、黒崎(くろさき)レオンが直々に相手してやる!」

「やれるものなら、やってみなさいよっ!」

「ゆくぞ!」

 

「「──デュエマ・スタートッ!」」

 

 

 

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