デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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ACE55:幻夢(まぼろし)の帝王にして、無限の闇龍。

 

 

 

 ──キャル対レオンのデュエマ。

 

 キャルは黒単アビスロイヤルを使用し、2ターン目に、《ベル=ゲルエール》を召喚し、3ターン目に、《ボーンおどり・チャージャー》を唱え、墓地とマナを伸ばしていた。

 対して、レオンは水と闇の2色デッキ、青黒(あおくろ)カラーで、2ターン目に、《戯具(ギーグ) ドゥゲンダ》、3ターンに、《フェイト・カーペンター》をそれぞれ召喚し、手札と墓地を入れ替えていた。

 

 そして、キャルの4ターン目が始まるところだ。

 

「私のターン!マナチャージして、3マナで呪文、《邪侵入(ジャスト・イン・ユー)》!山札の上から4枚を墓地に置いて、墓地からコスト4以下のアビス・クリーチャー、《アビスベル=ジャシン帝》を場に出すわ!」

 

 アビスロイヤルの切り札、《ジャシン帝》を場に出すことに成功したキャルはさらに、追い討ちをかける。

 

「アビスラッシュ!墓地から《ジャブラッド》を2体、召喚!効果で、山札の上から2枚を墓地へ!これを2回行うわ!」

 

 もう一体のアビスロイヤルの切り札、《ジャブラッド》を2体出し、さらに墓地を4枚増やす。

 

(このターンは決めきれない。けど、相手のシールドを少しでも減らして、こっちの墓地を増やす!)

 

 そう脳裏で思い、キャルは《ベル=ゲルエール》に手を置く。

 

「《ベル=ゲルエール》で、シールドを攻撃!」

 

 攻撃しながら、2体の《ジャブラッド》の効果で、キャルはさらに墓地を4枚増やす。

 

「……トリガーはない」

「それなら、《ジャブラッド》で、シールドを攻撃!W・ブレイク!」

 

 畳み掛け、さらに墓地を増やし、キャルの攻撃に、レオンは無言で、シールドの中を見る。

 

「……来たか。シールド・トリガー、呪文、《サイバー・チューン》。効果で、3枚引き、2枚捨てる。この時、《斬隠蒼頭龍(きりがくれそうとうりゅう)バイケン》を捨てた時、コイツは場に出る。そして、クリーチャー1体をバウンスする。もう一体の《ジャブラッド》を手札に戻してもらう」

「《ジャブラッド》の効果!自分のアビス・クリーチャーが場を離れる時、墓地のカードを4枚選んで、シャッフルし、山札の下に置いて、場に残す!」

 

 キャルの墓地からカードが4枚、勝手に浮き上がり、シャッフルされ、山札の下に置かれた。

 

「……ターン終了時、アビスラッシュで出た《ジャブラッド》1体は山札の下に置いて、もう一体は自身の効果で、場に残すわ。ターンエンド」

 

 タップ状態の《ジャブラッド》は下に置かれ、もう一体は自身の効果で、場に残し、タマシード状態にして、キャルはターンを終えた。

 

「俺のターン。悪いが、先程の攻撃で、こちらの準備は整った」

 

 そう言って、レオンはマナを1枚チャージし、1枚の闇のカードをタップした。

 

「──墓地進化、《死神術士(しにがみじゅつし)デスマーチ》を召喚」

 

 墓地から闇のカードが重ねられ、レオンの場に《デスマーチ》が場に出た。

 パワーはさっさの1000。ブロッカーを持ち、このクリーチャーとバトルしている相手のクリーチャーのパワーを−4000する能力を持つ。

 

 しかし、今回はそれらは関係ない。大事なのは、《デスマーチ》の“進化元で重ねられたカード”である。

 

「そして、3マナで、呪文──《龍脈術(りゅうみゃくじゅつ) 落城(らくじょう)(けい)》を唱える。場のコスト6以下のカードを手札に戻す。俺が戻すのは、《デスマーチ》だ」

 

 その言葉に、外野で見ていた黒江は疑問を抱いた。

 

「え?折角出した進化クリーチャーを手札に戻すのか?」

「違うわ。《落城の計》で戻すのは“場のコスト6以下のカード”よ」

「え?あ……」

 

 結衣の言葉に、黒江はレオンの意図に気づき、キャルも、レオンが何をしようとしているのか、すぐに理解した。

 

「──無限の闇に眠れ、退化!《∞龍(むげんりゅう) ゲンムエンペラー》!」

 

 刹那。キャルの場のクリーチャーと手札、墓地のカードからテキストが消えた。

 

『な、なんだ!?力が抜けていく感覚は……!?』

 

 バトルゾーンにいるジャシン帝がそう呟くと、レオンの場にいる《ゲンムエンペラー》の瞳が光った。

 

「《ゲンムエンペラー》が場にいる限り、互いに、コスト5以下のクリーチャーと呪文の効果を無視する。貴様お得意のアビスラッシュは封じたぞ?どうする?」

「決まってるわよ!最後まで戦うわよ!」

 

 そうキャルが叫ぶと、レオンは不適な笑みを浮かべた。

 

「そうか!ならば、(あらが)ってみてよ!《バイケン》で、《ベル=ゲルエール》を攻撃!破壊だ!」

「ッ!?けど、まだ私には《ジャシン帝》がいる!私のターン!」

 

 キャルは勢いよく、カードを引き、2枚のカードを場に出した。

 

「《ド:ノラテップ》と《ジャブラッド》を召喚!そして、《ジャブラッド》で、シールドを攻撃!」

「愚か者め!《ゲンムエンペラー》で、ブロック!返り討ちだ!」

「ッ!けど、《ジャシン帝》で、《バイケン》を攻撃!」

「それで、どうする?」

「っ、ターンエンド……」

 

 歯を食いしばり、キャルは胸に悔しさを感じ、ターンエンドを宣言した。

 

「俺のターン……《ゲンムエンペラー》で攻撃!(インフィニティ)ブレイカァァッー!」

「ッ!?」

 

 レオンの《ゲンムエンペラー》の攻撃により、キャルのシールドはすべて、ブレイクされた。

 その中にはシールド・トリガーの《ハンマ=ダンマ》と《邪侵入》の2枚があった。

 

(《ゲンムエンペラー》の効果で、2枚とも、トリガーを封じられてる!)

 

 だが、《ゲンムエンペラー》の効果で、シールドから加わった2枚のシールド・トリガーは封じられている。

 

「──これで、トドメだ!《ドゥゲンダ》で、ダイレクトアタックッ!」

 

 

 

 デュエマの結果はレオンが勝利し、敗北したキャルは、その場で膝をつき、顔を下に向いていた。

 

「私が……負けた……」

「キャル……」

 

 結衣が声を掛けようとするも、黒江が止め、首を横に振り、レオンに睨む。

 

「……次はウチが相手になる」

「ほう?先程まで、怯えていた貴様が俺に勝てるのか?」

「やってみないと、わからないですよ?」

 

(正直、勝てるかは微妙だけど、ウチのデッキなら、まだ勝機があるはずだ……!)

 

 脳裏で、そう自分に言い聞かせ、黒江はデッキを取り出す。

 

「いいだろう。だが、流石に実力差があるからな。代理人に頼むとするか……」

「?代理人……?」

 

 すると、扉が開き、一人の少女が入ってきた。

 

「──お義兄(にい)ちゃん、ここに居た」

「丁度良いタイミングに来たな。リオン」

「?」

 

 突然、入ってきた少女、リオンは疑問を抱く。

 

「え?まさか……!?」

「そのまさかだ──

 

 

 

 ──お前の相手は我が義妹(いもうと)、黒崎リオンだ!」

 

 

 

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