「何で、ワタシがデュエマをしないといけないわけ!?」
レオンの義妹、黒崎リオンは義兄であるレオンに、激しく訴えていた。
「そう言うではない。息抜きがてら、デュエマをするのも悪くないだろ」
「ワタシはもう引退した身よ!今のデュエマなんて、わかるわけないでしょうが!」
激しく反発する義妹、リオン。
これが俗に言う反抗期か、と、義兄のレオンはそう脳裏で思い、何とかして、彼女にデュエマをしてやれないか、説得する。
実際のところ、リオンは2年前にデュエマを引退している為、今のデュエマのカードプールについてこれていない。
ましては、リオンは今年、中学3年生であり、受験まっしぐらである。
デュエマなど、している暇はないのだ。
「……なぁ、ウチら、何のために、ここに来たって?」
「そこのシスコン拗らせたお兄さんに、闇の使い方を教わりにした」
「あの人、シスコンなんだ……」
「因みに、義妹のリオンはブラコンを拗らせてるわ」
キラッと、可愛い顔でウインクし、結衣は二人について、軽く説明した。
その説明を聞いて、黒江は「えー……」と言って、口を開けて、あんぐりしていた。
一方のキャルはまだ顔を下に向いていた。
「仕方がない。これだけは使いたくなかったが……」
「ッ!?お義兄ちゃん、それは……!?」
突然、レオンは一枚の紙を取り出した。
それは『私の将来の夢』と、書かれた作文だった。しかも、義妹のリオンの作文である。
それを掴んで、レオンは息を大きく吸い、吐き出す。
「黒崎リオン!私の将来の夢は──」
「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
バチン、と、ものすごい音が鳴り響き、リオンはレオンの顔を思いっきりビンタした。
余程、その作文の内容を言われたくないらしく、リオンの顔は真っ赤になっていた。
「ハァ、ハァ……わかった!わかったわよ!やれば良いんでしょ!デュエマを!」
「うむ、よろしい。後、リオン。義兄にビンタをするのはどうかと思うぞ?」
「誰のせいよ!それで、デッキは?ワタシ、もう持ってないんだけど……」
「少し待っていろ……」
そう言って、リオンに叩かれた頬を抑えながら、レオンは立ち上がり、一度、部屋を出て、デッキを取りに行った。
──数分後、デッキを取りに行ったレオンは部屋に戻り、リオンにデッキを渡す。
「これを使え、我が義妹よ。そして、コイツらに闇の素晴らしさを見せつけるのだ!」
「はいはい。その厨二病、良い加減やめてよね」
などと言いつつ、リオンはレオンから渡されたデッキの中見を見る。
サラサラと、手馴れたカードの見方。一通り、見終わると、リオンはデッキをシャッフルした。
「……それで、ワタシの相手は誰?」
「ウチや」
そう黒江が返事を返すと、リオンはシャッフルを止め、デュエマの台の前に立った。
それを見た黒江も、デュエマの台の前に立ち、デッキを置いた。
「それじゃあ……サクッと、終わらせるよ」
「ッ!?」
瞬間、リオンから、もの凄いオーラを感じた黒江は、ほんの少し、手が震えた。
(ウチがビビってる!?まさか、相手は引退した身!ウチが負けるわけあらへん……!)
そう自分に言い聞かせ、黒江は臨戦態勢をとる。
「それじゃ、いくよ──」
「「──デュエマ・スタートッ!!」」