デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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今回の対戦、めちゃくちゃ長いです。


ACE57:黄泉(よみ)より不思議な大樹(たいじゅ)の王。

 

 

 

 ──黒江対リオン。

 

 黒江は《ドルゲユキムラ》が入った緑単ジャイアントを使用。

 3ターン目に、黒江は《雲の超人(クラウド・ジャイアント)》を場に出すことに成功し、マナを一気に7マナまで伸ばしていた。

 対して、リオンのデッキは闇と自然の2色デッキ、黒緑(くろみどり)である。

 2ターン目に《ダーク・ライフ》、3ターン目に《ライマー・ドルイド》を召喚し、墓地とマナを順調に進めていた。

 

 ──そして、黒江の4ターン目。

 

「ウチのターン!双極(ツインパクト)!呪文、《巨打設計図(ジャイアント・インパクト)》!山札の上から3枚を表向きにして、その中にあるジャイアントとスノー・フェアリーをすべて手札に加える!」

 

 捲られたのは《とこしえの超人(プライマル・ジャイアント)》、《チアスカーレット アカネ》、《環嵐(かんらん)!ホールインワン・ヘラクレス》の3枚。

 すべて、ジャイアントであり、《巨打設計図》の効果により、黒江の手札は一気に3枚増えた。

 

「更にウチは《ホールインワン・ヘラクレス》を召喚!効果で……妹さんの墓地をすべてシャッフルして、山札の下に置いてもらう!」

「ッ、最悪!後、その呼び方、やめてください!お義兄(にい)ちゃんの妹ってだけで、スゴく不快です!」

「ええ……」

「リオンよ、義妹(いもうと)とはいえ、義兄(あに)に対して酷くないか?」

「お義兄ちゃんは黙ってて!」

「……じゃあ、なんて呼べば良いの?」

「……普通に名前で呼んでください」

 

 そっぽを向きながら、リオンはそう答えると、黒江は心底、めんどくさいと感じ、深い溜め息を吐いた。

 

「はいはい、わかったよ。リオンちゃん」

「ッ!?ありがとう、ございます……」

 

 リオンがそう返事を返すと、黒江はデュエマに集中し、1マナをタップした。

 

「んじゃ、1マナで、《とこしえの超人(プライマル・ジャイアント)》をついでに召喚して、ターンエンド」

「……ワタシのターン!マナチャージして、3マナで、呪文、《終焉の開闢(ビギニング・オブ・ジ・エンド)》!山札の上から3枚、墓地に置いて、クリーチャーを1体、手札に加える!《龍装鬼(りゅうそうき) オブザ08(ゼロハチ)(ごう)》を手札に加える!」

 

 そう言って、リオンはまた《終焉の開闢》を唱え、先程、使った《終焉の開闢》のクリーチャー面、《オブザ08号》を手札に加える。

 これで、リオンの墓地は6枚まで回復し、墓地と手札に《オブザ08号》が1枚ずつあるため、次のターンも、また同じ動きができる。

 また、2回目の《終焉の開闢》で、切り札を墓地に落とすことに成功した。

 

「ワタシはこれでターンエンドです!」

「ウチのターン!悪いけど、このターンで決めさせてもらうよ!」

 

 そう言って、黒江は2体の《アシスター・サイネリア》を召喚し、《サイネリア》のコスト軽減で、《チアスカーレット アカネ》を3マナで召喚した。

 これで、黒江の場にいるジャイアントは4体以上揃った。

 

「ウチの場に、ジャイアントが4体以上いるので、《ドルゲユキムラ》のG・ゼロ、発動!《アシスター・サイネリア》に進化!マナから《ハヤブサマル》を手札に回収して、手札のコイツをマナに置く!」

「ッ、そのカードは……!?」

「ほう、面白いカードをマナに置いたな……」

 

 黒江が置いたカード──《十番龍(じゅうばんりゅう) オービーメイカー Par(パー)100(ハンドレッド)》に、リオンは驚き、レオンは面白そうに感心していた。

 

「《ホールインワン・ヘラクレス》の効果で、ウチはマナからクリーチャーを1体、場に出せる!そして、コイツはウチの自然のクリーチャーか、自然のタマシードを場に出した数分、コストを3軽減できる!」

 

 先程の《オービーメイカー》を見せながら、黒江はそう説明した。

 黒江はこのターン、《ドルゲユキムラ》のG・ゼロを含めて、自然のクリーチャーを4体場に出している。

 つまり、このターン、黒江の《オービーメイカー》は1マナで召喚できるのだ。

 

「十番目の大地の龍よ、今こそ動き出せ!《十番龍 オービーメイカー Par100》を1マナで紹介!」

 

 黒江の《オービーメイカー》が場に出た瞬間、黒江の場のクリーチャー全てが緑色に光った。

 

「《オービーメイカー》のシビルカウント5!相手のターン中、相手は『場に出た時』の効果などで発動(トリガー)するクリーチャーとタマシードの効果を発動できない!これで、このターン、ウチは決められなくても、リオンのクリーチャーの効果は止めた!」

「ッ、そんな……!?」

 

 その効果にリオンは驚く。

 仮にこのターン、耐え切っても、リオンは次の自分のターン、場に出たクリーチャーの効果が使えない。

 攻撃の体勢を作りつつ、決められなかった時の為の保険で、相手の反撃を完璧に封じる。これが黒江の必勝法である。

 

「さっきも言ったけど、このターンで決めさせてもらう!《ホールインワン・ヘラクレス》と《ドルゲユキムラ》で、シールドをブレイクッ!」

 

 攻撃しながら、《ホールインワン・ヘラクレス》の効果でマナを増やし、リオンのシールドを攻撃した。

 5枚あった、リオンのシールドがすべてブレイクされ、《雲の超人》のダイレクトアタックが決まれば、リオンは負ける。

 

 ──しかし、シールドの中からトリガーが2枚出た。

 

「シールド・トリガー!《閃光(せんこう)守護者(しゅごしゃ)ホーリー》を2体召喚っ!効果で、花宮さんのクリーチャーをすべてタップです!」

「な、光文明のカード!?」

 

 光のシールド・トリガー・クリーチャー、《閃光の守護者ホーリー》によって、黒江のクリーチャーはすべてタップされた。

 まさか、光文明の《ホーリー》が入っていたなんて、と、脳裏で黒江はそう思い、面食らった。

 

「クソ!ターンエンドだ!」

 

 相手のターン中にしか、クリーチャーやタマシードを止められない《オービーメイカー》の弱点を突かれ、黒江は悪態を吐きながら、ターンエンドを宣言した。

 

「──相手のターンの終わりに、手札の《流星(りゅうせい)のガイアッシュ・カイザー》の効果を発動!花宮さんがマナゾーンのカードをタップせず、《ドルゲユキムラ》を場に出したので、このクリーチャーをノーコストで召喚します!」

「な!?」

 

 だが、リオンは黒江がG・ゼロで場に出した《ドルゲユキムラ》の効果を利用し、手札にある《流星のガイアッシュ・カイザー》を場に出した。

 

「《ガイアッシュ・カイザー》が出た時、山札の上からカードを2枚引きます」

 

 またしても、黒江のターン中なので、《オービーメイカー》の効果は貫通され、《ガイアッシュ・カイザー》の効果により、リオンの手札が増えた。

 

「……ワタシのターン。マナチャージ。3マナで呪文、《終焉の開闢》!山札の上から3枚を墓地に置いて、墓地から《オブザ08号》を手札に加える!この時、墓地に置かれた2体の《爆撃男(ばくげきおとこ)》の効果で、花宮さんの《とこしえ》のパワーを−4000!破壊!」

「な!?」

 

 どこからでも墓地に置かれた時、《爆撃男》は『相手のクリーチャー1体のパワーを−2000する』効果があり、それが墓地に2枚置かれたため、《爆撃男》の効果が2回発動し、パワーが4000もある《とこしえの超人》のパワーを0にし、破壊した。

 

(これでリオンの墓地にいる“アレ”が場に出せるな……)

 

 兄、レオンが脳裏にそう思う中、リオンは“アレ”の持つ効果を宣言する。

 

「そして──“フシギバース”、発動!」

「フシギバース!?」

「フシギバース?なんだ、その能力は?」

 

 リオンがまさか、フシギバースを使うことは結衣は驚くも、黒江はそれが何なのかわからず、リオンに問いかけた。

 

「フシギバース能力は、場のクリーチャーを1体、マナに置いて、墓地にあるフシギバースを持ったクリーチャーを場に出せる能力。この時、指定されたフシギバースのコスト分をマナに置いたクリーチャーのコスト分減らせる」

「スゲェ、インチキ効果だな……」

 

 フシギバースの説明を聞いて、黒江はそう言い、リオンは《ホーリー》をタップしてマナに置き、2枚のマナをタップした。

 

「不思議な世界、黄泉(よみ)の世界より深く眠る大樹(たいじゅ)の龍王よ、今こそ蘇れ!《大樹王(だいじゅおう) ギガンディダノス》を召喚ッ!」

「ッ!?」

 

 刹那。リオンが《ギガンディダノス》を場に出した瞬間、黒江に重圧が襲った。

 

(……何だ!?体がすごく、重い!?いや、それよりも──)

 

「《ギガンディダノス》のフシギバースは14。コスト9の《ホーリー》をマナに置いたら、マナコストは5マナ必要だけど、《ガイアッシュ・カイザー》の効果で、コスト10以上のクリーチャーの召喚コストを4下げられる。つまり、《ギガンディダノス》は2マナで召喚できる!」

「ッ!?」

 

 黒江が《ギガンディダノス》のテキストを確認したことに気づいていたのか、リオンは《ガイアッシュ・カイザー》の効果を使って、《ギガンディダノス》を2マナで召喚したことを説明し、それを聞いて黒江は驚く。

 

「《ギガンディダノス》は出た時に、相手の手札をすべてマナに置くけど、花宮さんの《オービーメイカー》の効果で、《ギガンディダノス》の出た時効果は使えない……けど!だからって、何もできないわけじゃないんだよね!もう一度、フシギバース、発動!現れなさい!2体目の《ギガンディダノス》!」

「な!?」

 

 リオンの言葉に黒江は驚く。

 そして、リオンはもう1体の《ホーリー》をマナに置き、2体目の《ギガンディダノス》を場に出した。

 それを見た黒江は絶望し、自身の身体に、さらに重圧が重くのしかかったことを感じた。

 

(まただ!しかも、さっきより、重い……!?)

 

 1体目の《ギガンディダノス》が出た時と同様に、2体目が出た瞬間、黒江の身体はさらに重くなり、その重圧に耐えきれず、膝をついてしまった。

 

「……どうやら、体は限界のようだな」

「っ、どういう意味だ?」

 

 その様子を見て、レオンは小さく、そう言い、それを聞いた黒江は疑問を感じ、レオンに問いかける。

 

「その《ギガンディダノス》はただのカードではない。対戦相手を重圧で押し潰す力がある。故に、まともにデュエマができない状態にするのだ」

「ハッ、なんや、それ……!」

 

 重圧の原因を知り、黒江は無理矢理、体を起こし、立ち上がった。

 それを見て、レオンは驚く。

 

「ほぉ?《ギガンディダノス》が2体いる状態で、立ち上がるとは、中々やるな……」

「黒江……」

 

 重圧による圧力で、立っているのがやっとの黒江の姿に、結衣は心配する。

 

「悪いけど、最後まで付き合ってもらうよ……リオンちゃん」

「……わかりました。ワタシはこれでターンエンドです。ですが、《ギガンディダノス》が場にいる限り、《ギガンディダノス》よりパワーの小さいクリーチャーはワタシに攻撃できません!」

「……マジかよ」

 

 そう言って、黒江はカードを引くも、打開策を引けず、そのままリオンにターンを渡した。

 

「ワタシのターン……《ギガンディダノス》で、ワールド・ブレイクッ!」

 

 そして、リオンは容赦なく、《ギガンディダノス》で黒江のシールドをすべてブレイクした。

 ブレイクされたシールドの中を確認するも、シールド・トリガーが1枚もなかった。

 

「……トリガーはない」

 

「そうですか。それでは、2体目の《ギガンディダノス》で、ダイレクトアタックッ!」

 

 

 

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