デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

59 / 104
ACE59:闇を越えろ!暴走龍&超神星!

 

 

 

 ──あれから2週間が経過した。

 結衣達は喫茶・クロ咲店で、レオンとリオンを相手にデュエマ甲子園に向けて、特訓していた。

 その特訓は地獄のようなものだった。

 退化ギミックを使って、3ターン目に《ゲンムエンペラー》を出されるわ、盾殴ったら、《ホーリー》と《ガイアッシュ・カイザー》をセットで出され、返しのターンには、《ギガンディダノス》が出るわ、もう地獄絵図に等しかった。

 そして、今日も特訓の日に結衣達は来るが、生憎、今日は新弾発売日。

 流石に、特訓よりも新弾を買いに行くだろうと、レオンはたかを括っていた。

 

 ──しかし、三人は今日も、喫茶・クロ咲店に来ていた。しかも、お店の前に。

 

「……二人とも、今日は何が何でも勝つわよ!」

「わかってるよ、結衣」

「やられっぱなしの私達じゃない所、見せてあげるわ!」

 

 そう気合を入れて、三人は店の中に入った。

 店に入ると、レオンは意外そうな顔をして驚いていた。

 

「……まさか、今日も来るとはな。しかも、こんな朝早くに」

「時間が押してるのは百も承知よ。けど、新弾を買う前に、貴方達に勝ってから、新弾を買いたいの」

「なるほどな。リオンよ、対戦の準備に入るぞ」

「はいはい。面倒だけど、サクッと終わらせるよ!」

 

 そう言って、リオンは学校の鞄を置いて、奥の部屋に入った。

 それを見たレオンは思い出したかのように、結衣にこう言った。

 

「そう言えば、貴様に客が来ているぞ」

「客?私に?」

「ああ。しかも、特訓の相手をしてくれると申し出ている。どうする?」

「……わかった。話し相手のついでに、新しいデッキの練習台になってもらうわ」

 

 少し考えた後、結衣はそれを承諾し、それを聞いてレオンは「そうか、それなら良かった」と言って、先に、奥の部屋に入ろうと足を運んだが、出入り口の前に足を停止した。

 

「……ああ、そうだ。今回は特別仕様で、一人ずつ入ってこい。30秒ぐらい待ってから部屋に入れよ」

 

 それだけ言って、レオンは奥の部屋に入った。それを聞いて、結衣達は一人ずつ、順番に奥の部屋に入った。

 

 

 

「まさか、最後の最後まで、貴様が相手か……」

「……」

 

 奥の部屋に入ると、キャルの前にレオンが立ち塞がるかのように仁王立ちしていた。

 

「……さて、何から話すか」

「前振りはいらないわ。私はもう迷わない。結衣のためにも、(アイツ)のためにも、私は……アンタに勝つ!」

 

 その言葉に、レオンはニヤリと、薄ら笑みを浮かべ、叫んだ。

 

「良かろう!ならば、貴様の強き覚悟、この俺に見せてみよッ!」

「行くわよ!」

 

「「デュエマ・スタートッ!!」」

 

 

 

 ──先行、キャルの3ターン目。

 

「呪文、《邪侵入(ジャスト・イン・ユー)》!山札の上から4枚を墓地に置くわ!その後、《バウワウジャ》を復活させて、さらに4枚を墓地に置くわ!ターンエンド!」

 

 キャルは2ターン目に出した《ベル=ゲルエール》に続いて、《邪侵入》と《バウワウジャ》で、一気に墓地を肥やしていた。

 

 対してレオンは前と同じように、《ゲンムエンペラー》を軸にした退化デッキだが、今回は自然を加えたアナカラーで、2ターン目に《地龍神(ちりゅうしん)魔陣(まじん)》を唱え、マナを1枚増やした。

 

 そして、レオンの3ターン目が今、始まるところだ。

 

「俺のターン。マナチャージして、《デドダム》を召喚。マナと墓地と手札を増やし、余ったマナで、《エマージェンシー・タイフーン》を唱える。山札からカードを2枚引いて、手札を1枚、墓地に置く。墓地に置くのは──当然、《ゲンムエンペラー》だ」

「ッ!?」

 

 突然、墓地に置かれた《ゲンムエンペラー》に、キャルは驚き、手が一瞬、震えた。

 

「そう怯えるな。まだデュエマは始まったばかりだ。俺はこれでターンエンドだ」

「……私のターン。マナチャージして、《フォーク=フォック》を召喚。山札の上から3枚を墓地に置いて、アビスを持つ《ジャシン帝》を手札に加えるわ。ターンエンド」

「先程から墓地を増やしているな、貴様。何を狙っているかは知らんが、ここで封じさせてもらうぞ!」

 

(来る……!)

 

 身構えるキャル。対してレオンは勢いよく、カードを引き、マナをチャージして、闇のカードを1枚、タップした。

 

「墓地進化!《デスマーチ》を召喚!そして呪文、《落城の計》!《デスマーチ》を剥がし、我が切り札(ACE)、《ゲンムエンペラー》を場に出す!これで貴様は終わりだ!ターンエンド!」

 

 レオンの《ゲンムエンペラー》が現れたことにより、キャルはコスト5以下のクリーチャーと呪文が使えなくなった。

 

 初めてレオンと戦った時と同じ状況である。

 

(あの時と同じ状況だけど、大丈夫!結衣のアドバイスで、墓地にクリーチャーを10枚貯めた!)

 

 しかし、キャルには秘策があった。《ゲンムエンペラー》がいる状況で、足掻ける秘策が──

 

 

 

 ──時は1週間前に遡る。

 

『まず、《ゲンムエンペラー》が出た段階で、アビスデッキは軒並み機能不全になるから、アビスラッシュで速攻したいけど……』

『わかってる。けど、私は《ゲンムエンペラー》がいる状態で勝ちたい!じゃないと、あの男の闇の切り札()を越えないと、私は先へ進めない気がする!』

『……わかった。それならこれとこれ、後、これを試しに入れてみて。アビスじゃないけど、少なくとも、《ゲンムエンペラー》がいる状態で足掻けるから、入れるに越したことはないと思う』

『!?結衣!ありがとう!』

 

 

 

「──私のターン!」

 

 勢いよくカードを引き、キャルは火文明のカードをマナに置いた。

 それを見たレオンは驚く。

 

「火文明のカード?まさか!?」

「そのまさかよ!」

 

 マナに置いた火文明のカードを含めた2枚のカードをタップした。

 

「あの時のリベンジ、果たせてもらうわよ!墓地にあるクリーチャーの数だけ、このクリーチャーのコストを下げられる!10コスト軽減!《暴走龍(ライオット) 5000GT(ジーティー)》を2マナで召喚!」

 

 現れたのは無法の暴走龍、《暴走龍 5000GT》。火文明のアウトレイジであり、キャルの秘策の一つだ。

 

「《5000GT》が場に出た時、パワー5000以下のクリーチャーをすべて破壊!」

 

 キャルの《ベル=ゲルエール》と《フォーク=フォック》、レオンの《デドダム》が《5000GT》の効果により破壊され、墓地に置かれた。

 

「さらに墓地のクリーチャー11枚を進化元にして、11コスト軽減!超無限墓地進化!《超神星(ちょうしんせい)DOOM(ドゥーム)・ドラゲリオン》を1マナで召喚!」

 

 今度は闇のフェニックスにして、デーモン・コマンドとドラゴン・ゾンビの3つを持つ闇の進化クリーチャー、《超神星DOOM・ドラゲリオン》が現れた。

 

「残ったマナで、《ジャブラッド》を召喚!そして、《DOOM・ドラゲリオン》で攻撃する時、メテオバーン、発動ッ!」

 

 進化クリーチャーの《DOOM・ドラゲリオン》の下のカードを1枚選び、墓地に置いた。

 そして、キャルは《DOOM・ドラゲリオン》の真の能力、メテオバーン能力を発動させる。

 

「アンタの《ゲンムエンペラー》のパワーを−9000!その後、墓地から《ラゼル=ズバイラル》を復活させる!」

「《ラゼル=ズバイラル》!?このタイミングでか!?」

 

 ここにして、アビスロイヤルの《ラゼル=ズバイラル》を場に出すキャル。

 そして、レオンは気づく。

 ここまで、キャルが出してきたクリーチャーはすべて《ゲンムエンペラー》の効果の範囲外であること。

 

(まさか、ここまで《ゲンムエンペラー》の弱点をついてくるとはな……)

 

「《ラゼル=ズバイラル》の効果!シールドを2枚ブレイクされるか、手札をすべて捨てるか、選びなさい!」

「《バイケン》はないが、シールドを減らすわけにはいかん!手札をすべて捨てる!」

 

 手札をすべて捨てることを選んだレオンはキャルの《DOOM・ドラゲリオン》の攻撃に備える。

 

「《DOOM・ドラゲリオン》で攻撃!T・ブレイク!」

「っ!?」

 

 ブレイクされる3枚のシールド。その中にはG(ガード)・ストライクの《地龍神の魔陣》とシールド・トリガーの《エマージェンシー・タイフーン》があった。

 しかし、《ゲンムエンペラー》の効果はレオンにも及ぶため、それらの効果は打ち消しされている。

 

「《5000GT》で、W・ブレイク!」

「っ、トリガーは……ないか」

 

 残り2枚のシールドの中にも、G・ストライクがあったが、《ゲンムエンペラー》の効果により、レオンは何もできない。

 

「──これで終わり!《バウワウジャ》で、ダイレクトアタック!」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。