デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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ACE60:(パワー)を越えろ!天災(ディザスター)の戦慄!

 

 

 

 同じ頃、黒江はリオンと相対していた。

 

 お互いに、お得意のマナ加速でマナを伸ばしつつ、黒江は手札を、リオンは墓地を増やしていた。

 

 ──そして、先に仕掛けたのはリオンだった。

 

「フシギバース!《オブザ08号》をマナに置いて、《ギガンディダノス》を墓地から召喚っ!場に出た時の効果で、黒江さんの手札をすべてマナに置いてもらいます!」

「ッ、クソ!折角貯めた手札が……!」

 

 リオンの《ギガンディダノス》の効果により、黒江は大量の手札をマナに置かれた。

 幸い、タマシード状態の《ホールインワン・ヘラクレス》がいるため、マナにいるクリーチャーを場に出せる。

 しかし、いかに《ホールインワン・ヘラクレス》で、クリーチャーをマナに出せるといっても、パワー50000もある《ギガンディダノス》を越えるクリーチャーなど、早々にいない。

 

(まぁ、いつものウチなら早々に諦めてたけど、今回ばかりは諦めるわけにはいかないんでね!)

 

 

 

 ──1週間前の夜。

 

『正直に言うと、どんなにパワーが高いジャイアントでも、《ギガンディダノス》のパワーの前では歯が立たない。だから、パワー以外の方法で、対処するしかない』

『《ナチュラル・トラップ》じゃ、焼石に水だろ?《罠の超人(トラップ・ジャイアント)》でも同じだし、どうすれば……』

『そこでよ。パワーで勝てない相手には頭を使うのよ。わかりやすく言うと、魔法ね』

『?いや、そうだけど、それじゃあ何も解決しないんじゃ……あ』

『どうやら、気づいたみたいね。まぁ、そう言うことだから、後は黒江次第よ』

『……はぁー。ウチ、アレ、あんま好きじゃないんだよな』

『そこは頑張って』

『へいへーい』

 

 

 

「──ウチのターン!ドロー!」

 

 勢いよくカードを引く黒江だが、手札1枚で、この状況を逆転できるわけでもなく、引いたカードをマナに置いた。

 

「《ホールインワン・ヘラクレス》の効果で、マナからクリーチャーを1体、場に出せる!」

 

 しかし、黒江はターンを終えず、《ホールインワン・ヘラクレス》の効果で、マナからクリーチャーを場に出す。

 

「何を出しても、《ギガンディダノス》の前じゃ、すべてが無意味だよ!」

「確かに、普通にクリーチャーを召喚してもダメだ。だから……」

 

 静かに告げる黒江の言葉に、リオンは今までにない、重圧(プレッシャー)を感じた。

 

(何?この感覚?)

 

 訳の分からないプレッシャーを感じながら、リオンは身構える。

 

「──さぁ、すべてを無に帰ろうぜ、《「修羅(しゅら)」の(いただき) VAN(ヴァン)・ベートーベン》を召喚!」

 

 それは無に帰す者。文明を持たない第6の文明、ゼロ文明のキング・コマンド・ドラゴン、《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》だった。

 

(《VAN・ベートーベン》!?ジャイアントデッキになんであのカードが入ってるの!?)

 

 まさかの《VAN・ベートーベン》にリオンは面食らい、動揺を隠せず、驚いてしまった。

 

「召喚によって、場に出た《VAN・ベートーベン》の効果を発動!相手のクリーチャーをすべて、手札に戻す!」

「っ、しまった!《ギガンディダノス》が……!」

 

 12マナも必要な《ギガンディダノス》を再召喚するには時間がかかる。オマケに、ドラゴンとコマンドを封じる《VAN・ベートーベン》がいるため、その難易度は格段に上がる。

 

「ウチはこれで、ターンエンド」

「っ、ワタシのターン!」

 

 勢いよくカードを引くも、手札が高コストのクリーチャー且つ、《VAN・ベートーベン》がいるせいで、迂闊にドラゴンを場に出せない。

 

「……ターンエンド」

「ウチのターン……さぁて、反撃させてもらうぜ!」

 

 そう言って、黒江は5枚のマナをタップした。

 

「《轟廻(ごうかい)!グランドスラム・スコーピオン》を召喚!マナゾーンのカードを4枚アンタップ!さらに4マナで、《ホールインワン・ヘラクレス》をマナから場に出して、3体目の《ホールインワン・ヘラクレス》を場に出す!そして──」

 

 3体目の《ホールインワン・ヘラクレス》の効果で、黒江はマナから切り札を場に出す。

 

「──G・ゼロ!2体目の《ホールインワン・ヘラクレス》を《ドルゲユキムラ》に進化!場に出た時に、マナからもう一枚、《ドルゲユキムラ》を手札に加えて、3体目の《ホールインワン・ヘラクレス》の上に進化!」

 

 これで、黒江の攻撃可能なクリーチャーは4体。しかも、いずれも、T・ブレイカーを持っている。

 

(ああ、これは終わった……)

 

 その盤面に、リオンは自分が負けることを悟った。

 元々、守りがあまり堅くないデッキなため、数による物量と質量には滅法(めっぽう)弱い。

 

「《ドルゲユキムラ》2体で、シールドをすべてブレイク!」

「トリガーは……まぁ、ないよね……」

 

 トリガーがないことを確認した黒江は《VAN・ベートーベン》に手を置く。

 

「──《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》で、ダイレクトアタック!」

 

 

 

 キャルと黒江が対戦を終えてる中、最後に残った結衣は今、苦戦していた。

 

 なぜなら──

 

「さぁ、結衣、この状況をどうやって巻き返すんだ?」

「……」

 

 ──相手は結衣の兄、赤羽光太だからだ。

 

 

 

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