──遡ること、数分前。
最後に部屋に入った結衣はレオンから「お前の客が来ている」と言われて、それが誰なのか、わからなかった。
しかし、その部屋で待っていたのは結衣の兄、光太だった。
「お兄ちゃん!?何で
突如、アメリカから日本に帰ってきた兄、光太を見て、結衣は動揺のあまり、驚きの声を上げた。
「何でって、オマエや勝が心配で、日本に帰ってきたんだ。そしたら、レオンに結衣の相手をいきなり頼まれてよ……」
結衣の問い掛けに光太はそう答え、それを聞いた結衣は普段通りの冷静さを取り戻し、ゆっくりと、静かに口を開いた。
「……兄さんには関係ないよ」
「……そうか」
(レオンの言う通りに、勝の話を出すと、不機嫌になるな。何でだ?)
久しぶりに会うなり、辛辣な表情を浮かべる結衣の姿を見て、光太はレオンと事前に話していたことを思い出し、彼の予想が当たったことに、心底ガッカリし、深い溜め息を吐いた。
「……結衣。オレはオマエのアニキだ。そして、勝はオレの後輩だ。二人が仲良くしてくれないと、アニキとしては心配なんだよ、オレは」
「それは兄さんの考えでしょ?私と勝は、もうその段階を越えたの。今更、兄っぽいことされても迷惑よ!」
荒げる声を上げる結衣のごもっともな意見に、光太はほんの少し凹むも、すぐに気持ちを切り替え、デッキを取り出した。
「わかった。それなら、コイツで決着をつけようか……」
「望むところよ!」
その言葉を合図に、二人は揃って、叫び声を上げた。
「「デュエマ・スタート!」」
──そんなわけで現在に至る。
そして、光太の5ターン目。
光太は《スターゲイズ・ゲート》で、《
場に出た《ヴァルハラ・パラディン》の効果でシールドを1枚増やし、結衣の《アシスター・
幸い、結衣の場には《コーボー・マジカルショッカー》がいるため、まだ巻き返せる。
「……私のターン」
渋々と言った感じに結衣はカードを引き、少し考えた後に、手札を1枚、マナに置き、4枚のマナを倒した。
「呪文、《
「GR召喚!?そういえば、GRゾーンにカードが置かれていたな……」
その言葉に光太は驚くも、結衣の墓地の横に置かれている12枚の白いカードの束、“
──超GRとは、裏向きが白く、山札とは別に、12枚のカードが必要とする束であり、同じカードは2枚までで、それらはすべて、
そして、そのGRクリーチャーを場に出すには、先程の結衣が使用した《水筒の術》のように、『GR召喚』と書かれたカードを使い、超GRの一番上からGRクリーチャーを召喚するのだ。
この時、超GRのカードはゲーム開始時に、山札と一緒に準備し、山札と一緒にシャッフルするのだ。
またに、ガチャのようなチャレンジ。ランダム性が非常に高く、何が出るかはわからないのだ。
「超GRで捲られたのは……《パス・オクタン》と
今度は山札の上から3枚を見る。
その中には、このデッキの切り札、《
「魔法を極めるは音楽の
──これが結衣の新たな
そして、結衣の右目がどこか魔法使いのような杖が浮かび上がった。
「ッ!?」
それを見た光太は静かに驚き、脳裏にこう思った。
(まさか、結衣が魔法使いに目覚めるとはな……まぁ、元々、水やら氷やら扱ってたし、今更驚くことでもないか……)
「《Drache der'Zen》が場に出た時、山札からカードを3枚引いて、2枚を墓地に置くわ!私はこれで、ターンエンド!」
たった1ターンで、クリーチャーを3体増やした結衣は攻撃せず、ターンを終えた。
オマケに、タマシード・クリーチャーの条件である同じ文明の水のクリーチャーか、水のタマシードを4枚以上、揃えたことで、《Drache der'Zen》はクリーチャーと化した。
「やるな、結衣!こっちもウカウカしていられなくなってきたぜ!」
「余裕でいられるのも今のうちよ、兄さん」
「ハハ、全くだ……オレのターン!」
勢いよくカードを引き、その引いたカードを見て、光太はニヤリ、と、不敵な笑みを浮かべた。
「悪いな、結衣。こっちも全力でいかせてもらうぜ!」
そう言って、手札を1枚、マナに置き、6枚のマナをすべてタップした。
「──開け、天国の門!呪文、《ヘブンズ・ゲート》!手札から進化ではない、光のブロッカーを2体、場に出すぜ!」
刹那。光太の瞳が黄色に変化し、右目に『天』、左目に『光』の二文字が浮かび出した。
それを見た結衣は咄嗟に、両目を水色に変化し、左目に『氷』の文字を浮かばせた。
そして、結衣の後ろに《Drache der'Zen》が実体化した。
後に続くかのように、光太の後ろにも、《ヴァルハラ・パラディン》が実体化し、その後ろには先程、光太が唱えた《ヘブンズ・ゲート》の門が現れた。
「出番だせ、オマエら!《
現れたの《ヴァルハラ・パラディン》と同じ、種族にエンジェル・コマンド・ドラゴンを持つ《歴戦の精霊龍 カイザルバーラ》と、天使と悪魔、そして、科学の力を持つ《電磁魔天イエス・ザナドゥ》の2体だった。
そのうち、《イエス・ザナドゥ》だけが実体化し、《ヴァルハラ・パラディン》の横に並び立つ。
「《イエス・ザナドゥ》が出た時、墓地からシールド・トリガー付き呪文をただで唱えられる!こうして唱えた呪文は墓地ではなく、表向きでシールドゾーンに置かれる!」
そう言って、光太は自身の墓地から呪文カードを1枚、手にする。
「オレが唱えるのはコイツだ!呪文、《サイバー・ブレイン》!山札からカードを3枚ドロー!その後、《イエス・ザナドゥ》の効果で、表向きでシールドゾーンに置く!」
「ッ、《ヘブンズ・ゲート》じゃなくて、《サイバー・ブレイン》!?まさか……!?」
本来なら、《ヘブンズ・ゲート》を唱え、ブロッカーを並べて、結衣の攻撃を備えるが、あえて、そうせず、手札を増やしたと言うことは、光太はこのターンで決めると言う合図だ。
「続いて、《カイザルバーラ》の効果で、カードを引いて、コスト7以下の光のクリーチャーを場に出す!オレが場に出すのは──コイツだ!」
光太の叫びに答えるかのように、『真』という文字が浮かび上がり、そこからクリーチャーが現れた。
「──真実をこの手に!《
次回に続きます。