デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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ACE61:光を越えろ!奏でる魔法vs真実の光!

 

 

 

 ──遡ること、数分前。

 

 最後に部屋に入った結衣はレオンから「お前の客が来ている」と言われて、それが誰なのか、わからなかった。

 

 しかし、その部屋で待っていたのは結衣の兄、光太だった。

 

「お兄ちゃん!?何で日本(ここ)にいるの!?」

 

 突如、アメリカから日本に帰ってきた兄、光太を見て、結衣は動揺のあまり、驚きの声を上げた。

 

「何でって、オマエや勝が心配で、日本に帰ってきたんだ。そしたら、レオンに結衣の相手をいきなり頼まれてよ……」

 

 結衣の問い掛けに光太はそう答え、それを聞いた結衣は普段通りの冷静さを取り戻し、ゆっくりと、静かに口を開いた。

 

「……兄さんには関係ないよ」

「……そうか」

 

(レオンの言う通りに、勝の話を出すと、不機嫌になるな。何でだ?)

 

 久しぶりに会うなり、辛辣な表情を浮かべる結衣の姿を見て、光太はレオンと事前に話していたことを思い出し、彼の予想が当たったことに、心底ガッカリし、深い溜め息を吐いた。

 

「……結衣。オレはオマエのアニキだ。そして、勝はオレの後輩だ。二人が仲良くしてくれないと、アニキとしては心配なんだよ、オレは」

「それは兄さんの考えでしょ?私と勝は、もうその段階を越えたの。今更、兄っぽいことされても迷惑よ!」

 

 荒げる声を上げる結衣のごもっともな意見に、光太はほんの少し凹むも、すぐに気持ちを切り替え、デッキを取り出した。

 

「わかった。それなら、コイツで決着をつけようか……」

「望むところよ!」

 

 その言葉を合図に、二人は揃って、叫び声を上げた。

 

「「デュエマ・スタート!」」

 

 

 

 ──そんなわけで現在に至る。

 

 そして、光太の5ターン目。

 

 光太は《スターゲイズ・ゲート》で、《闘門(とうもん)精霊(せいれい)ウェルキウス》を場に出し、その《ウェルキウス》の効果で、光太のお気に入りの(マイフェイバリット)カード、《封印(ふういん)精霊龍(せいれいりゅう) ヴァルハラ・パラディン》を場に出した。

 場に出た《ヴァルハラ・パラディン》の効果でシールドを1枚増やし、結衣の《アシスター・Mogi(モギ)林檎(リンゴ)》をタップさせて、ターンを終えた。

 幸い、結衣の場には《コーボー・マジカルショッカー》がいるため、まだ巻き返せる。

 

「……私のターン」

 

 渋々と言った感じに結衣はカードを引き、少し考えた後に、手札を1枚、マナに置き、4枚のマナを倒した。

 

「呪文、《水筒(すいとう)(じゅつ)》!呪文の効果で、GR(ガチャレンジ)召喚を2回行う!」

「GR召喚!?そういえば、GRゾーンにカードが置かれていたな……」

 

 その言葉に光太は驚くも、結衣の墓地の横に置かれている12枚の白いカードの束、“(ちょう)GR(ガチャレンジ)”が置かれていることに気づく。

 

 ──超GRとは、裏向きが白く、山札とは別に、12枚のカードが必要とする束であり、同じカードは2枚までで、それらはすべて、GR(ガチャレンジ)クリーチャーという特殊なクリーチャー・タイプで構成されている。

 そして、そのGRクリーチャーを場に出すには、先程の結衣が使用した《水筒の術》のように、『GR召喚』と書かれたカードを使い、超GRの一番上からGRクリーチャーを召喚するのだ。

 この時、超GRのカードはゲーム開始時に、山札と一緒に準備し、山札と一緒にシャッフルするのだ。

 またに、ガチャのようなチャレンジ。ランダム性が非常に高く、何が出るかはわからないのだ。

 

「超GRで捲られたのは……《パス・オクタン》とC.A.P. (キャプテン)アアルカイト》!この2体を召喚して、《コーボー・マジカルショッカー》の効果を起動!各ターン、はじめて自分が呪文を唱えた時、手札を1枚捨てて、マジック・メクレイド5を発動!」

 

 今度は山札の上から3枚を見る。

 その中には、このデッキの切り札、《Drache(ドラッヘ) der'Zen(ダーゼン)》があった。

 

「魔法を極めるは音楽の水龍(すいりゅう)!さぁ、(かな)でましょう!《Drache der'Zen》!」

 

 ──これが結衣の新たな切り札(ACE)、《Drache der'Zen》。

 

 そして、結衣の右目がどこか魔法使いのような杖が浮かび上がった。

 

「ッ!?」

 

 それを見た光太は静かに驚き、脳裏にこう思った。

 

(まさか、結衣が魔法使いに目覚めるとはな……まぁ、元々、水やら氷やら扱ってたし、今更驚くことでもないか……)

 

 (なか)ば呆れ気味に、光太はそう思い、デュエマに集中した。

 

「《Drache der'Zen》が場に出た時、山札からカードを3枚引いて、2枚を墓地に置くわ!私はこれで、ターンエンド!」

 

 たった1ターンで、クリーチャーを3体増やした結衣は攻撃せず、ターンを終えた。

 オマケに、タマシード・クリーチャーの条件である同じ文明の水のクリーチャーか、水のタマシードを4枚以上、揃えたことで、《Drache der'Zen》はクリーチャーと化した。

 

「やるな、結衣!こっちもウカウカしていられなくなってきたぜ!」

「余裕でいられるのも今のうちよ、兄さん」

「ハハ、全くだ……オレのターン!」

 

 勢いよくカードを引き、その引いたカードを見て、光太はニヤリ、と、不敵な笑みを浮かべた。

 

「悪いな、結衣。こっちも全力でいかせてもらうぜ!」

 

 そう言って、手札を1枚、マナに置き、6枚のマナをすべてタップした。

 

「──開け、天国の門!呪文、《ヘブンズ・ゲート》!手札から進化ではない、光のブロッカーを2体、場に出すぜ!」

 

 刹那。光太の瞳が黄色に変化し、右目に『天』、左目に『光』の二文字が浮かび出した。

 

 それを見た結衣は咄嗟に、両目を水色に変化し、左目に『氷』の文字を浮かばせた。

 

 そして、結衣の後ろに《Drache der'Zen》が実体化した。

 後に続くかのように、光太の後ろにも、《ヴァルハラ・パラディン》が実体化し、その後ろには先程、光太が唱えた《ヘブンズ・ゲート》の門が現れた。

 

「出番だせ、オマエら!《歴戦(れきせん)の精霊龍 カイザルバーラ》と《電磁魔天(でんじまてん)イエス・ザナドゥ》を場に出す!」

 

 現れたの《ヴァルハラ・パラディン》と同じ、種族にエンジェル・コマンド・ドラゴンを持つ《歴戦の精霊龍 カイザルバーラ》と、天使と悪魔、そして、科学の力を持つ《電磁魔天イエス・ザナドゥ》の2体だった。

 そのうち、《イエス・ザナドゥ》だけが実体化し、《ヴァルハラ・パラディン》の横に並び立つ。

 

「《イエス・ザナドゥ》が出た時、墓地からシールド・トリガー付き呪文をただで唱えられる!こうして唱えた呪文は墓地ではなく、表向きでシールドゾーンに置かれる!」

 

 そう言って、光太は自身の墓地から呪文カードを1枚、手にする。

 

「オレが唱えるのはコイツだ!呪文、《サイバー・ブレイン》!山札からカードを3枚ドロー!その後、《イエス・ザナドゥ》の効果で、表向きでシールドゾーンに置く!」

「ッ、《ヘブンズ・ゲート》じゃなくて、《サイバー・ブレイン》!?まさか……!?」

 

 本来なら、《ヘブンズ・ゲート》を唱え、ブロッカーを並べて、結衣の攻撃を備えるが、あえて、そうせず、手札を増やしたと言うことは、光太はこのターンで決めると言う合図だ。

 

「続いて、《カイザルバーラ》の効果で、カードを引いて、コスト7以下の光のクリーチャーを場に出す!オレが場に出すのは──コイツだ!」

 

 光太の叫びに答えるかのように、『真』という文字が浮かび上がり、そこからクリーチャーが現れた。

 

「──真実をこの手に!《(しん)龍覇(りゅうは) ヘブンズロージア》ッ!!」

 

 

 




次回に続きます。
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