デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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お久しぶりです。
色々と悩みましたが、合宿に入る前の伏線回です。
後、投稿が遅れてすみません!
それではACE64、どうぞ!


ACE64:少年の悪夢と、ちょっとした事故。

 

 

 

 ──とある白い世界。

 

 そこに一人の少年が立っていた。

 

「……」

 

 少年は周囲を見渡した。

 誰もいない。いるのは少年、ただ一人のみ。

 

(……ここは……もしかして、夢?)

 

 そう思った少年はここが夢だと気づく。

 

(……一先ず、前に進んでみるか)

 

 再び周囲を見渡した後、少年は一歩ずつ、前へゆっくりと歩み始める。

 

 少し歩いた後に、少年の前に薄らと影が現れ、そこから人の形となり、やがて、少年へと姿を変えた。

 

「……!?」

 

 突然現れたもう一人の自分に驚き、少年は「君は一体、何者なんだ?」と、問い掛ける。

 

「……君はどうして強くなりたいんだ?」

「……?」

 

 しかし、もう一人の自分は少年に答えず、逆に少年に問いかけた。

 

「どうしてって、守りたい人が居るからだよッ!」

 

 そう強く、少年は答えた。

 

「──あの女、■■のためか?」

 

「!?」

 

 後ろから、またもう一人の自分が現れ、その自分に少年は驚きつつ、「そうだよ!」と、答える。

 

「──違うね。君は勝ちたいんだ」

 

「──■■■■、■■■■、■■■■。この三人に、君は勝ちたいんだ」

 

「──と言っても、■■は勝ってる。■■には……勝ってるけど、その前に負けてるから、引き分け(イーブン)だね」

 

「──対して、■■……■■■には負けちゃってるし、■■さんは傷ついちゃうし、■■さんの紫色の右目も奪われちゃうし、最悪だね」

 

 また一人、一人と、自分が現れ、そこからさらに、自分が増えていった。

 気がつけば、少年の周りには、自分自身が囲んでいた。

 

「……ッ、やめてくれッ!」

 

 そう強く叫び、少年は自身を取り囲む自分達を手で振り払った。

 すると、少年に似た彼らは消えた。だが、すぐさま、新たな自分が少年の前に現れた。

 

「……最低だよね?」

 

「ッ、違う!■■ちゃんは何か考えがあって、行動してる!■■だって、■■ちゃんのために行動してる!■■■だって、きっと、紫の目の力で振り回されて、暴走して、■■■■■■に操られて……」

 

「──だとしても、彼らがやっていることは最低なことだ。最低な行いだ。そうは思わないか?」

 

「違うッ!」

 

「違うと何故言い切れる!」

 

「ッ!?」

 

 その言葉に、少年は口を詰まらせる。

 

「何故違うと言い切れる?何故彼らを庇う?君の大事な人……■■さんを傷つけた彼らを庇う必要があるんだ?何故だ?答えろ、■■■ッ!」

 

「──ッ!?」

 

 言葉が出なかった。

 否定する言葉も、そうする理由も、何も、言葉が出なかった。

 

「……結局、君はそういう人間なんだよ、■■■」

 

 そう言うと、少年に似た彼は幼い頃の少年へと姿を変えた。

 

「君は優しい。けど、本当はただ認めてほしかった。構ってほしかった。優しくて、可哀想な自分を助けてくれる手がほしかった。だけど、彼女は……■■■■は君を助けなかった。寧ろ、君を傷つけるばかりだ。こんなにも傷ついているのに。こんなにも、助けを求めているのに。それなのに、■■■■は……■■ちゃんは僕を傷つけてるだけだッ!それがわからない僕じゃないだろ!」

 

「違うッ!違う違う違う違う違う違う……絶対に、違うッ!」

 

「絶対なんて、言葉を使うな!」

 

「ッ!?」

 

 気がつけば、幼い自分は少年の前に近づいていた。

 突然、近づいてきた自分に、少年は驚き、腰をおろし、足が地面についた。

 

「いいか?よく聞け?この世に絶対はない!この世にあるのは結果だ!結論だ!仮定なんて、意味をなさないッ!」

 

 最後に「そうだろ?」と、問いかけられた時、少年は「うん」と頷きかけるも、すぐに口を塞いだ。

 

「……違う」

 

「違わないさ。いい加減、目を覚ませ、僕……」

 

 そう言われた時、少年は「違う!」と、強く否定し、叫び、目の前にいる自分を突き放し、立ち上がった。

 

「……君は……僕じゃないッ!君は昔の“弱い僕”だッ!」

 

 そう言うと、彼はニヤリと、薄ら笑みを浮かべた。

 

「違わないさ。だって、君は──“弱い僕”のままだよ?今も昔も……ね?」

 

 ──ブツッ!

 

 突然の音と彼の言葉を合図に、彼らの世界はそこで閉ざされた。

 

 

 

 

 

「──ッ!?」

 

 少年──火野勝は勢いよく目を覚ました。

 

「……とても、いやな夢、だったな」

 

 そう小さく呟くと、背中から大量の汗が出ていることに気づき、勝は時計の針を観る。

 時刻は今、午前6時55分。ちょうど7時になる前である。

 

(……先に、シャワーでも浴びよ)

 

 そう思った勝はベッドから離れ、着替えを持って、風呂場に向かう。

 いくらマリと共同生活しているとはいえ、流石に風呂と食事と学校に行く準備は自分でしないといけない。

 これは当たり前である。だが、一番最初に生活する際、マリが「勝様の世話は私に任せてください!」などと、言い出すので、お互いに話し合った結果、洗濯物以外は交代で家事をすることにした。

 その結果、勝は人並みに一人で家事ができるようになり、最近は自分からやるようにしている。

 

(ただ最近、夏が近くなってるからか、部屋が熱いんだよね……クーラーはあるけど、電気代かかるし……かと言って、夏の間、扇風機で過ごすのは無理があるな……マリちゃんともう一度話し合うか……)

 

 脳裏でそう思う中、勝は風呂場の扉を開ける。

 

「え……?」

 

 扉を開けた途端。同居人、月野マリがそこにいた。しかも、服を脱いで、下着が出た状態で、だ。

 幸い、下着でマリの大事な部分は隠れているが、それでも、ほぼ裸なのは変わらない。

 

「……」

「……勝様、何か言うことは?」

「……ごめんなさい」

「フンッ!」

 

 勝の謝罪の(つか)の間、マリは回し蹴りで、勝の顔を勢いよく蹴った。

 

 ──バタンッ!と、そんなアニメみたいな音が鳴り響き、勝はそのまま仰向けの状態で廊下に倒れた。

 

「り、理不尽だ……」

 

 そう言って、勝は倒れたまま気絶した。

 

 その日、勝は学園に遅刻したのは言うまでもなく、何故か、顔に少し大きめの絆創膏(ばんそうこう)が貼られていたが、勝はその理由を答えなかった。

 

 

 




最後のオチ、どうにかならなかったのか?
ならなかったのです。
だって、この作品、最近、シリアス要素が多すぎるので、そろそろお約束要素やギャグ要素を取り入れて、どうにかして、安定化?じゃないけど、安心感が欲しいところです。
こんな感じですが、今後とも、この作品をよろしくお願いします。
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