まぁ、気にしても仕方がないか。
「逃げずに、よく来たね、勝!」
「逃げるわけないだろ?と言うか、逃げたら、困るのは咲恋ちゃんだろ?」
「……それもそうね」
ここはACE学園の体育館の中。そこで、勝と咲恋は
前日、咲恋から『ACE・デュエマ部』に入部してほしいと頼まれ、勝は一度断るも、エリカと相談した後、デュエマで咲恋が勝ったら、入部する、と、勝は自分から言い出したのだ。
そして今、部活存続のため、今か今かと、デュエマが始まろうとしている。
「……それじゃあ、始めましょう」
「うん……」
「「デュエマ・スタートッ!」」
「私のターン!マナをチャージして、《
「げっ、《テスタ・ロッサ》!?」
先行、咲恋の2ターン目。
咲恋は火の踏み倒しメタクリーチャー、《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》を召喚した。それを見た勝は早速、げんなりしていた。
勝のデッキは前回同様に、《ボルシャック・バラフィオル》で展開する火と自然のドラゴンデッキ。
それに対して、咲恋のデッキは、マナゾーンを見る限り、火と水と光の三色デッキ。通称、ラッカ・カラーで、《テスタ・ロッサ》を始めとした、相手の動きを制限するクリーチャーを軸にしたメタビートデッキだった。
つまり、勝にとっては咲恋のデッキはとても相性が悪いのだ。
「マジかぁ……とりあえず、ドロー。マナチャージして、呪文、《メンデルス・ゾーン》!山札の上から2枚を見て、その中にあるドラゴンをすべて、タップしてマナに置く!2枚とも、ドラゴンだから、2ブースト!」
「嫌そうな顔をしつつ、しっかりと、《メンデル》を引いて、2ブーストを決めてくるわね」
「それでも、嫌なものは嫌だよ!ターンエンド!」
実際、《テスタ・ロッサ》が出たことで、勝の手札にある《ボルシャック・バラフィオル》は腐ってしまった。
「私のターン。マナチャージして、3マナで呪文、《
「僕のターン。そっちが3枚ドローなら、こっちは3枚ドローの1ブーストだ!呪文、《
捲られたのは《ボルシャック・栄光・ルピア》、《ボルシャック・フォース・ドラゴン》、《ボルシャック・西南・ドラゴン》、すべて、《ボルシャック》である。
「ヨシッ!3ヒット!唱えた《決闘者・チャージャー》はマナに置いて、残った3マナで、《ボルシャック・フォース・ドラゴン》を召喚!《テスタ・ロッサ》を破壊!」
「流石に処理が早いわね……ってか、今気づいたけど、そのデッキ、《ボルシャック》多くない?」
「そういうふうに、デッキを組んだからね!ターンエンド!」
「流石です、勝先輩!早速、踏み倒しメタの《テスタ・ロッサ》を破壊しましたっ!」
「当たり前です。《ボルシャック》を使ったあの人がこの程度で、止まる訳ありません」
「ハッ!そうでなくちゃ、面白くねぇ!じゃなきゃ、オレが負けた意味がねぇ!」
咲恋と勝のデュエマが白熱する中、二人の対戦を観にきた、ひより、マリ、想の3人はそれぞれ感想を言う。
「あの、ここに俺が居て、大丈夫でしょうか?」
「何も問題ありません。貴方も、『ACE・デュエマ部』の部員の一人です。寧ろ、来なければ、損です。まぁ、私はどちらでも良かったのですが、秋乃様がどうしても、と、言うので、観に来ましたけど……」
「とかなんとか、本当はエリカも勝様が心配で来たのでしょう?」
「っ、そんなことはありません!私は……そう、咲恋様が勝たなければ、『ACE・デュエマ部』がなくなるので、それが心配で観に来ているのです。ただ、それだけです!」
観戦していたのはひより達だけでなく、翔、エリカ、秋乃も二人のデュエマを
いつも間にか、翔は『ACE・デュエマ部』に入部しているが、そこは気にしないでおこう。
「にしても、あの二人、デュエマしながら、普通に会話してるな。さては、仲良いのか?」
「咲恋様と勝様は同じ中学に通っていたんです。多分、その時の付き合いで、仲が良いんだと思います……」
不意に、想がそう疑問を述べ、マリがその疑問に答えた。
それを聞いた想は不思議にマリが何故、そんなことを知っているのか、疑問に思い、問いかけた。
「テメェ、一年の癖に、なんでそんなことを知ってるんだ?」
「同じ中学の後輩なので、知ってて、当然です」
雑に返答するマリ。それを見て、想は一瞬、イラつきを感じるが、秋乃とエリカがいるため、イライラを抑えた。
「あの、このデュエマ、どちらが勝つのでしょうか?」
「当然、勝先輩に決まってます!」
「どうでしょうね」
「ええ、咲恋様も、想に負けて以来、腕を磨いています。なので、場合によっては……」
(ハッ、馬鹿言ってんじゃねぇよ。オレに勝てねぇような女が、アイツに勝てるわけねぇだろ……!)
白熱したデュエルの中、咲恋の4ターン目が始まる。
互いに動きは順調。先に動いたものが勝利の
「ここが正念場ね、私のターン!マナチャージして、4マナで、《エヴォ・ルピア》を召喚!出た時の効果で、カードを1枚引いて、《エヴォ・ルピア》から進化できるコスト5以下のクリーチャーを場に出せる!」
「ッ、来るか、あのデッキの切り札が……!」
今から来る切り札に、勝は身を構える。
「
それは《正義星帝》がレクスターズの力に目覚め、鬼羅丸の力を借りた姿、《「正義星帝」〈鬼羅.Star〉》だった。
こちらの都合で続きます。
一応、次で決着します。