──数時間後。
「ハァ……ハァ……だぁぁ!クソッ!何でこんなクソ熱い日に走らなきゃならないんだッ!」
「無駄口叩く暇あったら、さっさと走れー!」
「うるせえ!そう思うなら、テメエから先に走りやがれ!」
「……お先に失礼します。早峰先輩」
「な!?火野、テメエ!先輩であるオレより前に走るんじゃねえ!」
「も……もう……限界……です……」
バタン、と、眼鏡君は倒れた。
それを見た速水先輩はすぐに眼鏡君を抱えて、道場の中に入っていった。
そんな中、僕と早峰先輩はまだ走っている。
理由は速水先輩から、道場の周りを20周走ってこいと言われた。
普通の人なら10周ぐらいで、根を上げるけど、僕は普段、体力不足にならないように、それなりに走っていたから、そこまでキツくないけど、普段走っていない早峰先輩と眼鏡君の二人はかなり参ってるみたいだ。
けど、それでも早峰先輩はまだ頑張って走っている。まだ11周しか走ってないけど。
眼鏡君は……まぁ、元々、体を動かすのが苦手だから、今ぐらいがちょうどいいだろう。
対して僕は、と言うと。
(そろそろキツくなってきたな……まぁ、後5周だし、もう少し頑張るか……)
そう思って、少し気合を入れて、僕は頑張って走り、先に速水先輩の課題をクリアした。
「ハァ……ハァ……やっと、15周目……後5周……!」
あ、早峰先輩、やっと15周に入ったんだ。
そう思っていると、道場から速水先輩が出てきた。
「?勝、もう走り切ったのか?」
「はい。結構キツいですね……」
「その割には余裕があるな?」
「ただの痩せ我慢ですよ」
「そうか……なんか聞きたいことあるか?」
「……誰の
僕はずっと気になっていたことを速水先輩に問いかけた。
理由は……色々あるけど、速水先輩は本来、“あの人”と一緒に海外でデュエマを広めたり、“とあるバイクレーサー”のメカニックを受け持っている。
そんな人が何故、日本にいるのか、疑問に思わないわけがない。
誰かの頼みで、日本に来ているしか、そう思えない。
「オイオイ、久しぶりに会って、それはないぜ?まぁ、そう思うのも無理はないけどよー」
「……」
やや呆れ気味に、話をはぐらかす速水先輩の態度に僕はほんの少しイラッと感じた。
気づけば、僕は速水先輩に睨んでいた。
「そう睨むなよ?折角、“可愛い顔”が台無しだぞ?」
「……燃やされたいんですか?」
「オー、怖い怖い。そういえば、お前、“可愛い”って言われるの嫌だったな?」
「わかってるなら、こっちの質問に答えてくれます?」
「わーたよ。ったく、
そう言って、速水先輩は指を指した。
指した場所は、このACE市で一番高い山、ACE山だ。
「あそこに、お前の求める答えがある。そこに行けば、ある程度のことはわかる」
「……なんか、またはぐらかされた気がするけど、わかりました」
そう言って、僕はACE山に向かおうとしたけど、速水先輩が「待った」と、僕の足を止めた。
「こんな熱い中、山道を歩くんだ。水分補給はしっかりとっておけ」
そう言って、速水先輩は僕にスポーツドリンクを渡してきた。
僕は無愛想に「ありがとうございます」と、お礼を言って、スポーツドリンクを片手に持って、今度こそ、ACE山に向かった。